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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
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どれだけイカれてるんですか?

はじまるぞ

おおきなてきが

でてくるぞ

たおせないなら

ひろってにげる


ゆずあみゃ。




「ハロー、娘(仮)達。パパ(仮)は帰ってきたぞ〜」


「「......遅い」」



ユアストの自室のオフトゥンから起きると、リルとメルが膨れっ面でオフトゥンに寝転がってた。



「すまんすまん。ソルと何やかんやあってな、ちょっと出張してた」


「出張?どこまで行かれてたんですか?」


「ちょっと別世界に......人を23人ほど殺してた」


「リルちゃん。パパは『どこまで行かれてたんですか?』じゃなて、『どれだけイカれてるんですか?』ってきかないとダメだよ?」


「......確かにそうですね。メルちゃんの言う通りです」


「えぇ......?反抗期?」



2人が冷たい......これは反抗期という奴なのではなかろうか。

分かるよ2人とも......親に、世界に反抗したくなるその気持ち、お兄さんはよ〜く分かるよ。


なんてったって、お兄さんも経験したからね!



ダッダッダッダッ!ガチャ!!



「ルナ君!!」



突然大きな足音が聞こえたかと思ったら、扉が開けられ、ソルが俺に向かって突撃してきた。



「ぶふぅ......飛び込むなよ。おはよう、ソル」


「うん!おはようルナ君!!」



まぁ、言うてゲーム内時間で午前11時頃なんで、こんにちはが正しいかな。



「でもどうした?急に飛び込んで来るなんて。そんなに会いたかったか?」


「会いたかった!好き!」


「それは俺もだ。大好きだよ、ソル」



ソルが頭をぐりぐりと押し付けて来た。う〜ん、モフモフ。



「母様、ようやく元気になりましたね」


「うんうん。さっきまでとは大ちがい」


「さっきまで?何かあったのか?」



元気になったって......もしかして病気?そんなシステムあるのか?それなら少し心配だな。調薬スキルのレベリングがてら、薬の研究でもするか?



「父様。母様は父様に嫌われたんじゃないかって、ここ最近はずっと落ち込んでたんですよ」


「うんうん。それはもう、すっごい落ちこんでたよ。だってママのりょうり、すっごくしょっぱかったもん」


「きっと気が動転して、お砂糖とお塩を間違えたんでしょうね。それほどまでに、母様は落ち込んでました」



「そうなのか......ってかなんで?なんでソルは落ち込んでたんだ?」



何故に俺がソルを、陽菜を嫌わなきゃならんのだ?

