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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
222/492

新月二咲ク幻ノ桜 捌

蛇の子よ

そなたは糧に

成り果てて

色の子達は

光り輝く



アンバー渓谷のダンジョン、第19階層にて──




「──という訳で、セレナは私の武器なんです」


『そう!ルミの武器なの!』


「神......なんだね。ビックリした」


「ルミさん。セレナさんはどれくらい強いんですか?あ、弓じゃなくて人の方で、です」



蒼さんからセレナについての質問が飛んで来た。



「セレナはどれくらい強いの?」


『弓はルミより上手いよ。他は全部負けてるけど』


「ですって。狩猟神の強さが伺えますね」



まぁ、俺の『王弓』ってまだ進化出来るんだけどね。

べ、別に悔しくなんてないんだからね!!



「ルミさんより......ですか......凄いですね」


『まぁね〜!っていうかルミの付喪神って、何かしら特化してるでしょ?』


「そうだ......ね。でもセレナの旧友の元イシスは、私の方が刀の扱いが上だと言ってたけどね」



口調が崩れてきた。頑張って立て直さないと。

やっぱり俺、演技が下手だ。相手を傷つける嘘ではなくて、自分を守る為の嘘をつけないのは危ないよな。



『ホント?っていうかあの子の本職は魔法でしょ。あ、先に大きいのいるよ』


「知ってるよ」



「「「「大きいの?」」」」



あ......サーチについて話してないな。でもこれ、話したらバレないか?いや、ルナの妹を公言したんだし、教えてもらったって事にするか。



「階段の手前ですよ。ドラゴンサイズの敵がいます」


「......ドラゴンと戦ったことあるの?怖くない?」


「えぇ、兄に連れてかれました。それと、中々に楽しかったですよ?ワイバーンと扱いは殆ど変わりませんし、何よりドラゴンのお肉は美味しいですからね!最高でした」



そう言えばドラゴンの肉、大分減ってきたんだよな。

脂身が少ないからヘルシーで、それでも食べ応えのある旨みたっぷりのお肉だから、つい沢山使っちゃうんだ。



「美味しいんですね!知りませんでした!」


「ドラゴンは魔力たっぷりのお肉ですから、柔らかいんですよ......ほら、アレです」



お肉について話していると、サーチに引っかかった魔力反応のもとへやって来た。



『ギュギュギュ!!!』


「あ」



ララバジ先輩だ。お前こんな所に出てきていいのかよ。



『ギュ......』



不味い、破壊石が光り出した!ビームが来る!!



「避けて!!!」


「「「「......え?」」」」



パチン!


ズッバァァァン!!!!!



超ギリギリでクロノスクラビスが間に合い、カラーズは守れた。



「大丈夫ですか!?」


「うん......でも、アイツ何?」



『ギュギュギュ!!!』


パチン!



一旦クロノスクラビスで動きを封じた。



「アレは『ララ・バジリスク』と言って、虹色蜥蜴の数十倍以上の経験値が貰えますが、さっきの通り、とても強い攻撃をしてきます」


「そんな奴がいるんすね......」


「あと言っておきますけど、アイツに物理、魔法攻撃は99パーセント効きませんよ」



「「「「はい?」」」」



「気になるなら試してみてください。今は動きを封じてるんで、試すなら今のうちです」



すまんな、流石にコイツは舐めプして勝てる相手じゃないから、試すなら早めにして欲しい。



「じゃ......私が」



真白さんがダガーを取り出し、一気に近付いて連撃を繰り出した。



ガガガガガガガン!!!!



「嘘っ!?」


「蒼さん、魔法を試しますか?」


「は、はい!『アイスローズ』」



蒼さんはララバジ先輩に氷で出来たバラを飛ばした。



「......『ボム』」



バリィィン!!!!



凄まじい音と共にバラが弾け、ララバジ先輩に刺さったかと思ったが......



「ギュギュ!」


「......強いですね」


「私もやるっす!!」


「私もだよ!!『魔剣術:破纏』」



翠さんが連接剣に闇属性の、それもVITのデバフ特化の魔剣術を発動させた。



「茜ちゃん!やるよ!」


「はいっす!『魔刀術:水纏』......『霧雨』」



ガキン!!!



