始業式
始まらなかったです。
「ー1年生だった方は2年生に、2年生だった方は3年生になる訳です。その自覚と言うのを持ちましょう」
校長の言葉を最後に、始業式が終わった。
そして今、廊下に貼られたクラス分けの紙を見て、席に着いたところだ。そしてその座席が、幸運にも教室の出入口から反対側、つまり窓側の、それも1番後ろの席だった。この座席は昔から憧れていたのだ。ここを俺は陰キャラポジション、略して陰キャポジと呼んでいる。
「やった〜この陰キャポジのおかげで1学期は幸せに終えられる!」
そう口に出るほど喜んでいたら隣の席の人に話しかけられた。そしてその人物を見て驚愕した。
「久しぶりだね、月斗君。2年生は同じクラスで良かったよ。よろしくね?」
「あ............あぁ。よろしく、陽菜」
話しかけてきたのは俺が小学1年生から中学3年生まで通っていた武術道場に一緒に行っていた幼馴染の鈴原 陽菜だった。
なぜ驚愕しているか? それは簡単、『同じ高校だと知らなかったから』だ。
彼女は俺と全く同じ日に道場に通い始め、同じ日に辞めた。
受験があったから、勉強に専念するために辞めたのだが、辞める前にも高校についての話はほとんどしなかった。故に、彼女もどこか近くの高校に行くんだろうな〜程度に考えて居たんだが、まさか同じ高校とは思わなかった。
ん? 同じ高校とか、まぁそこそこあるんじゃないかって?
それは少し違う。何故か? ここは『地元からとても離れているから』だ。
ならどれくらい離れているか?
そうだな、俺たちの地元は大阪なんだがここは東京、俺は一人暮らしをしたいと親と話して、東京の高校を受験して、とりあえず高校生のうちは東京で暮らすことになったのだ。
だから何故ここに陽菜がいるのか分からなかった。いや、高校なんだから生徒として来てるのは分かるよ? 分かるんだけど、なぜこの高校なのかが分からなかった。
そこからたわいもない話をしていたらチャイムがなった。そして、新クラスでの自己紹介やら委員決めが終わって帰りのホームルームも今終わった。
よし、これから俺はゲームショップに寄って予約していた『Your story』をやるんだ!
そして家に帰ってきた。早速やるか! とも思ったが、その前にご飯を食べてお風呂に入ろう。
下手くそなお手製料理を食べ、お風呂入ってさっぱりしたので始めますか。
「ゲームスタート!」
みんなだいすき「きゃらくりえいと」のおじかんですよ!