報酬とアルトム森林
イチャイチャしやがって...ケッ!
「どう? 落ち着いた?」
「あぁ、ありがとう」
もう大丈夫。ソルがいる。2人なら、どちらかに何かあっても助け合える。
「じゃあ、マネーレトレント戦の結果見るか」
「うん!」
この笑顔を見ていたい。
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『マネーレトレント』を討伐しました。
『上質木材』×50入手しました。
『知力司る林檎』×25入手しました。
『上質な薪』×20入手しました。
『スキル書:木魔法』×1入手しました。
ルナのレベルが1上がりました。10SP入手しました。
ソルのレベルが2上がりました。
『剣王』スキルレベルが4上がりました。
『弓術』スキルレベルが13上がりました。
『クインティプルショット』を習得しました。『弓術』スキルに統合されます。
称号『解放者』を獲得しました。
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「なぁソル。そっちは何でた?」
ちょっと、ちょーーっと気になる奴がドロップしてた。それが気になるのでソルに聞いてみた。
「えっとね、『上質木材』でしょ? 後は『知力司る林檎』と『上質な薪』だね」
「そっか。ありがと。俺がおかしいみたいだ」
「えっ!? いきなりどうしたの?」
「これを見てくれ」
そう言って俺はリザルト画面を見せた。すると、
「え! 『スキル書』!? 初めて見た! おめでとう!」
「あ、ありがとう。ちなみにこのスキル書、何が習得出来るか分かるか?」
頼む、俺の見間違いであってくれ!
「えっと、『木魔法』って書いてあるね」
あぁ、ダメだったか。
「そうか、俺にも『木魔法』って書いてある気がするんだ。おかしくね? 魔法って『火』『水』『風』『土』『雷』『氷』『聖』『闇』の8属性しかないんじゃなかったか?」
「う〜ん。8属性『しかない』とはあの人達言ってなかったしねぇ......もっと色んな属性があるんじゃない?」
「そうか......まぁ、とりあえず習得してみるよ」
「うん! それがいいよ!」
さ、魔法習得のお時間だ。
インベントリからスキル書を取り出すと、図鑑みたいな結構でかい本が出てきた。すると、
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スキル書を使用しますか?
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と出たので『はい』を押した。そして......
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『木魔法』を習得しました。
『テイム』スキルをプレゼントされました。
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おろ?なんかイメージが......
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スキル書を初めて使用したプレイヤーが確認されました。
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「おいおいおいおい!!!!」
なんか色々とおかしいだろ!!!
「ソル! スキル書のワールドアナウンスは俺の名前出たか!?」
少しづつ解決していこう。
「出てないよ、安心して。それで、何があったの?」
お答えしよう!
「あぁ、あのな、『木魔法』を習得したら『テイム』スキルがプレゼントされたんだ」
俺がそう言うとソルは、『あぁ〜』という反応をした。
「なるほどね。多分わかった。『テイム』スキルは『各属性魔法』を習得すると貰えるみたいだね。私の時も貰えたよ」
「そう言えばルナ君、魔法のイメージが頭に入ってこなかった? 『こう唱えるんだぞー!』みたいなイメージが」
あ、言われてみればなんか頭に入ったな。『テイム』スキルとワールドアナウンスのせいで一瞬で忘れたが。
うーんと、この感じは......あ、そうだ!
俺はいい事を思いついた。
「ちょっと魔法を試していい?」
「もちろん!」
「では、失礼して......」
そう言って俺は『木にむかって弓を射った』
バシュン!
