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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
249/492

初日から大暴れ 2

クラーケンとの戦い。




◇南に70km程先の海上にて◇




「ルナ君、アレがクラーケン?」


「......だな。帰らないか?」


「いや〜、予想以上に大きいね!頑張ろう!」


「......だな。帰らないか?」


「さ、魔法の準備は出来た?最初はサンダーからいこ!」


「......だな。帰らないか?」



「うるさぁぁぁい!黙って私に着いてきて!!!」


「......はい」



万が一、あんな展開やこんな展開になった時、俺のリアルがピンク色になってしまう。


その為に帰ろうと提案していたら......しつこすぎた。


仕方ない、頑張ろう。



「ソル、どっちから殺る?手前?奥?」


「手前から。奥は私がやるから、手前をルナ君がお願い」


「分担か、分かった。じゃあ、くれぐれも触手には気を付けて」


「襲われたら襲うからね」


「わぁ怖い。そういうのは大人になってからだゾ」


「ふふっ、それならルナ君の分は早く倒して、私を守ってね?」


「あぁ。じゃあ行ってくる」


「うん!」



良かろう。愛するソルを触手の手から守る為、このルナ、本気で挑もうじゃないか。


そうして俺は空から海へ飛び込み、不死鳥化を発動させた。



◆━━━━━━━━━━━━━━━◆

『最弱無敗』が発動しました。

『死を恐れぬ者』が発動しました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━◆



「オケアノスありがとう。不死鳥化のお陰で水中で呼吸出来ちゃうぜ」



2回息を吸えばHPは0になるが、不死鳥状態なら死なないので、上手く効果が重なってくれた。



『ギュルルルル!!!』



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

【イベントレイドボス】

【帝王クラーケンLv1500】との戦闘を開始します。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「はぁ!?」



いくら何でもレベルが高すぎる。1500なんて、このゲームのプレイヤー全員で掛かっても勝てないだろう。



『ルナ君!こっちのクラーケンのレベル、600もあるんだけど!そっちは倒せそう?』


『悲報です。こっちのクラーケン、1500レベです』


『4桁!?』


『あぁ。って事で、帰らないか?』


『凄く賛成したいんだけど......攻撃が早すぎて逃げられない』


『へぇ、こっちのは何もしてこないぞ。ただ、目を離した瞬間に俺はフルボッコにされるだろうけど』



フルボッコというか、串刺しかな?