デバフからの魔刀術の技でも、ララバジには傷がつかなかった。



「「「「無理......」」」」


『ふ〜ん。弱いね、君達』


「こら!直接言わないの!傷つくでしょ?」


『でも事実じゃん。この子達じゃこのキモイトカゲは倒せないよ。ルミだって分かってるでしょ?』



セレナは正直に全部言うタイプか。好かれるか嫌われるか、二つに一つの思われ方をする性格だな。



「あのね、分かってても言っていい事と悪い事があるからね?ちゃんとカラーズの皆の事を思って発言して」



流石に可哀想すぎるからな。まぁ、全部ララバジが悪いんだよ。ララ子が悪いんだよ。



『......言い過ぎたかも。ごめんね』


「......気にしないで。事実だから」


「レベルの差を痛感しましたからね。仕方ありません」


「もっとレベル、上げなきゃっすね!」


「良い狩場を探すんだよ!」



ええ子や。ええ子達や。



「じゃ......帰ろっか」


「「「うん」」」


「え?倒さないんですか?ララバジは経験値美味しいですよ?」


「ルミ......倒さないんじゃなくて、『倒せない』の」


『それが倒せちゃうのが、ウチのルミなんだよね』


「......ホント?」


「まぁ、過去2回倒してますしね。結構弱いですよ?」



外殻が硬いだけで、HP自体は低いからな。もしかしたら毒武器で完封周回されるかもしれん。



「......どうやるの?」


『ルミ、私を使って。固定ダメージの強さを見せてあげる』


「なるほど。じゃあやりますか」



『ギュ......』


パチン!



ちゃんと神器となったアルテ....いや、セレナは、5000の固定ダメージの弓になったんだ。


これならきっと、ララバジにも刺さるだろう。



「じゃあね、ララバジ君。『魔弓術:雷槍』......にする意味は無いんだった。『魔力矢生成』......ふっ!」



バスッ!!!



魔力で出来た矢が刺さり、一気にララバジを貫通し、奴の後方の地面に突き刺さった。



『ギュ......』



ララバジ先輩がポリゴンとなって散った。



「強いね、セレナ。正直ビックリした」


『凄いでしょ?あれぐらいの雑魚なら、この弓なら余裕だわ。私、神獣......じゃなかった。幻獣クラスと戦いたいわね!』


「それ、逆に固定ダメージが仇となって、倒すのに時間がかかるよ?神龍なんて数千万もHPあったんだし、5000でチマチマ削るのは骨が折れるよ」


『......そうだった。私、やっぱり雑魚狩りでいい。幻獣先には連れてこないでね』


「えぇ......?ちゃんと使うから自信を持って。さ、次の階層に行きましょ......って、アレ?」




セレナを下ろし、階段を進もうとしたらカラーズの皆が来ていないことに気付いた。


どうやら皆、リザルト画面で固まっているみたいだ。




「......何この経験値」


「私......遂にレベル100に......」


「私もっす......」


「カラーズ全員、限界突破出来るんだよ......」




「あの〜、進まないんですか?」




何やらブツブツ呟いていたので、先に進むのかどうかを聞いた。




「ルミ......あなたのレベルは幾つなの?今の戦闘で、どれだけレベルが上がったの?」


「さぁ?私は狩りが終わってからチェックする設定にしてるので、どれだけ上がってるかは分からないですね」



多分、100レベ近く上がってるんじゃないだろうか。

夢の古代魔法まで、結構遠いんだよな。


ってか運営よ。俺に古代まほーを使わせる気はあるのか?

初期で消費MP20万、それとマナ効率化で10万に落ちてるが、10万のMPを溜められるのか?



