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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
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丸一日ぶりの体



◇反転の空中神殿、反転の間◇




「いや〜、2人に頼みたい事があってさ、良いかな?」


「良くない。神界に帰れ」


「冷たっ!僕、君に嫌われるような事したかな!?」


「いや?してないぞ。寧ろ俺からの好感度はかなり高い。だがな......今の俺の状態を考えて、お前の面倒くさそうな頼み事を受ける気にはなれんのだ」



早く反転効果を戻したいんだ。いつものルナ君ボディに帰しておくれ。


いや、待てよ?ここでオケアノスの提案に乗って、早く元に戻す方法を知るのが良いんじゃないか?



「ソル、ソルはどう思う?アイツ(オケアノス)の頼み事に耳を貸すか?」


「う〜ん、断ったところでって感じだし、受けるかなぁ」


「じゃあ受けよう。オケアノス、内容は?」



「君の手首、骨が入ってないんじゃないの?」



「まぁまぁ。細かい事を気にしてると禿げるぞ。で?内容は?」


「全く......で、内容は簡単さ。『帝剣:海閃』と『帝衣:海の衣』を僕に渡してくれ。この2つの入手方法は......かなり厳しいよ?」



あるぇ?凄く聞き覚えのある言葉が耳に入った気がするぞ?



「オケオケオケオケアノス。少しいいか?」


「どうどうどうどうどうしたの?」


「その帝剣って、もしかして真っ青な刃の剣か?」


「そうだけど......もしかして?」



あ〜、やっぱりあのゲソ剣なんだな。把握した。



「じゃあ海の衣って、もしかして蒼くて綺麗なドレスになったりするや〜つ?」


「そうだけど............嘘でしょ?」



俺は右手に海の衣を、左手に海閃を出した。これをオケアノスに渡せば、依頼......じゃない。試練はクリアかな?



「はい。これで試練を終わりか?」


「本物だ、これ......ねぇ、レベル1000越えのクラーケン、倒したの?」


「あぁ。ソルと遊びに行った時に、バカみたいに強いクラーケンと戦ったよ」


「えぇ......ちょっと待ってて。飲み込んでくる」


「剣を?」



「状況を、だよ!ばか!!!」



ありゃりゃ。怒って玉座の方に戻ってしまった。



「ふふふっ、中々に思考を乱すツッコミをしたね、ルナ君」


「まぁな。アイツとは気が合う感じがして、ついついイジってしまう癖がある」


「限度を持って、ね。にしてもあの剣とドレスが必要だったなんて、思いもしなかったね」



全くだ。運営としては帝王を倒すのは、かなり先を想定していたんだろうが......殺ってしまったものはしょうがない。


今は潔く、オケアノスの特殊クエストを遂行しよう。



「はぁ......早く元に戻りたい」



いつもの視点から、ソルを抱き締めたいよ。大好きな人に抱っこされるのは嬉しいけど、俺としては抱っこする側が良い。


周りから見れば小さな事かもしれないが、俺からしたら死活問題だ。



「大丈夫だよ。直ぐに戻れるから。それにもし戻れなくても、リアルの方で私と遊んでたらさ、この効果時間は直ぐに終わるよ?」


「そう......だな。リアルでも遊ぶか」


「うん!それに同棲についてのアレコレとか、色々と準備したいからね」


「あぁ。待ってる」




それから2人で手を繋ぎ、オケアノスが帰ってくるのを待った。


その際、いつもは小さいと思っていた手が、今の俺には大きく感じた。




「お待たせ!一応試練は完了とするね!」



どうやらアレでもクリア扱いらしい。

クエストフラグが建つ前にアイテムをゲットしていたが、問題が無いようで何よりだ。



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『特殊クエスト:海神の試練』をクリアしました。


<報酬>

・反転効果の消滅

・『反転の横笛』×1

・称号『水帝』


『反転の横笛』

称号効果の反転、容姿の反転、STRとVITの反転が

任意で行える横笛。

実は海神オケアノスの特製品らしい.....