あのクラーケン、じっとこちらを見ているだけなんだ。

いや、『見て』いるのかな。俺の泳ぎの癖や、体の動かし方の小さな変化。多分、そういうのを見ているのだろう。



『ソル。連絡が取れそうならピギーとかルヴィさんを呼べ。俺には一切頼るな。それと、近付かないこと。こっちのクラーケンの射程圏内に入ったら、一瞬で死ぬぞ』


『分かった。それと私の予想を置いとくと、多分このクラーケンって、私達のレベルを3倍にしたんじゃないかな。多分、パーティの平均レベルの3倍?』


『なるほど。俺達 パーティを組んで無いから、それぞれのアホレベルになってるって訳か。その予想が合ってると信じて、ソルは皆を呼べ』


『うん!死なないでね』


『残念。()()()()んだ』



そう言ってボイスチャットを切り、俺はクラーケンを『見た』



イカ特有の2本の触腕は長く、先端が剣の様に鋭い。

あの触腕で攻撃されたら、ひとたまりもないだろう。


そして他の8本の触手を見て思った。......コイツ、万能タイプだ。


それぞれの触手の先端が『盾』『槍』『斧』『杖』となっている。

杖はメイスの様な、物理で殴るタイプの杖で、それぞれの装備は2本ずつ造られている。



あれはマズイ。戦っていて楽しいが、考える事が膨大に増えていくタイプだ。

きっと魔法も使うだろうし、水中というデバフが掛かっている中、俺は今までにない強敵と戦う事になってしまった。




「良し、クラーケッ......」



◆━━━━━━━━━━━━━━━◆

『守護者の加護』が発動しました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━◆



凄まじい勢いで触腕が俺を貫き、文字通り胃に穴が空いた。


......胃どころか、お腹に穴が空いてるけど。



「シリカ」


『はいは〜い......って、何あのクラーケン!?』


「殺るぞ」


『水中で刀を!?嘘でしょお兄さん!』


「魔法と魔刀術で地道にやる。ソルや増援部隊から遠ざけるようにするぞ」


『う、うん!』



水中で自在に動くとなると、フラカンで飛行するのが1番だろう。

下手に水属性の魔法を使うより、飛行魔法で自分の座標をコントロールした方が、多分効率が良い。



『ギュルル!!』


「『戦神』『フラカン』......ほらな」



触腕の突きを回避し、クトネシリカを抜刀する前にサーキュレーションで首から下に空気の層を作った。


これなら抜刀する時に、鞘に海水が入らない。



『ギュルルルルルル!』



クラーケンが剣と槍による突きを放つが、まだこの速度ならクトネシリカで弾けるので問題ない。



「こっちだクラーケン」



俺はソルの反対方向、つまり南に移動しながらクラーケンを誘導する。

この時、大きく距離を離すと誘導されている事がバレるので、ゆっくり、少しずつソルから距離を取っていく。



『ルナ君!ピーちゃん達が来てくれるって!』


『泳いでか?』


『うん!でも魔法を使うから直ぐに着くって言ってた!』


『それは良かった。ソル達は北上しながらクラーケンと戦ってくれ。俺の方は......最悪、海岸から何百キロと距離を取って封印する』


『分かった。それともし私の方が倒せたら、付喪神達はルナ君の手に戻してあげて。リルちゃん達とアルス君は私が見ておくから』


『ありがとう。よろしく頼む。じゃあな』


『うん。大好きだよ』


『あぁ。こっちの化け物が倒せたら、キスでもしようか』


『うん!頑張ってね!』


『頑張る』




これでソルの方は大丈夫だろう。レベル600ならまだ、トッププレイヤーが集まれば対処出来るはずだ。


ただ、こっちの1500レベの対処は無理だろう。


文字通り、格が違う。



俺は自分の強さを知っている。このゲームでの周りからの評価や、どのような目で見られているかも。


だから、俺が原因で出現した、99%倒せないモンスターは俺の手で何とかしよう。


プレイヤーの誰もが楽しめるように、プレイヤーである俺が頑張るんだ。



それに、頑張ったら頑張った分、ソルに癒してもらえる。俺にとっては、それが大きな大きなやる気となるのだ。




『ギュルッ!』


「斧か......『斬』」


『ギュルル』



斧の攻撃を避け、触手を斬ろうとしたら盾の触手で防いできた。



「くっ、硬い。取り敢えず鑑定!」



久しく使っていなかった『動物鑑定』を使った。



◇━━━━━━━━━━━━━━━◇

名前:帝王クラーケン<Lv1500>

HP:149,852,147 / 150,000,000

◇━━━━━━━━━━━━━━━◇



俺は後悔した。1億5000万ものHPを見て、俺は後悔した。

神龍の約2.5倍のHPだ。それを水中という慣れない環境で削りきれるだろうか。


......覚悟を決めろ。俺が撒いた種だ。俺が刈り取るんだ。



「『戦神』『雷霆』『雷霆』『雷霆』」


『お兄さん!?魔力がもう無いよ!?』


「静かにしてくれ」


『っ............うん』



MPの全てを使って雷霆を作った。


2重の魔法陣から作られる雷の槍。称号『雷神』が無ければ制御どころか、作成すら出来ない魔法。


それを全力で3つ作り、完璧に制御する。



バチィ!バチバチ!!!



毛糸の様に粗い雷の槍が、徐々に徐々に、細く、鋭く、金属の槍の様に美しくなる。


すると槍は、静かな光へと変貌した。



『すご......』


『ギュルルルル!!!』


「3」



ブチィィィ!!!