と音を立てて突き刺さる。
そして俺はイメージを固めた。
「じゃあ行くぞ? ......『蔦よ』!」
俺がそう言うと、矢が刺さった木の近くから、どこからともなく蔦が現れ、矢を引き抜いて、俺の足元に持ってきた。
「「おぉ〜!」」
驚いた。これは便利だ。矢を拾う手間が殆どない。
「ルナ君ルナ君! その魔法って消費MPどれくらいなの?」
「うんとな、基本は30MPみたいだな。運ぶ距離で増えるようだ」
イメージの中じゃ、100mくらいは30MPで運べそうだ。
「なるほど、そこそこ便利だね。近い所の矢は自分で回収して、遠いところの矢は魔法を使えば効率的かな?」
「そうだな。って言うかこの魔法しかイメージが送られて来なかったんだが大丈夫なのか?」
「え! 1つしか覚えてないの?聖属性魔法の時は『ライト』と『ヒール』あと『クリア』の3つだったよ!」
そうなのだ、ソルは今、3つの魔法が使える。いや、自分で開発したらもっと沢山使えるんだろうけど。そして今言った3つは順に、『光を出す』魔法と、『HPを回復する』魔法、『状態異常を治す』魔法だ。
「うーん......やっぱり蔦しかない。これは自分で開発しろって事かな?」
「多分、そうなのかな? そうだといいね」
━━━この考えは当たっていた。その事を第2回、公式生放送の時に知る━━━
「さ、そろそろアルトム森林に入るか?」
魔法の検証は後にして、今は金稼ぎだ。そのために弓術のレベルを上げなくては!!
「そうだね、行こっか」
ソルは頷き、腰に剣を装備し、弓を持った。
それに対し俺は、弓オンリーだ。少しでも弓術のレベルを上げたいからな、強引だが、多分なんとかなるだろう。
「さあ、最初のモンスターはどいつかなぁ〜?」
「私の予想だと、フォレストゴブリンかな?」
そう言って俺達はアルトム森林に入った。
「お! あれは......ゴブリンだな」
ゴブリンがいた。肌は緑で、身長は130cmくらいかな?手には錆び付いた剣や、太い木の枝の様な棍棒を持っている。
「予想的中だね! 数は......6体だね。どうする? 3体ずつ殺る?」
「そうしようか。俺は左半分を殺るよ」
「おっけー。なら右側を」
まだバレていない距離だった。
俺達は誰がどこのゴブリンを倒すか相談したあと、弓を構えた。
ドパン!!!
バシュン!
「えぇ......ソルさん、強すぎません?貫通してますよ、頭」
そう、俺はソルより、0.2秒程後に射ったのだが、ソルの矢は、ソルが殺ると言った右側3体のうち、手前にいた1体の頭を貫通して、2体目の心臓部に刺さり、2体ともポリゴンとなって消えた。
「こえぇえ! 俺も早く倒そ」
2体目までポリゴンになったのを確認して、俺は声を上げた。いや、あれは恐怖よ。『同じくらいかな?』って思ってたソルの矢が、もう弓と言うより『銃』みたいになってるもん。どれだけDEXにSP振ったらこうなるんだ?
そうして1分もかからないうちに、フォレストゴブリン6体は全滅した。
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『フォレストゴブリン』×6討伐しました。
『錆び付いた剣』×2入手しました。
『弓術』スキルレベルが2上がりました。
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「やった! やったよルナ君! 称号ゲットした!」
ソルがぴょんぴょん跳ねながら言ってきた。
あぁ......尻尾も振ってぴょんぴょん跳ねて、可愛い。
「おめでとうソル。内容は......聞かない方が良いかな?それに、どんなのか大体分かるしね」
あの貫通だろうなぁ。
「ううん! 教えるよ! ゲットした称号は『ワンショットツーキル』って名前で、効果は『1回の攻撃で敵2体に命中した時、その攻撃力が1.5倍になる』だって!」
「へぇ、かなり強いな。それに『キラー』系が合わさったらとんでもないぞ。あと、これは教えてくれなくてもいいんだが、今、ソルのDEXってどれくらい?」
気になったのだ。ゴブリンの頭を貫通させるほどの威力が出るステータスを。弓術レベルもまだそこまで高く無いだろうに、あんな威力が出るものなのか?
