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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第10章 穏やかな日々
300/492

帰ってきた銀髪さん

300話ですって。そんなに書いてる自覚はありませんが、数字が示してきました。


記念に何かをやろうと思っていましたが、時間があっという間に過ぎて何も思い付きませんでした。残念。


もう何もしなくていいかなと思いましたが、番外編の方でFSについての話とかやれたらいいな、と前書きを書いてて思いましたので書いてきます。


これからも宜しくお願いします( ˆᴘˆ )

 


「主。もう帰りましょう。そしてソル様に叱られましょう。このままでは全てに於いて、効率が落ちます」



 ここはエルフ領・サクリスの先にある森の中にある、サタンがボスのダンジョン、『憤怒の調べ』の第3階層。


 そこで俺は、アルスに羽交い締めで拘束されていた。



 理由はアルスも言っていた通り、もう帰ろうという話になったからだ。



「嫌だ! 俺は最速テイムを諦めんぞ!」


「いえ、そういう効率では......はぁ」



 アルスとテイムの旅に出てからゲーム内で18日。リアルでは1週間が経ち、また土曜日になっている。


 こんなにも長期間家に帰らずに何をしているのかといえば、依然としてテイムをしていた。



 現在のテイムモンスターの数は、リル達を抜いて85。



 種族別に分けると、ロックゴーレムが15体。アースモールが5体。イビルゴブリンが20体。

 火、水、風、土、雷、氷のドラゴンがオスとメスを1体ずつ、合わせて12体。


 それからオークが8体に、モスマンモスが10体。



 そして最後。黒龍こと、ラースドラゴンが15体。



 俺はこの1週間、どのプレイヤーよりも苦しい戦いをしていたであろう。


 黒龍の真っ黒な即死ブレスや、魔法を弾く効果に素のVITの高さ......1体のテイムに、軽く10時間はかかっている。

 テイムの為に手加減をしながら戦うと、終盤になるにつれ、どんどん時間がかかる。


 しんどいね。



 いや、うん。テイムに苦労したの、初日を除けばラースドラゴンだけなんだよね。後はこう、チャチャッと群れを乗っ取ったからさ。



 お陰でテイムスキルは92まで上がったし、念話がログとして残る機能が追加されて、テイムモンスターとの交流が取りやすくなっている。


 まぁ、ログ機能は使ってないんだけど。テイムモンスターの1人ずつ設定していくのは、流石にしんどい。




「主。流石に我も限界です。1度帰って休みましょう。

 ......ほら、主に1番懐いている『ヒカリ』もそう言ってるじゃないですか」


『帰ろ! 帰ろ! 主の家に行く!』



 ヒカリはライトニングドラゴンのメスの個体だな。


 珍しく沢山の種類のドラゴンが飛んでいる群れを見付けたから、そこを俺が襲っ......テイムしに行った時に拾った子だ。



「え〜、あとラースドラゴン5体......ダメ?」



「ダメです。主は以前、『ドラゴンは微妙』と言っていたではありませんか。それに、そこまで大量にテイムするメリットが無いのは明白じゃないですか」


「だってさぁ、カッコイイんだもん。ドラゴン艦隊とかロマンあるじゃん」


「ロマンはあるでしょうが、限度を弁えて下さい。このままではソル様に呆れられるどころか、嫌われてしまいますよ?」


「んぐっ......」



 流石にそこまで言われてしまえば俺も前に出れない。


 昨日、晩ご飯の時に陽菜も早く会いたいと言っていたし、もう帰ろうかな。


 島を取った報告も随分前に来ていたし、そろそろ本格的に開拓作業に入らなければ、年内に家が完成しないだろう。




「分かった。帰る」




「ほっ......では転移をお願いします」


『しま〜す!』


「はいよ。『転移』って出られねぇじゃねぇか!」



 俺が帰ることに安堵したアルスが拘束を解いたが、このダンジョンは途中抜けが出来ない仕様だった。


