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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
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遊ぼうぜ!

音ゲーのAPが取れなくて泣きそうな作者です。どうも。

1greatって.....なんなん?ウチ、ちゃんとタッチしてるやん。なんで1だけ取るん?


あ、今回はほのぼの回です。やりましたね!




「え〜と、陽菜さん。大丈夫ですか?お家......行きましょうか?」


「ダメ!......来たら襲うよ?性的に」


「おぉ。行ってみたいけど辞めておくか。とりあえず大丈夫って事でいいんだな?」


「うん!ちょっと感情のフェスティバルがボンバーしちゃった」


「そうか。じゃあ俺はゲームに戻るけど、落ち着いたらまた遊ぼう。くれぐれも体調には気を付けてくれよ」


「......うん。ありがと。大好きだよ」


「はははっ、儂もじゃ。愛しとるぞ〜」




そうして俺は電話を切り、ユアストの世界へ帰ってきた。




◇◇◇




「どうでした?襲われましたか?......性的に」


「うわっ、帰ってきたら埋められてる上に、とんでもねぇ事を言うぞ、このメイド」




目が覚めると、首から下が砂浜に埋められ、俺の顔を覗き込むようにしてフーが話しかけてきた。


っていうかリルとメル、まだ砂を持ってくるのね。お兄さん、もう起きてるよ?まだ埋めちゃうの?