「いいよ! ってかルナ君には何時でもステータスを見れるように設定しておくね?」
おいおいマジかよ。
「そ、それはなんか申し訳なくなるな......俺のもソルには見れるようにしておくよ。隠したいのは1つだけだしな」
『最弱無敗』だけは隠したい。最弱なのに無敗なのを誇れば良いのか分からないし、効果が高すぎることもちょっと知られたくない。
「それでいいよ! ありがとう!へへへ〜何時でもルナ君が見れるじぇ〜」
キャラ崩壊してるぞソル!!
「あ、DEXの話だったね。私の今のレベルは17、それでDEXは1,480だよ」
は?
「すまん、俺の聞き間違いかもしれないんだが、今、なんて言った?」
「DEXは1,480だよ。SPを100振ったの」
おうまいがー。聞き間違いじゃなかった。なんだそのオバケステータスは!!!!
いや、待てよ。考えても見ろ、俺の残りSPは300と少しある、それを1つに特化させたら同じくらいになるのでは?
計算ターイム!!!
現在のDEXは、レベルが35なので34に10を掛けて、レベル1の時の20を足す。すると360ですね。
そして残りSPの340に10を掛けて、360に足します。するとなんと!3,760になるではありませんか!!
以上、計算タイムでした。
「なるほど。そのステータスなら納得だ。最初は『高すぎるだろ』って思ったんだが、残りSP全部突っ込んだらソルを超える数値が出ることを計算してな。驚いたよ」
「それはそれで凄いよね......私の場合、狐人族の1.3倍補正有りで、この数値だからね」
「まぁ、レベル差があるからな」
『最弱無敗』が無ければSPを振りたかったが、『最弱無敗』が無ければここまでレベル達は上がらない。これがジレンマと言うやつか。
「じゃあ、狩りの再開するか。数時間狩って、街に戻ろう。明日、聖の曜日は自由にするか」
多分俺達なら150万くらい直ぐに稼げるだろう。謎の自信があるぞ。
「うん! 午前中は買い物とかしようよ!」
「そうだな。そうするか」
今日と明日の予定を立てる。......そういやソルはアイテムの換金をしてないな。街に戻ったらギルドに行かないとな。
そして森を歩くこと数分。
「なぁ、あの木なんか変じゃね?」
「えっ? どれ?」
そう言って俺が指を指した先の木は『何か』他の木とは違う印象を受けた。
「ほら、あれ。なんか、他の木より黒くないか?」
言ってて気づいたわ。黒いんだ。あの木。
「ホントだね。あれがトレントなんじゃない?」
「まぁ、だろうな。ソル、一撃目いく?」
「いいの? ならやるね!」
そうしてソルは弓を構え、矢を2本番え、射った。
ドパパン!!!!
ひぇぇぇえ!!!やっぱり弓の音じゃねぇ!!!
「あれ? 倒しちゃった?」
そう、2本の矢が『貫通』した時に、既にトレントはポリゴンとなって消えている。
「なぁ、ダブルショット......いや、なんか面倒臭いな。マルチショットで攻撃したら、『ワンショットツーキル』はめちゃくちゃ輝くんじゃないか?」
単に一回の攻撃が複数ヒットになるからな。提案してみた。
「確かに!! ホントにその通りだよ!! 『1回の攻撃で』だから、『1回』の攻撃で『2回』ダメージを与えれば、2体に当たった時のダメージが格段に増えるね!!!」
まぁ、貫通すれば、その時点で少しは威力が落ちるからな。
「意外と盲点だったな。ってかそれで行くと、弓術レベルが上がるほど、ソルはとんでもない弓術士にならないか?」
多分、トッププレイヤーと呼ばれる人になるだろうな。力と経験の量と質が他の人と
比べ物にならない。
「大丈夫だよ。私はそこまで戦闘する気は無いから。ルナ君のサポートのため、弓があればいいな〜って思ったから今は弓術レベル上げてるし」
「じゃあ、上げ終わったらどうするんだ?」
弓術レベルが100になりました。では次はどうするんだ?ソルは。
「私ね、生産職になりたいの! 料理とか、裁縫とか、アクセサリーとか!」
おう......可愛いぜ。
「いいな、それ。俺も弓術の後は『錬金術』とかやってみたかったし、家とかあったら買うか?」
「そうだね! 私達だけの家が欲しいね!」
━━━この時の俺、気づいてないな。二人一緒で暮らすことに━━━
「ま、その為にも巫女服の為にもお金が必要だ。まだマネーレトレントを倒した奴はいないだろうし、この森じゅうのモンスターを狩ろう」
「うん!!」
そこから7時間ほど狩りをした。
今はもう夜だが、街へ向かうために草原にいる。
森ではオークもいて、そこそこ強かった。
オークは顔が豚の、2m近くある巨人のような見た目だった。そこまで気持ち悪く無かったのが印象的だな。
足の筋を切ってから2人で弓を射る作業になった。
もう、『作業』なのだ。無駄にHPが多くてな、ソルの弓でも5発耐えるとか意味わからん。
そして気になるリザルトは......?
