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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第10章 穏やかな日々
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サクリス旅行の始まり

ランキング維持とマスターのフルコンに命を投資していたら、ユアストを書く時間まで費やしていました。


本当に不定期ィ.....になりましネ!

 



『こちらマサキ。現在、ギルド『ヴェルテクス』のホームの前に居ます。どうぞ』


『こちらルナ。現在、ギルド『ヴェルテクス』のホーム内にて、メルのブラッシングをしています。どうぞ』


『......直接の応答を願う。どうぞ』


『メルの髪がサラサラになった事を報告します。どうぞ』




「いいから早く出てこいやぁぁぁ!!!!!!」




「だってさメル。もう行かなきゃならん」


「ん〜......うん。わかった」



 今日からマサキのワイバーンに乗って、エルフの里『サクリス』に行く予定だ。その為に少し準備をして待っていたのだが......メルに捕まってしまった。


 そんな訳で、メルにお土産やブラッシングをしていた。



「じゃあ、行ってきます。セレナ、カモン」


「はいは〜い」



 セレナを弓にして背負い、2人に向き合った。



「いってらっしゃい」


「行ってらっしゃい、父様」


「あぁ。少し間、お別れだ......さらばッ!」



 両手で2人を抱きしめ、俺は家を出て鍛冶小屋に向かった。



「ソル」


「......」


「ソルさ〜ん」


「......」



 ダメだ。最後にソルに行ってきますを言おうと思ったが、鍛冶に夢中になっている。


 仕方がないので、置き手紙をしておいた。



 ソルが集中している所を、邪魔出来ないからな。



 そうして小屋を出て敷地の門まで行くと、マサキが緑色のライトアーマーを装備して待っていた。



「お待たせ、待った?」


「あぁ。10分待った。これはアフリカで10分経つのと同じ時間を浪費したんだ」


「すまぬ。これ、詫び肉。ライトニングドラゴンのジャーキーだ」


「許す。んじゃ、早速出発するぞ!」


「いぇ〜い」



 簡単な挨拶を終え、俺達はペリクロ草原へ歩いてきた。

 道中、色々な語り人や現地人に話しかけれたが、マサキのプロ対応によって事が大きくならなかった。


 流石です、マサキさん。




 ◇◇




「ハッピールナルナ。ワイバーン召喚の準備は宜しいか?」


「宜しい!」


「いでよ、リュウキ!」



 マサキがテイムしたモンスターを出すと、俺達の前方に光が飛んでいき、その光はワイバーンの形を造っていった。




『がる』



「どうだ! ウチのリュウキ君だ!」


「......見た目の割に声が可愛いな」



『がるぅ〜♪』



 俺がそう言うと、リュウキ君はのっそのっそと近付き、俺に頭を擦り付けてきた。


 正直に言って、めちゃくちゃ可愛い。



「ルナ、リュウキは肉より魚の方が好きだからな。もし食べ物をあげるなら、魚にしてやってくれ」


「そうか。中々面白いな、リュウキ」


『がうがう〜!』



 隣の芝生は青いと言うが、正にその通りだろう。......いや、そもそも俺はワイバーンをテイムしていないから、自分の芝生すら無いんだけど。



「じゃあリュウキ、2人分頼むぞ」


『がる!』



 マサキがリュウキに指示を出すと、翼脚を畳み、俺達が乗りやすいように配慮してくれた。



「兄ちゃん、乗ってく?」


「ったりめぇよ。代金は移動中の迎撃とご飯で良いか?」


「乗って下さいお願いします」


「フッ、乗るから待ちな!」



 あぁ、こういう友達同士のふざけたノリって凄く楽しい。



『がるぅ〜!』


「おう、飛んでくれ。目的地はサクリスだ」


『がるがぶゅ!』



 最後に舌を噛んだかのような返事をして、リュウキ君が翼を広げて高度を上げ始めた。


 バサバサと大きな音を立てて飛ぶ姿は、俺がよく撃墜するワイバーンと同じだ。



「よし、リュウキ頼んだ!」


「よろしく〜」


『がる〜!』




 そうしてニクス山の方向へ飛んで行ったのだが、気になる事を思い出した。




「なぁ、マサキはリュウキ君と念話が使えてるのか?」


「使えてるぞ。と言っても、リュウキが伝えたい事がウィンドウで出る感じだけど」


「へぇ。俺、3回テイムして皆日本語喋るから感覚が麻痺してた」


「......幸運と言うか、おかしいというか」


「おかしいだろうな。幻獣、神獣、果ては神だから」




 それから少しの間、テイムの話をして時間を潰した。

 ワイバーンに乗ったのは初めてだが、結構安定しているからお喋りが弾むんだよな。




「あ、敵だ。火と氷のワイバーンが3体ずついる」


「マジか。リュウキ......いや、ルナ。頼んでいいか?」


「任せな」



 ニクス山の上空を飛んでいると、ワイバーン6体の群れに遭遇した。正確には、6体の群れをサーチで見つけた。


 このまま飛べば2分後くらいにぶつかるので、先に潰しておこうと思って報告をした次第です。



「セレナ」


『雷槍2つと風槍1つでいいわ。必中に少し干渉するわね』


「はいよ。『戦神』『魔弓術:雷槍』『魔弓術:風槍』」