「で?襲われましたか?」


「いや?ソルが『来たら襲うよ?』って言うから、辞めておいた。年齢が年齢だけに、そう易々と襲われる訳にはいかんからな」


「しっかりしてますね。で、ルナさん。埋められてる気分はどうです?」


「そうだなぁ......リル、それにアクアスフィアと風の魔法を使って、少し湿らせると乗せやすいぞ。メルもやってみな」



「「はい!」」



砂遊びって、やってみれば楽しいからな。水を使って強度を高めたり、流木を中に仕込むことで耐久力を上げたり、意外と奥が深くて楽しい遊びだ。



「あれ?辞めさせないの?お兄さん」


「う〜ん、見えないけど声と喋り方的にシリカか。まぁ、辞めさせなくていいんだよ。子供のうちは、沢山遊ぶ事で沢山学べるって、俺の両親も言ってたからな」



「「「へぇ〜」」」



あ、3人目の声はセレナか。何気に皆、砂遊びしてんじゃん。



「ねぇルナ。今の貴方の状態、分かってる?具体的に言えば、ルナのお腹の上にある物」


「いや?高すぎて何も見えん。カメラ使って見てみるか」



セレナに答えたように、今の俺は下を向いても砂の壁しか見えない。

俺の上に何が建てられているのか、想像もつかん。



そしてカメラ機能で外から見てみると、とんでもない物が映っていた。




「え゛っ......城?」



何と俺の上には、高さ4メートルはある、ギルドハウスと同じ形の城が建設されていた。砂で。




「はい、父様。皆さんと頑張って、父様の上にお家を建てて見ました!」


「がんばった。ほめて」


「手が伸ばせないけど......よくやったな。凄いぞ」



俺は浴衣姿で近寄ってきた2人を誉め、次にどうするか考えた。


動きたいのは山々だが、少し動けば崩壊しそうなんだよな。

かと言ってこのまま動かずに居れば、俺の家がここになってしまう。

時々カニっぽいモンスターも出るようだし、レベルがアホほど高くない限りは死なないが......それでも痛いのは嫌だからな。



「なぁ、動いてもいいか?」


「「えっ......」」



やべ、2人が泣きそうな顔になった。これは不味い。


さぁルナ君、頭を回そう。ここで求められるのは1つ。

『城を崩壊させずに脱出すること』だ。


もし、仮に俺が転移魔法を使えたとしよう。

そして俺がここから転移すれば......地盤が無くなったことにより、城は崩落するだろう。


そして土属性魔法で砂を埋めつつやっても......多分脱出する時にぶち壊してしまうだろう。



でも、こんな時に役に立つ物がある。それがこれだ。



「『魔糸術:土蜘蛛』」



これは土属性魔法の魔糸術だ。効果は単純。『糸を張った箇所に土を生成する』という、トラップの為の魔糸術だ。


俺は今回、これの使い方を間違えてみる。



「......よし。『戦神』『(ぞう)』......そしてスルスルするり、と」



糸を貼った箇所に像を生成する技で、俺の居た箇所に俺そっくりの像を作る事で、俺は何とか脱出した。

ちゃんと後ろの砂を糸で掻き分けながら出たので、城が壊れる事はないだろう。



『主、流石です。このアルス、魔糸術の可能性を感じました』


「まぁな。これで子供達の笑顔が守れるってもんだ」



そして服に付着した砂を魔法で払い、リルとメルの頭を撫でた。

リル、モフモフやな。メル、サラサラやな。最高やで。



「2人とも、よくやった。楽しかったか?」


「はい!またやりたいです!」


「ん。ちょうたのしかった」


「なら良かった。それじゃあ帰ろうか。ソルは帰ってこないかもしれないから、今日は俺がご飯を作ろう」




そうして今日は家に帰り、俺が晩御飯を作って終了した。

結構楽しい日だった。アルスと戦い、ソルにキスをし、リル達に埋められ......いいな。凄く楽しい。俺は今、幸せを感じている。




◇◇




「おはよう」


「ぅ......ん......」


「......」



おぉ、メルは9割方寝ながら返事して、リルは完全におやすみモードだ。まぁ、昨日は砂遊びで疲れただろうし、寝かせてあげるか。



「よし。今日はランザと遊ぼうかな。ついでに王女の様子も見に」


「パ............パ......」


「よしよし」



俺はメルの頭を優しく撫でてから、音魔法を使って部屋を出た。


うわ、閃いてしまった。もしここにソルがいたら、こう言ってやりたかった。『音魔法の方が、覗きに使えそうだぞ』って。


んな事はいいや。朝ごはん作って、置いておくか。




そうして軽く朝ごはんを全員分作り、フー達にギルドに行く事を伝えてから家を出た。




「暑いなぁ。でも、サーキュレーションを使ったら何か寂しいし、今日は使わなくてもいいかなぁ」



王都を歩きながら、夏の暑さを肌に感じる。

この暑さは魔法で消すことは出来るが、それをしてしまっては味が無い。例えるなら、キャンプだな。『不便を楽しむ』という考えがあるように、ゲーム内くらいでは、夏の暑さを感じるのもいいだろう。


リアルでは直ぐにエアコンを付けるような暑さを、ゲーム内では心地いいと感じれるように、俺はこのゲームを楽しみたい。



「すみません。ランザに会えますか?」



いつものように受付嬢さんに聞いてみた。



「会えますよ。呼んできましょうか?」


「いえ。それなら自分で行きます」


「案内は必要ですか?」


「大丈夫です。部屋は覚えてるので」


「分かりました。では、何か困った事があれば、またお聞きください」


「ありがとうございます」



周囲の視線にも慣れたものだ。いや、暑さに掻き消されているだけかもしれんが。



そしてギルドマスターの部屋の前まで行き、ドアをノックした。



コンコンコン



「──は〜い。入っていいですよ〜」



ランザから返事を貰ったので、そっとをドアを開けて入室した。



「よっ、久しぶりだな。ランザ」


「ルナ!?君が来るとは......また幻獣絡みかい?」


「幻獣?まぁ、宵斬桜なら倒したぞ。今は庭で育ててる」


「......はぁ。それってもしかして......苗木?」



え?ランザ、知ってんのか?それなら聞きたいこともあるぞ。



「そうだ。ランザは宵斬桜について、どれ程知ってるんだ?」


「文献程度さ。とりあえず座ってくれ。お茶を出そう」


「さんきう」



そうして俺が執務室のソファに座ると、アルスから念話が飛んできた。



『主。我がやりましょうか?お茶を淹れる技術に関しては、フー様から教わりました』


「あ、マジ?ランザ、うちの執事にお茶を任せてもいいか?」


「執事?ちょっと言ってる意味が分からないんだけど。もしかしてイカれた?」



おうおう。メルみたいな事を言うじゃねぇか、コイツ。

とりあえずアルスを呼び出そう。カモン!



