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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
248/492

初日から大暴れ 1

イベント初日です(*´ο`*)



◆━━━━━━━━━━━━━━━◆

イベント: 夏の思い出(サマーメモリーズ)を開始します

◆━━━━━━━━━━━━━━━◆




「イベントが始まったぞ〜!」


「「「「「いぇ〜い!」」」」」


「海でのイベントだぞ〜!」


「「「「「いぇ〜い!」」」」」


「早速海に行くぞ〜!」


「「「「「いぇ〜い!」」」」」



遂にイベントが始まった。


俺がやるべき事は確立しているので問題ない。


シェルフラグメントを集め、ソルに渡し、後は遊ぶ。

レイドボスは出会えたら戦うスタイルで、自分からは探しに行かない。


いや、シェルフラグメントを大量にドロップする可能性を考えたら、ボスを狙うのも良いかもしれん。




「ふふっ、ルナ達は元気ね」


「主はあれくらい明るいのが、丁度良いのです」


「はっはっは、そうですな。ところで2人とも、混ざらなくて良いのですかな?私は見守るくらいが合ってましてな」


「あら、そうなの?まぁ、私も可愛いルナが見れたら十分だから、ここで良いわね」


「我は......アウェー感に襲われます」



「「分かる / 分かります」」



「何だろうね......一家団欒に混じりこんだ他人の気分になるのよね......」


「言い得て妙ですな」


「我、あそこに入る勇気が無いのです。その点主は、そういう勇気を持ってらっしゃるのでしょう」



「いや?一家団欒に入る勇気どころか、人と目を合わせるのも苦手だぞ?俺は」



後ろで3人が話しているのは聞こえていた。

俺としては皆で遊びたいんだが、人数が増えるとそう上手くいかないのは知っている。

だから、個人的に接する機会を増やしてるんだ。


セレナなら農場で話をして果物を食べたり、アルスとは戦闘をして遊んだり。

唯一、イブキだけはまだ遊べていないんだよな。



「ほら、全員で行くぞ。付喪神組は武器に戻ってくれ。アルスは......すまん、お前も戻ってくれ」


「承知しました」


「よし、3人とも、東と南、どっちの海がいい?前回のは東だぞ」


「じゃあ南〜!」


「私も南の海に行ってみたいです!」


「どっちでもいい」


「じゃあ南で決定だな。何があるか分からんから、初めての噴水ワープで行こう」



遂にワープを使う。多分、今の俺は『イニティ』『ロークス』『ディクト』の3つの街に行き来可能なはずだ。

今回初めてワープを使うが、便利そうならこれからも利用するようにしよう。



そして王都ロークスの、大きな噴水のある広場まで歩いて来た。



「Hey ソル。どうやってワープするの?」


「......すみません。よく分かりません」


「ソルクサ、ワープの仕方を教えて」


「こちらの検索結果が出ました......普通にウィンドウを出したら良いみたいだね。ワープは何処まで飛ぼうと、一律100L(リテ)だって」


「ありがとうソル。だっ......行こうか」



危なかった。公衆の面前でソルに抱きつく所だった。

幾らソルが可愛いからって、流石に外で抱きついちゃ──



「ぎゅ〜!」



俺から行かなくとも、ソルの方から抱きついて来た。

......しかも大きな声を上げながら。



凄いぞ。周りのプレイヤーや現地人が、一気にこっちを見たぞ。




「母様ずるい!私も!」


「じゃあわたしも」



リルとメルが両サイドから抱きついて来た......動きにくい。

って言うか、周りからの目が痛い。俺の胃も痛い。



「3人とも......やめて......早く行こ......?」


「しょうがないなぁ。帰ったら、ね?」


「『ね?』じゃねぇよ。取り敢えず行くぞ。貝とかカニとか倒しに行くぞ」


「は〜い」




そうして俺達は、噴水ワープでイニティまで飛んだ。


リルとメルはテイムモンスターなので、料金を払う必要が無かった。

馬車はお金が必要なのに、ワープは必要ない......


これは『運営』が用意した物と、『住民』が用意した物だと、そう区別されているのかな?




「うわぁ、懐かしい景色だと思ったけど......」


「あぁ、強くなったプレイヤーで溢れ返ってるな」



そう、今のイニティの広場には、ゴツゴツの厳つい鎧に包まれ、自身より大きい大剣を持ったプレイヤーや、キラキラと光る金色のライトアーマーを着た、如何にも『勇者』みたいなプレイヤーがそこかしこに見える。



「眩しいですね。皆さんは暑くないんでしょうか?」


「ここだったら、ぬげばいいのにね」


「ま、プレイヤーが楽しそうで良いじゃないか。皆海の方へ向かっているし、俺達も着いて行こう」




俺達は、適当なプレイヤーをガイドに、無事にイニティの南にある砂浜まで来た。



「「「「『『『うわぁ......』』』」」」」



お喋り7人組は、砂浜の人の量を見てドン引きした。



「アレだね、有名な海水浴場に来た気分だね」


「だな......帰りたい」


「ダメですよ、父様。ここまで来たら遊びますよ!」


「そ〜そ〜。かえるのはもったいない」


『まぁ、家から直ぐに来れますけどね』


『お姉ちゃん!そういう事言わない!』



チッ!シリカめ、俺がフーの言葉に乗ろうとした瞬間に止めやがってッ......!