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



ウィンドウが出てくると俺とソルは光に包まれ、俺の姿がいつもの男に戻っていた。



「あ......戻った。『雷霆』......良し!」



雷霆を使って反転効果が消えている事を確認し、俺はソルを見た。



「ふふっ、私も戻ったよ。ルナ君、ちょっと顔をこっちに近付けて」


「ん?......あぁ」



ソルがブリーシンガメンを外し、両手に持ったのを見え、俺の首にかけてくれるのだろう。


そう思っていると、俺にブリーシンガメンを付けた瞬間、ソルが優しくキスをしてきた。



「「「「「「あ」」」」」」



丸一日ぶりの元の体だ。俺もソルに応えよう。


ソルの柔らかい唇を優しく包み返し、俺の愛の大きさを主張する。

それに対し、ソルも負けじと包み返してくれる。


大人しいソルからは想像も出来ない程の大人なキスだ。


まだ心が子供の俺には刺激が強いが、これを機にステップアップしようじゃないか。



そして数分程キスをした後、ソルが優しく微笑んでから口を開いた。



「──んふふ......おかえり」


「あぁ、ただいま」



最後に軽くキスをして、惜しい気持ちを抑えながら、俺達は離れた。



「2人とも......もしかしてすっごく関係進んだ?」


「そうですよ。四六時中イチャコラしてますよ」


「してるね〜」


「してる......と言えばしてるわね」



「あ、アルテミスちゃん。お久〜」



「久しぶりね。今はセレナよ」


「そっか。う〜ん......どうしよ。本来ならここで皆を送り返すんだけど、何かそれは癪だなぁ......ま、いっか!」



オケアノスがフー達と話してる内に、俺はリルとメルを呼んだ。



「父様?どうされました......」

「パパ、どこかおかしか......」



リルとメルを、2人一緒に抱き締めた。

やっぱりこの体じゃないと、大切な人を抱き締める事すら出来ない、と。そう痛感した。



「もう、寂しがり屋さんですね、父様」


「そうだよ。俺は究極の寂しがり屋だ。そうなったのは、全部お前達のせいだぞ?お前達が可愛いあまり、一緒に居たいと思うんだ」


「......それはわたしも。パパやみんながいないと、わたしもさびしい」


「ははっ、俺達は元々、1人だったからな......1度人の暖かさ知ると、もう戻れないんだよな」



ソルと深く関わるようになって、俺もそれを自覚した。


例えば、ご飯を食べる時──

例えば、暇な時間が出来た時──

例えば、寝る時──

例えば、起きる時──


近くに誰かが居る暖かさは、少し離れただけでよく分かるものだ。


1人でご飯を食べる時の寂しさ。

1人で過ごす、暇な時間。

1人で寝る時の、空気の冷たさ。

1人で起きる時の、光の冷たさ。


大切なものは、失ってから気付くとは言ったものだな。



俺は今回の『反転の空中神殿』で、それを痛い程理解してしまったよ。



まぁ、俺が味わったのは『大切な人を抱き締められない』という事だけれど。



「さ、そろそろ帰ろうか。神殿に関しては、もう懲り懲りだ」


「そうだね。後は海で遊んで過ごしたいよね」


「全くだ」



「じゃあ皆を砂浜に戻そうか。ルナ君、ソルちゃん。ここまで来てくれてありがとね!」



「あぁ。じゃあ、またな。オケアノス」


「バイバイ、オケアノス君」




「うん!それじゃあ、また」




オケアノスが手を前に出すと、目の前にウィンドウが出ると同時に光に包まれた。


◆━━━━━━━━━━━━◆

『南の海岸』へ転移します。

◆━━━━━━━━━━━━◆



名前......そのまんまやん......



「今日はもう帰ろう。称号の確認とか、覚書を読んだりしたいしな。ソルはどうだ?」


「私もそれでいいよ。また明日、いっぱい遊ぼう」


「あぁ。じゃあ皆、戻ってくれ。リルとメルはそのままでも良いけど」



リルのメテオラスで、メルと一緒に乗れるからな。



「ではこのまま。メルちゃんと一緒に空を飛びたいと思います」


「のる〜」



「じゃ、お家へ向けて......レッツラゴー」


これにて幼女&最弱イベントは終了です。

次回から話が進み、遂にあの場所について進み始めます。



次回『島国?そんな事より水着だよ!』お楽しみに!

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