 ってな訳で、2度目のサタンと死闘を繰り広げてから家に帰った。

 ちなみに宝箱の中身は高純度な宝石の詰め合わせセットだった。残念。




『すご〜い! ここが主の巣〜? お城〜?』


「城だ。取り敢えずヒカリは戻りな」


『うん!』



 ヒカリは懐いていたという事と、単純にブレスが強力なので外に出していたが、流石に街中で出す訳にはいかないからな。


 そうしてヒカリを光に戻してから扉を開けると、リルとメルが玄関でスタンバっていた。



 あ! ヒカリを光......いや、余計な思考は捨てよう。




「ただいま。リル、メル」


「おかえりなさい。父様」


「おかえりパパ」



 2人のタックルを優しく受け止め、サラサラな髪を撫でて温もりを感じているとシリカが玄関にやって来た。



「あ〜! お兄さんやっと帰ってきた〜! もう帰ってこないんじゃないかと心配してたよ〜!」


「いや、そんなに空けて......いや、空けてたな」



 リアルで1週間という事は、ゲーム内では8週間だ。

 2ヶ月に相当する時間を空けていたんだから、帰ってこないと思われていでも仕方がないか。


 それに、テイム期間中に顕現を使わなかったのも原因の1つだろう。


 俺、かなり人間としてやばい道を歩んでいたかもしれん。



「ごめん。ただいま」


「おかえり! 狐ちゃんは買い物中だから、すぐ帰ってくると思うよ!」


「分かった」



 俺はリルとメルを抱きかかえ、シリカを先頭にしてリビングに入った。



「おぉ、ルナ様。おかえりなさいませ。アルスも無事で何よりです」


「イブキ、ただいま。アルスにボコボコにされたから帰ってきた」


「ちょっ、主!? 我は主を思って止めただけです! それにボコボコになど「アルス?少々話があります」......うぅ」



 そうして半泣きで連れて行かれたアルスを横目に俺は2人をソファに座らせ、全身の力を抜いた。




「ふぅぅぅ......アルスに感謝だな。帰ってきて正解だわ」




 ラースドラゴンとの度重なる戦闘のせいで凝り固まった筋肉がほぐれていくようだ。


 多分、VITの他に隠しパラメータとして疲労度のような項目があるのだろう。それが一気に回復されていく気分だ。



 そしてそんな状態の俺に体を傾け、リルは軽く笑ってから零した。



「ふふっ、そんなアルスさんを罠に嵌めましたけどね」


「かわいそ」


「確かに。後でお詫びの品を贈ろう」



 体を傾けたリルに対し、メルは完全に膝枕だ。2人の性格がよく分かるもんだな。



「お兄さん、そこで1回寝る? それならフー姉ちゃん達に入らないように言っとくけど〜」


「いや、寝ないからいい。ソルが帰ってくるんだったら、おかえりを言ってあげたいし」


「狐ちゃんからすると逆だけどね。ま、分かった! じゃあシリカは戻るね〜」


「お〜う」



 そしてメルの頭を撫でながらリルの耳をモフっていると、知らない間に意識が飛んでいた。


 これ、絶対疲労度的なヤツが関係しているだろ。


 全然眠くなかったのに、気付いたら目の前が真っ暗だったんだけど。




 うわぁ、状態異常になってんじゃん。それも初めて見るヤツだ。何これ?




 流石に気になるので思考操作でウィンドウを出し、『ヘルプ』『ログアウト』の項目からヘルプを選び、調べてみた。



☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

 状態異常:その25『疲労気絶』


 プレイヤーの限界を超えて戦闘をする事で起きる状態異常。

 例えプ本人は大丈夫でも、プレイヤーキャラクターが限界の証拠。


『まだいける』『まだ戦える』そう思った時こそが引き時。

 ゆっくり観光でもして心を休めるのが答えなのです。


 これを読んでいるあなたは、

きっとこの状態異常になっている事でしょう。反省してください。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆



