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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第10章 穏やかな日々
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迷子センターはこちらです

生活リズムがカタストロフィを起こしました

 



「マサキぃ......どこぉ......?」



 緑色の霧が包む森を歩いて数分が経った頃、俺は無事に迷子となった。



『シンプルに余所見をして見失うとは、ルナもおっちょこちょいね』


「違うんだ。俺は少し、この景色を楽しんでいただけなんだ。そしたらマサキが消えた。つまりマサキが悪い」


『人のせいにしたら、ソルが怒るわよ?』


「僕が悪かったですすみません。マサキさんには何の非もありません」


『よろしい』



 そんないつもの雑談と今後の方針を話した結果、この深い森を進む事にした。


 そして歩きながら色々と調べた結果、かなり面倒臭いエリアだという事が分かった。



 まず1つ。このエリアではフレンド間のチャットなどによる連絡が取れないという事。


 次に、ミニマップやサーチがノイズまみれになり、まともにつかえないという事だ。

 これにより、現在の位置含め、外界から遮断されてしまった。



「セレナ、迷子センターとかあると思うか?」


「ある訳ないでしょ。そんな事より、あの木の根元のキノコを採りなさい」


「は〜い」



 植物博士のセレナさんの指示に従い、食べられる物を集めながら進んでいく。



「目的も無くこうして探索するの、楽しいけど怖いな。唯一の救いはセレナがいるって事だけだ」


「あら、それなら私の存在に感謝してね。こうして食料を集められるてるし、孤独じゃないでしょ?」


「セレナさん、あざ〜っす!」


「殴りてぇ。あのふざけた顔をぶん殴りてぇ......!」


「残念。俺を殴ればソルが怒るぞ〜?」



 ゴスッ!



「痛い」



 セレナにゲンコツを貰った。中指の骨が俺の脳天にぶっ刺さり、HPが2割ほど持っていかれた。


 弱点補正が乗ったダメージって、割とシャレにならんな。



「あまり、お姉さんを舐めないことね」


「ずみ゛ま゛ぜん゛」


「全く......ガワは良いんだから、中身も良くしときなさいよ?」


「ガワって何だよガワって!」


「そりゃあ勿論、見た目の事よ?」


「いや〜俺、中身は生ゴミ詰まってるからセレナの言ってること分かんねぇや」


「全部理解した上でそれを言うの、中々にハードよね」


「あぁ。でも考えたら分かるんだ。客観的に見たら俺、ただのクソガキだからな。まともな知能を持ったクソガキさ」


「必要以上に卑下しないのは、ソルに怒られないようにする為の対策?」


「その通り」



 お天道(ソル)様は全部見ているからな。俺が何か言えば、直ぐにそれを察知する事だろう。


 それに、ソルは俺の自己肯定感を増す言葉をくれるからな。そのお陰で、自分に対して、ある程度の自信が付いたんだ。


 全く......彼女は俺を明るく照らしてくれるぜ!




「それでさ、セレ......ん?」



 セレナに話の続きをしようとすると、足音なのか匂いなのかは分からないが、何かが居る気配を感じた。



「来るわね」



 凄い。よく気付いた俺。褒めてあげるよ。よしよし!



 そしてステラを出して気配が近付くのを待っていると、霧の中から1人の男のエルフが出てきた。


 黄緑色の髪に同色の眼をした、イケメンさんだ。




「銀髪に金色の眼......君が迷子か」


「迷子じゃないです。ただ散歩していただけです」


「いやいや、君の友達から連絡があったよ?」


「......迷子っす。すみません」


「いいよ。それで、そちらの方は誰だい? 見たところ、君の姉かな?」



「「違います / そうよ ......あ?」」



 なんだコイツ。ここぞとばかりに姉ポジを狙いやがって。その座はソルも狙いそうなポジションなんだぞ!


 セレナが容易に手を出して良い領域ではないぞ?


 知らんけど。



「こらこら、喧嘩はやめなさい。取り敢えず姉弟確保だね」


「だから姉じゃねぇって......はぁ」


「折れたわね。私の勝ち!」


「クッソ腹立つなぁ」



 俺に向けて勝利のVサインを向けてくるセレナの顔は、それはもう腹の立つ顔だった。


 顎を上げて目の前の者を見下す目。最っ高に殴りたくなる。



「じゃあ2人とも、着いてきて。道中で喧嘩したら、森に捨てるからね?」


「「は〜い」」




 そうしてイケメンエルフさんに着いて行くと、巨大な木を囲む様にして作られた、小さな村と言える場所に来た。




「ようこそ『サクリス』へ。僕の名前は『セルス』この村の次期村長だよ」



 おっと、自己紹介タイムに入ってしまった。



「あ、これはどうも。ルナです。語り人で、サクリスには旅行に来ました」


「セレナよ。ルナの付喪神をしてるわ」



「付喪神......ですか?」



 うわぁん。面倒臭そうな展開になっちゃったよ〜!

 マサキ、助けて〜!



 そんな心の叫びは誰に通じるでもなく、無情にも会話が続けられた。



「私はルナの武器なの。そこに宿ったただの神。それ以上は......姉という肩書きがあるけれど、それ以下は無いわね」


「神ですか......失礼ながら、お聞きしても?」


「ルナ次第ね。明かしてもいいのかしら?」



 何言ってんすか。姉を名乗るなら聞く前に答えが出るでしょうに。



「ダメだ。有名すぎて先が読める」


「という事らしいわ。諦めてちょうだい」


「そんな......僕、初めて神を目にしたのに......」



 チラチラと俺を見てくるが、セルスに言えるのは1つだけ。




「知るか。神に会いたいなら神界にでも行くといい。あそこにはセルスの求める神がわんさか居るぞ」


「えぇ......冷たぁ......」


「それで、俺の友達とやらはどちらへ?」


「あぁ、彼なら村長の家だと思うよ。案内しようか?」


「頼む。対価は出さんがな」


「......ちぇ。ケチな人だ」



 ケチでいい。面倒事にしたくないから言わないだけだ。

 だって、何か余計な発言をしてまた変な事になったら、数日以上滞在する必要になるからな。


 そうして長引けば長引く程、皆に会いたい気持ちが募っていく。




 ◇◇




「──はい。ここが家だよ」


「ありがとう」


「感謝するわ」




 セルスの案内で村長の家......立派なログハウスの前に立つと、急に扉が開いた。



「うわぁお、マジでルナだ」


「やぁマサキ。遅くなったけど、セルスが案内してくれた」


「お安い御用さ」



「そうかそうか! 取り敢えず入れ。話はそれからだ」


「了解」




 そうして俺は、サクリスの村長とご対面する事になった。


次回.....はまだ決まってないので、予告出来ません。


ただ、サクリスで遊ぶのは確定です。お楽しみにしてくれたら嬉しいです。では!

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