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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
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ギルド『ヴェルテクス』

遂に──!?




「アテナ。今いいか?」


『どうしたんだ?お前から連絡とは珍しい』


「単刀直入に言う。俺のギルド入る?」


『入る。2人は?』


「入れたい。近くに居るか?」


『居る......入るってよ』


「OKだ。ロークスの冒険者ギルド集合な」


『了解』



リンカとミアを連れて城へ向かう最中、手早くアテナにギルド加入の連絡をした。


すると翔やピギーも入ってくれるようなので、『ギルドメンバーを集めよう大☆作☆戦』は大成功と言えるだろう。

ソル......メンバー増えたら喜ぶかな。



喜んでくれるといいな。



「よし。ソルに挨拶したら俺はまた手続きに行くから、2人は城でゆっくりしててくれ」


「分かったわ」


「分かりました」




敷地と歩道を繋ぐ門を開け、俺は城の玄関扉を開けた。




「ただいま〜」


「「お邪魔します」」



おや、今回は珍しい事に玄関の出待ちが無い。いつもはリルかメルが居るもんだが、遊んでるのかな。


そうして2人を城に入れ、リビングに入ったところで皆を見付けた。




どうやら何かを話し合っているようだ。




「──本当よ!本当に見たのよ!ルナが他の女を連れてる所を!しかも2人!」


「いいや嘘だね。私のルナ君がそんな事する訳ないもん。セレナちゃん、緊急招集はこういう時に使うんじゃないよ?」


「全くです。大体、父様は今、テスカちゃんの姿で冒険者やってますからね。そもそも父様の姿を見ること自体おかしいんですよ」


「うんうん。それにパパ、しょたいめんのひと、にがてだし」


「本当に見たのよ!あぁ、誰か他に目撃者は......あ、ルナが居るじゃない。ねぇルナ。ルナが他のおん......な............」



何やら、盛大な誤解をしている場面に遭遇した。



「ただいま。新しいギルドメンバー連れてきた」



ここで『誤解だ!俺はソル以外の女なんて......』と言うのは1番ダメな言動だ。

ここは最初にビシッと分かりやすい言葉を使い、誤解を解く事とこの先の展開を予想させる。




「え......ギルドメンバー?」



「どうしたセレナ。今更自分が大きな誤解をしている事に気付いたのか?」


「ほら〜!大体、ルナ君は言ってたもん。『ギルドメンバー欲し〜い!』って」


「うん。そんな風には言ってないね。ソルの脚色が強すぎるぞ」


「父様。本当にリンカさんとミアさんをギルドに?」


「あぁ。もう入れてある」


「だれ?」


「メルの新しい友達......に当たると思う語り人だ」



忙しいな。2人を紹介するのにどれだけ時間をかけるんだ。



俺は皆が座っている机から少し離れ、2人に自己紹介をさせた。




「えっと......リンカ、です。メンバーは2人だけと聞いていたのだけど、こんなに居るとは思わなくて......ビックリしました」


「ミアです。リンカの妹です。魔法が好きです。よろしくお願いします」



何故か下手に出るリンカと、中学生の自己紹介と思わせるような事を言うミア。確かに、メルやセレナ達の事は話忘れていたな。



「という訳でヘッドハンティングしてきた。2人ともかなりの実力者だから、何かをやらせたい時は分かりやすさ重視で教えてやれ」


「「は〜い」」


「分かりました」


「分かったわ。あ、イブキとアルスも呼んだ方が良かったかしら?」



今は女性陣だけで話した方が、親交も深まるだろう。

少し自由にさせてみたい。



「後で来るだろ。じゃ、俺はニヒルの手続きしてくるからまた後で」


「「「行ってらっしゃい」」」


「パパ、わたしもいく」


「メルは2人と話すのが嫌なのか?」


「いや」



「「「え?」」」



ちょっと待って。嘘でしょ?これ、その場凌ぎの『嫌』じゃないよな?割と本気で嫌がってる?



