夏......イベント!?
私の誤操作でTwitter凍結されました。
『私の誤操作で』です。本当に愚かです。私は愚かなのです。
一応異議申し立てと言うか、弁明というか、鼻水垂らしながら運営にはお願いしてみましたが、戻らなかった時用に仮のアカウントを作りました。
@yuzuame_narou_2
です。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
「「帰ってきた〜!!」」
東京の家に帰ってきた。
いや〜楽しかったね!いい経験だった!うん!......うん。
大阪では、あれから同棲やら何やらの話があったが、『まぁ、暫くはゆっくり考えよう』という事になり、特段普段と変わる事は無かった。
強いて言うなら、陽菜が遊びに来る回数が増えるくらいだろうか。
「もう夜だし、ご飯はウチで食べていくか?」
「うん。ご馳走になります!」
「ってか今日泊まんの?帰る?」
「どうしよ。泊まっても服が無いからね......そうだ!月斗君の服を着させてよ!彼シャツだよ彼シャツ!」
おっと?急に破壊力が強い言葉を持ち出してきたな。
まぁ、頑張って耐えるとしよう。頑張れ、俺。
「いいぞ。泊まるなら少し仕事を分けようか。陽菜、料理と浴槽洗うの、どっちがいい?」
「う〜ん......料理で」
「悩んだなぁ。分かった。食材は冷蔵庫にある物で頑張ってくれ。フライパンは下の棚に入ってるのと、鍋はその隣。包丁は棚の裏のホルダーに入ってるから、それを使ってくれ。あ、切れ味が良いから気を付けてな」
ちゃんと研いでいるから、ちょっと扱いを間違えるとすぐに指を切っちゃうんだよな。(5敗)
「分かった!それじゃあ、お風呂頼んました!」
「ほいほい。こっちの方が早く終わるから、後で手伝うよ」
「うん!」
そして浴槽をスポンジで洗っていると、ふと思った。
「......これ、実質同棲なのでは?」
と。だってご飯とお風呂のくだりとか、明らかに同棲始めたてのカップルではないのか?
「いいな。ユアストだと一緒に暮らしてるけど、やっぱりリアルの方が『生きてる』って実感があるな」
VRは、感情や思考はリアルと全く同じなのだが、触っときの感覚や脳から筋肉への信号伝達速度、さらには吸う空気の感覚はかなり違う。
「同棲......ね。提案してみるかな」
今まで知らない、陽菜の新たな一面も見れるかもしれない。
それも、特等席で。
それならば、多少の勇気を振り絞って提案してみるのも、一つの手だと思う。
「待ってるだけじゃダメ......か」
陽菜が言っていたことが頭をよぎった。
これは俺にも当てはまる事だろう。自分から行動を起こさない者に何も変えられないのと同じように、今の俺は少々、後手に回っているのではないか?
「......よし。言ってみるか」
結婚した時の予行練習という名目で、提案してみよう。
『お風呂を沸かします♪』
ちゃんと栓が出来ている事を確認し、ある程度お湯が溜まったのを確認してから浴室を出た。
「よし。手伝いに行くか」
そうしてキッチンへ向かい、陽菜と一緒に晩御飯を作った。
今日のおかずは、手羽元の照り焼きとポティトゥサラダ。後はオムレツだな。チーズたっぷりのオムレツだ。
それと、白米ですわね。
「「いただきます!」」
ん〜、美味である。この照り焼き、甘さとしょっぱさのバランスが完&璧だ。ごはんとの相性も良く、素晴らしい。
「あ、そうだ陽菜。これから同棲するか?」
「んぐっ!?............あぁ、死ぬかと思った......」
思いっ切り喉に詰まらせていたけど、大丈夫みたいだ。
俺はそっと水を差し出しながら聞いてみた。
「で、どうだ?これから一緒に暮らしてみるか?」
「......ここで?」
「ここで。陽菜の家の方がいいなら俺がそっちに移るし、ここじゃない別のところがいいならそこでもいい。大事なのは陽菜の意思だ。同棲、したいか?」
