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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第10章 穏やかな日々
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半月はやがて満月となる

この話が投稿されている時、きっとゆずあめは寝ているでしょう。


だってあの柑橘類、音ゲーのストーリーを読んで寝れなくなってるらしいから。



そして、間違えて夜中に投稿した事も、言わなければ誰にもバレないでしょう。ふふふ

 


「仲直り......しませんか?」



 俺の左手を掴む力にギュッと力が入る。



「ダメだな。仲直りしようと言って仲直りするのは、友達くらいだろう」


「じゃ、じゃあどうすれば良いのでしょう......」


「簡単だ」



 俺は右手のステラを仕舞ってから膝立ちになり、リルと同じ目線になって抱きしめた。




「......ごめん。俺の配慮が足りなかった」


「......いえ、私の方こそ1人で勝手に怒っちゃいました。ごめんなさい」




 簡単な話だ。同じ目線になって謝れば良かったんだ。



 互いに目を合わせて言葉を交わす......こんな簡単なことも出来なかったと考えると、俺の考えの狭さがよく分かる。

 きっと、他の物事に於いても狭い視野で見ているに違いない。



 俺はリルの頭を優しく撫でると、リルは銀色の綺麗な耳を俺の胸に押し付けてきた。



「帰ったらブラッシングしてください。私、父様のブラッシングが1番好きです」


「いいぞ。気が済むまで綺麗にしてやろう」


「それから、一緒に寝ましょう。1人で寝たくありません」


「いつものだな」


「あと、一緒にお買い物に行きたいです。本当は今日行きたかったのですが、父様はアクセサリーをお作りになられていたので......」


「それはリグナさんにアクセサリーを渡した後になるが、それでもいいか?」


「はい。約束ですよ? 破ったら怒りますからね?」


「あぁ。全ての予定をキャンセルしてでも一緒に買い物に行こう」


「ふふっ、嘘です。ちゃんと父様の時間がある時に行きましょう」



 上目遣いでイタズラに成功した子供の様な笑みを浮かべる顔は、ソルにそっくりだった。



「じゃあ、あのフェンリルを倒そうか。いや、犬か」


「まぁ、分類はフェンリルですからフェンリルでしょう。では、私は私の力を示します」


「あぁ、行ってらっしゃい。『鼓舞の光』」


「行ってきます」



 キリッと顔を引き締め、リルはフェンリルの方へと歩いて行った。



「狼さん。父様の言った事は全て事実です。本当のフェンリルは私だけです」


『ハッ、何を言うかと思えばそんな「原初の天狼」..................う、嘘だ』



 原初の天狼? なんやそれ。俺知らないんだけど。



「本当ですよ。ステータスもスキルも、あなたとは比較になりません」


『嘘だ、そんな話ある訳ない。原初の天狼なぞ、とっくの昔に滅びて......』




「私の話を信じるかどうかは狼さん次第なのでどうでもいいです。ただ、私は真実を告げます。私は原初の天狼、フェンリルのリルです。父様の娘であり、長女の幻獣狼人族です」




 な、何だろう。あのフェンリルの狼狽えようから見るに、リルって実は凄いフェンリルだったのか?


 原初の天狼......言葉の意味を考えるなら、1番最初のフェンリルという事か?


 っていうかフェンリルって幻獣狼じゃないのか?

 天狼なんて呼び方、今初めて聞いたぞ。後でセレナに聞いておくか。




「うん、原初の天狼......めちゃくちゃカッコイイな」




「えへへ、褒められちゃいました」



 リルが両手を頬に手を当てて、全身で喜びを表現している



『いや、お前は自分を原初の天狼だと思い込んでいるただのフェンリルだな?』


「はて? 何を思ってそう言ったのかは知りませんが......あなた、フェンリルなら喋ってないで攻撃してきては?」


『......』


「私が父様と出会った時は、戦いながらおしゃべりしたんですがねぇ......そんな技術も無いとは、残念です」



 あ、あのリルが相手を煽っている!?


 この場面を他の誰かが見たら、きっと『うわ、ルナの悪いとこ受け継いでる』って言うだろうな。つらい。


 でも、特殊な人は『ケモ耳ロリに煽られて幸せを感じる』とか言うんだろうな。つらい。



 リル、語り人とは戦わないようにな......頼むぞ。




『......『月魔法:月華』!』



 あ、花弁攻撃だ。宵斬桜も似たような技を持ってたなぁ。


 ん? ちょっと待って。なんかこっちに飛んで来てね?



