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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
245/492

自称最弱vs槍星

いつかの刀王




「その遊びとは......一緒に依頼を受けるという事かい?」


「まぁ、それもある。でも違う。俺はお前に『槍術』を教えて欲しいのだ!」


「え?持ってないの?」


「あぁ。剣と弓、刀と拳。そして糸......それが俺の戦闘系スキルだ」


「嘘でしょ?君、仮にも総合部門を優勝してるんだよね?たった5つのスキルで遣り繰りしてるの?」


「そうだ。あの時は魔法9割で戦っていたからな。それはもう、酷い無双ゲーだったよ......あれから皆も成長して、これからの戦いは楽しくなるだろうな」



うんうん。魔法でワンパンを繰り返す作業なんて、戦闘とは言わないもんな。

次の大会がいつ来るのかは知らないが、その時が楽しみだ。



「あぁ......アルカナさんタイプか。成程......よし分かった。この僕が君に教えてあげよう」


「ありがとう。ついでに依頼もやりたいんだが、良いのはあるか?あ、Cランクね」


「はいはい。えっと......これでいっか。どうせルナならやれるだろうし......はい、これでどう?」



そう言ってランザから渡された依頼書を見ると、驚愕する内容の依頼が書かれていた。



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『クエスト:雷龍核5個の納品』


受注条件:Aランク以上

人数制限:なし

場所:不問

報酬:500,000L


概要:ライトニングワイバーンから入手出来る『雷龍核』の納品。

アンバー渓谷のダンジョンにて、確定で出現する。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「ドラゴン討伐かよ。ってか雷龍核なら何個かあるぞ?」


「あ、ホント?まぁいいじゃん。新たに集めに行こう。槍術を教えるのに、ドラゴンは丁度いいんだよね......っていうか、基本的な戦闘系スキルはドラゴンを練習相手にするのが、1番楽だね」


「......そんな事してると死ぬぞ?」



王女にワイバーンぶつけた俺が言える事じゃないがな。



「でも君も分かってるんだろう?ドラゴンから得られる経験値やドロップ品、更には気の持ちようの価値が......」


「まぁな。経験値は知らんが、気の持ちようとドロップ品は分かるぞ」


「だろう?じゃあ行こう。とりあえずアンバー渓谷でいいかな。ルナ、槍は持ってるかい?」


「あるぞ。丁度その渓谷の宝箱から出た、これが」



そう言って俺は、『海神槍:エリュシオン』を出した。

これはアルスをテイムした時に、急に出てきたライトニングワイバーンを倒した時の報酬品だな。

俺が初めて、自作以外で入手した神器だ。


あ、花鳥風月はソルからの贈り物なので、ノーカンです。

愛が違うからな、愛が。うん。



「はぁ......神器かぁ......まぁいいや。とりあえず渓谷へ」


「うぃっす。移動手段はどうする?飛ぶ?走る?馬車?魔刀術?」


「なんか2つほどおかしい選択肢があるけど......走って行こうか。準備運動にいいでしょ」


「了解」




そして俺はランザと共にギルドを出て、ペリクロ草原に出た。

ここからニクス山、果てはアンバー渓谷まで全力ダッシュとの事。




「じゃあルナ。本気の本気で走ってくれよ?スキルとか全開でいい。限界のAGIで走ってくれ」


「了解した。いつでもいいぞ」


「......え?魔法とか、使わなくていいのかい?」


「いい。使うスキルは一つだけだ。魔刀術以外なら、これしか無いからな」


「分かった。じゃあ行くよ3......2......」



よし、行動詠唱手を叩く事でサーキュレーションが発動するようにして、完了だ。



「1......0!」


「『戦神』」



ドバァァァァン!!!!!