家賃に関しちゃあ......まぁ、陽菜の方は太一さんに何とか言おうか。
また少し、勇気を出すだけだ。
「したい。月斗君と一緒に住んでみたい」
「分かった。なら色々準備もしないとな。俺、は持ってきた私物は刀とゲームくらいだから、陽菜の物は沢山置けるぞ」
「か、刀!?」
「あぁ。ここに引っ越した時、師匠から送られて来た。『卒業の証と再戦の意思』って紙と一緒に。あ、刃はないから安心してくれ」
「な、なるほど。でも私も殆ど私物は無いからなぁ......お化粧もそこまでしないし、部屋も『ピンク!』って感じじゃないから。女の子らしくないよね」
何だと!?それは聞き捨てならない台詞だ。
「女の子らしくない訳がないだろ?大体、化粧をしなくてもそれだけ可愛いんだし、綺麗だ。その魅力に陽菜が気付いてるのかは知らんが......女の子らしくない訳では無い。
それに、この世の女の子は皆、部屋がピンクなのか?違うだろう。その人にその人の感性があるんだから、それだけで陽菜の女の子らしさを否定するには、材料が足らなさすぎる。
よって、陽菜は女の子だ。異論は俺が斬る」
「お、おぉ」
ちょっと熱く語ってしまったが、まぁいいだろう。
例え物が少なかろうと、陽菜は女の子だ。俺が女の子として扱うから女の子なのだ。
「じゃあ家賃とかの手続きとかもあるだろうし、完全に移るのは後になりそうだな」
「そうだね! にしても同棲かぁ......なんか、一気に関係進んだね」
「あっちじゃ『ゆっくり考える』なんて言ってたけど、これまでの付き合い的に、もうゆっくりは終わったんじゃないかと、そう思ったんだ」
「もう10年だもんね〜」
「だな。人生の3分の2以上、一緒に居るな」
そう考えると、結構長いな。
「そう考えたら、結構長いね」
「ははっ、同じ事考えてた」
「ふふっ、もっと長く、一緒に居たいね。色んな時間を、月斗君と一緒に過ごしたい」
そんな陽菜の言葉を聞き、俺はそっと陽菜の頭を撫で、優しく『ぽん、ぽん』と、たたきながら言い放った。
「あぁ、俺もだ。陽菜とずっとこうして過ごしたいよ」
「じゃあ先に風呂に入ってきな。洗い物は俺がやっとくよ」
「ありがと。じゃあ先にいただくね」
「ほいほい」
そうして、洗い物が終わって陽菜を待っていると、とんでもない事をやらかしたと、気付いたんだ。
「彼シャツ......本物か」
アレは空想上のものだと思っていた。素晴らしい絵師の方が描き上げた、素晴らしいシチュエーションだと。
ただ、今からそれは現実となる。あの日、インターネットで見ていた口角が上がる情景が、今、俺の目に飛び込んでくるのだ。
「すぅ......はぁ......落ち着け。餅は無いから落ち着け」
無だ。そっと無に足を踏み入れるのだ。
決して揺らしてはいけない領域、決して波を立ててはいけない感情の奥底にある無。
そこにある、小さくて大きな黒い「月斗く〜ん、上がったよ〜」無なんてねぇんだよハゲ!陽菜が上がったわ!!
「......は〜い」
大丈夫かな。今の声、凄く震えてなかったかな。怖いな。
そう思いながら陽菜を見ると、伝説のシチュエーションが、俺の目に入ってきた。
「陽菜さん」
「はい」
「下......着てないんですね」
「彼シャツとは、上のシャツだけ着るっぽかったので」
う〜ん、破壊神。俺の中の太陽神は、破壊神だったようだ。
「可愛いよ。それとありがとう。じゃ、入ってくる」
「あれれ?目を合わせてくれないぞ〜?」
「当たり前だろ!今の陽菜を直視出来るやつ、この世界に存在しねぇぞ!?そんな奴がいたら、そいつは神か何かだぞ!?」
視覚のから入る情報の、脳へ与えるダメージが凄まじい。
少しダボっとしたシャツからでも分かる、陽菜の体のラインや、湿った髪が演出する女の魅力......
