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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
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空間魔法の心得 後編




◇ ◆ ◇



「お、起きたか。飯はこれを食え」



ユアストにログインすると、アルカナさんに出待ちされていた。



「何ですか?コレ」



笹の葉に包まれた、団子状の何かを手渡された。



「兵糧丸だ。それがあれば2日は食わずとも大丈夫だろう」



鬼だな、この人。


最初の2日では『食事?戦闘中にしろ』とか、『水?魔法で使うやつを飲め』とか言うから、酷いな〜って思うくらいだったが......


遂に食事をしない手を出してきたか。鬼だ。



そして俺は、小さな覚悟を決めて兵糧丸を食べた。



「あれ?......意外と美味しい?」


「当たり前だ。不味い兵糧丸を作る奴は、そもそも生きる糧を作る才能が無い。確かにコイツは美味く作るのにコツがいるが......私にかかれば、これくらいは当然だな」



あぁ、この人、褒められ慣れてないんだな。アニメでよく見るツンデレキャラみたいな答え方をしたぞ。



「ごちそうさまでした。では早速、フェニックスと遊んできます」


「あぁ、行ってこい。早くソルの元へ帰る為にな」


「えぇ、ソウデスネ」




お前が連れて来たんだろ!と言いたいが、ギリギリで飲み込んでから小屋を出た。




「『フラカン』」



今回はどうやってフェニックスを倒そうか。闘王のスキルレベル上げは疲れるから、おニューの魔法でチマチマと削ろうか。



『ピィィィィィ!!!!!!』


「ハロー、フェニちゃん」



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『不死鳥:フェニックス』との戦闘を開始します。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



フェニックスと何度も戦うと分かるが、コイツは初期行動が3パターンに分かれている。



1つ目は炎の塊を吐いた瞬間、長い尾羽から熱光線を放つコンボ。


2つ目は翼でなぎ払いをした後、爆発する魔法を使うコンボ。


3つ目は単純、1度空へ飛び、翼から発せられる炎でエリア全体を火で覆うコンボだ。




『ピィ!』




今回は1つ目のコンボだ。1番対処しやすい攻撃だな。



「『ウィンドブラスト』『クロノスクラビス』」



ウィンドブラストはウィンドボムを強化した魔法で、コイツで炎の塊を弾き飛ばした後、クラクラで熱光線を消滅させる。



さぁ、次は2つのコンボに繋がる。どっちだ?



『ピィッピィ!!!』


「うんち個体だな。消火するぞ?テメェ」



2回ピィと鳴いたら、1番面倒な攻撃が来る。これ、9割方回避が出来ないんだよな。



『ピィ!』



フェニちゃんが炎の剣を作り、大きな足で掴んでから空高く飛んだ。


次に炎を全身に大きく纏い、急降下してくる。


この時、絶対にジャンプして避けてはいけない。ジャンプして避けると、掴んでいる炎の剣で体が真っ二つにされるからな。



フェニちゃん、文字通り火力が化け物なせいで、一撃でも貰えば小屋スタートなんだ。



『ピィィィ』


「俺の必殺技、発動......『遅炎』」



フェニちゃんが突っ込んでくるであろう位置に、闇属性魔法が進化した『黒魔法』と、火属性魔法の進化系である『炎熱魔法』から作られた、AGIを大幅に下げる炎の魔法陣を設置した。



『ピィッ!?』


「すまんな。本来は盾で受けるんだろうが......生憎俺は盾を持っとらん。許せ、フェニ太郎」



魔法陣を(くぐ)ったフェニちゃんは飛行制御を失い、溶岩の海に浮かぶ僅かな地面へダイブした。




さぁ、ここまでは割と安定した立ち回りだ。ここからは俺も攻めないと、防戦一方になってしまう。




「『戦神』『ダイヤモンドダスト』『アイスランス』『サンダーチャージ』」



バフを2つ掛け、アイスランスでフェニちゃんの目を貫く。


だけどフェニちゃんは驚異的な回復速度を有し、20秒もあれば部位欠損は修復する。


俺はこの間に、バチバチとサンダーをチャージするぞ。



『ピィ!』


「ん。『サンダー』」



フェニ助が回復し、空を飛ぶ寸前にサンダーを喰らわせて地面に叩かき落とした。



『ピィィィ!!!』



撃墜確認、ヨシっ!



