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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
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正樹大先生の最高の授業!

最弱スタート

 



「寝よう。寝て忘れよう。おやすみ」


 ステータスが落ちてるなんて次元じゃなかったのでふて寝する。



 空腹値もミックスジュースのお陰で大丈夫だし、先に寝ちゃおう。っていうかログアウトしよう。



『ソルへ

 俺はログアウトします。

 ちょっぴりショックな事があったので、先にログアウトすることをお許しください。

 出来れば明日の学校でお話を聞いてあげてください。俺は喜びます。


 メルやリルの事を押し付けるのは申し訳ないので、拙いながらも机の上にミックスジュースを置いておきました。

 冷やすために氷の箱に入れてるから、飲む時は氷の箱を砕いてから飲んでね。


 何かあったらリアルの方でメールをください。駆け付けます。

 ルナより』



「よし、チャットも送ったし、ミックスジュースも冷やしておいた。ログアウトしよ」


『ルナさ〜ん私達の事を忘れてますよ〜!』


「あっ」



 やべ、完璧に忘れてた。



「もう、どれだけショック受けてるんですか?レベルをちゃちゃっと上げるだけでしょう?」


「そうだよお兄さん!シリカ達が一緒なんだから、大丈夫でしょ?」


「いや、もっと致命的な問題があるんだが......それは外に出る時に話すか。とりあえず、家の事を頼んだ。ソル達が帰ってきたら、思いっきり労ってやってくれ」



 実はとんでもない問題に直面しているが......今はいい。



「分かりました。3人ともルナさんのベッドで寝かせますか?」


「え?」


「え?」


「別々じゃないのか?狭いだろ、4人なんて」


「それは大丈夫ですよ。ねぇシリカさん?」


「うん!............ほら! ベッド持ってきた!」



 シリカがどこか部屋からベッドを調達してきた。



「よいしょ......っと。これで4人どころか、私達も寝れるね!」


「お前らとは絶対に寝ない」


「ふふっ、そう言うと思いましたよ。......とりあえず、メルさんとリルさんはこちらで寝かせます」



 助かる。メルは知らんが、リルは絶対にここで寝るだろうからな。



「あぁ、ありがとう。それじゃあ......おやすみ」


「おやすみなさい」


「墨汁母さん!」


「親の墨でおやすみってか?黙らっしゃい!」




 そうして俺は、ログアウトした。




「......やべぇな。ステータス低すぎて刀が持てないとか、アイツらに言ったらどういう反応するんだろう」



 ルナの抱える大きな問題。それは『圧倒的低ステータスによる、武器の装備不可』だ。



「明日、陽菜に相談しようそうしよううんソレガイイヨ」



 自分で自分を肯定していこう。それじゃあ現実世界よ、おやすみ。






 ピロン!


『ルナ君を殺したギルドは壊滅させたよ。

 王都に集まってた有名プレイヤーが沢山集まってくれたの。

 それじゃあまた明日! おやすみ』


『P.S.

 それと──』



 夜も深まった頃に、そんなメールが来てたとさ。




「ん......せかい、かくせいのとき......」



 朝だ。もっと寝ていたくなる、あの朝だ。朝田さんだ。



「──ぁああ。あ〜ねむ」



 声にならない欠伸をしてから起き上がる。



「ん? 陽菜からメール来てんじゃん。どれどれ?......あら? あの人PKギルドの人だったんだ」



 どうやら、あの人物は元から俺を狙っていたようで、他のギルドメンバーも協力して俺を殺そうとしたみたいだ。



「ふ〜ん、暗号で会話......ねぇ? 楽しそうじゃん」



 俺も暗号で会話とかしてみたい!

 だって、絶対カッコイイじゃん!

 いいな〜、俺もスタイリッシュに暗号言いたいな〜



「って、んな事思ってる場合じゃねぇわ。学校行かんと」



 そんなこんなで、登校しました。



「お〜はよ〜月斗く〜ん」


「おはよう陽菜。昨日はすまんかった」


「ううん。中々に熱い戦いが出来て、楽しかっよ」



 PKギルドの壊滅が熱い戦いになったのか......



「そういえば『ちょっぴりショックな話』ってなに?」



 それを聞いてくれるのは助かる。一緒に解決して欲しい。



「限界突破したら全ステータスが10になったから、刀が持てなくなった」


「......え? 装備も出来ないの?」


「いや、装備は出来るんだ。でも抜刀できなくなっちゃった」


「それ......結構不味いんじゃ? これからどうするの?」


「レベルを上げるしかないかな。今の俺、初期ステータスより低いから、最弱になっちまったんだ」



 SP振れば化け物になるけどな。



「とりあえず、帰ったらステータス見せるから、そん時に色々と話そう」


「うん! それとお弁当作ってきたから、お昼は一緒に食べよ!」


「おぉ、ありがとう。楽しみにしてるよ」



 ......凄く......恋人らしいです。


 いや、恋人なんですけどね。



「お〜っす月斗ォ! また色々とやらかしたらしいなぁ!」


「おはよう正樹。正直言って、いつもやらかしまくってるせいで、どのやらかしの話か分からんぞ」


「おはよう田中君」


「おう、おはよう。やらかしはアレだ、2つある」


「「2つ?」」



 え? 何だろう。神界の写真と神龍を倒した事かな?



