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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
206/492

修理・テスト・夏休み! 前編

修理編!


あ、天城さんを狙って大型建造をぶん回したら、なんと天城さんが来てくれました。

これで土佐さんと天城さんが揃ったので、私の重桜主力艦が大分潤いましたね。( 'ω' و)و"♪


家の鍛冶小屋にて──



「なぁにぃぃぃ!?やっちまったなぁ!!!」


「どうしたの?パパ」


小夜(さよ)さんの修理に、アダチェウスの素材が必要なみたいだ」



テンションとは、ジェットコースターである。 by ルナ

─────────────────────────



さて、ここで1つ。俺はアダチェウスというモンスターと戦ったことも無ければ、見た事も無い。

正樹から聞いた情報だと、アダマント製の針を持つハリネズミ、という情報しか知らないのだ。



『すみません......ご迷惑をおかけします......』


「気にしないでください。っていうか、修理した上に補強とかしたら、俺は小春さんに怒られますかね?」



これは気になっていたのだ。


小夜さん......『アダチェストソード』は、無属性の一般的な剣の中では、かなり高い耐久値を誇るのだが、それでもまだ足りないと感じる。


だから、少し俺が手を加えて、耐久値や攻撃力、付与効果なんかも追加したいと思ったのだが......それは製作者である、小春さんがなんて言うか分からない。


自身が沢山の思いを込めた剣を、他人に手を加えられたら.....俺だったら泣いてしまうからな。



『それは寧ろ、小春は喜ぶと思いますよ?何せ小春は、鍛冶師としてルナ様に憧れていましたから......』


「......そうすか。ってか小夜さん、口調戻していいですよ?正直に言って、様付けされるのは嫌いだ」



様付けされても許せるの、愛剣のおじさんくらいだ。

あの人の声といい言葉遣いといい、様付けされても違和感を感じないのだ。



『で、では......口調は戻させてもらうのじゃ』



のじゃ口調、いいっすね。俺、そういうキャラ好きよ?



「うんうん。それがいい。小夜さん本来の個性を出すといい。......そんでもって、これからアダチェウスを狩って来るわ」


「じゃあメルも〜!」


「いや、メルは留守番だ。シリカと行ってくる」


「え〜!!」



今回はスピード重視なんでな。ソロで行かせてもらう。

......いや、スピード重視だからこそ、メルに殲滅してもらうか?


