表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第2章 アップデートと仲間
32/492

その銀狼、満月に笑う 5

魔法ですね!ソルは失敗しましたが、ルナ君はどうでしょう?

 



 狩りを始めて2時間ほど経って更なるゴブリンを探していた時。



「そういや魔法使ってねぇな」



 魔法の存在を思い出した。



「いや〜矢を回収するのに便利だ〜って話したのにすっかり抜けてた」



 一昨日のトレント戦で入手した『木魔法』今は『蔦』しか扱えない魔法だ。



「蔦か......エルフとかが使う魔法のイメージがあるな」



 昔見てたアニメでエルフのキャラが魔法で蔦を操って敵を拘束してた。



 あっ!!!!



「試してみるか。拘束」



 気づかなかった。いや、気づけなかった。蔦に関する知識やイメージが曖昧すぎて、何が出来るかほとんど考えられなかった。





「ゴブリン! 数2! 少ない!」



 けどいい。魔法の練習だ。


 木に隠れて魔法をイメージする。



「よし、蔦が伸びて相手の足に絡みつく、そこから後ろに引っ張って転ばす」



 思いっきり口に出てるが、1人だからいい。



「やるぞ、『蔦よ』!」



 今回は強くイメージをしたからだろうか、あの時矢を回収したように、直ぐには発動しなかった。


 そして3秒ほどたつと、蔦が1本出てきた。

 この蔦、にょろにょろ動いて可愛いな。




「よし、頑張れ蔦ちゃん!」



 蔦を応援した。大丈夫! 君ならできる!


 そして蔦はゴブリンの足に絡みつき、後ろに引っ張るが転ばすことは出来なかった。



「あぁ! 蔦ちゃん!! 頑張れ!」



 影から応援するが、転ばすことは出来なかった。やがて、



『グギャ? グギャ!』



 と、ようやく足に絡みついてる蔦に気づいたゴブリンが、蔦を錆びた剣で叩き切った。



「あぁ! 俺の蔦ちゃん!! ゴブリン許さねぇ!」



 でも今は倒さない。俺の事はバレてないし、今は蔦ちゃんがどうして転ばすことが出来なかったか考えたいからだ。



「ふむ。考えるに3つかな?」



 理由はある。


 まず、1つ目。これは俺のINTの値が低いということ。魔法はINTによって威力が変わると、ステータスに書いてあった。俺のINTの値は440。SPを一切振ってないからな。これは一般的には低いだろう。


 そして2つ目。それは数だ。今、俺は1本だけ出したが、複数ならどうだろうか。消費MPは30、最大MPが520だから、17本までは一気にだせる。そしてそれだけ束になれば、力が増す。それなら転ばす事は出来るんじゃないだろうか。


 最後に、3つ目。これはそもそも、今の魔法は『転ばす』ことが出来ないということ。あの『蔦よ』の魔法は蔦を出し、小さな物なら絡みついて持ってくることができる。

 だが、ゴブリンなどの生き物や、今のとこ確認していないが、矢より大きな物が運べないという事なら、話が変わってくる。この魔法は距離でしか消費MPが変わらない。つまり、1本あたりの強度を上げることができないということだ。2つ目のように束にすることで、出来るのかもしれないが、消費MPが多すぎるのだ。




 なら──




「なら作るか。魔法を」



 そうと決まれば後は早い。が、



 その前に......