風による爆音を発生させ、俺達は走り出した。



「えぇ!?付いてこれるのか!?」


「あぁ。これならリルとの鬼ごっこの方が負担が掛かるぞ!」



速度は知らんが、馬車なんかより圧倒的に速いと分かる。

これは、リルと遊んだ時の鬼ごっこの時にも感じた速度だ。


風を切る音、土を踏み締める音、どんどんと近付くニクス山の姿......あぁ、とても楽しい。

都会に来て、体育の授業くらいでしか走らなかったからな。


VRでの全力疾走......凄く楽しい!



「ははははっ!楽しいな!ははははは!」


「怖っ!笑いながら走る人怖っ!」


「別に良いんだよ!今くらい楽しませてくれ!!」



そして圧倒的なまでのVITとAGIによって、僅か数分でアンバー渓谷のダンジョン前まで来た。

現実の人間には出せないスピード走るこの快感......良いな。



そしてランザは地面に寝転がり、休憩した。



「ぜぇ......ぜぇ......ルナ......ちょっ......と」


「はいはいルナ君です。如何なされましたか?」


「待って......少し......休憩......を」


「分かった。とりあえずこれを飲みな」


「あり......がとっ」



俺はモスベリーの葉のお茶をランザに渡した。

これなら回復も早くなるだろうし、効果も高いだろうからな。

少しでも早く回復して欲しい。


お茶を呑んで2分後、ランザは立ち上がってから言った。



「よし、ありがとうルナ。助かったよ。まさかそんなに体力があるとは思わなかった」


「凄いだろ?それと、取り敢えず槍術見せてくれよ」


「......分かったよ。やるぞ?」




ダンジョンに入る前に習得をする為に、ランザに槍捌きを見せてもらった。




◆━━━━━━━━━━━◆

『槍術』を習得しました。

◆━━━━━━━━━━━◆



「おぉ、ありがとう。槍術取れたぞ」


「早いね。なら槍を持って、さっさと行こう。道中のトカゲで狙いを正確にして突いてくれ」


「了解」




そしてハイペースでダンジョンを攻略し、僅か40分程で20層までやって来た。

ここには例のライトニングドラゴンがいる。美味しく経験値とさせてもらおう。




『ガグァァァァァ!!!』




階段を降りると、黄色い鱗に黒の模様の入ったドラゴンが待ち構えていた。




◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『ライトニングドラゴンLv220』との戦闘を開始します。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「じゃあルナ。足に2点と腹に1点。そして目を1点穿てるように頑張ってみて」


「......めちゃくちゃ簡単だが、良いのか?」


「良い。現状のルナの技術が見たいからね」


「了解した。じゃあ......『戦神』」



俺はランザに言われた通り、ライトニングドラゴンの足に2点の突きを入れ、ドラゴンの体勢が崩れる前に腹に1点突く。



「『穿』」


『ギャァァァァァ!!!!』



エリュシオンの効果、穿によってドラゴンの腹に風穴が空いた。

そしてドラゴンが体勢を崩して頭を振った瞬間──



「『魔纏』......そいっ!」



エリュシオンに魔纏を施し、次に目が来るであろう位置に思いっきり投擲した。



そしてグサッ!とドラゴンの右目に刺さり、無事にランザの言い付けは守れた。

後はもう、煮て焼くだけだ。丁度ドラゴン君も、『そうだよ〜』って言ってるしな。



『ギャァァァァァァァァ!!!』


「グッバイ雷龍。次は白いドラゴンだと良いな。『顕現』『魔纏』......『穿』」



俺は手にエリュシオンを顕現させ、きちんと魔纏による強化をしてから、雷龍の頭を貫いた。



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

雷龍(ライトニングドラゴン)(異常個体)Lv240』を討伐しました。

『雷龍核』×2入手しました。

『龍の血液:異常魔力』×5入手しました。


『槍術』スキルレベルが99上がりました。

『槍術』が『槍王(そうおう)』に進化しました。


称号『王を束ねし者』を獲得しました。

『四王の威光』は『王を束ねし者』に統合されます。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「ふぃ〜、異常個体って何やねん。まぁでも、経験値美味しかったからいいか」



それに、毒物として美味しそうな『血液』が手に入った。

何たる僥倖か。俺は今日、ランザと遊びに来て良かったと思っている!



