狐城侵入計画
不定期更新らしく、昨日は投稿しませんでした。
音ゲーにどっぷりと浸かり、皆伝までの歩みを進めていました。
masterをあと5曲フルコン取れたら、私は皆伝になるのです.....
ムラサメさんとマサキとフー、そして俺で話し合った結果、狐城に侵入するという事になった。
そして暗黒魔法......もとい、闇属性魔法マシマシで忍者となって侵入する方向で決まった。
「ルナ、俺も着いて行っていいか?」
「にゃんで?」
「面白そうだから。だってよ、あの城に関するクエストって、今まで無かったんだぜ? 掲示板に何度も城に突撃した報告が上がってるけど、全部撃沈されてる」
「へぇ。まぁ着いてきてもいいぞ? ソルも一緒に行くと思......やべぇ」
「どうしたんだ?」
不味い。1人、完全に存在を忘れていた。茜さんだ。茜さんの事を全く考えていなかった。
「ちょ、ちょっと連絡してくる」
そう言って俺は3人から離れ、茜さんにボイスチャットを繋いだ。
『は〜い、どうかしたっすか?』
『すんません。北にあるお城に侵入することになったんだけど、茜さんの事を完全に忘れてました』
正直に言おう。忘れていたと。
『ありゃ、またフラグ踏んだんすか......あ、私の事は気にしないでくださいっす。勝手に着いてきた身ですし、ここいらで解散とするっすか?』
『そうさせてもらうよ。また機会があれば一緒にパーティを組もう......それとイオリの事なんだが......』
『それなら今、道場へ向かってるっすから、数分後には着くはずっす。ですので直接話してあげて欲しいっす』
『分かった。じゃあ、ありがとう茜さん』
『はい! では、また今度!』
やっぱり明るい人だな、茜さん。話しやすくてとても助かる。
取り敢えずこれで、狐城へ侵入する事については伝えられた。後はソルに連絡して、リルとも話さないと。
「戻った。相手は茜さんだな」
「へぇ......ルナが茜と組んでるって、珍しいな」
「あぁ。狐国に来る前に出会ってな。着いて行くって言うから許可したんだ」
「そうだったのか。ま、今は作戦練るか」
そしてムラサメさんが狐城の地図を出したタイミングで、イオリが道場にやって来た。
「何してるんだい?」
「イオリか。これは明日、狐城に侵入するからその計画を立ててるんだよ」
「狐城に? それまた何故?」
「そこに俺が関わっている妖刀があるからな。数ヶ月前に海神が来た話、イオリも知ってるだろ?」
「まぁね。海神オケアノスだっけ?」
「そうだ。その海神が持ってきた妖刀、元は俺が海神に渡した剣だ。その時はロングソードだったんだが、クラーケンの力が何やかんやあって、妖刀になってるんだ」
いや、正確には『妖刀』→『長剣』→『妖刀』のルートかな。
狐国の人間の覚書からして、元々積荷の妖刀がクラーケンのせいで長剣になったのだろう。
そして俺言葉に対するイオリの反応はと言うと──
「そうなんだ。頑張れ〜」
「軽っ!」
反応軽すぎない?仮にも将軍の根城に忍び込むんだぞ?
「いや、刀鬼流を修めるんだから、僕はそこまで関係ないし。あ、ルナには感謝してるよ?僕は僕の、在るべき場所を見つけたから、さ」
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
『特殊クエスト:3人の剣士』を達成しました。
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
あっ......終わっちゃった。まさかここで関係を絶つ気なのか!?
いやまぁ、俺が原因だから、関係が切れた方が良いんどろうけど......辛いな。
「まぁ、頑張るわ」
そうして悲しい事件がありながらも、狐城に侵入する計画が立てられた。
◇宿にて◇
「ただ......いま......」
俺はゾンビの様な状態で、ソル達の待つ宿に帰ってきた。
そして部屋に入ってすぐ、この和風な宿にある洋風なベッドに倒れ込んだ。
「おかえりルナ君」
「おかえりなさい父様。お疲れですね」
リルが優しく頭を撫でてくれた。リルの手......ちっちゃ!
でも小さな手から伝わる熱は暖かく、飴のように固まった俺の思考を優しく溶かしてくれた。
すると俺の様子を見ていたソルが、膝枕をしてくれた。
「癒しだ......これが癒しなんだ......!」
「ふふっ、お疲れ様。今日は何があったの?」
「ん〜? 色々あった。ムラサメさんと戦って、ソルをお嫁さん宣言して、ムラマサについて聞いて......」
「坊や。お嫁さん宣言とは?」
「え?......あぁ、ソルを取られないように言った......何十人も人がいる場所で」
だって、ムラサメさんもマサキも『ハッキリしろ』って言うんだし、1番近いのはお嫁さんだからな。
でもやっぱり、言わない方が良かったのかな......