俺には目の毒だ。陽菜がもっと欲しくなる。
「えぇ〜?もう、仕方な......ふわぁぁ」
揶揄うつもりだったようだが、睡魔がやってきたようだ。
ここは俺の身を守るためにも、お布団に誘導しよう。
「......先に寝てろ。疲れただろ?」
「うん。そうする」
「隣の部屋に敷布団あるから、そっちで寝なさいな」
「は〜い......じゃあ、おやすみ」
「あぁ。おやすみ」
そして風呂に入り、ゆっくりお湯に浸かってリフレッシュし、ちゃんと浴槽の栓を抜いてから上がった。
「ねむ......寝よ......」
今日は心身ともに疲れた。今日はもう寝て、明日からゲーム生活を再開しよう。
「陽菜ぁ......そこは俺のベッドだぞぉぉぉ......」
部屋に入ると、マイオフトゥンに先客がいた。
陽菜は可愛い寝息を立てながら、お上品に寝てらっしゃる。
ここは隣の部屋に行って寝た方が良いのだろうが、俺は勇者なので陽菜の隣で寝る。
魔王は寝返ったのだ。3大欲求という名の配下に『ざまぁ』される前に、俺は勇者サイドに寝返るのだ。
「おやすみ」
陽菜の隣に潜り込み、優しく頭を撫でてから俺も寝た。
◇◇
部屋の窓から優しく光が差し込み、マリアナ海溝よりも深く落ちていた意識が引っ張りあげられた。
「......麻。浅。朝」
脳内変換の調子をチェックし、俺は目を開けた。
まだ眠いが、ゆっくり起きればいいよね。夏休なんだし。
「ふふふ、どうしたの?」
「ひなだ......あたたかい」
優しい声が聞こえたので、逃がさないように抱きとめた。
あぁ、朝からとても幸せな気持ちだ。このままずっと、この温もりを話したくない。
「おぉ、おっぱいに顔を埋めるとは、朝から積極的ですなぁ」
「あったかいもん......いいにおいするし」
「どれ、私が包み込んであげよう。ほら、ぎゅ〜」
頭が優しく腕に包まれた。とても暖かい。俺は死んでしまったのだろうか。そう思えるほどに、今の俺は幸せを感じる。
「ん〜......死ぬ」
「死なせないよ?さ、起きて!もう9時だよ?お寝坊さんだよ?」
「いやだ。ここで永眠する」
「ノンノン。それならお墓に行きなさい」
「いやだ。陽菜はお墓にいない」
「なら起きて。ほら、ゲットアップ!」
「や〜だ〜」
布団の温もりも陽菜の温もりも離れていった。つらい。
そしてカーテンも開けられ、強い光が差し込んだせいで、俺の脳は急速に覚醒した。
「ん......あぁ、おはよう陽菜」
「おはよう月斗君。私の体は良かったですか?」
「ん?......ん!?」
体!?ちょっと待て。意味がわからな......からかわれたな。
よし、小さく反撃していこう。
「えぇ。それはもう、最高のお体でしたよ。抱き心地100点の抱き枕でしたね。えぇ」
「ふふっ、起きたら隣で寝てるから、ビックリしちゃったよ。それで公式サイトを見てたら月斗君が謎の言葉を発して、抱きついてきたし......最高だね!」
「公式サイト?ユアストの?」
何かあったのかな?イベントとか、レイドとか、大会とか。
「うん!それでね、なんと......夏イベが来るらしい......」
「夏......イベント!?」
遂に来たか。拙者の楽しみ、ソルの水着が。
「まだ予定らしいけどね。王都の東の海とか、イニティの南の砂浜とかで出るモンスターのドロップに、イベントアイテムが追加されるんだって。それで、そのアイテムを街の工房やテンプレートレシピで、イベント限定アイテムが作れるとのこと」
「水着は?水着はあるのか?」
「そこまでは分からないね。っていうか私の水着......見たい?」
「超見たい」
「ふっふっふ。正直者の月斗君には、是非とも特等席で見てもらおうかな」
「やったぁ!」
楽しみだ。MMOのイベントアイテムとか、何時間モンスターを倒し続けることになるのか分からないが......絶対に集めたいな。
「じゃ、朝ごはん食べよっか!」
「あぁ。今日はゲームをしよう」
はい。雛祭りの番外編を書いたら、私の誤操作でTwitter凍結された、ゆずあめです。
悲しみの投稿となりましたが、次回からユアストに戻ります。
3月4日、0時25分くらい.....ゆずあめ一世、ご臨終です。
これからはわたくし、ゆずあめ二世が頑張っていきます。
もしまた凍結されてしまった時は、三世が生まれますので、その時はよろしくお願い致します。(^・ェ・^)