「お疲れ様。所でルナ、僕と、槍で戦わない?」


「......いいぞ。魔槍術は?」



うん......何となくそんな気はしてた。仮にも槍星でもあろう奴が、ぽっと出のカス野郎が目の前で槍王になったら、そりゃあ確かめたくもなるだろう。


なので、ここは乗るぞ。



「使わない。純粋な槍での勝負さ。それなら文句ないだろ?」


「分かった。槍術のみか?それとも他の戦闘系はアリ?」


「ナシ。槍術......いや、『槍王』のみで」


「いいね。やろうやろう!」



戦神も使わない戦い、絶対に楽しいだろ。そう、これはアレだ。武術大会と同じだ。制限時間は雷龍のリスポーンまでで、注意事項は槍王のみという事。


あぁ、いいねぇ。楽しくなってきた。



「じゃあ、このリテが落ちたら開始の合図ってことで」


「りょ」



俺がエリュシオンを右手に持つのを確認すると、ランザが懐から金貨を取り出し、指で弾いた。


俺、何気にしっかりと金貨を見た事がないな。まぁ、そこまで興味が無いというのが大きいが、1度は見ておこうか。


いや、やっぱりいいや。次に気になった時に見よう。



そしてリテ(お金)が地面に落ちた瞬間、ランザは白く長い槍で突進してきた。


凄まじいスピードだ。アルスと同等、いや、それ以上だな。



カカカカン!!!



うっわ。俺が横に避けた瞬間、一気に90度回転して、突きの4連撃をかましてきた。

落ち着いて全部弾いたが、予想してなかったら即死だぞ、今の。



「流石」


「ありがとう」



褒められちゃった!やったよ!槍術最強の人に褒められたよ!



「ふっ!」



ランザは1度距離を取ると、正確に俺の左手を狙って槍を投げてきた。

これ、避けたらダメな気がするんだよな。俺の勘が、そう囁いている。


いや、全力で叫んでいる。あの槍、俺が手を動かしたら心臓に向かって起動を変えやがった。


何なのこの槍。生きてんのか?



「......んっ!」



エリュシオンを捨てて右手に力を入れ、心臓の手前で槍をキャッチした。



「嘘!?」


「エリュシオン......殺れ」



ランザの槍を足元に捨て、俺はエリュシオンを投槍に形状変化させてから、STR全開でランザに向かって投げた。



ブォン!!



そしてエリュシオンがランザの太ももに当たる瞬間──



「顕現」


「顕現」



2人で同時に、それぞれの槍を右手に顕現させた。



「......何故戻した?」


「刺したら悪いな〜って思ってな。ま、そしたら予想外の情報が入ってきた訳なんだけどさ」


「はぁ......バレたくなかったのに......君、本当に勘が鋭いよね」


「まぁな。師匠ならこんな効果無くても、槍に糸を括りつけて操りそうだからな。ある程度の予想が出来なきゃ、そもそも師匠とは打ち合いにすらならない」


「化け物を生み出した者は化け物......か」




化け物は辞めろ。俺は鏖殺天使だ......ゴリゴリの男だけど。




「で、仕切り直しか?」


「いや、いいよ。僕の負けさ。今の顕現だって、実は間に合ってないからね」


「そうか?()()()なら守れると思うが」


「......どこまで気付いてる?」


「その槍に付喪神が宿ってる事は分かる。俺はこれでも、3人は付喪神がいるからな。ただ、その神が何の神までは知らん。そういうのは、ウチの付喪神が教えてくれていたからな」