俺を貫かんと飛ばしてきた2本の槍は、龍の(いかずち)によって、その根から引き千切られた。



『ギュルルッ!?ギュルルルル!!!』


「2」



海に居る全て者を引き裂く斧も、龍の(いかずち)によって無惨にも散った。



『ギュルルルルルルルルル!!!!!』


「1」



帝王の剣と杖は、雷神の(いかずち)に打ち勝てず、その武器を手放した。



『ギュルル......』


「『戦神』『ストレングスエンハンス』『魔刀術:雷纏』」



紡ぐ言葉は簡潔に。入れる力は最大限。


例えここで仕留め切れずとも、大きな時間は稼げる。


俺の目的は人からクラーケンを離す事。そして海底に隠された謎の構造物を探す事。


砂浜でクラーケンを見つける前に察知した、このイベントの目玉であろう場所。



『ギュルルルル!!!』


「化け物......遊ぼう。『(らい)』」




刹那、海に凄まじい衝撃が走った。

稲光が発生した場所から東西に海が割れ、南北に波が伝わっていく。




「『サーキュレーション』」




『ギュルルル』


『生き......てる......』


「鑑定」


◇━━━━━━━━━━━━━━━◇

名前:帝王クラーケン<Lv1500>

HP:96,863,124 / 150,000,000

◇━━━━━━━━━━━━━━━◇



6000万ダメージといった所らしい。あと2回、魔刀術を使えばコイツは消え去る。


いや、雷霆も必要か。




「エリュシオン、『魔槍術:雷閃』」



俺はエリュシオンに魔槍術を発動させ、クラーケンに向けて全力でぶん投げた。



ブシュゥゥ!!!



クラーケンの目と目の間に槍が刺さり、尋常ではない量の血のポリゴンが海に溢れ出した。



『ギュルルルルルルル!!!!!!!!』



残った2本の触手を振り回し、クラーケンは大きく暴れだした。



◇━━━━━━━━━━━━━━━◇

名前:帝王クラーケン<Lv1500>

HP:12,475,632 / 150,000,000

◇━━━━━━━━━━━━━━━◇



どうやら目と目の間が弱点みたいだ。俺の持つ武器の中では、そこそこ弱い部類に入るエリュシオンでさえ、ここまでHPが削れた。



「最後だ......イブキ」


『はっ』


「仕事だ。シリカ、短剣に」


『は〜い......って切るの!?』



俺は自分の腕を切り、血をイブキに吸わせた。



『おぉ......力が漲りますぞ。ルナ様、やりましょう』


「あぁ」



俺は【夜桜ノ舞】を発動させ、イブキを構えた。



「すぅ............はっ!」



サーキュレーションによって生まれた海の中の陸地。

そこに立つ、一体の化け物と一人の化け物。


そんな化け物同士の戦いは、決着が着いた。



『ギュル?』


「毒だ......じゃあな」


『ギュルル......ギュル......ギュルルルル......』



イブキによって注入された毒で、クラーケンは苦しみながらポリゴンとなって散った。



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

プレイヤー『ルナ』が、

【帝王クラーケンLv1500】を討伐しました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「勝った......ソル達よりも早く」



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

プレイヤー『ソル』『ピグレット』『アテナ』『ジョーカー』『マサキ』『ルヴィ』『ガーディ』『イリス』により、【クラーケンLv600】が討伐されました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「あっちも終わった」



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

【帝王クラーケンLv1500】を討伐しました。

『帝王イカの剣脚』×15入手しました。

『帝王イカの槍脚』×15入手しました。

『帝王イカの盾脚』×5入手しました。

『帝王イカの斧脚』×15入手しました。

『帝王イカの杖脚』×15入手しました。

『海底神殿の鍵』×1入手しました。

『シェルフラグメント』×1500入手しました。

『帝剣:海閃』×1入手しました。

『帝衣:海の衣』×1入手しました。

『スキル書:海魔法』×3入手しました。

『覚書:東の島国の貿易者』×1入手しました。


レベルが51上がりました。


『槍王』スキルレベルが99上がりました。

『魔槍術』スキルレベルが99上がりました。

『龍神魔法』スキルレベルが8上がりました。


称号【海の帝王単独討伐者】を獲得しました。

称号『冷酷』を獲得しました。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「長いなぁ......ソルを連れて、帰ろうか」