でもそれじゃあ、小夜さんに申し訳ない気がするんだよな。


俺の手でアダチェストソードを修理したい......だから、修理素材も俺の手で集めるべきだろう。



「じゃあメル、ソルにお願いして、一緒に外で狩りをしてくるといい。それなら暇じゃないだろ?」


「......わかった。引きずってでも、ママとおでかけする」


「ダメだ。ちゃんとお願いしろ。自分のやりたい事に人を巻き込むなら、ちゃんと自分からお願いしろ」


「うん!じゃあ、ママにきいてくる!!」


「あぁ。行ってこい」



そうしてメルは、城の方へ走って行った。



『元気な子じゃなぁ』


「だろ?メルはあれでも、元々は神龍だからな」



元気なのは良い事だ。外に出て走り回るのは、体力も尽くし体幹も鍛えられるし、外の地形を把握する能力も鍛えられるからな。



『神......龍?......(わらわ)は今、冗談を聞いておるのかの?』


「いや?冗談じゃないさ。メルは元神龍『ノビリスドラゴン』だったんだよ。俺と戦い、テイムされ、俺の娘になった」


『......ちょっと理解が追いつかないのじゃ』


「まぁ、それは小春さんや有名な語り人に聞けば真偽が分かるさ。俺、一応有名人らしいし」



あの男は知らなかったけどな、俺とソルの事。

......はぁ、思い出しただけで腹が立つ。落ち着こう。



「じゃあ素材集めて来るんで、待っててくれ」


『うむ!待ってるのじゃ!』



俺はアダチェストソードをインベントリに仕舞い、シリカを顕現させた。



『どうしたの〜?お兄さん』


「ちょっとハリネズミ狩るぞ」


『おっけ〜!!まっかせて!!』



いいね、詳細を語らずとも理解してくれる......正に相棒だ。




そうして俺はディクトまで全力で飛んで行き、街の人にアダチェウスの居場所を聞くことにした。




「すみません、ちょっといいですか?」


「ん?......あ!お前さん、昨日の奴か!」



俺はドワーフのおじさんに話しかけたのだが、どうやら昨日の事件を知っていたらしい。



「はい。ルナと申します。少しお聞きしたい事があるのですが、アダチェウスなるモンスターの居場所を知りませんか?」



こういう時『お時間いいですか?』より、先に要件を聞くのが俺のスタイルだ。知らんけど。


だって、時間あるか聞くより、手っ取り早く要件を言った方が時間がかからないんだもん。



「あぁ、それなら着いてきな。プロフェッショナルの元に連れてってやる」


「いいんですか!?お願いします!」



プロフェッショナル......この街の強い冒険者か、或いは鍛冶師の事かな。



そうして連れてこられた先は、この街でも珍しい、石造りの家だった。

鍛冶屋だろうな。



「ジン!いるか〜?」



おじさんはドアを開け、ジンという名前を呼んだ。



「なんだよ朝から......まだ開店しねぇぞボケがぁ!......ってスタークじゃねぇか。誰だ?そいつ」


「この男にアダチェウスについて教えてやってくれ」


「なんで急にそんな事を......まぁいいけどよ。報酬は?」


「ん?」


「だから、そのガキにアダチェウスについて教える事についての報酬は?」



どうやらこのおじさん......スタークさんは、ジンさんへの報酬を考えてなかったらしい。



「うん、忘れてたわ。ルナ、お前さん鍛冶は出来るか?」


「え?えぇ、まぁ。それなりには」


「具体的なスキルレベルは?あと階級を教えてくれ」


「階級?......は多分、神匠の事ですかね?それなら、『神匠:鍛冶』のレベル100ですよ」


「「はぁぁぁ!?!?」」



あ、神匠である事って言わない方がいいんだっけ?

......違うか、神について言わない方がいいのか。

これ、フェルさんに聞いとけば良かったな。



「し、しししし神匠っておま、マジか!?」


「はい。認めた神については話せませんが、神匠ですよ」


「な、ならガキ......じゃねぇ、ルナ!お前、フェルという男を知っているか!?」


「知っているも何も、その人に鍛冶を習いましたよ」


「やべぇ......スターク、やべぇよ......」


「だな......俺もまさか、あんな強え奴が神匠だとは......」



テンプレ展開みたいになってるのはいいんだけど、早くアダチェウスについて教えてくんないかな。



「あの、アダチェウスについては?」


「あ、あぁ!アダチェウスだな!いいぞ、なんでも聞いてくれ!それと、出来ればなんだが......」


「はい。報酬は俺が払いますよ」


「なら!お前さんの鍛冶を見せてくれないか?」


「いいですよ」


「っしゃぁぁぁ!!!!!!」


「やったなジン!!お前、一生に一度の思い出になるんじゃねぇか?」


「当たり前だろ!」



なんかすっごい喜んでる。フェルさん、あんたすげぇよ。



『しかもお兄さん、5人の神のお墨付きでしょ?』


「そうだな。有難い限りだよ」


『ならこの人達、神の鍛冶より貴重な物を見れるんだね!』


「そこまでか?......まぁ、いいや」



話が長くなる気がしたので、ここで切った。



「じゃあジンさん、アダチェウスについて教えてください」


「おうよ!まずアダチェウスは──」




そうしてジンさんからアダチェウスについて聞き、俺はディクトの東にある、『フォラス鉱山』まで飛んで来た。



「名前的に、リンが採れるのかな?」



リンはラテン語でフォスフォラス。元素名にもなっているな。



「んな事ァどうでもいいや。行くか」


『レッツゴー!!!』



俺はクトネシリカを何時でも抜刀できるように、左手で持ちながら鉱山を進んだ。



「うわぁ......臭ぇ」



鉱山内は、動物のフンの臭いで充満していた。



「でも効かない。なぜならコレがあるから!『サーキュレーション』」



俺の周囲だけ綺麗な空気を取り込み、臭いは完全に消えた。



「おぅ......便利ィ......流石だァ......」



環境適応魔法(仮)は、とても便利である。




『チュチュ!!』


「お、反応にもあったネズミか。確かこのネズミ、ジンさん情報によるとレアモンスターのはずなんだが......運がいいな」



この小さなネズミは『ラッキーラット』と言って、テイムする事で永続バフがかかるモンスターらしい。

なんでも、LUCが常に2倍になるそうな......



『チュ!』


「まぁ、逃げるわな。次来たプレイヤーにでもテイムされときな」


『良いの?逃がしちゃって』


「いい。それにウチにネズミが居るとしったら、リルが食べそうじゃないか?」


『......確かに「んな訳ねぇよ!」......えっ』



タダのジョークだよ。真に受けないでくれ。



「ん、敵だ......人型?あぁ、『オートマタ』か」



鉱山を進むと、やけに綺麗な魔力反応があり、その魔力の持ち主は『オートマタ』と言う、ゴーレムの強化版モンスターとの事だ。



『ハ、ハイジョ......ハイジョ!ハイジョ!ハイジョ!』


『「怖っ!」』



首をカクカク揺らしながら排除を連呼するなよ!

ホラー映画のワンシーンにしか見えないぞ!



「おらよ、『戦神』『インフェルノブレス』」



ボァァァァァ!!!!



