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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
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閑話 海水浴という名の戦争 前編

うみ!


「ルナ君、海行こっ!」


「......ということは?」


「あぁ......私の水着、見れるんだぜ......」



来た!遂にソルの水着が見れるんだ!これには笑いを禁じ得ない。待ちに待ったソルの水着、この目に焼き付けるんだ!



「フッフッフ......フッハハハゲホッゲホッ!」


「だ、大丈夫?」


「大丈夫。それで、リル達はどうする?」


「もちろん行きますよ。今回こそ、ちゃんと遊べるんですよね?」


「あぁ。例え神界に飛ばされても転移で戻るからな」


「ならわたしも。パパとあそぶ」


「じゃあ4人で行こっか!ルナ君、悩殺されてね?」


「楽しみにしてる。じゃあ庭に魔法陣置いとくか」




という訳でテレポート用の魔法陣を置く為に庭に来た。




「ほい、『テレポート』」




半径1メートルほどの、真っ白な魔法陣が庭に出現した。



「......」


「......行かないの?」


「違う。行けないんだ。深刻なMP不足でな、もう少し待ってくれ」



それから数分かけてMPを回復させ、海岸に転移してから、海岸にもテレポートを設置して家の魔法陣と繋げた。



「ここを潜ると......ほいっ、ただいま」



「「「おぉ〜!」」」



海岸と家が簡単に行き来できるようになった。

この魔法陣を踏んでも飛べるのはヴェルテクスのメンバーのみなので、防犯面は大丈夫だ。



「ほ、ホントに海に着いちゃった......凄いよルナ君!」


「この為に頑張ったからな。さ、水着を見せておくれ?」


「ふっ......その前に、ルナ君にも水着があるんですよ」


「頂きます」



ソルから海パンを貰った。黒の下地に狐の絵柄の水着だった。実にソルらしくて、とても可愛いな。



「じゃあ念の為、『サンドウォール』」



周りから見られない為に砂の壁を出現させ、その中で着替えることにした。


まぁ、ウィンドウ操作で着替えるから、見られるもクソもないんだけどな。



「3人とも、着替えたか?」


「着替えたよ〜」


「着替えました!」


「た!」


「じゃあ解除するぞ〜!そいっ!」



ソル達を囲んでいた砂壁を消すと、そこには天使が3人いた。



「えへへ〜、どうかな?」


「..................『サンドウォール』」


「あれ?ルナ君?」



いやぁ、不覚でした。この私、周囲に見られる可能性を失念しておりました。

これは許される行為ではありませんが、然るべき対処として、再度壁を出現させて頂きました。


これは『天使保護法・第1項・周囲の視線からの保護』という法律に則って行いました。



こ、この光景を独り占めしたいとか、思ってないんだからね!勘違いしないでよね!



「みんな、綺麗だよ。ソルは水色のビキニが似合っているし、リルはオレンジの......なんて言うんだろう。まぁ、水着が似合っている。メルも黒が似合っているぞ」



ギブミー語彙力。君達ビューティフル。オーケー?



「ふふっ、ありがと」


「ありがとうございます、父様。父様もお似合いですよ?」


「うみのおとこ」


「ありがとう。ただ1つ、問題発生だな......」



「「「問題?」」」



あぁ、大問題だ。俺の命に関わる問題だ。




「お前達を......他人に見せたくない......」




えぇ、独占欲ですよ。ソルは勿論、リルもメルも含め、誰にも見せたくない気持ちがあるんだ。




「そう言ってくれると嬉しいね!でも、このままだと遊べないよ?」


「そうですよ!せっかく来たんですから、ちゃんと遊びましょう?」



分かってる。分かっているんだ......でも......!



「かべ、こわしていい?」


「いいよ、メルちゃん。パンチしちゃえ」


「ううん。食べる」



「「「え?」」」



てっきり殴って壊すのかと思えば、メルはサンドウォールに齧り付いた。流石に砂を食べるのはいけない。止めないと!



「こら!ばっちぃから辞めなさい!」


「......?ほら、たべれるよ?」



メルが齧り付いた場所を見てみると、みるみるうちにサンドウォールが崩れていった。


おかしい。軽く表面が削られただけで、そう簡単にはサンドウォールは崩れないはずだ。



「何をしたんだ?」


「パパのまほうをたべたの。おいしくないけど、まずくもないよ?」



......理解しました。リルは『魔食み』を使ったんだ。魔法そのものを食べたから、サンドウォールが崩れたんだな。



「メルちゃん......凄い」


「凄いですね!魔法を食べるなんて、思いもしませんでした!」



「ふふん。パパにもできない、わたしだけのちからだよ」



メルが胸を張って言った。これは......褒めるか。



「あぁ、凄いなメル。驚いたよ」


「えっへん。じゃあ、あそぼ?」


「そうだな。そうしようか.....あ、変な人に話しかけられたら迷わず俺に報告しろよ?イブキで斬るから」


「ダメだよルナ君!死人が出るよ!?」


「え?殺さないのか?」


「他人に迷惑をかけるのはダメ。それに、ただのナンパなら私達の指輪を見せたり、目の前でキスすればいいでしょ?」



お兄さん......ソルを守るためなら殺す覚悟もあるのに、そんな夢のような提案をされたら呑むしかないじゃないか......!