「ほぼ全部バレてるのか......怖いなぁ」



はっ、闘志に燃える目で何を言ってんだか。



「取り敢えず戦いは終わりで?」


「あぁ、ありがとう。楽しかったよ、ルナ」


「こちらこそ。良い経験が出来た。感謝する」




そしてランザと握手をして、2人でダンジョンから出た。




「なぁ、その槍って何?」



気になっていたのだ。白くて長い、それなのに邪魔にはなっていない不思議な槍。



「あぁ、これ?僕の相棒さ。名前は『フィロ・アルボ』と言って、イニティの鍛冶屋、フェルさんに作って貰った槍なんだ」



フェルさん......あなた、ランザに槍を作ってたんですね。

でも、この槍をフェルさんが作ったと言うのなら、納得の性能だな。

空中での軌道変更や形状変化、色々と納得の出来る代物だ。



「へぇ。なら俺も槍を作ろうかな。師匠対弟子の、仁義なき神器の戦いをしたいな」



俺もちゃんとした不壊の槍が欲しい。メンテナンスの手間や、耐久値を気にして戦闘に集中出来ないのは嫌だからな。



「え?弟子?フェルさんの?」


「え?知らなかったの?まぁ、言ってないんだけど」


「......だからそんなに神器を作ってるのか......」



なんか納得されちゃった。フェルさんの弟子って、神器を作りがちなのか?



「ま、気が向いたら作るとしよう。ソルが欲しいと言えば、その時にでも俺の神器を増やそう」


「神器を増やすって、とんでもないパワーワードだね」


「化け物呼ばわりされるんだから、それぐらいいいだろ?」



オレ、ニンゲンジャナイ。ブキ、ツヨイ。イイデショ。



「まぁね。これからもよろしく、ルナ」


「あぁ。よろしく、ランザ」




最後にランザと握手をしてから、俺達はギルドに帰った。




「あ、僕に勝った特権として、Bランクに上げておくから」


「えぇ......?まぁ、分かった」




そうして、何故かBランク冒険者に昇格してしまった。



「試験は......?」


「そんなの、僕に勝ったんだから合格に決まってるだろ?」


「あっ、はい」




Bランク冒険者ルナ、頑張ります!





◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

名前:ルナ

レベル:344

所持金:53,845,290L

種族:人間

職業:『ヴェルテクスギルドマスター』

称号:『スライムキラー』

所属ギルド:魔法士・Bランク冒険者(0/300)

Pギルド:『ヴェルテクス』

所持因子:『稲荷』他6柱

所持技術:『魔力打ち』他多数


HP:17,160

MP:17,160

STR:17,160

INT:17,160

VIT:17,160

DEX:17,160

AGI:17,160

LUC:8,575

CRT:100(上限値)


SP:1,540



『取得スキル』


戦闘系


『剣王』Lv100

『魔剣術』Lv100

『王弓』Lv100

『魔弓術』Lv100

new『槍術』→『槍王』Lv1

new『魔槍術』Lv1

『武闘術』Lv100

『魔闘術』Lv100

『刀王』Lv100

『魔刀術』Lv100

『操王』Lv100

『魔糸術』Lv100

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv100



魔法



『火属性魔法』Lv100

『海魔法』Lv30

『風属性魔法』Lv100

『土属性魔法』Lv100

『雷属性魔法』Lv100

『氷属性魔法』Lv100

『聖属性魔法』Lv100

『闇属性魔法』Lv58

『自然魔法』Lv100

『龍神魔法』Lv81

『古代魔法』Lv1

『音魔法』Lv100

『妖術』Lv1



生産系:非表示



その他



『テイム』Lv4

『不死鳥化』Lv100

『マナ効率化』Lv0

『植物鑑定』Lv0

『毒物鑑定』Lv0

『動物鑑定』Lv0


<>内アクセサリーの固定増加値

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

ライトニングドラゴン.....君の住処、よく別の生き物が戦ってるね。セキュリティ大丈夫?ALS◯Kしてる?



次回、『夏だ!海だ!イベントだ!』です!



お楽しみに!(誤字報告ありがとうございます!)

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[気になる点] "称号『王を束ねし者』を獲得しました。 『三王の覇気』は『王を束ねし者』に統合されます。" 三王ではなく四王ですね。 参照場所は155部分、第5章の1人で猛特訓。"操王"取得時に"四…
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