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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第8章 夏の思い出
230/492

新たなシステム・特殊技

第8章、スタートです!





『ピギーちゃん!刀出来たから取りに来てね!』


『......どちら様ですか?』


『あらあら、私の声をお忘れになりましたか?私ですよ、鏖殺天使のアルテミスたそですよっ』


『うん、ちょっと意味が分からない。あなたはルナ本人でおk?』


『おk』


『今から行く。1時間くらい......かからないわ。噴水ワープするから5分くらいで着く』


『早いなぁ。ってか噴水ワープ、俺1回も使ったことないわぁ』


『それでユアストプレイヤー名乗ってるとか恥でしょ。じゃあ、また後で』


『ほなな〜』



ピギーとのボイスチャットを切り、俺は庭に出た。



カラッとした暑さに照りつける太陽。庭の景色が歪んで見える、夏の風物詩の陽炎が立つ。



「夏......始まったな」


「ルナ?何してるの?」



庭で突っ立っていたら、セレナがやってきた。



「ん〜?夏だなぁって思ったんだ。セレナは涼しそうな格好してるし、そこまで暑くないか?」


「暑いわよ?ただ、マンゴーの為に気温0度を維持させてるからね。寧ろ寒いくらい?」


「どんだけ気に入ってんだよ......あ、桜の苗木はどうだ?」



宵斬桜との戦いが終わり、家に帰って刀作りを始めたのだが、本気的に刀を作る前にセレナに苗木を渡していたのだ。



「ダメだったわ。1度ルナにも見て欲しいのだけれど、今いいかしら?」


「はいはい。行きますよ......っと」



軽く伸びをしてから農場の、桜の苗木を植えている場所に向かった。



「おやおや。可愛い花が咲いてるじゃないか」


「そうなんだけど......私が触ると......ほら、弾かれるのよ」



小さな枝に咲いてる桜を、セレナが触ったと思ったら、雷の様なエフェクトが出てセレナの手を弾いた。



「ツンデレな桜か......?」



そう思って俺が触って見ると、普通に触れた......どころか、ピンク色に光った。



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

『神月の桜の苗木』の主になりました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「「......え??」」



なんか......主になっちゃった。どうしよう、俺がお世話しないといけない雰囲気がプンプンしてきたぞ。



「が・ん・ば・れ、ルナ」



セレナがウィンクをして肩を叩き、地獄へ俺を突き落とした。



「......いいぜ、やってやるよ。宵斬桜を倒した男を舐めんなよ?お前ぐらい、最っ高に綺麗な桜に育てるなんてな、簡単なんだよ!」



ヤケになってるが、これでいい。何事も『始め』が肝心だ。

千里の道も一歩から......俺はこの苗木を、綺麗な桜に育てようと思う。



「セレナ、桜の育て方は知ってるか?」


「知らないわよ。フレイヤに聞くか、その桜本人に聞きなさい」


「......桜ちゃん、いや、『チェリ』ちゃん。君は何がお望みなのかな?」



どうせだし、名前を付けた方が愛着が湧くだろ。って事で、この子の名前は桜からチェリーを取り、名前は『チェリ』だ。



◆━━━━━━━━━━━━━━━◆

『チェリ』は主の血を欲しています。

◆━━━━━━━━━━━━━━━◆



「ん?......聞き間違えたようだ。チェリ、何が欲しい?」



◆━━━━━━━━━━━━━━━◆

『チェリ』は主の血を欲しています。

◆━━━━━━━━━━━━━━━◆



ちょっと言ってる意味が分からないんだよな。血を欲するって何?普通、水とか栄養じゃねぇの?何で血なの?


しかも、なんで『主の血』なの?毒だよ?



「ルナ、諦めなさい。本当に困ったらフレイヤに聞いて、それまではルナがチェリと向き合って考えなさい。いいわね?」


「......はい。何だかお母さんみたいだな、セレナ」


「私はルナのお母さんより、ルナのお姉ちゃんの方が良いわね」


「ルーナさんよりお姉ちゃんらしいよ。セレナは」



何だろう。ちゃんと面倒を見てくれてる感じがあって、お姉ちゃんらしさというか、暖かい優しさがあるよな。


まぁ俺、一人っ子なんだけど。



「よし。ステラ......はいチェリ。俺の血だ。ちゃんと飲めよ?」



俺はステラで腕を刺し、血をチェリに浴びせながら『癒しの光』で俺自身を回復させた。



キラッ!



「「あ、光った」」



こういう時に『植物鑑定』を使うのでは?