「おニュー魔法を召し上がれ?『ネヴァンレイン』」



効果は文字通り、猛毒のデバフが掛る、赤い雨を降らす魔法だ。



『ピェェェ!!』


「綺麗な赤い雨だろう?たっぷり飲んでくれ」



この子は難産だった。


水蒸気からイメージしたので、炎熱魔法、海魔法、気体魔法、黒魔法、自然魔法の複合魔法なんだ。



フェニ次郎が復活するまでの間、何度も何度も試行錯誤のした末、ようやく完成した魔法だ。

故にこの子は、難産とも言えるだろう。



『ピィ......ピィ......』


「おいおい、めちゃくちゃ効いてんじゃん。これは予想以上に良い魔法かもしれんな」



本来なら立ち上がって空を飛んでいるであろうフェニ子が、苦しみのあまり飛ぶことが出来なくなっている。



「んじゃ、また来世で会おう、おフェニ。『魔闘術:魔雹(まひょう)』」



氷属性の魔闘術で頭を殴る。これでフェニ三郎はエターナルスリープに入る。



『ピ......』



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『不死鳥:フェニックス』を討伐しました。

『不滅の火種』×2入手しました。

『スキル書:獄炎魔法』×1入手しました。


『気体魔法』スキルレベルが1上がりました。

『黒魔法』スキルレベルが2上がりました。

『氷結魔法』スキルレベルが5上がりました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「んなっ!?超レアドロップ引いた!」



まさかのスキル書ドロップ来た!これは美味しい!



「ありがとう、フェニ太。大切に使わせて貰うよ」



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『スキル書:獄炎魔法』を使用しました。


『炎熱魔法』が『獄炎魔法』に進化しました。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



なんて幸先の良い事か。フェニックス狩りのモチベーションが爆上がりだな。






そうして丸2日ほど戦闘し、全ての属性魔法が超級魔法に進化した。






◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

条件を満たした為、『空間魔法』を習得しました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「アルカナさん!空間魔法、覚えましたよ」