「......それもそうだな。分かった。呼ぶのはシリカにしよう」


「だからダメだって!斬っちゃダメ!」




「嫌だ!3人を守る為なら、俺は誰だって斬る!」




俺が大きな声で宣言すると、2つの足音が背後の森から聞こえてきた。




「下がれ、『アイスドーム』」



3人を狙う奴かもしれないので、俺は半球状の氷でみんなを囲んだ。



「お、その声はやっぱりルナか!......って何してんだ?」


「氷、ですか?それは」



足音の犯人は、マサキとガーディ君だった。



「......下がれ。それ以上近付いたら斬る」


「ちょちょちょっ!どうしたんだ!?」


「ルナさん?」



それ以上近付いてソル達を見てみろ、2人の目を貫いてやる。



「メルちゃん、ルナ君をぶん殴って」


「は〜い」


「え?ちょ待っ」



トゴォォ!!バキバキバキィ!!!



「ンニャァァ!!」



俺はメルに殴り飛ばされ、森の木を10本ほど折った所でようやく止まった。



「「えぇ......なに今の......」」



「ごめんね、2人とも。今のルナ君、私達にメロメロすぎてまともな判断が出来てないの」



「「あぁ〜、なるほど」」



「父様、大丈夫ですかね?死んでませんか?」


「だいじょうぶ。ちゃんと『てかげん』したもん」




俺がヨロヨロと歩いて戻っていると、メルが手加減してくれた事を知った。



俺、メルに手加減スキルを取らせておいて良かった。ナイスだぞ、昔の俺。お前は未来の俺を救ったんだ。誇ってもいい。




「あぁ......ブリーシンガメン外してたから、割とマジで死ぬかと思ったぜ......」



「お前、今のでよく生きてんな。凄いぞ」


「痛くないんですか?あ、VIT上げたとか?」



「上げてないよ......娘のパンチを軽く受けただけだ。痛いし痒いし死ぬ」




HPが2000くらいしか残らなかったんだぞ?痛いに決まってんだろ。メルのSTRって1万5000もあるんだぞ?


フルパワーで殴られたら簡単に死ぬわ。




「で?貴様らはなんの「ル・ナ・君?」貴方様方はどのような用件でいらっしゃったのですか?」



危ない、あと少しで死ぬ所だった。ソルの怒りだけは買ってはいけない。



「ぶはっ!お前がビビってんの、初めて見たかも!」


「ふふふっ......俺も......ぶふっ」



笑うなよ。俺にだってビビる時はあるさ。特にソルが怒った時は、マジで怖い。

普段は温厚なだけに、怒った瞬間はソルの背後に修羅が見えるんだ。


時々、修羅じゃなくて師匠の顔が見えるけど。



「はぁ〜、笑った笑った。それと用は無いぞ?ただガーディと森で蝉集めをしていたら、お前の声が聞こえただけだ」


「シェルフラグメント、美味しいですからね。オススメですよ?」


「へぇ、そうなのか。じゃあまた遊ぼうな」



俺は後ろへ振り返り、リルを抱っこして歩こうとするとマサキに止められた。



「待て、待つんだルナ助......俺達も一緒に遊んじゃダメか?」


「ダm「いいよ」......いいですよ」



うぅ、俺の天使達がぁ......いや、切り替えよう。本当にナンパが来た時だけ、殺意を全開にしよう。


今日くらいは、友達と一緒に遊ぼうか。



「サンキュ!ならガーディ、今日はルナ達と遊ぶぞ!」


「あぁ!蝉取りなんかより、断然楽しいだろうしな!」


「リル助、メル次郎、行くぞ!」


「あ、分かりました!では父様、また後で!」


「じゃ〜ね〜」



娘2人と友達2人が海の方へ走って行った。



そして俺とソルは、ゆっくり歩いて4人の方へ向かった。



「ソル、鬼嫁」


「ふふっ、もっとワガママしてもいいよ?旦那様。私がぜ〜んぶ、受け止めてあげる」


「ヴッ......いいです。自重しますよ」



ヤバいな......旦那様の破壊力、ヤバいな。


俺の心臓、ちゃんと動いてるか?実は止まってたりしないよな?


ヘイ、マイハート。ビート刻んでる?


俺は胸に手を当ててみると、ちゃんとビートを刻んでいる事が分かった。




「ルナ!行くぞ〜!!」


「は〜い。行きますよ〜」




こうして、海水浴に2人の仲間が増えた。

だんなさま!



実はメルちゃんって、魔法のみでの戦いにおいては最強格の強さを持っています。

理由は勿論、相手の魔法を食べる事が出来るからなんですけどね。

まぁ、宵斬桜の攻撃のような手数の多い魔法には弱いので、使い所が限られますね。



では次回、後編でお会いしましょう。では!

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