「ごめん」
「どうして謝るの?」
「いや、ソルの気を害「そんな事ないよ」し......」
話し続けようとする俺の口を、ソルは自身の口で塞いできた。
体、柔らかいな。二重の意味で。
「もう、父様と母様は時間があればチュッチュしてますね。そんなに良いんですか?」
「ふっふっふ......最高だよ、リルちゃん!」
「そうなのですか? では私も「ダメぇ!」
リルが俺の上に乗った瞬間、ソルがリルを止めてくれた。
ナイスだ、ソル。俺は理解が追いつかなくてボーッとしていたからな。
「どうしてダメなのですか?」
「ルナ君は私のルナ君だからだよ。キスは『私のもの〜!』って証だもん!」
「せやな」
「それを言ったら、父様だって私の父様ですよ?」
「普通、親子でキスをするのは小さい時までだよ!」
「せやな」
「私は小さいと思うので、大丈夫なのでは?」
「それは犯罪的な小ささだからダメ!」
「せやな」
「......キスするというのは、厳しい基準があるのですね」
「......あ、あるよ!」
「せやな」
賑やかだな。適当に合いの手を入れてるけど、このままで大丈夫そうだ。
侵入作戦の計画書を見ながら、良い感じに答えておこう。
「リルちゃんはお父さんっ子過ぎるのが、ちょっと気になる」
「せやな」
「ふっ、愛に溢れる良い子でしょう? 父様」
「せやな。そこを退いてくれたら嬉しいな」
「嫌です。ここで父様の癒しとなりましょう......ほら、大好きなお耳ですよ?」
「せやなぁ」
ウィンドウに出した計画書を見ながら、リルの耳をモフる。
ソルが尻尾を俺の顔にチラつかせて可愛いが、今はリルの耳を触らせてくれ。
「むぅ。フーちゃん、カモン!」
「参上!」
いつまで経っても尻尾をモフらないせいか、勝手にフーを呼び出し、フーは一瞬のうちに降臨した。
僕は、こういう所はメイドらしいなと、そう思いました。
「フーちゃん。何とかしてあの男を私のものにして下さい」
「......女王様。それは厳しい依頼でございます」
「何故? お外では私よりもルナ君と一緒にいる時間の長い貴女が、どうして出来ないと?」
「それは......」
何か茶番が始まってるんだけど。しかも女王とメイドって......ははっ、割とそれらしいのが面白いな。
ソルの美貌からして、傾国の美女と言ったところか。
「そう言えばソル。明日の夜に城に潜入するんだがソルも来てくれないか?」
「行きます。行かせてください......え? 城?」
「何で何も聞かずに答えてるんだ......それで、城と言うのはここから北に言ったところにある、デケェお城の事だ」
「あぁ、アレね。分かった。でもお城で何を?」
「ちょっと待ってな......リル。退いてくれ」
「え〜「お願い」分かりました」
俺がベッドに座り直すと、ちゃっかりリルは膝の上に乗ってきた。
何だこの生き物。可愛すぎるだろ。天使? 天使なのか?
「じゃ、じゃあこれ見て。根本的な『何故城に行くのか』という事から書いてるから」
そうしてソルへ計画書のウィンドウを飛ばし、読み終わるまでリルのブラッシングをさせてもらった。
途中、ソルが尻尾で俺の背中にイタズラをするので、リルのブラッシングが終わった後にリルと位置を交代し、現在は俺の膝の上に座っている。
「読んだ」
「お疲れ様。それでさ、すっげぇしょうもない事聞いてもいい?」
「いいよ。私は何でも受け止めるから」
「ありがとう......じゃあ『狐城って、狐国に来た時に見えてたか?』......俺はここに来て、少しした後から認識したんだが、ソルはどうだ?」
「......確かに、見えてなかったかも」
「私も記憶にありませんね」
「リルもか。う〜ん......気になるけど気にならない問題だ」
ここに来て直ぐでは気付かないが、1度認識すると『あ、城だ』と強く印象に残る。
強弱がハッキリしすぎているせいで、絶妙にふわふわとした、掴みにくい問題だ。
「ま、いいや。今はソルを揉み......モフろう」
言い間違いをした瞬間、フーから霊剣が飛んで来そうな気がした。
計画書には、実はめちゃくちゃ書き込まれています。
ムラサメさんが用意した地図に細かく侵入ルートが書いており、門の奥に何人の兵が待機しているか
など、沢山書かれています。
次回は軽く遊んだ後、SHINOBIをしましょうか。では!