▼━━━━━━━━━━━━━━━▼

個体名:チェリ

種族名:宵斬桜

成長段階:1/6

生命力:900,000/900,000

魔力:12,107/500,000

▲━━━━━━━━━━━━━━━▲



「お?魔力が増えたのか?」


「多分そうね。ルナの血から魔力を摂取したんじゃないかしら?ほら、この土の魔力って、私の白銀マンゴーに吸われやすいからさ」



そう、この農場の、実に半分は白銀マンゴーの木で埋めつくされている。いつの間にか木がとんでもない数に増え、1つの木から実る白銀マンゴーの数も、とてつもない数になっているのだ。



「......チェリ。お姉ちゃんは怖いな」


◆━━━━━━━━━━━━━━━◆

『チェリ』は同意しています。

『チェリ』は主の血を欲しています。

◆━━━━━━━━━━━━━━━◆



「そうかそうか。ならピギーが来るまで俺の血をあげよう。ほれ、新鮮な血のポリゴンだぞ〜」




そうしてチェリを相手に5分ほど血をあげていたら、ピギーがやって来た。




「......ルナ?いや、違うか」


「いや、俺であってる。ようこそ、ウチの農場へ」



俺はピギーに体を向けて挨拶し、チェリに血をあげてるのを再開した。



「え?......ツインテールにしたの?」


「これは呪いだ。もうそろそろ解けるから安心してくれ」


「ってかアンタ、話題になってた『ルミ』じゃないの?」


「......呪いだ。少し黙っていてくれ」


「ってかなんで植物に血をあげてるの?」


「......呪いだ」


「言葉のレパートリー無さすぎでしょ、鏖殺天使ちゃん?」


「呪うぞ?」


「怖っ」



そう言うと流石に引いたので、俺もこのタイミングで血を止めた。



◆━━━━━━━━━━━━━━━◆

『チェリ』はとても満足しています。

◆━━━━━━━━━━━━━━━◆



「そうかそうか。魔力も全快したし、また少ししたら見に来るよ」


「ルナ、農場でも作るの?」


「俺は作ってねぇよ。ウチの奴が勝手にやってる」


「ソルちゃんが?」


「違う。付喪神だ。ソルは最近、冒険者稼業に精を出しているぞ」


「うわ、ニートだ!」


「俺、ソルに8000万Lあげたんだよね......」


「おぉ、ATMだ......」


「ちなみに8000万は、倍以上の価値になって帰ってきたけどな」


「へぇ〜」



皆の浴衣姿はとても綺麗だったからな。1度の武術大会での賞金程度なら、また出そうとも思える。



「あぁそうだ。ほれ、これがお前の刀だ」



俺はピギーに、桜の描かれた鞘に入った刀を渡した。



「おぉ......刀もピンク色だ!!ありがとう、ルナ!」


「どういたしまして。あ、花びらが余ってたから鞘もピンクにしたが、良かったか?嫌なら普通のに変えるんだけど」


「ううん!寧ろこっちの方が好き!ありがとね!」


「そうか。なら良かったよ」



因みに刀の性能はこんな感じ。


◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

刀華(とうか):桜の戯れ』


Rare:21

製作者:ルナ


攻撃力:1,250

耐久値:500,000/500,000

特殊技:〖抜刀5連〗

付与効果:『幻耐久』『麻痺付与』

『魔力刃』『月光強化』

『生命力増強:500』『魔力増強:500』

『刀術補正:大』『感情強化:喜』

『顕現』

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「なぁ、この『特殊技』って何なんだ?作った後に気付いたんだけどさ、意味が分からないんだ」


「あれ?んじゃあアプデ内容見てないの?そこに思いっ切り書いてあるけど」


「見てない......取り敢えず、アプデ内容に全部書いてあるんだな?」


「そだよ〜」



後でチェックしようと思ってて、そのまま忘れていたな。

宵斬桜との戦いが楽しかったのがダメだ。俺を戦闘に夢中にさせて、他の事を頭から引き抜いてしまったから。



「そうか、ありがとさん。じゃあ今日はこれで。宵斬桜戦の映像見て、復習しなきゃならんからな。その時にでもチェックするよ」


「......見せて」


「ん?」


「その戦闘シーン、見せて!」



ピギーが物凄い気迫で迫ってきた。怖いぞ。



「え、えぇと、まぁ、いいぞ?但し、そこで見た事は外部に漏らすなよ?」


「分かった。だから見せて!」


「はいはい。じゃあリビングに行くか。本来はソルに見せるものだったからな」




そうして農場からリビングに戻り、ソルやリル達を呼んで、宵斬桜戦の鑑賞会が始まった。




「確かにこれはリズムゲーだね。まぁ、それにしてもルナ君の対応速度にビックリするけど」


「......おかしい。宵斬桜の攻撃って、どれもこんな簡単に弾けるものじゃない......」


「ピーちゃん。あのルナ君だよ?ほら、今もアップデート内容に頭を傾げているあのルナ君を。あのルナ君なら、宵斬桜なんて楽勝だよ」


「下げて上げるスタイルなの?ソルちゃん」


「ううん。上げて上げるスタイルだよ」


「いや、今のは下げてる気がするけどなぁ......」


「そう?でも見てよ、超カッコイイよ、あのルナ君」


「顔は良いよね。顔は」


「全部良いのです......あげないからね!」


「いらないよ」


「ルナ君がいらないと言うのかピーちゃん!戦争、戦争が始まるよ!!」


「チームとしては欲しいね。でも彼氏としては、いらないかな」


「なら良し。戦争は始まりません」



コイツら、戦闘シーンを見てるんじゃなかったのかよ。何で俺の話になってんだ?




