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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
321/492

神と恐れられた女

11章、翔タイムです(?)


簡易的な主要キャラまとめ

・ルナ

主人公。やれば出来るがやらない子。

・ソル

ヒロイン。思い立ったらやり遂げる子。

・リル

長女。最近成長期らしい。知らんけど(ソル調べ)

・メル

次女。のんびりドラゴン。龍核覚醒時は積極的。強い


使用人ズ


・フー

メイドよりも巫女服が似合うスタイル。魔法のプロ。

・シリカ

どんな事も殴って解決出来そう。戦闘のプロ。

・アルス

最近はルナに遊んでもらえなくて寂しい。虎。

・イブキ

1番マトモ。武器全般使える器用な執事。

・セレナ

1番ヤバイ。農園に入り浸る植物系の元女神。実は皆の生活を支える植物を育てている。





ここはプレイヤーが最初に訪れる街、イニティから遠く南へ行った先にある孤島。


その地には多くの虫型モンスターが生息しており、時にはそのモンスターを捕食する為に、巨大な鳥型モンスターもやってくる。


その島に現れるモンスターのレベルは、最低でも500。



現在の俺のレベルは、初期種族から数えて642。現在の種族で言えば、442だ。


そんなレベルでも一体倒すのに数分はかかる魔境の島は、現在はより魔境と化していた。



「来い!ラースドラゴン!」


『え、マジでいいんすか?』


「来い!ラースドラゴン!」


『あの、マスター?聞いてます?』


「来い!ラースドラゴン!」


『ッシャァァ!やってやりますよォ!!!『紫炎』!』




謎の大きな一軒家の建つ、島の中心から2キロメートル程離れた場所で、1体の黒龍と1人の人間が遊んでいた。




「パリィ!あっミスっ──」


『マスターァァァァ!!!!』




人間は全身を紫の炎で焼かれ、その体から赤い結晶を飛び散らせた。



「くっ......俺はもう、ダメみたいだ......アイン......すまない......ガクッ」


『マスタぁぁぁぁ............うわぁぁぁん!!』



大きな黒龍が泣いていると、付近の木の裏から銀色の狼獣人の少女が出てきた。



「もう、何やってるんですか?父様がアインさんくらいの攻撃で死ぬわけないでしょう?」


「まぁな」


『え、マスター?』


「はぁ。やっぱり俺に盾は向かんな。今の炎も、フーやシリカで斬った方が早いわ」


「それはダメですよ?ちゃんと練習しないと。最近の父様は弛んでいます」


「弛んでるって......そりゃ新居での生活が楽しいからだろ?誰にも邪魔されず、この広い海を見ながらモフるリルやソルと言ったら......そりゃあもう外に出んわ」


『「はぁ......」』




どうも。別荘の内装が整い、新しい農園の手入れに精を出しているルナです。


他にもソルやリルをモフる生活をしていたのですが、今日、遂にリルに怒られました。『外に出ろ』と。ハハッ!



「まぁ、弛んでるのは分かっている。明後日はクリスマスイヴだし、イベントもあるだろうからな」


「言い訳ですよ?それ」


「ごめん。取り敢えず外に出るか。アインは島の防衛頼むわ」


『任せてください!レベルも800を超えましたし、そろそろ僕も進化出来そうです!』


「へぇ、モンスターって進化するんだ。じゃあ進化したらまた遊ぼうぜ」


『はい!』


「ほら、父様!行きますよ!」


「はいはい」




俺はテレポートを使い、リルと一緒に城に来た。大きなギルドハウスだ。ヴェルテクスの本拠点とも言う。



「お、ルナ君。リルちゃんもおはよう。今日は外?」


「違「そうです母様。おはようございます」


「うん、おはよう。どこまで行くの?」



リルゥ!お前はなんて、なんて酷いことを!!こうなったら腹を括るしかないじゃないか!



