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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
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反転の空中神殿




「神殿行くべ。海岸から近い所にあるぞ」


「ん〜、私は水着作ってていい?ビキニ作りたい」


「分かった。飛びっきり可愛いのでオナシャス」



朝ごはんを食べた後、モスベリーの紅茶を飲みながらソルに神殿に同行するか聞いてみたが......水着を出されちゃあ、俺は何も言えん。



「じゃあ行ってくるかな。リル、メル。ソルのお手伝いとお留守番を頼む」


「「は〜い」」


「行ってきます」


「「「行ってらっしゃい!」」」




俺は家を出て、農場に居るセレナの元へ来た。あと、チェリに血をあげに。




「セレナ、俺は少し出掛けてくる。何かあったらアルスを通じて俺を呼べ」


「分かったわ。気を付けてね」


「あぁ......ほれ、チェリ。血をあげるぞ〜」



付喪神の居なくなった愛剣を腕に刺し、チェリに血を浴びせた。



「いいね。少しずつ大きくなってる。頑張って大きくなれよ〜」



そうだ。出掛ける前に鑑定していこう。



▼━━━━━━━━━━━━━━━▼

個体名:チェリ

種族名:宵斬桜

成長段階:2/6

生命力:900,000/900,000

魔力:131,257/500,000

▲━━━━━━━━━━━━━━━▲




成長段階が1上がっている。頑張って血をあげてる甲斐があるというもんだ。



「っし、『フラカン』」



俺は農場から魔法を使い、南の海にある、海底神殿の上まで飛行した。




◇◇




「アレか。誰も来てないっぽいし、一番乗りさせてもらおう。ダーイブ!」



空から海へ飛び込み、再びフラカンにて海を潜って行く。



そしてサーチに引っかかった魔力反応の元へ来ると、逆さになった門が海底に刺さっている、変な建造物が目に入った。



異常だ。何故門だけでなく、神殿本体であろう建物も逆さになっている?


まぁ、入れば分かるっしょ。




そして門がを進もうとすると、ウィンドウが出てきた。



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『海底神殿の鍵』を使用する事で入れます。

『海底神殿の鍵』を使用しますか?

【はい】『いいえ』

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



はいはい、使いますよ〜。



鍵を消費して門を抜けると、俺は神殿の中で立っていた。



「......は?」



◇━━━━━━━━━━━━━━━◇

『反転の空中神殿』に入りました。

『容姿反転』が付与されました。

『称号反転』が付与されました。

◇━━━━━━━━━━━━━━━◇



ウィンドウが出たので、自分の手を見てみると──



「またロリになってる......あ、カメラで見ないと」



数秒前からとても低くなった視点と、小さくなった手でウィンドウを操作し、カメラを通じて自分の姿を見てみた。



「......う〜わ。今までにないロリ化だ」



髪の色は金に、目は銀色に変わり、髪がロングからショートになっていた。



「やべぇ......取り敢えず進むか」



何故かこのゲームは俺の性別をめちゃくちゃにしてくるが、めげずに頑張ろうと思う。



「シリカ達は顕現させたら笑われそうだな。良し、魔法と糸でやるか」



多分、イブキとアルスは笑わないだろうが、幻滅されたら俺が泣いてしまう。

身を守る為に、1人で戦おう。



「ほぇ〜、この効果は1週間続くのね......人生終わったな」



あぁ、泣きたくなってきた。今の状態で帰ったら、ソルになんて反応をされるだろうか。



「耐えろ。前を上だけを見ろ、俺」



普段着から天使シリーズに服を変え、俺は歩みを進めた。




『グギャ!』


「ゴブリンかよ。通路進んだらゴブリン居るとか、不思議だな。『サンダー』......え?」



お得意のサンダーを使おうとしたら、魔法陣が弾けて消えた。



『ギャ!』


「ッ!?......痛すぎだろ!」



ゴブリン一体の攻撃で、HPの2割が持っていかれた。



「あぁもう!『魔闘術:魔炎』」



ペチッ!



