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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
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修理・テスト・夏休み!後編

念の為。『これはフィクションです』


例えテストの科目数が変だったり、そもそも科目が変でも、これはフィクションです。


あぁ、いい響きです。何度だって言いましょう。



これは、フィクションです。




「陽菜、勉強はしてきたか?」


「モチモチのわらび餅!バッチリモッチリだよ!」


「可愛い......じゃなかった。俺もだ。赤点回避どころか、もしかしたら上位に行ける可能性すらある」



今日は中間テストとかいうやつが行われる日だ。

これが終われば、俺達学生は夏休みに入る。



「まぁ、あれだけゲーム内で勉強したし、多分大丈夫」


「急に弱気になるなよ。下じゃなく前を見ろ。下を見るのは、問題用紙を読む時と解答用紙に記入する時だけだ」


「うん!」



心の中に、1本の芯をぶっ刺す。

これだけで全ての物事の成功率がグンと上がる。


疲れた時に、寄りかかれる芯を立てるんだ。

戦う時に、武器になれる芯を立てるんだ。


何だっていい。1つの芯を立てろ。



俺の芯は────



「ほい、席に着け。今日はテストだ。そこまで難しくないし、ちゃんと授業を聞いてたら出来る難易度だからな」



そう言って先生は、テスト用紙を一人一人の机の上に置いていった。



「あの時計が9時になったら開始だ。終了は9時50分だ」


「頑張ろうね、月斗君」


「そうだな。頑張ろう、陽菜」



そして9時になり、俺達はペンを片手に、問題という強大な敵と戦った。








「今期のテスト......思ったより簡単だったね......」


「せやな」


「私、全部埋めれた上に、自己採点で90点はあったよ」


「わかる」


「月斗君はどうだった?」


「まんてん」


「嘘でしょ!?本当に?」


「ほんと」


「......喋り方、聞いた方がいい?」


「きいて」


「どうしたの?」


「頭使いすぎた......しんどい......」


「えぇ?そんなに?」


「......うん」



正直に言おう。『頑張りすぎた』と。ゲーム内で8倍に伸びた時間、遊びではなく勉強に注ぎ込んだ。


リルやメルを膝に乗せながら、死ぬほど勉強した。


ちょっと、頑張りたかったんだ。

ちょっと、やる気を出したんだ。

ちょっと、先の事を考えたんだ。



俺はゲームはゲームと割り切れる人間だ。

だからこそ、リアルに本気になる時もある。




たまたまそれが、テストだっただけだ。



「もう......じゃあ今日、あっち(ゲーム)で膝枕してあげよっか?」


「まぁ、こっち(現実)がいいけどな」



ならお願いしようかな。普段はする側だけど、今日はされる側がいいな。



「え?」


「え?......やべ、考えてる事と言ってる事が......」



入れ違い、でしたね。

周りに聞こえる声量じゃなかったのが、不幸中の幸いと言ったところか。


まぁでも、早川さんや俺の前の席の人には聞こえてるだろうけど。



「ふふ......いいよ。今日は月斗君の家に向かうね」


「あ、マジで?なら晩ごはんの材料買って帰るか」


「うん。ご馳走になろうかな」



丁度父さんも実家の方に帰り、晩ごはん時が寂しかったところだ。

ここで陽菜と一緒に食べられるのは、かなり嬉しいな。




「──って訳で、夏休みは楽に過ごせ。髪を染めても、ピアスを開けても、ウチは校則違反じゃないからな。但し、節度を持ってするように。以上、解散!!」


「「「おぉぉぉ!夏休みだぁぁぁ!!」」」



ホームルームが終わり、教卓に近い席の男子達が騒ぎ始めた。


まだテスト結果も送られてきてないのに、よく騒げるもんだ。



......嘘です僕もめちゃくちゃ騒ぎたい気分ですすみません。



「じゃあ月斗君、帰ろっか?」


「そうだな」


「......ねぇ陽菜ちゃん、月見里君」



陽菜と一緒に帰ろうとしたら、早川さんに止められた。



「「何?」」


「あんまりこういうのは言わない方がいいと思うんだけどさ......その......大丈夫なの?」


「「何が?」」


「え?......その、ほら......ね?」


「「??」」



言ってる意味が分からないぞ。大丈夫って......ご飯の量か?それならこれから買いに行くけど......