意味不明だ。



「だってあの時......急にチューしちゃったから......嫌われたかな、って......」


「そんな訳ないだろ?寧ろ嬉しかったぞ?嬉しすぎてFSで称号貰ったんだぞ?......俺はソルが大好きなんだから、嫌う事はないぞ。何だって受け入れるさ」


「ホント?......それと称号って何?」


「本当だ。それと称号についてはリビングで見せよう。ちゃんと同期してきたから見れるぞ」


「うん!見る!!」




それからフーとシリカも交えて公式生放送を見せ、お昼ご飯を食べた。


今日はオムライスだった。お米が手に入るようになって、かなり食生活が変わったな。フレイヤさん、ありがとう。ヘルメスもありがとう。



「いや〜凄いね。何が凄いって、ルナ君がリルちゃんになってるのが凄いね」


「あれは俺を美少女化したら、たまたまリルとそっくりになっただけだな」


「ふっふっふ。私は父様の娘ですからね!」


「そうだなぁ。あれでもし、狼の耳じゃなくて普通の人間だったら、今度はメルになってたかもな」


「でもパパ、しっぽないでしょ?」


「尻尾は確かに無いな......でも服装は似せれるぞ?ピギーに言われて、一応ゴスロリも買ったからな」



お陰で300万以上使ったけど。まぁ、別にいい。金は遊んでたら貯まるし、大丈夫だ。




そうしてのんびり雑談をしていると、フーがリビングに入って来た。




「ルナさん、お客様です。ニヒルの方々ですよ」


「お、来たか。鍛治小屋にぶち込んどいてくれ」


「分かりました。では、早めに来てくださいね?」


「了解。リルのブラッシングが終わったら行く」


「......遅くなりそうなんで、飲み物も出してきます」


「頼んだ」



そこまでは遅くならないぞ?ほんの5分程度だ。多分。


リルが甘えん坊モードに入らない限りは、遅れることは無いはずだ。そして甘えん坊モードの対策の為に、俺はちゃんと例のブツを用意している。




そして5分後──




「とうさまぁ......はなれたくないですぅ」



予想通り、リルは甘えん坊モードに入った。



「リル、アテナ達が来てるんだから退いてくれ」


「嫌ですぅ......離れません」


「ほほう。そんな悪い子にはこれはあげませんよ?」



そう言って俺は『ルナちゃん特製☆ミックスジュース』を取り出した。



「んっ!......スゥ......う〜ん......えぇ......いいでしょう」


「悩みすぎだろ。じゃあちょっと待っててくれ。ほら、いい子いい子してあげるから、な?」


「はい......」



リルの頭を撫で、俺はソファから立ち上がった。



「じゃあソル、行ってくる。もしかしたら出掛けるかもしれんが、そん時はまた連絡する」


「うん!......行ってらっしゃい!」


「あぁ、......行ってきます」



ソルに行ってらっしゃいのハグをされたので、俺もそうした。なんと言うか、凄く幸せな気分ですな。ずっとこうしていたい。



そして城を出て、鍛治小屋へ向かって庭を歩くと、妙に暑い気がした。




「そうか、もう夏か。今まで春だったから何も感じなかったけど、ちゃんとゲーム内でも気温が上がるんだな」



ムワッとした熱気、照りつける太陽、視界を歪める陽炎......正に夏だ。



「後でソルから貰った夏服に着替えよ」




そう独りごちりながら、鍛治小屋に入った。




「待たせたなぁ!って、大丈夫か?お前ら」



「「「暑い......」」」



3人が机の上で、溶けるように突っ伏していた。



「確かに暑いな。ほい、『サーキュレーション』『ダイヤモンドダスト』......完璧」



「「「涼しい!!!」」」



外からの熱気を遮断し、ダイヤモンドダストを少しだけ使う事で、室温を少しずつ下げてやった。



「じゃあ作るか。動画については何も言わんから、お前らの使いたい武器を教えてくれ」


「俺は大剣がいい。グローブ的な奴も考えたが、この前打撃に強い奴にやられたからな。大剣で頼む」


「私は刀!ピンク色の刀がいい!!」


「僕は弓かな。種族もエルフにしたし、DEX特化だから」


「了解だ。取り敢えず足りない物を挙げると、ピンク色の染料になる物だけだな」



刀だけなら直ぐに作れるが、ピンク色となると難しい。

草原で花を摘んで調薬スキルで液体に変えるか、そもそもピンク色の鉱石と玉鋼を合金にするしか、方法が無いからな。



「ルナ、それなら最近出来たアレがいいぞ」


「アレ?なんだそれ」


「アレはアレだ。『新月の桜』だ。新月の時にだけ咲く、ニクス山の山頂に生えてるヤツだ」


「なんだそれ。まぁ、ならそれを使うか。ピギーだけ時間がかかるが、それでもいいか?」



アテナの情報なら信頼出来るし、それを集めるとしようか。

多分桜の花びらを集めて、それを調薬スキルか何かで、染料にすればいいのだろう。


にしても桜か。もう夏なのに、変な感じだな。



「それは良いんだけど......集められるの?」


「ん?どゆこと?普通に新月の時に山頂に行けばいいんじゃねぇのか?」


「アル、多分その考えじゃ確実に無理。僕もこの前挑戦したんだけど、見事に広場送りにされたよ」


「おい、情報を出せよ。何にやられたんだ?翔は」



なんだろう。ニクス山なら、アイスワイバーン、若しくはブリザードドラゴンと言ったところか?

それなら倒せるから問題ないんだけど......



「単純さ。桜に殺られたんだよ、僕は」


「はぁ?なんだそりゃ。つまりは何だ?その桜はトレントよろしく、モンスターになってるって事か?」




「正解。新月の桜......正式名称『神月穿樹(しんげつせんじゅ):宵斬桜(よいぎりざくら)』は、新しく発見された幻獣なんだよ」




「えぇ......俺、もしかして幻獣倒せって言われてる?」



なんか、フェンリルと対になってる出現条件だな。

満月の時に現れるフェンリルに対し、新月の時に現れる桜。


面倒臭いったらありゃりしない。



「別に倒さなくていいんだぞ。ヤツの花びらさえ取れれば、後は生きて下山するだけだ」


「桜の攻撃を誘発させて、花びらが散った所をキャッチ!......これで行けるよ!」


「まぁ、それすらも難しいんだけどね。けれどこれまで、結構な成功報告はあるんだよ。なんてったって、その桜を使ったアイテムは、どれもとんでもない性能だからね。皆躍起になって頑張ってる」


「......そっすか」



トレント的なモンスターか......殺れそうじゃね?



「おいルナ。お前今『殺れそう』って思ったろ?」


「あぁ。燃やすか斬るか折るかしたら、花びらも沢山ドロップしそうだからな」



「「「甘いね^^」」」



「うっっっざ!!」



クソほど腹の立つ顔でバカにされた。でも甘いって事は、何度もチャレンジャーがいたんだろう。




「一応言っておくが、ヤツは不死身だ」




「何度切っても、何度燃やしても、何度折っても、5秒もあれば直ぐに全快するよ」


「多分、根っこが原因だと言われてるけど、あの桜の大きさからして、山の上から1割の高さは根っこがありそうなんだよね」


「はぁ?あの雪山の1割!?そりゃ不死身に近いわな」



流石幻獣、やりおるな。

何とかして引っこ抜きたいという、謎の対抗心が芽生えてきたぞ。



「ま、推測だから。取り敢えず新月の時に行ってみなよ。倒せないと判断したら、潔く花びらを集めて撤収したらいい」


「それと他のプレイヤーと取り合いにならないように気を付けてね。PKしてまでも奪う奴が増えてるから」


「俺も何度も狙われた事か......俺、花びら持ってねぇのに......」



「「「うわぁ......ドンマイ」」」



可哀想だな、アテナ。流石に同情する。




「まぁ、分かったよ。新月になったら山まで飛んで行くわ。取り敢えずアテナと翔の武器、作るわ」



「「お願いしま〜っす」」



「あいよ。任せな」




そうして俺は、2人の武器作りを開始した。

いや〜、これまでの幻獣的に、幻獣が何のモチーフで創れられたのかが少し分かりますね。


そしてそれが分かれば、どうして新たな幻獣が発見されたのかも分かりますね。



では次回のタイトルは、敢えて告知しません!


何故なら!!とても!!!気に入っているから!!!です!


楽しんで頂けたら、私は泣いて喜びます。

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