龍神魔法であるインフェルノブレスを使ったら、俺の前方の地面、壁、そして天井までもが赤熱し、溶けてしまった。



━━━━━━━━━━━━━━━━

『オートマタLv80』を破壊しました。

『鋼のインゴット』×1入手しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━



「......」


『......』



うん......やりすぎたね。これじゃあ歩いて進めないぞ。



そして俺は1級のバカであり、1級の変人である為、ここで更なる愚行に出るとしよう。



「『戦神』『グレイシア』」



バキバキバキバキバキ!!!!



俺の目の前が氷の洞窟になってしまった。



「......」


『......』



これにはシリカも何もツッコまない。キャパオーバーだろうか。



コツ、コツ、コツ......



俺は無言で歩き始めた。もう、何も言える事が無いんだ。



そして10分ほど歩くと、氷の洞窟ゾーンを抜け、普通の岩肌の洞窟に戻ったのである。



「シリカ。今日起きた事は誰にも言うなよ」


『......言いふらしてやる』


「やめろ!一体のモンスターを倒すために『洞窟の表面を溶かした後に、氷の洞窟に変えちゃった☆』なんて事がバレたら、ソルに呆れられるだろ!?」


『呆れられるのも無理ないよ!なんで戦神を使ったの!?なんで氷に変えちゃったの!?なんで平然と無言で歩いてるの!?』



今になって全てのツッコミがやって来た。



「これが......俺流の洞窟攻略だ......」


『そんな流派滅んでしまえ!一代限りでね!!』


「だいじょぶだいじょぶ。真似できるのはメルだけだから」


『真似できるのがおかしいのぉぉ!!!!』



騒がしいな、今日は。



「お、目当てのモンスターの反応かな?」



サーチ君に、何やらトゲトゲした魔力反応が引っかかった。



「さ、どんな見た目かな?イガグリ?ウニ?」


『ハリネズミでしょ!?』


「全く......ここは『いやぁ、ここは敢えてアルマジロですかねぇ!』とか言うところだろ?」


『知るかそんなもん!!!』



荒れてるなぁ、シリカ。どうした?嫌な事でもあったか?



『ガルルルル......』


『「あ、ハリネズミだ」』



ドスドスドス!!!!



2メートルくらいある、巨大なハリネズミが現れたと思ったら、いきなり背中の針を飛ばして来た。



「『フラカン』......おっほ!これ最強じゃん!」


『うわぁ......可哀想に......』



俺は飛んできた数千本の針を、全て魔法でキャッチした。



━━━━━━━━━━━━━━━

『魔鋼鼠の針』×99入手しました。

━━━━━━━━━━━━━━━



「もう用済みだね、君」



そう、ジンさんに言われたのだ。


『アダチェウスの針が欲しいなら、敢えて針を撃たせろ。そんで盾や壁に隠れてやり過ごし、直ぐに針を拾って逃げるんだ。これがアダチェウスの針の集め方だ』


ってな。



「まぁでも、殺すんだけどね。『魔刀術:雷纏』『雷』」



バチィン!!!ザンッ!



アダチェウスは咄嗟の判断で丸まったが、シリカの切れ味に負け、その鋼鉄の針ごと胴体が抉られてしまった。



『ガ......ガウ......』



そして出血が続き、アダチェウスはポリゴンとなって散った。



「外はガチガチ、中はプニプニだったな」


『中も硬かったら、流石に一撃では無理だったね!』


「だな。ありがとう、シリカ」


『いいよ〜!』



刀身に付いた血のポリゴンを振り払い、納刀した。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『アダチェウスLv85』を討伐しました。

『魔鋼鼠の針』×99入手しました。

『魔鋼鼠の毒肉』×5入手しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「クソだ......肉も毒になってんのかよ......」


『ありゃりゃ、残念だね』


「プニプニのお肉、美味しそうなのになぁ」


『死を覚悟で食べる?』


「な訳。コイツは武器にするから取っておく」


『......武器に?』


「あぁ。でも作り始めるのは夏休みに入ってからだ」


『うん!お兄さんの新しい武器、ワクワクするよ!』



凄いよな。『私の出番が無くなる!』って心配するんじゃなくて、『使ってもらえるという絶対の信頼』を置き、かつ『新しい武器が楽しみ』と言ってくれる......


感謝してもしきれないよ。ありがとう、シリカ。




「だな。じゃあ、このままボスも殺るか!」


『お〜!......トマタ』


「グレイシア使うなよ......寒いだろ?」


『......』




そんな雑談をしながら、俺はフォラス鉱山のボス部屋前まで来た。

今回はシリカとのギャグ回(?)でした。

アダチェウスは針がアダマント製なので硬く、その分、本体はプニップニのモッチモチとなっております。


ちなみに、弱点属性があり、雷属性にめっぽう弱いです。


では次回!中編でお会いしましょう。ではでは!

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