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『フォレストゴブリン』×1043討伐しました。
『トレント』×200討伐しました。
『オーク』×104討伐しました。
『錆び付いた剣』×631入手しました。
『木材』×400入手しました。
『薪』×180入手しました。
『リンゴ』×200入手しました。
『豚肉』×502入手しました。
『上質な豚肉』×10入手しました。
ルナのレベルが8上がりました。80SP入手しました。
ソルのレベルが9上がりました。
『剣王』スキルレベルが18上がりました。
『弓術』スキルレベルが21上がりました。
『セクスタプルショット』を習得しました。
『セクスタプルショット』は『弓術』に統合されます。
『弓術』は『王弓』に進化しました。
称号『イクスティンクション』を獲得しました。
称号『ゴブリンの天敵』を獲得しました。
称号『ゴブリンキラー』を獲得しました。
称号『ワンショットツーキル』を獲得しました。
称号『二王凱旋』を獲得しました。
『ゴブリンの天敵』は『ゴブリンキラー』に統合されます。
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「なんか大変なことになってんなぁ」
「どうしたの?」
「いやな、称号の上3つはソルも取れただろうが、5つ目は何やら匂うんだ」
「凄いね、なんか『漢字四文字』って凄くカッコよく見えるよね」
「だよなぁ!! 俺もそう思う。ま、詳細は明日確認するか。今日は直ぐに宿屋へゴーだな」
「うん!!」
そうして俺達は手を繋いで街に帰った。
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名前:ルナ Lv34→43
所持金: 79,250L→78,950L
種族:人間
職業:『剣士』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:430→520
MP:430→520
STR:350→440
INT: 350→440
VIT: 350→440
DEX: 350→440
AGI: 350→440
LUC:175→220
CRT:26→34
残りSP:330→420
取得スキル
戦闘系
『剣王』Lv2→20
『弓術』Lv64→100→『王弓』
new『クインティプルショット』→『弓術』
new『セクスタプルショット』→『弓術』
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
魔法
new『木魔法』Lv1
生産系
『鍛治』Lv1
『金細工』Lv1
『裁縫』Lv1
『調薬』Lv1
『木工』Lv1
『錬金術』Lv1
その他
『テイム』Lv1
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名前:ソル Lv26
所持金:4,200L
種族:狐人族
職業:『弓術士』
称号:『ワンショットツーキル』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:880 (50SP)
MP:175
STR:270
INT: 270
VIT: 270
DEX:2,821 (190SP)
AGI: 270
LUC:135
CRT:22
残りSP:10
取得スキル
戦闘系
『剣術』Lv21
『弓術』Lv65
魔法
『聖属性魔法』 Lv3
その他
『テイム』Lv1
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アイテム説明、スキル説明、称号説明は次回に全部やります。多分つまんないかも知れません。ごめんなさい。
これから大事な所に入るのですが、その前に掲示板回を挟めたらなぁ〜と思っています。
次回、『確認と噂』 お楽しみに!
...あ、アイデアノートの整理を忘れてました...