するとソファの横にパチッと静電気のような音がなり、アルスが出現した。



「参上致しました。アルスです」


「うわぁ!!」



アルスが執事服で出てくると、ランザが情けない声を上げた。



「し、執事!?ってか誰!?」


「我はアルスと申します。主であるルナ様に仕える、執事でございます」


「じゃあアルス、お茶は頼んだ。ランザの目の前にあるやつだな」


「直ちに」


「え、えっと。状況が飲み込めない......なんだこれは」


「まぁまぁランザ君。とりあえず座りたまえ」


「うん。ここは僕の部屋なんだけどね。まぁいいや」



そしてランザは俺の正面に座り、アルスの方を見てから言った。



「......彼は何者だ?」


「ははっ......誰だと思う?」



強者であるランザには分かるだろう、アルスの強さが。

俺には分からないけれど、多分足さばきや身のこなしから判断しているのだろう。



「ルナの中から現れたところを見るに、付喪神かテイムモンスターの2択か。そうだ、ヒントをくれ。彼の武器はなんだ?」



うわ、答えるのが難しい質問が来ちまったよ。



「何でも、だな。剣も槍も弓も体術も仕える」


「はぁ......何か特化したものは?」


「知らん。知る前に殺したから」


「殺した!?」



えぇ。剣を持って突っ込んで来たのを、そのまま拘束して心臓をブスッとね。お陰でアルスの得意技とか、得意な魔法とか、そこら辺は何も知らない。すまん。



「おまたせしました。紅茶でございます」


「ありがとうアルス」


「あ、ありがとうございます?」


「いえ。これも役目ですので」



そう言ってアルスはパチッと雷を出して、俺の中に戻ってしまった。



「で、彼は何者?ルナは知ってるんだろう?」


「まぁな。アイツはアルス。俺がダンジョン出会った時は雷を使う虎で、雷神の『インドラ』という男だ。なんやかんやあって、俺の執事に勝手になった」


「インドラ......勝手に......ってか、どこのダンジョンで会ったの?僕の予想じゃ、アンバー渓谷の最終層なんだけど......」


「正解だ。ギルド『カラーズ』と行った時に、俺がテイムした」


「やっぱり......アレを解決したの、ルナだったんだね」




およよ?もしかしてインドラの存在には気付いていたのか?




「アレが何かは知らんが、インドラはダンジョンのボスである、ライトニングドラゴンを餌に、あそこに住み着いていたぞ。お陰でカラーズが全滅したが......アルスをテイム出来た」


「ありがとう。とりあえず感謝を。あのダンジョンにいた虎はね、Aランク以上を目安に、依頼として張り出していたんだよ。あのダンジョンにいる謎の虎を討伐して、ってね」


「へぇ。テイムしちゃったわ」


「うん。まぁそれはいいんだよ。1番の目的は『ダンジョンの正常化』だからね。その点に関しては、ルナは1番平和的な解決方法を取ってくれたよ」


「そっすか。で、今日来た目的話してもいい?」


「えぇ?......まぁ、いいけど。国王は隣の部屋で執務してるよ?」


「いや、それについてはどうでもいい。別に興味無いし」


「......で?」




そう、今回の俺の目的はただ1つ!!




「遊ぼうぜ!!!」

遊びの内容、今までのルナ君の遊びからして、ロクな遊びでは無いでしょうね。


ちょっとワクワクします。では、次回もお楽しみに!

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