「......特殊技、ねぇ......?フー、ちょっと来い」



アプデ内容に特殊技の項目を見付けたので、まずはフーを直接確認しよう。



『呼ばれて飛び出ないフーちゃん、降臨です!』


「ちょっと武器見るぞ」


『いやん、丸裸!』


「うるさいから捨てるか」


『すみませんでした』



布都御魂剣を顕現させて、その効果を見てみた。




◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『霊剣:布都御魂剣』


Rare:──

製作者:ルナ

愛着度:231,981


攻撃力:3,000

耐久値:∞

特殊技:【霊剣】

付与効果:【不壊】『斬』『魔力刃』

【透明化】『生命力増強:1000』

『魔力増強:1500』『全ステータス補正:大』

【全戦闘系スキル補正:特大】【刀術補正:特大】

『STR補正:大』『顕現』【降臨】

『専用装備:ルナ』

◇-----------------------------------------◇

【霊剣】

・MPを任意の量消費し、刀の霊体を作成する。

・霊体は所持している魔法の属性が付与出来る。

・霊体の攻撃力は本体の攻撃力に依存する。

・霊体が損傷により破壊された場合、本体の

所有者のHPが、消費したMPの分、消費される。

・霊体の魔刀術の威力に1.2倍の補正が入る。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「わぁお。フーさん強すぎ」


『えへへ、でも私を作ったのはルナさんですよ?ふへへ』



それにしても、どうして刀華とは違って、特殊技の名前の枠が黒なんだ?刀華は紫だったぞ?



「ヘルプさん。特殊技の名前の枠の色について教えてくれ」



★━━━━━━━━━━━━━━━★

特殊技はそれぞれ、ランクがあります。

下から『白』《青》〖紫〗⦅金⦆【黒】

となっております。

ランクが高いほど強力ですが、何かの

対価が必要になる事が多いです。

★━━━━━━━━━━━━━━━★



「ありがとうヘルプさん......にしても、ランクか......」


「自分で内容見ずにヘルプに頼るんだね、ルナ」


「俺の数少ないヘルプさんとの交流だからな。大切にしたいんだ。それで、ピギーの奴は紫の特殊技だったけど、効果は名前の通りか?」


「そうだよ〜、抜刀攻撃から5連続の斬撃が放てるようになるらしい」



え?それってさ......



「「めちゃくちゃ弱い......」」



「え?強いじゃん。だって5連続攻撃だよ?これって、フォレストウルフくらいならこの技だけで倒せるよ?」



「えぇ?だって......なぁ?ソル」


「うん......だって」





「「プレイヤースキルで出来るじゃん」」





「出来ねぇからシステムに頼ってんだよバァァカ!!」





怒られてしまった。


ごめんな、〖抜刀5連〗君。俺とソルには完全に無意味な特殊技になってしまって......ピギーを支えてやってくれ。



「で?ルナの刀の特殊技はどんなやつなの?」


「【霊剣】だな。ランクは黒だぞ」


「へぇ、凄いねルナ君」



「く、黒ぉぉ!?!?」



ピギーが急に叫び出した。耳が驚いてしまったぞ。全く。



「うるさ。神器なんだから黒でも良いだろ?それにフーだぞ?ウチの『つよつよ(かたな)』を舐めちゃいけんぞ?」



フー曰く、現存する刀で2番目に強いらしいからな。

そして1番強いらしい、シリカの特殊技も後で見ないと。


お兄さん、製作者として気になりますよ?



「そんなバカ天使、鏖殺君に情報があります」


「鏖殺君に失礼だろ」


「なんと今まで発見された神器の特殊技......最高でも金ランクなんですよねぇ......」


「へぇ〜」



どうせ他のやつの神器なんて、ダンジョンで拾った奴だろ?

自分で作り、自分で育て上げた神器の方が、愛着度的にも成長するだろう?



「因みにどんな効果?」


「MPとHPによる刀の複製。コピーが壊れると俺が死ぬ」


「ピーキー過ぎるでしょ。最早ピギーだよ」


「は?」


「......」




「えっ何この空間。まるで私が滑ったみたいじゃん」




思いっ切りスベってるんだよなぁ。

ウィンドウで語るチェリ、これからどうなるのでしょうか?


次回は掲示板回です。楽しんで頂けると嬉しいです!

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