こだいまほー......マジでエンドコンテンツだな。



「そうなの?......多分ルミも、限界突破出来るよ」


「そう......ですね。自分の限界は超えたいものです」



俺、もう限界突破は出来ないんだ。これが最後の種族『人間』なんだ。

成長の限界がない。故に限界突破が出来ない、そんな種族。


あるのは心の限界だけだ。自分で決めたゴールしかない、永遠の課題を背負う種族だ。



「じゃあ、行きましょうか。次がラストっぽいですし、気を引き締めて行きましょう」


「......その前に限界突破していい?」


「そうですね。なら一旦、休憩にしましょうか」


「ありがとうございます、ルミさん」


「いえ、種族を選ぶのに時間がかかるでしょうし、私もやりたい事があるので丁度いいです」


「そうなんですね!では、少し考えて選びたいと思います!」


「はい!」



そうしてカラーズと少し離れ、俺は土魔法で作った椅子に座った。



「『サウンドカーテン』......なぁセレナ、気付いたか?」


『当たり前よ!あの子達、ここで限界突破を選んだのは最適解ね』


「あぁ。この下の奴、ヴリトラなんかと比にならない、それこそ幻獣クラスの奴だぞ」



俺が階段を1歩進んだ時、サーチにバカでかい魔力反応が引っかかった。

アレは下手したらヴリトラの倍、もしかしたら神龍と肩を並べるかもしれない敵だ。



『う〜ん、でもあの子達、多分死ぬよ?』


「まぁな。流石に戦う前に、死んだらパーティを解散することを伝えるさ」


『最善ね!流石私の可愛いルミよ!力強い口調もカッコイイわ!』


「どうも。じゃあ飴玉バフ掛けて、カラーズを待つか」


『飴玉?』


「そ。これ」



俺はそう言って、インベントリから飴玉を取りだした。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『ルナちゃん&ソルちゃん特製☆つよつよ飴玉』


Rare:25


効果:口に入れてから3時間、STRとDEXが1.5倍になり、1分につきHPが1,000、MPが500回復する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



『何その飴玉......本当に強い......流石ルナね!』


「ソルとの合作だ。マジで強いぞ」



これは俺が作った沢山の飴をソルが溶かし、全部を混ぜて作ったら出来た、二度手間キャンディだ。


味はフルーツ味で、時々感じる酸味がとても美味しいのだ。



「う〜ん、おいちい。ソルの女子力は天下一だな」


『あの子、器用だもんね〜!』


「あぁ。ソルの器用さはとても尊敬している」



無論、DEXの値のことを言ってる訳ではない。

陽菜が持つ、本来の器用さを俺は尊敬しているのだ。



「あぁ.....明日の夜までに毒の調合しなきゃならんし、今日も徹夜かなぁ。はぁ......」



例えゲーム内でも、徹夜する事に抵抗を覚えてきた。

リルやメル、ソルと一緒に寝すぎたからかな?同じベッドに誰かいないと、結構寂しく感じるようになってきた。



『ちゃんと寝ないとソルにも怒られるよ?語り人だからって無理しちゃ、私やフーが心配するわ』



それはフーも同じ事を言うだろうな。



「はは......お前ら、謎に母性あるもんな。心配してくれてありがとう」


『そりゃあ、これだけ付喪神を大切にする人なんていないからね。私、知ってるからね?他人の付喪神を助けた事』


「あ〜あれか。あれは気まぐれだよ。もうやらん」



嘘だけど。俺がフーとシリカ、そしてセレナとじいさんを大切にしてる以上、どんな付喪神でも見捨てるつもりはない。



『嘘ね。ルナは絶対に付喪神は助けるわね。じゃなきゃ私も付喪神になんてならないもん。フーが、イシスが認めた人なんだし、私の考えは当たってるはずよ』


「......言ってろ」


『もう......素直じゃないね。ま、そんなとこも可愛いけど!』


「うるせぇ」


『ほら、口調を戻して。あの子達が来るよ』


「分かったよ、セレナ」




どうやら、カラーズの皆は限界突破を終えたようだ。




「お待たせしました!それでは行きましょうか!」


「はい!気を引き締めて行きましょう!」



「「「おー!!!」」」

「......おー」





そうして俺達は、アンバー渓谷のダンジョン、第20階層まで来た。


あ〜.....特に書くことありませんね。


では次回、第20階層のお話です。お楽しみに!

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