「父様狙いですか。『月魔法:弄月』」



 一瞬ドキッとしたが、リルが魔法を使った瞬間に、全ての攻撃がリルの方へと方向転換して行った。



「『月魔法:朧月』」



 敵の攻撃が当たる直前にリルは消え、2秒間程経った後にリルは戻り、攻撃を華麗にやり過ごした。



「凄いな。知らない月魔法がいっぱいだ」


「えへへ、実は他にも使えるんですよ? レベルアップで沢山覚えましたから」


「そうなのか。全く知らなかった」



 リルのレベルが大幅に上がっている事は知っていた。ララバジ先輩を倒したり、狩りという名の殲滅活動をしていたから結構な量の経験値を稼いでいることを。


 だが、使える魔法が増えている事は知らなかった。


 ......もっとリルの事を見てあげないとな。






「さて、そろそろ帰らないと母様に怒られます......合わせる顔はありませんけどね」




『フンッ!『月魔法:月桂樹』』


 


「さようならです。『月魔法:神月』」



 敵の生み出した真っ白な木がリルを襲うが、リルの両手から出した魔法陣の光が弾け、木諸共フェンリルを爆破した。



『ア......ガッ............ホン...モノ......』



 最後にリルが原初の天狼であることを仄めかす様な台詞を吐いて、敵のフェンリルはポリゴンとなって散った。



「ふぅ。やりました! 父様!」




 俺の方へ笑顔で走り、思いっきり抱きついてきた。



「お疲れ様。カッコよかったぞ」


「えへへ〜!」



 あ〜可愛い。こんなにも可愛い子を怒らせるとは、俺はバカだなぁ。


 モフモフで可愛くて、普段の笑顔はソルにそっくりで、モフモフなのもそっくりで、強くて素敵でモフモフで......最高である。



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『幻獣狼:フェンリル』を討伐しました。

『幻獣狼の爪』×3入手しました。

『幻獣狼の眼』×1入手しました。


 称号『八つ当たり』を獲得しました。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「えっ......」


「どうしましたか?」



 何か、酷い物がウィンドウに出ている気がする。これは良い称号か悪い称号か......確認しないのも手だが、それは嫌だし......はぁ。



「ちょっと待ってな」



 俺は新しく獲得した称号を確認した。



 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『八つ当たり』

 ・効果なし


 生物に過度な八つ当たりをする事で獲得。

 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「リル、これ見てみ」


「はい? え〜と、八つ当たり......ふふっ、あの狼さんへの行動が八つ当たり......ふふふっ!」


「八つ当たりなのは理解していたけど、まさか称号を貰うなんてなぁ。俺、行動に気を付けないと変な称号がどんどん増えていく」



 そのうち『変な称号コレクター』とか言う、変な称号を獲得しそうだ。


 流石に『変な』は嫌だから、これからの言動や行動に気を付けないと。



「さぁ、帰りましょう。あ、母様に謝りたいので、父様も一緒に来てくれますか?」


「ん〜?いいぞ。ちゃんと聞いてもらえるようにしないとだしな」


「はい!」



 おっと、帰る前に1つだけ聞きたい事があったんだった。



「それはそうと、何でリルはここに来たんだ?

 俺は色々と考えている最中に、泣きそうになったから逃げて来たんだが......」


「私もです。あのまま塞ぎ込んでいたら、父様や母様だけでなく、メルちゃんやフーさんにまで迷惑をかけると思ったので、色々と考える為に来ました」


「そうか」




 俺は逃げたが、リルは前に進む為に来ていたのか。

 そう考えると、俺の浅はかさが伺えるな。もっと深く物事を捉え、より良い選択を取らないといけないのに......




「前向きに生きないとな。よし、帰ろう」


「はい」


「よいしょっ、と。『転移』」


 


 リルを抱っこして、俺は家へと転移した。

また改稿フィーバーをしたいのですが、10章の改稿を先にしちゃおうかなと思います。


読みやすくなってる事を祈ります.....。



次回『家より高価な豪華な効果』お楽しみに!


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