「と、取り敢えずメルは貰ってくわ。ちょっと5人で話しててくれ」


「うん。気を付けてね」


「あぁ。行ってくる」



俺はメルと手を繋いでリビングを後にした。


ギルドに向かう途中でメルにどうして『嫌』と答えたのか、それを聞こう。ギルド内のコミュニケーションは大事だと思うからな。


ちゃんと納得出来る方向へ進もう。




「メル。さっきはどうして嫌がったんだ?」


「あのきんぱつ、ねこかぶってた。ほんとうはあんなしゃべりかたじゃない。でしょ?」


「猫被ったと言うより、俺の説明不足で調子狂った感じだな。それと、メルの言う通り、リンカは敬語を使う人間じゃなかったな」


「ん。あのきんぱつがパパをだまそうとしたなら、メルはあのきんぱつがイヤ」


「逆なんだよなぁ」



俺がリンカを騙したんだがな。テスカとして。


まぁ、帰ってきたらリンカの敬語は取れてるだろうし、そこでメルと打ち解ける事が出来ると信じよう。




◇◇




「おっす。お待た」


「言うて待ってないぞ。さぁ、俺達もあの城に住まわせてくれや」


「はいはい」



冒険者ギルドに入ると、冬でも暑苦しい筋肉モリモリのアテナと、男の娘にジョブチェンジしている翔ことジョーカー。そして可愛さにステータスを全振りした衣装のピギーが待っていた。



「すみません。ギルド加入の手続きお願いします」


「わ、分かりました!......こ、今回ギルマスは......」


「あ、俺ですよ」


「い、いえ!そうじゃなくて!その......ランザさんのことでして......」


「あ〜!呼ばなくてもいいですよ。今日は俺のギルドに、そこの3人を入れるだけなので」


「あ、そうでしたかぁ。良かったぁ」



ロークスの受付嬢、俺との相性が抜群に悪いな。


俺が過去に何度も『ランザを呼べぇい!』『ランザはおらぬかぁ!』『ランザに伝えぇぇい!!』と言っているせいで、完全に恐怖の対象になっている。


ごめんね受付嬢さん。



「ねぇルナ。どうして僕達をギルドに誘ったの?」



俺が心の中で懺悔していると、後ろから翔が話しかけてきた。



「ギルド戦があるから、だな。どういう流れで進むのかは分からんが、お前らが居たら勝率爆上がりだろ?」


「あれか、なるほど。他にメンバーは?」


「FS世界1位と日本のキル2位」



「「「は?」」」



「決闘で勝ったからギルドにぶち込んだ。だから3人とも、仲良くしろよ」




「「「はぁぁぁぁぁあ!?!?」」」




建物が吹き飛びそうな程の音量で声を上げる3人に、俺は軽く笑ってから手続きを完了させた。




◇◇




「「ただいま」」



「おかえり!それといらっしゃい!」



「「「お邪魔しま......マジじゃん」」」



晴れてヴェルテクスのメンバーとなった3人をリビングに入れると、リンカ達の顔を見てドン引きしていた。



「リンカよ。久しぶりね?アテナとピギーと......あともう1人」


「ジョーカーだよ、お姉ちゃん」


「そう!ジョーカー!貴方、FSと見た目変えすぎでしょ。分からなかったわよ?」




良かった。リンカの調子は戻っていた。流石はソル達だ。コミュニケーション能力がとても高い。




「んじゃあ、改めて自己紹介しとくか。ギルドマスターのルナだ」


「ルナ君のお嫁さんのソルです......サブマスだよ!」


「リンカよ。この中では1番弱いけど、直ぐに強くなるわ」


「ミアです。これからよろしくお願いします」


「アテナだ。脳筋だ。よろしく」


「ジョーカーです。取り敢えずリンカ、後でタイマンね。僕を忘れる罪の重さを知るといい......」


「ピグレットだよ。FSじゃピギーだけど、どっちでもいい!よろしくね!」



「はい。以上1、2、3......7人がヴェルテクスのメンバーだ。急遽加入してくれた5人には感謝している。ありがとう」



俺は頭を下げて感謝を述べた。



「そしてこれからも宜しく。あ、取り敢えず今回は、ギルド戦の優勝を直近の目的として頑張ろう。リンカ達はレベリングに最適な狩場をアテナ達が教えてくれるだろうし、武器もまぁ......俺が作ろう。7人で楽しくいこうか」



「「「「「「お〜!」」」」」」



こうして、俺が武術大会で勝ち取った城は5人の住居となり、ギルド『ヴェルテクス』のギルドホームとして、ちゃんと機能するようになった。



ギルド戦。頑張ろう。




次回『星塔戦争』お楽しみに!

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