「はぁ......イブキ」


「ここに」


「悪いが、ソルや子供達に何かあったら守ってくれ。これ、神鍮鉄の糸を渡しとくから、もし戦闘になったらこれで殺れ」


「承知しました」



イブキは糸術や弓術、刀術などの、DEXが必要になる武器が得意との事なので、護身用に糸を渡しておいた。

この糸、俺が普段使っているオリハルコンの糸の50倍以上強いけど、正直今のままで十分なんだ。


俺が私用で使うより、イブキが何かに役立てた方が良いからな。



「次。アルス、セレナ」


「はっ」


「な〜に?」


「リル達と遊ぶ為に場所の確保をしてくれ。端っこでも岩場でも良い。頼む」


「承知しました」


「分かったわ。アルス、行くわよ」


「はい!」



出来れば、戦闘が起きても邪魔にならない場所が良いが、それは難しいので2人に任せる。そこそこおバカな2人なら、いい感じのポジションを取れるだろう。



「フー、シリカ」


「暑いんで戻りたいです」


「暑いね〜」



呼んだ瞬間に戻ろうとしたので食い止めた。



「な、何をするダーッ!」


「暑いよぉ、お兄さん」


「『サーキュレーション』これで我慢しろ。2人には現状での見張りを頼む。ソルにナンパしようとする奴が来たら、神度剣で斬れ」


「え゛っ」


「いいな?」


「いや、あのっ」


「い・い・な?」


「はいっ!ソルさんをお守りします!」


「それで良い。シリカはサポートだ。もし強いプレイヤーが力尽くで来た時に、ボコボコにしろ」



もしレベル300とかのプレイヤーが来たら、フーどころか、ソルですら相手にならないかもしれない。

そういう時は、STRがイカれてるシリカにサポートしてもらおう。


シリカのパンチなら......多分、クリティカルが出たら頭が消し飛ぶ。



「りょうか〜い。ってかお兄さんはどうするの?」


「そうですよ!ルナさん、何も仕事してないじゃないですか!」


「いや、今から行くんだけど。ソルも来るか?」


「どこに行くのかは分からないけど、ルナ君が行くなら私も行きたいな」


「父様、どちらに行かれるので?」



そりゃあ勿論、挨拶にだよ。今回の目玉らしき存在にな。



「クラーケンに挨拶して来ようかと」


「「「「クラーケン?」」」」


「ルナ君、分かるの?」


「あぁ。南に......80キロくらいかな。海底に2体いる」



しかもどんどん北上してるから、このままだと数時間もしないうちにここまで来るぞ。


でもまぁ、俺の目的はそこじゃないんだけどな。



「80キロかぁ......空飛んで行けるかな?」


「それで行けると思うぞ」


「父様。私とメルちゃんはどうすれば?」


「アルス達と遊んでてくれ。海で泳いでも良いし、新しいモンスターを狩っても良い。俺とソルが戻るまで待っていてくれないか?」



すまないなぁ。俺もリル達と遊びたいのだが、水着の素材ってクラーケンの方がドロップ量が多そうなんだよ。

今日は少し、イカ狩りに行かせてくれ。



「分かりました。またお城を作ろうと思います」


「こんどはもっと、おおきいのつくる」


「あぁ。ごめんな、2人とも。クラーケンが触手でなければ、2人も連れて行くんだけどな......」


「ちょっと待ってルナ君。今聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど」


「大丈夫。万が一の時は俺が助けるから」


「......良し。もし何かあったら、リアルで襲おう。うん、そうしよう。そうした方がいいよ私」



やべぇ......軽い気持ちでソルを誘ったが、全力で守らないといけない気がしてきた。



「ルナさん、死んできてくださいね!」


「お兄さん。シリカはお兄さんのお兄さんが無事ている事を祈っているよ」


「嫌だ!シリカにそんな心配されたくない!」



どうしよう、クラーケンの所に行きたくなくなってきた。



「さぁルナ君、行くよ!」


「待って!お願い!待ってぇぇぇ......!」



「「「「行ってらっしゃ〜い」」」」




「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」




俺は箒を出したソルに手を掴まれ、そのまま南の空へ飛ばされた。

大人数ならではの役割分担ですね!


次回はそのまま大暴れの2話目です。


クラーケン.....一体どんなモンスターなのでしょう。

意外な展開もあるので、お楽しみに!


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