「はぁ!?」


『ギャ!』


「クソ......足も重いし攻撃は入らんし、何なんだよここ」



流石に色々とおかしいのでステータスを見てみると、ステータスが有り得ないくらい落ちていた。



「称号反転......マジかよお前」



俺のステータスや攻撃力は、基本的に称号で爆上げされている。

【戦神】と【神を従えし者】が良い例だな。


俺のステータスは大きく下がり、モンスターに与えるダメージは極限まで減った上に、モンスターから受けるダメージが極限まで引き上げられた。



「俺キラーなダンジョンじゃねぇか。リル達のステータスなんて4分の1だし、付喪神ゲーになったか?」


『ギャ!』


「ふんっ!」



最悪だよ。ゴブリンの攻撃を避けるのに全力が必要とか、俺はレベル1の初心者より弱いぞ。



『『『ギャギャギャ!!!』』』


「あっ」



ゴブリンから距離を取ろうと後ろを振り返ると、背後には3体のゴブリンがやって来ていた。



『ギャ!』


「グフッ......カスタム」


『グギャ!』


「ぺぷしっ!」


『ギャギャ!』


「アミグダリンッ......さらば......」



俺は潔く、ゴブリンに殺される事を選んだ。







「あ、ベッドスタートか......寝よ」



まだお昼にもなっていないが、俺はベッドで寝る事にした。


13時間もデスペナが続くし、俺はクソザコナメクジになったし、ふて寝だ。






◇◇






「ん......」



誰かに頭を撫でられる感覚がして、俺は目が覚めた。



「あ、起きた?あと確認なんだけど、ルナ君......だよね?」


「あぁ、ソルか。おはよう」


「おはよう。もう夕方だけどね。いつまで経っても帰って来ないから心配してたんだけど......何かあったの?私に言えることなら、何でも話してね」



有難い。今の俺、神殿の効果で金髪ショートロリになってるからな。



「クラーケンを倒したらさ、海底神殿の鍵が手に入ったろ?」


「うん」


「それを使って、海底神殿に入ってみたんだ」


「うん」


「そしたら、海底神殿が実は『反転の空中神殿』って名前で、俺の見た目と称号効果が反転したんだ」


「うん?」


「そしたらHPが減った時に発動する称号はHPが多い時に、俺のステータスを馬鹿みたいに減らすし、魔法が扱いやすくなる【雷神】なんか、俺に雷属性魔法を使うことすら、許してくれなかった......」


「う、うん」


「それで、俺は合計595レベにも関わらず、雑魚ゴブリンに袋叩きにされる道を選んだんだ......」



つらい。どうして大好きな人の前で、自分が弱くなった事を話しているんだ。俺はソルの前でくらい、強い人間で在りたいのに......どうして......


涙がポロポロと零れ落ちる。


何でかな、性格まで反転したのだろうか。



「よしよし。ルナ君は頑張ったよ。初めての縛りで、上手くいかなかったんだね」


「......悔しい」


「うんうん。悔しいって感じるのは、まだルナ君が出来ると分かってるから悔しいと感じるんだよ。ここから頑張れば、神殿の攻略も絶対に出来るよ」


「あぁ......少し、傍に居てくれ」


「ふふっ、ご飯の為に呼んできたんだけど......分かった。ルナ君の気が済むまで、隣に居るね」


「ありがとう」


「じゃあリルちゃん達にルナ君が帰ってきた事と、明日までこの部屋に入らないように言ってくるね」


「うん」



こんな情けない姿、リル達に見られたくないしな。

ソル、気を遣ってくれてありがとう。そういう優しさ、凄く暖かいよ。




そして数分後にソルが帰ってくると、そのまま俺の隣に寝た。



「ほら、もっと聞かせて?何がダメだったのか、これからどうするのか、ルナ君の考えてる事を全部ぜ〜んぶ、私に聞かせて?」


「あぁ──」




俺はソルに全部話し、ソルはその全てを聞いてくれた。






◆◆






「よしよし。明日は私も行くからね。初めてルナ君でもクリア出来ないエリア......そんなとこでも、2人ならクリア出来るよ」


「すぅ......」


「もう。今のルナ君、完璧に女の子だよ。リルちゃんといい勝負してる」



「大丈夫、大丈夫だよ。ルナ君は1人じゃないよ」



ソルは頭を撫でながら語り続けた。



「今度は私が守るからね......」



「おやすみ。愛してるよ、ルナ君」




次回、『2人なら』お楽しみに。

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