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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第10章 穏やかな日々
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魔王の子どもになりたい勇者より

一応、今回で10章が終わると思い込んでいます。


本当に終わらせるかどうかは未来のゆずあめさんが決めるので、現在世界を行くゆずあめさんには分かりません。



 



「よし! それじゃあ私、お風呂に突撃してくるから、田中君は先に寝てて!」


「......マジで行くのか?」


「勿論。田中君も恋人が居れば分かるよ。お風呂に突撃したくなるこの気持ちが」




 俺が風呂から上がり、次に月斗が入っている最中。鈴原が突撃すると言った。


 俺には何が起きるか想像出来てしまうが故に、敢えて想像しないように思考を転換しないとならん。



「じ、じゃあ寝るわ」


「うん。部屋は月斗君の横の部屋ね」


「おう」



 場所も部屋の中も既に見た。後は寝るだけなんだワ。



 よし。頑張れ田中正樹。お前は純粋だ!













「眠れねェ......!!!」



 寝れるわけねぇだろうがよォ!今頃2人、風呂でナニしてると思ってんだこんちくしょう!!!



 田『緊急事態です』


 山『どうされたし』


 田『魔王夫妻が共に風呂に入りました。現在ベッドに寝転がっている勇者、全く眠れません』


 山『マジで一緒に風呂入ってんのか。なんかヤベェな』


 早『実況したら命は無いと思え。実況しろ』


 田『何としても死刑にしたい早川を俺はユルサナイ』


 山『実況したら命は無いと思え。実況しろ』


 田『真の敵は自軍にしたようだ。勇者パーティから追放された勇者、魔王の子どもに転生する』


 早『田中君のデビュー作かな?』


 田『俺、生まれ変わるならあの2人の子どもになりたい。あの2人の元なら、絶対に幸せに生きていけるわ』


 山『2人は高校生なんだがその辺はどうお考えで?』


 田『るっせぇ!アイツらが喋り出すとバリア張るんだぞ!?あの中に入るには、アイツらの子どもになる以外選択肢がねぇだるるるぉぉぉん?』


 早『重症患者じゃん。明日まで生きれる?』


 田『無理ぽ......』


 田『あ、魔王出てきた。報告は以上です』


 山・早『グッドラック』




 俺が2人に生存報告をしていると、ペタペタと足音が聞こえてきた。いや、片方がドタドタと倒れそうな音か?




「ね〜え〜月斗くぅ〜ん」


「普通に歩け! 歩きづらいわ!」


「だって月斗君が立てなくするから......」



 はぇ?



「自分の精神管理が出来なくて一瞬でのぼせたのは、どう考えても陽菜のせいなんだよなぁ」



 セイシンカンリ?



「仕方ないじゃん! 見えるものは見えるんだから!」


「見に来た人間が言う事じゃねぇな。これで昨日は隠してあげた俺の優しさが伝わったか?」


「はい。私はまだまだお子ちゃまでした」


「よろしい」



 ユウシャマサキ、ナニモシラナイ。ナニモキイテナイ。



「ん〜でも本当に普通に歩けないかも。おんぶして」


「はいはい。あまりうるさくするなよ? 正樹に迷惑かかるぞ」


「は〜い」



 ごめん。うるさくなくても俺に影響出てるんだわ。ごめん。もう俺、この2人が支配する空間で寝れねぇんだわ。






 ◇深夜3時◇






 田『オールです。2人の会話を聞いたので眠れません』


 早『頑張って耐えて』


 田『ダメだ。鈴原の腰を抜かした月斗の話を聞いて、もうダメだ』


 早『えっ、えっ、えっ』


 早『やったの?』


 田『やってないみたい。だけど見たって言ってた。僕もうダメです』


 早『お疲れ様でした。骨は拾ってあげるよ。初心な勇者君』


 田『初心でゴメンネェ!つーかよくこんな時間に起きてんな早川』


 早『深夜3時は活動時間だからね』


 田『おかしい。学校で眠くならんのか?』


 早『ならない。こうやって仕事してるだけで楽しいし、学校もそこまでつまらない訳じゃないし』


 田『仕事とは』


 早『言わないよ。あ、でも月見里君と陽菜ちゃんは知ってるね。月見里くんの方が私との付き合い長いから、どんな活動かはよ〜く知ってる』


 田『付き合い......長い?え?』


 早『交際じゃないよ。バカかな?私と月見里君は高校に入る前から知り合いなの。それで、私の仕事も知ってるって感じ』


 田『なるほどな。一瞬月斗がヤベー奴かと思ったわ』


 早『そんな人間が、あの陽菜ちゃんに好かれるとは思わないなぁ』


 田『あのって、鈴原は何かあったのか?』


 早『お、知らないクチか。陽菜ちゃんはねぇ、1年生の時に告られまくったんだよ』


 田『マジ?』


 早『マジ。その全てをクッソ冷たい言葉でぶった斬ってたから、女子は殆ど知ってるね。ほら、野球部の広瀬とか、テニス部の林とか、田中君も知ってるっしょ?』


 田『えっ、アイツら鈴原に告ってたんか。バリバリのイケメン野郎じゃねぇか』


 早『そそ。でも陽菜ちゃんは全部断ち切った。理由は分かるでしょ?』


 田『月斗か』


 早『イェス。まぁ、それは2年になって分かった事なんだけどね。1年の時は『謎に全部冷たく断る女』ってイメージだった』


 田『へぇ〜。初めて知ったわ。俺そん時部活で忙しかったしな』


 早『ま、そんな訳ですよ。その陽菜ちゃんが、浮気するような奴を好きになるとは思えんと。人を見る力は十分にあるはずだしね、陽菜ちゃんは』


 田『女子の情報網凄いな』


 早『陽菜ちゃんの事は学年単位で有名だけどね』


 田『俺の情報網、ちっさ』


 早『はは!』


 田『その返信が僕の魂を引き裂くんだ』


 早『ははは!』


 田『泣いた』


 田『なんだろう。頑張って寝るわ』


 早『そっか。おやすみ』


 田『おやすみ侍』






 人を見る目のある人間は、相手の内側を見て判断する。


 最初から鈴原は月斗が好きだから断っていたが、例え月斗の事が好きでなくても、学校の男子からの告白は全部断っていたのだろう。


 将来のことも考えない、一時の幸せの為の交際より、月斗の様な、結婚やその先の事を考えられる人間との交際を選ぶんだろうな。



 高校生が考える事では無いと思うが、進学や就職するに当たって、先を見る力は必要と考える。


 俺も月斗を見習い、先の事を考えられる人間になろう。


 




 ◇◇







「正樹、起きろ」


「......あ、朝か」


「朝ごはん作ってるから、顔洗ってこい」


「あい」




 朝、月斗に起こされ、俺の魔王城潜入計画は終了した。


 ここでは様々な経験を得た。早川からも情報を貰い、俺の人生に役立ちそうな考え方もゲット出来た。



「よし。これからも頑張ろう」


「頑張れ」




「おうよ!」




 俺は田中正樹、17歳。少々優しい......甘い気もする友達を持つ、普通の高校生だ。


 俺の信条は『友達を信じる』事だ!


 故に、信じる友を尊敬し、目標とする!



 俺もいつか、月斗や鈴原の様な人間になりたいぜ!

正樹。流石にあの2人は辞めておきなさい。ある意味執着心が強い2人を参考にすると、何かに縛られる人生を歩む事になるぞ.....。



では次回『神と恐れられた女』ですの。よろしくお願いしますわ。オーホッホッホ!

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