「取り敢えずイニティですかね。父様には初心に帰ってもらいます」


「嘘だろ!?今の俺レベル1相当?」


「はい」


「まぁ、ここ数日戦闘してないからね。感覚を取り戻すなら良いんじゃない?」



ソルにまで言われたらどうする事も出来ない。あっ、どうせイニティに行くのなら、冒険者ギルドの仕様のチェックでもしようかな。



「分かったよ。ただ、イニティに行くならテスカになるぞ、俺」


「......」


「お、TSルナ君か〜。楽しんでね」


「あぁ」



リルが化け物を見る目で俺を見るが、そんな事は気にせずに反転の横笛を取り出し、ピーっと綺麗な音色を出した。


すると俺の体が光に包まれ、リルより少しだけ身長の低い、金髪銀眼のショートヘアのロリっ子になった。



「じゃあ、行ってきます」


「行ってらっしゃい。気を付けてね」


「あぁ......じゃなかった。うん!」



このロリっ子の時は『テスカトリポカ』略して『テスカ』と呼んでいるのだが、この時に男口調で喋ると色んな奴に怒られるんだよな。


特に、シリカとリルは厳しい。本物の女の子を演じないと、後ろから殺気が飛んでくる。



「リル、行くよ」


「は、はい!」



俺はリルと手を繋ぎ、イニティの最も人が多いとされる『語りの広場』へ来た。


大きな噴水とユニークな噴水のある、綺麗な芝生の広場だ。



「さて、初心に帰るという事は冒険者登録からだな?」


「テスカちゃん」


「......登録から、だよね?」


「はい。スパーダさんに会うのも久しぶりですね」



そう言えばそうだな。最後にスパーダさんと会ったのはいつだったか......まぁ、今回は出会わないと思うけど。




「いらっしゃいませ!冒険者ギルドへようこそ!」




おぉ、今回は運良くレイナさんが担当になった。この人とは何かと縁があるな。




「こんにちは。私の登録をしたいのですけど、いいですか?」


「あら、こんにちは。えっと......ん?リルちゃん?」


「はい。こんにちはレイナさん。今回はテスカちゃんの登録に来ました」


「テスカ......えっと、もしかしてルナさんの......」



マズイ。かなりマズイ。何が『運良くレイナさんが担当だ』だよ。1番良くない担当者だよ。


何が悲しくて友達にこの姿で関わらなきゃならんのだ。



「テスカちゃんは私の妹です」


「あぁ!という事は、3人目ですか?」


「そうなりますね」



ちょっとリルさん?貴女なに勝手な事言ってんですか。


確かに顔は似てる(同じ)だし、性格も似てる(同じ)だから子どもを名乗れるかもしれんが、それはバレた時の周囲の目が恐ろしすぎる。


だが、もう言ってしまった以上は変えられない。受け入れよう。



......嫌だ!受け入れたくな「よろしくお願いしますね、テスカちゃん。私はレイナと言います」


「あ、はい。テスカトリポカです。テストでポカンとか、手羽先ポンカンとか言われますが、テスカです」


「ふふっ、大丈夫です。私は間違えませんよ」



優しい。その優しさだけで作物が育てられるぞ。



それからは、ギルドカードの2枚目を受け取り、フェルさんやタルさんの店を紹介され、最後に簡単な依頼を教えてくれた。



「薬草採取だって、リル。私達でやろうか」


「そうですね。でも......」


「うん......」



「「手が届かない」」



俺達は今、依頼の貼られているボードの前に居るのだが、如何せん身長が低く、紙に手が届かない。


人気の依頼はここに貼り出され、分かり易くするのは助かるが、出来れば低身長の人用に台を置いて欲しいものだ。



「テスカちゃん。魔法はダメですよ」


「分かってるよ」



流石にギルド内で魔法を使うのは不味いので、ピョンピョン飛び跳ねて依頼書に手を伸ばす。



「ん〜!ん〜!ん〜〜〜〜!!」



何度目かのジャンプで手が届きそうになった瞬間、後ろから伸びる手に依頼書が剥ぎ取られた。



「「あっ」」


「君、これが取りたかったんでしょ?はい、どうぞ」


「あ、ありがとうございます」



軽くしゃがみ込んで俺に依頼書を渡してくれたのは、金髪碧眼の、如何にもラブコメのヒロインをしてそうな顔立ちをしている美人なお姉さんだった。



「君、初心者?」


「えっと、はい。さっき登録しました」



嘘ではない。冒険者ランクを見れば、本当に初心者と変わらないからな。



「あら、そうなの!ねぇ、お姉さんとパーティ組まない?お姉さんも最近始めたばっかでねぇ、ちょっと人手が足りないのよ」


「い、いえ。流石にパーティは......」



『嫌です』そう断ろうとしたら、リルから念話が飛んできた。



『父様。ここは組むのも手ですよ。今まで父様は知らない人とパーティを組んだ経験が少ないでしょう?』


『いや、一応ルミの時にカラーズと組んだぞ』


『最初から殆ど友達みたいたものじゃないですか!

もう、本当に何も知らない人と組んだことは無いでしょう?』


『まぁな』


『これも1つの経験です。初心に帰るには持ってこいですよ』



どうしたんだリル。今日はやけに先導するじゃないか。ひょっとして、お姉ちゃんポジを狙っているのだろうか。


テスカトリポカのお姉ちゃん面をしても、何も得は無いのに......



「い、いいんですか?」


「えぇ。勿論よ。私ともう1人女の子が居るのだけれど、大丈夫かしら?」


「男の人は居ないのですか?」


「居ないわね。これから捕まえようと思っているのだけれど、中々見付からなくてねぇ。ちょっと気分転換に君達をヘッドハントしたの」



ヘッドハント?FSのドタマぶち抜きモードの事か?


いや違うわ。普通に街中で捕まえるアレか。



「えっと、よろしくお願いします。私はテスカで、こっちはリルです」


「よろしくお願いします」




「えぇ、よろしくね。私は『リンカ』って言ってね、ちょっとしたゲームで世界1位になった事があるの」




その言葉を聞いた瞬間、俺の頭には1つの単語が出てきた。



『神』だ。



FS世界ランキング1位、プレイヤーネーム【Rinka】


出会えば10秒で5人は殺られると言われる、FSで有名なプレイヤーの1人だ。



リンカの姿を見て生きて帰った者はいない。

リンカに勝利しても、生きて帰った者はいない。

最強で最恐のFPSの神と恐れられた女。



そんな書き込みが有名になるほど強いプレイヤーだ。

何の因果か知らんが、まさかユアストで出会うとは。



ちなみに俺は、FSで1度もリンカに出会った事は無い。

基本的に活動時間が違ったり、そもそもリンカと出会う前にどちらかが死んでいるからな。




っと、そんな事を考えている場合じゃない。対応しないと。




「す、凄いですね」


「うふふ、ありがと。じゃあ行こっか!薬草採取のレクチャーしてあげる」





何故だ。何故FS世界一のプレイヤーに、ユアストで薬草採取のレクチャーを受けるのか。これが全く分からない。


取り敢えずでいい。今の状況を飲み込み、記憶を消し、ただの初心者プレイヤー『テスカ』を演じよう。それしか道がない。

初っ端からアクセル全開で行きますよ!


そして10章もちょこちょこ修正していきます!



次回『中途半端に見え隠れ』お楽しみに!

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