「じゃあな、ゴブリン。蔦ちゃんの仇だ」



 そう言って近づき、剣で一閃した。





「よし、やるぞ!」



 魔法の作成に必要なのは知っている。あとは実行するだけ。



「魔法の発動結果をイメージ。それは『茨』、棘があり、刺さるとダメージを受ける蔦。魔法発動速度をイメージ。歩く程度の早さでいい。次、最大MPは知らん。スキルレベルも知らん。魔法の名前は......『ソーンバインド』!」



 最後に魔法名を唱えると、目の前に魔法陣が出て来た。色は濃い緑で、5重の円だ。円にはそれぞれ何かが書いてあるが、読めない。


 多分これらは魔法作成に必要なイメージとか、スキルレベルとかなのかな?そんな気がする。


 すると、それぞれの円が回転し、『カチッ』『カチッ』と音を立てて止まっていく。なんかパズルのピースが嵌るみたいで、気持ちがいい。

 そして外側から4つ目の円がハマり、最後は『スカッ』と音を立てて止まった。なんか足りないのかな?そんなイメージを与える音だ。



 そして完成した魔法陣から棘の生えた蔦が出てきた。


 だが、そこでかなり激しい倦怠感がした。




「あぁ......これがMP切れか。めちゃしんどい......」




 もう、フラッフラだ。そんな状態になっていると、ウィンドウが出てきた。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『木魔法』『ソーンバインド(消費MP:400)』を作成しました。

 習得しますか?

『はい』 『いいえ』

 ━━━━━━━━━━━━━━━


 と書いてあった。



「『いいえ』だな。最後の音が気になる......」



 そして『いいえ』を押すとウィンドウと一緒に魔法陣と蔦も消えた。



「お~い、マナポはどこだ〜」



 とりあえずMPを回復させよう。ソルとマサキと合流する前に買ったやつがある。1つで100MP回復する。あの時は15本買って3人で5本ずつだから、俺の手持ちは5本だ。



「しゃーない。全放出だな」



 そう言ってマナポーションを5本飲んだ。



「うん、不味くもなく美味くもねぇな。マサキの感想が分かる。回復ポーションも同じなんだろうな。これ」



 マサキの感想はピッタリだったな。薬の味なのに苦く無いから飲めないことは無い。だが、薬の味だから美味くない。



「よし、実験だ。最後の円を綺麗に嵌めたいな」



 またイメージする。内容はさっきと同じだ、だが最後の『魔法の名前』を変えてみる。まずはそこからだな。



「最初の魔法が『蔦よ』で次が『ソーンバインド』とか、なんか気持ち悪いよな」



 魔法の完成系をパズルとするなら、『ソーンバインド』の名前は綺麗に嵌らない。





「イメージできた。名前は......『茨よ』!」



 そう唱えると、また濃い緑の魔法陣が出てきた。



 そしたまた、4つ目の円まで『カチッ』と音が鳴って止まり、最後の円。




『カチッ』




「来たぁぁ!!!」



 気持ちいい!! 1発で成功した! 『よ』のパワーすげぇ!!


 そして魔法陣完成し、目の前に棘の生えた蔦が出てきた。


 倦怠感や目眩などは無かった。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『木魔法』『茨よ(消費MP:50)』を作成しました。

 習得しますか?

 ━━━━━━━━━━━━━━━


 と出た。



「もちろん『はい』だ!」



 すると


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『木魔法』『茨よ(消費MP:50)』を習得しました。


『木魔法』スキルレベルが10上がりました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「へぇ、魔法を作ってもスキルレベルが上がるのか」



 これはいい事を知った。明確なイメージ、最大MP、適切なスキルレベル、適切な名前があるとスキルレベルが上げ放題だ。




 ......うん、無理だ。だって『木魔法』を理解してないもん。イメージもそこそこ難しいし、最大MPは少ないし、スキルレベルは......まぁ、使ってたら上がるな。名前も大体雰囲気を掴んだが、不安だな。



「まぁ、これで出来ることが増えた。後でソルに見せよう」



 あと1時間くらいで昼だから、そこでだな。




 それから1時間、魔法を使った狩りを試した。








「やべぇ。魔法、便利すぎる」

ソルはどんな反応をするのか、楽しみですね!

そしてルナ君、魔法の便利さを知ってしまう...

MPにSPを振らないから、レベリングでしか上がらないMPにキレそうですね。SPを振るという解決策はあるのに...


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