 リュウキ君の背中から、2色3本の矢が飛んで行った。



「......あんなんで倒せるのか?」


「さぁ? セレナを信じればいけるだろ」


『元狩猟神を舐めてもらったら困るわね。10秒後に全滅よ』


「それは楽しみだな」



 固定ダメージとなったアルテミスだが、実は本来のダメージより多く与える事が出来る。


 大きく分けて、その方法は2つ。



 1つは『クリティカルヒット』だ。これは元のダメージを2倍にして与えるというシステムなのだが......近いうちに修正されるだろうな。


 だって俺のクリティカル率、100パーセントだから。



 そして2つ目は『急所・弱点ヒット』だ。


 人間なら頭や心臓。トレントなら根っこ。フェニックスなら翼の付け根といった、その生物における弱点に攻撃をヒットさせた時、通常より多くダメージが入る。


 これはセレナも例外でなく、固定ダメージにプラスされてダメージボーナスが乗るんだ。



 さて、今回はどっちを狙って必中を捻じ曲げたんだろうな。



 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『ワイバーン』×3討伐しました。

『アイスワイバーン』×3討伐しました。


『氷竜の牙』×5入手しました。

 ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



『完璧ね』


「お〜、どうやってぶち抜いたんだ?」


『簡単よ。こう、バリバリ〜! をドーン! ってして、バーンッ!! って感じ......どう?』


「すご〜い。で、どこを狙ったんだ?」


『顎よ。竜は顎が急所なの』


「なるほど。今後の参考にさせてもらおう」



 クリティカルと弱点を突いた感じか。流石元狩猟神だ。



『で、私の反応に棒読みで返したルナにお仕置きをしたいのだけど、いいかしら?』


「良くないです。やめてください」


「何話してんだ?」


「どうでもいい事だよ。本当に」


「私の言葉を軽く流した事についてよ?」



 突然セレナが降臨し、後ろから抱きついてきた。


 俺の首に腕を絡め、容易に剥がせない抱きつき方だ。



「やめてくんない? ソル以外に抱きつかれたくないんだけど」


「嫌よ。このままヨシヨシしてあげる」


「うっぜぇ......」



 心からソル以外には抱きつかれたくない。友情とか、再会のハグ程度ならまだ良いのだが、セレナの抱きつきは、こう......何かねっとりしていて嫌だ。



「まぁまぁ。ルナも別に、嫌じゃないんだろ?」


「え、本気で嫌なんだけど」


「「え?」」


「え?」


『がる〜♪』



 凄い。マサキの顔が綺麗にフリーズした。


 マサキは好きでもない人に抱きつかれて嬉しいと思うのだろうか。



「普通、役得だとか思わないか?」


「思わない。これがソルなら喜んで受け入れるけど、セレナは少し、なぁ......何と言うか、親戚みたいな感じだから、あまりボディタッチはしないで貰いたい」


「ルナって私を親戚感覚で接してたの!?」


「うん。だって普段会わないし」



 ずっと農場で果樹を見ていれば、リビングに居る俺と出会う時間はかなり減るだろう。故に、セレナやアルスは仲の良い親戚気分なんだよな。


 逆に、仕事をしていても近くに居るフーやシリカ、イブキは家族に近い感覚だ。


 俺から話しかける事もあれば、向こうからも話しかけてくれる。その差が大きいから、接する距離が変わるのだと思う。



「困ったわね。ルナを守るお姉ちゃんポジが無くなってしまった気がする」


「最初から無いから安心しろ。まぁ、それでも狙いたいならルーナさんとでも争っとけ。その間にソルが俺の横に居るから」



 俺がそう言うと、セレナは弓に戻って独り言をブツブツと呟いていた。


 やれ『ルーナ......アイツ......!』だったり、やれ『お姉ちゃんポジの危機!?』だったり、かなり変な思考をしているようだ。



「ルナ、もう少し優しく接してやれよ。流石に可哀想だぞ?」


「そうか? でも抱きつく人は嫌いだから、そこだけは変えられないんだよ。俺、本当に好きな人以外に触られるのが大っ嫌いなんだ」


「へぇ、初めて知ったわ。俺とかガーディもアウト?」


「マサキ達は男だから、友情的なハグならいい。変な気があるなら斬るけど」


「無いから安心しろ。取り敢えずお前の『抱きつかれても大丈夫なライン』が少し分かったな」


「そっすね」



 ポイントは『異性』だ。フー然り、セレナ然り。女性に抱きつかれるのはソルだけが受け入れられる。




 そうして俺達は、軽く雑談しながら鳥やワイバーンを落とし、肉を集めながら空の旅を楽しんだ。



 ここまで、リュウキ君に乗ること1時間。ニクス山の上空を飛び、ディクトを過ぎ、とても大きな木がわんさか生えている森の木々の隙間を縫って進み、緑色の霧に覆われた森の手前で地上に降りた。



「ありがとうリュウキ.....さて、この先がエルフの里だ。お前でも100パー迷うから、離れるなよ?」


「おっけ〜」




 俺は遂に、エルフの里がある森に入った。

さて、ランキング維持をしながら次話も書けるのでしょうか。

頑張れ、未来の私。


未来のゆずあめ「頑張ってじゃねぇよ。おめぇも頑張んだよ!」



次回、『迷子センターはこちらです』お楽しみに!

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