 怒られた。遂にヘルプさんに怒られてしまったぞ。



 何事もやりすぎは良くないと、そういう事なんだな。




 そうして疲労気絶状態が2時間経つと、ようやく解除された。




「んぁ、治った」


「すぅ......すぅ......」


「............」



 隣を見てみればリルが俺にはもたれかかって寝ており、下を見てみればメルが俺の膝枕で寝ていた。



「あ、起きた。おかえりルナ君」



 リビングのテーブルの方から声が聞こえ、そこにはソルが何かを作りながらこちらを見ていた。



「おぉ、おはようソル。いつ帰ってたんだ?」


「それは私のセリフだけど......1時間くらい前だね。3人仲良く寝てた時に帰ってきたよ」



 おぅ、ガッツリ気絶中じゃないか。いや普通に考えたら分かるんだけどさ。



「3人とも可愛い寝顔だったから、つい写真撮っちゃった!」


「絶妙に恥ずかしいシーンじゃないか。いやでも、この2人の寝顔は可愛からなぁ。俺も撮るかも」


「何言ってんですかい。可愛い寝顔はルナ君もだぞい? 遊び疲れたお父さんとその娘2人......そんな光景にも見えるんだから」



 撮った写真を見ずに思い出すようにして語る姿から、ソルのお気に入りの写真なんだという事が分かる。


 それ程までに記憶に残るとは、一体どんな寝顔をしていたんだろ。



「兄妹ではなく親子かぁ」



 遊び疲れて寝るお兄ちゃんと妹達ではなく、お父さんと娘か......ちょっと残念でもあり、嬉しくもあるな。



「ルナ君。ルナ君から出ているオーラはパパのオーラだよ」


「そっかぁ。あ、ただいま。ソル」


「うん! おかえりルナ君!」



 はぁ。笑顔で『おかえり』を言ってくれる人が居るなら、ちゃんと帰ってこないとな。何で俺は1週間も、いや、8週間も帰ってこなかったんだろうか。


 例えゲームとはいえ、居場所があるなら帰らないとな。



 リアルではリアルの良さが。ゲームではゲームの良さがあるのを再認識した。



「明日から、本格的に開拓作業に入ろうか」


「うん! 頑張るよ〜!」




「あっ.....ソル、ちょっと来て」


「はいは〜い」



 俺からソルに近付こうと思ったが、メルが膝に載っているのでソルから近付いてもらう。



「どうしたの?」


「顔近付けて」



 俺がそう言うとソルは一瞬だけニヤッと笑い、顔を近付けてくれた。


 もう全部バレてるよね。今の表情、完全に全てを理解し、最早自分から頂きに行こうとする動きだったよね。




 そして俺は、ソルも全て理解してるであろうキスをした。




「大好きだよ」


「私も。ルナ君が大好きだよ」




 あ〜可愛い。超好き。



 島の開拓、2秒で終わらせたるわ。それからはずっと、ソルとイチャイチャして過ごすんだ......!



「父様。全部見てますよ」


「みた」



 キスが終わったタイミングで肩をちょんちょんと突かれ、リルが『またか』って顔で言ってきた。

 

 でもな、リルよ。そんなので俺にダメージを入れようと思っているのなら、甘い。甘すぎる。


 


「はっ、甘いな2人とも。寧ろ見ろ!!!!!!」




「「えぇ......」」



 2人の前だろうと、俺はソルにキス出来るもんね。

 ......まぁ、2人だからこそなんだけど。


 流石に街中は無理だ。心臓がパーンするからな。



「よし、明日からの計画立てるぞ。イブキ!」


「はっ」


「皆をリビングに集めてくれ」


(かしこ)まりました」



 さっきまでの空気とは一転、ハラハラドキドキした空気がリビングを包み込んでいく。




「この1週間の成果、見せてやる」




 勉強と戦闘を重ねた成果を今、あの島にぶつける時だ。

ようやく開拓編が始まる訳ですが、ここはスピーディに行きま.....せん。


ちょっと体調が洗濯機宜しくグルグルと激しく回るので、伸び伸びのうどんみたいになるかもしれません。ごめんなさい。


そして次回ですが、既に完成しています。後は番外編を書くだけですね。


( ˆᴘˆ )では、次回も楽しんでください!

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