『そうしよう!』


『御意に』



俺はイブキを納刀し、海上に飛行してからサーキュレーションを解除し、海を元に戻した。



「あ!ルナ君!」


「ソル......陸に着いたら癒してくれ」


「......うん。ゆっくり休んでね」



少し、集中力を使いすぎた。魔力切れになっても強引に動いていたし、頭痛がする。



マサキとアテナが海面を滑って来た。



「おいルナ!お前4桁って......大丈夫か?」


「ルナ、お前休めよ?」


「あぁ」



俺は短く返事をして、ソルの箒に相乗りした。

ちょっと......飛ぶのもしんどい。



「ちゃんと掴まっててね。ピーちゃん達、ありがとね!後で場所送るから、色々話そうね!」


「うん!また後でね〜!」


「ばいばいピギー」


「子供みたいだね、ルナ。まぁ、またね」




そうして北へ進み、リル達の待つ場所へと帰った。




◇帰路にて◇




「ルナ君、お疲れ様」


「あぁ......ありがとう」


「ふふっ、弱ってるね。凄い衝撃だったし、全力でやった?」


「うん」


「もう。その集中力は長く使わないと、短く使ったら頭に負担が掛かるよ?」


「......今味わっている」


「だよね。頭痛なら直ぐに治まるだろうし、着いたら膝枕してあげる」


「ありがとう......ソル。俺はソルが好きだ」


「えへへ。取り敢えず、今はゆっくりしてて。ちゃんと私がみんなの所に送るから」


「あぁ......」







◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

名前:ルナ

レベル:344→395

所持金:53,845,290L

種族:人間

職業:『ヴェルテクスギルドマスター』

称号:『スライムキラー』

所属ギルド:魔法士・Bランク冒険者(0/300)

Pギルド:『ヴェルテクス』

所持因子:『稲荷』他6柱

所持技術:『魔力打ち』他多数


HP:17,160→19,710

MP:17,160→19,710

STR:17,160→19,710

INT:17,160→19,710

VIT:17,160→19,710

DEX:17,160→19,710

AGI:17,160→19,710

LUC:8,575→9,850

CRT:100(上限値)


SP:1,540



『取得スキル』


戦闘系


『剣王』Lv100

『魔剣術』Lv100

『王弓』Lv100

『魔弓術』Lv100

『槍王』Lv1→100

『魔槍術』Lv1→100

『武闘術』Lv100

『魔闘術』Lv100

『刀王』Lv100

『魔刀術』Lv100

『操王』Lv100

『魔糸術』Lv100

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv100



魔法



『火属性魔法』Lv100

『海魔法』Lv30

『風属性魔法』Lv100

『土属性魔法』Lv100

『雷属性魔法』Lv100

『氷属性魔法』Lv100

『聖属性魔法』Lv100

『闇属性魔法』Lv58

『自然魔法』Lv100

『龍神魔法』Lv81→89

『古代魔法』Lv1

『音魔法』Lv100

『妖術』Lv1



生産系



『神匠:鍛冶』Lv100

『神匠:金細工』Lv100

『裁縫』Lv99

『調薬』Lv82

『神匠:付与』Lv100

『木工』Lv1

『料理』Lv83

『神匠:錬金術』Lv61



その他



『テイム』Lv4

『不死鳥化』Lv100

『マナ効率化』Lv0

『植物鑑定』Lv0

『毒物鑑定』Lv0

『動物鑑定』Lv0

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

水中を飛行するプレイヤーは、後にも先にもルナ君1人でしょう。


それと、帝王になるにはレベル1000以上が条件です。



次回はお遊び回です!癒されていってくださいね!




今回のお話が面白いと感じたら、気軽に感想やブックマーク、★評価をよろしくお願いします(*・ω・*)ゝ


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― 新着の感想 ―
[気になる点] そういえば色々毒の研究したのに調薬と錬金術が上がらないような気がするね w
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