「はははっ!面白いなお2人さん!早川が言いてぇのは、お前らが不純な異性の交友をしてんじゃねぇかって話だろ?」



俺の前の席の男子が会話に入ってきた。足から首まで筋肉でピッチピチの男だ。


それとごめん、名前知らないわ。




そしてお兄さん、今の発言には言いたい事があるな。




「んな事する前にまずは結婚だろ?責任も取れないのに、する意味あるのか?」


「うんうん、月斗君の言う通りだよ。学生のうちにそういう事をするのは、社会的にも危なくなっちゃうからね。ちゃんと後の事を考えてから、そういう行為をすべきだと思うな」




「「......しっかりしてる......」」




「な、なら大丈夫かな?じゃあ、2人とも、呼び止めてごめんね?お幸せに」


「後ろでイチャつかれると気が散るけど、そこまで考えてんなら俺も見方が変わるわ。お幸せに」



「「あ、ありがとう??」」



何故『お幸せに』なのかは知らんが、もう帰ってもいいようだ。



「じゃあ行くか。今日の晩御飯何がいい?」


「う〜ん、アヒージョ?」


「また片付けが面倒臭いやつを......まぁいいか。まずマッシュルームとか買わないとな」


「うん!」




そうして中間テストが終わり、俺達の夏休みが始まった。







-----------------------------------------------

早川 雫side



「ねぇちょっと、今のってさ......」



私は2人の会話を聞き、あまりにも思う事があったので、さっき会話に入ってきた『山本 (まもる)』君に話しかけた。



「あぁ、ありゃ夫婦だな」


「だっ!よっ!ねっ!!!」



晩御飯どうする?とか、片付け面倒臭い......とか!

この前、私の父さんと母さんが話してた内容と殆ど一緒なんだよ!!!



「月見里と鈴原は、何と言うか......綺麗だよな」


「あ〜確かに。ピュアというか、一途?」


「あぁ、そんな感じだな!お互いに思いやっているから、綺麗に見えるんだろうな」



うんうん。会話の内容も綺麗だし、こう言ったらなんだけど、高校生らしくないんだ。あの2人は。



「う〜む、でも本当に夫婦の様な会話だったよな。実はもう婚約してるとか?」


「えぇ?それは流石に......」



いや待てよ?考えろ雫......じゃない、ピグレット。

お前の記憶の中のルナとソルちゃん、何かそれらしい物を付けてなかったか?




......してる。左手の薬指に、2人とも指輪を嵌めてる!




「ありそうだね」


「だよな!」




あの2人......まさか?いやでも、まだ高2だよ?......でもルナなら......アルなら有り得る。


アイツは作戦を立てる時、責任を持ってカバーをしていた。


自分で立てた作戦の穴を、自分で塞ぎに行くくらいには責任を持っていた。

.....それで時々死んでたけど。




そこまで考えて、かつ動ける人が、女の子の左手の薬指に指輪を嵌めるか?




......絶対にあの2人は何かの一線を超えている。




特にルナ......じゃない、月見里君。あの人はどこまで考えているんだろう。


私はただ、それだけが疑問に思った。




-----------------------------------------------

月斗side




陽菜と手を繋いでスーパーに向かっている最中──




「へくちっ!」


「どうしたの?また風邪引いた?っていうか可愛いくしゃみだね」


「あ゛ぁ゛、多分誰かが俺の噂をしたんだろう。どうせ早川さんか俺の前の席の男子だ」


「凄いね。原因と犯人の特定早すぎでしょ。風邪は疑わないの?」


「(疑わ)ないね。月のはじめになったばかりだし、体調管理はしっかりしてるからな」



ちゃんと野菜も果物も食べるようにしてるからな。

ビタミンをきちんと摂取しているぞ。



「そっか......でも、この前みたいにキスしちゃったら?」


「......風邪どころか死ぬわ」


「ふふっ、私も!」



そう言って陽菜はピョンピョン跳ねた。可愛いな。



「えへへ〜......じゃあ、ちょっと」


「ん?」




ちゅ




頬っぺにキスされた。リアルで。外で。スーパーへ向かう道で。



すると陽菜はニヤっと笑い、こう言った。



「ふふ、これでさっきのくしゃみは、風邪が原因だとは思わない?」







「......風邪、かもな」






夏休み、これから大丈夫か?俺は。心配だな。

お前の芯は何なんだよォ!と、ツッコミたくなりました。


っていうかラスト!んまぁぁぁぁ!!!(断末魔)(尊死)




ングググゥ.....ズィ回、『テストの結果と大きな進展』お゛た゛の゛み゛に゛!!!!

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