俺は小屋で本を書いてるアルカナさんに、空間魔法を習得した事を伝えた。



するとアルカナさんはニヤッと笑い、俺に数枚の紙を渡してきた。



「......魔法陣?」


「あぁ。これには私が愛用している魔法を記してある。取り敢えず使ってみろ」


「はい!」



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『空間魔法:転移』を習得しました。

【消費MP:5,000】


『空間魔法:テレポート』を習得しました。

【消費MP:20,000】


『空間魔法:クロノスタシス』を習得しました。

【消費MP:10,000】

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



うわぁ、ギリギリ使えるようなレベルの魔法だな。



「覚えたな。では説明するぞ。まず『転移』は、お前も知っての通り、任意の場所に瞬間移動が出来る。但し、条件もあるぞ」


「条件ですか」


「あぁ。1つ、『1度来た場所である事』2つ、『転移する人数によって倍に消費魔力が増える事』3つ、『モンスターは転移出来ない』といった感じだ」


「なるほど。理解しました」



ゲームがつまらなくならないように、ちゃんと条件があって良かった。


特にモンスターの転移なんて、罠を張ってそこに転移させれば、どんなモンスターでも倒せてしまうもんな。

そんなヌルゲー、楽しくないだろう。きっと。



「次に『テレポート』だが、これは2つ使って初めて効果を発揮する。簡単に言えば、転移を設置型にした魔法だ」



な〜るほど?これはアレか、ワープゲートと言った方が、しっくりくるヤツか。



「最後、『クロノスタシス』だが......これは時間を止める魔法だ」


「えっ!?止めれちゃうんですか!?」


「あぁ。だが1秒止めるのに魔力が1万、2秒止めるのに10万と、1秒ごとに桁が増えていくんだ」


「......1秒が限界ですね」


「私は2秒だな。ここに来てすぐ、お前がボヤいた時に糸と剣を出したのを覚えてるか?」


「はい。アルカナさんのステータスがとんでもなく高いと思ってましたけど......この魔法ですか?」


「そうだ。せいぜい練習して、使いこなせるようにしておくと良い」


「ありがとうございます」



いや〜、最初はとんでもなく面倒な特殊クエストかと思っていたが、終わってみれば良い特殊クエストだった。


同じ相手との反復練習で、属性魔法の組み合わせや、デバフの重要さを知れた。



「アルカナさん。ありがとうございました」


「ふっ、私の『ゆる弟子』として、これからも励むといい」



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『特殊クエスト:最強への弟子入り』を達成しました。


称号『アルカナのゆる弟子』を獲得しました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



ゆる弟子......気の抜けるような称号を貰ってしまった。



「では、私は海で遊んでからギルドへ戻るとしよう。お前はソルの元へ帰ってやれ。ではな」


「はい。お疲れ様でした」



俺はアルカナさんが転移して帰ったのを確認してから、称号の詳細を見た。



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『アルカナのゆる弟子』

・『空間魔法』で得られる経験値が2倍。

・アルカナの好感度上昇。


アルカナにゆる弟子と認められる事で獲得。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「微妙だな。もっと熱心にあの人に聞けば、ゆる弟子じゃなかったのかな?」



ま、過ぎた事だ。気にしても仕方ないよな。



「フェニ君、また会ったらテイムしよ。『転移』」



いつか出会えると信じて、俺は家の自分の部屋に転移した。





「......ソル?何してんだ?」



部屋に転移すると、ソルがベッドでゴロゴロしていた。



「ル、ルルルルナ君!?え、えっと、その......えへ☆」


「あら可愛い......ただいま」



詮索しても可哀想なので、敢えて何も聞かないようにしよう。



「おかえり」



ソルからおかえりのキスを貰い、俺は帰ってきた事に実感を得た。






「よし、明日から遊ぼう。今日はゆっくりしたい」


「うん!そうしよ!」







◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

名前:ルナ

レベル:395

所持金:53,845,290L

種族:人間

職業:『ヴェルテクスギルドマスター』

称号:『スライムキラー』

所属ギルド:魔法士・Bランク冒険者(0/300)

Pギルド:『ヴェルテクス』

所持因子:『稲荷』他6柱

所持技術:『魔力打ち』他多数


HP:19,710

MP:19,710

STR:19,710

INT:19,710

VIT:19,710

DEX:19,710

AGI:19,710

LUC:9,850

CRT:100(上限値)


SP:1,540



『取得スキル』


戦闘系


『剣帝』Lv1

『魔剣術』Lv100

『弓帝』Lv1

『魔弓術』Lv100

『槍帝』Lv1

『魔槍術』Lv100

『闘王』Lv1→83

『魔闘術』Lv100

『刀将』Lv1

『魔刀術』Lv100

『操帝』Lv1

『魔糸術』Lv100

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv100



魔法



『炎熱魔法』Lv1→『獄炎魔法』Lv3

『海魔法』Lv30→41

『気体魔法』Lv1→『暴風魔法』Lv2

『岩石魔法』Lv1→『大地魔法』Lv1

『雷電魔法』Lv1→『電磁魔法』Lv5

『氷結魔法』Lv1→『極氷魔法』Lv2

『神聖魔法』Lv1→『光明魔法』Lv1

『闇属性魔法』Lv58→『黒魔法』→『暗黒魔法』Lv1

new『空間魔法』Lv1

『自然魔法』Lv100

『龍神魔法』Lv89→90

『古代魔法』Lv1

『音魔法』Lv100

『妖術』Lv1



生産系:非表示



その他:非表示

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇


閑話で遊んだ後、第9章へ進みます。



それでは、次回もお楽しみください(o^∀^o)

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