「あぁ、2つだ。1つは......お前、神龍テイムしたろ?」


「うん。ガッツリ」


「マジか......じゃああの2人目の女の子って......」


「そうだね。元神龍ちゃんですね」


「なるほどなぁ。『倒しました』って、やっぱりテイムなんだな。確信したわ」



 あ、もしかしてカマかけられてた?

 あ〜あ。まぁ、正樹なら言ってもいいか。害はないし。



「んで2つ目だが、昨日のPKギルドの事だな」


「それは知らん。死んだ後ログアウトしたから、情報を知ってるのは陽菜と正樹だけだぞ?」


「違う違う。それは知ってるから、お前を殺したやつがどんな奴かを言おうと思ってな」


「マジか! それはすまん。教えてくれ」



 そんな所まで分かってるなんてな。



「まず殺した奴の名前は『下の夢』と書いて『ゲノム』だ。一般人を装い、これまでにトッププレイヤーを何人も殺している奴だな。

 俺も2回ほど殺された上に、装備を持ってかれてる」



 ん?



「装備を持ってかれた? どゆことっすかパイセン」


「そのまんまだ。プレイヤーに殺されたら武器とか防具とか、アイテムが何でも1つ、盗られるんだよ」



 やばい......血の気が引いてきた。

 なんだ? 何を盗られた? 神器? 指輪? ゴミ?



「帰りてぇ......俺、今凄く帰りてぇよ......」


「あ、それなら回収してるよ。私が持ってるね」


「マジで!? 何? 何を盗られてた!?」


「スキル書......龍神魔法の」



 ヒェッ! よりによって神器の次に盗られたくないやつを!



「あぁ......良かったぁ。ありがとう陽菜」


「えへへ〜もっと感謝してくれたまえ〜!」


「よ〜しよし。よ〜しよしよし! 陽菜は最高だ!!」



 髪の毛がぐちゃぐちゃにならない程度に頭を撫で回した。



「お二人さ〜ん。ここ学校ですよ〜」


「「あ」」



 クラスメイトの殆どに見られた気がするが、気のせいだろう。

 ここで正しく認識すると、俺の意識が飛ぶかもしれんからな。


 自己防衛だ。



「で、話を戻すが、下の夢以外の協力者が2人分かっている。1人は『あんこ』という名前のプレイヤーだ。こいつはルナの殺し方を提案した奴だな」


「怖〜い」


「そんで2人目が『ウニ』って奴だ。こいつは下の夢が失敗した時の逃げ場所の確保と、殺し方その2を提案した奴だ」


「へぇ、用意周到だな。計画的犯行だよな?」


「勿論。今の説明聞いてたら分かるだろ? そんでもってコイツら......レベル100越えだ」


「「え?」」



 つま〜りは何で〜すか? 限界突破済みの強いプレイヤーがPKという訳で〜すか?



「これは鈴原も知らんだろ? 何せ、今朝分かった情報だからな」


「うん、知らなかった。でもなんでそんなトップクラスのプレイヤーがPKを?」


「1つは装備の強奪目的だろうな。下の夢がルナを殺す時に使った武器は割れていて、モンスターのドロップ品で作られていたんだ」


「それが何かあるのか?」



 普通に武器として愛用していたのでは?



「ある。アイツらのギルドを覗いたんだが、買った武器とか、作った武器とか、それらが一切無かったんだ。分かるか?『剣』とか『弓』とかが、一切無かったんだ」


「ん〜? つまりは俺から武器を奪おうとしたって事か?」


「そうだ。それで下の夢の武器の詳細だが、お前を刺した時の針は『アダチェウスの針』に『バジリスクモドキの劇毒』を塗った暗器なんだよ」


「なんじゃそりゃ。強そうな名前の針だな」


「マジで強いんだよ。アダマント製の針だぞ? それに10秒あれば広場行きの毒を塗りたくったんだぞ? どっちか片方でも強力な武器なのに、それを合体させてんだよ」




 毒針を作って刺したって訳ね。や、やるじゃん。

 ま、まぁ? それくらい予想してたしぃ?

 別に、頑張れば対処出来たしぃ? 的な?


 ......今後の参考にしよ〜っと。



「ちなみに俺の今の武器は、アダチェウスの針にワイバーンの素材を使った剣だ。攻撃力1000越えだ」


「「ワー、ツヨーイ」」


「反応うっす!」



 布都御魂剣の3分の1か。割とマジで強いな。

 ってか神器って、もしかして最強武器ではない感じ?


 いや待てよ。最強武器があのゲームにある訳がないか。


 それに俺の武器って基本無属性だし、誇れるのは無限の耐久値と高い攻撃力だ。

 毒とか麻痺とか、属性攻撃しか通用しない相手が出てきた時に、結構弱いんじゃないか?



 やっぱり暗器を参考に、何か毒武器とか作るか。



「っとまぁ、あのPKに関しちゃそれぐらいかな。珍しい武器使ってますよ〜って感じだ。

これからは気を付けろよ? 鈴原もな」


「「は〜い」」


「ん。これで正樹大先生の授業は終わりだ」



 キーンコーンカーンコーン



「グッドタイミングなチャイムじゃん。授業上手だな、正樹」


「だ、だろ? じゃあ、また後で」



 正樹は照れた様子で席に戻っていった。



「ねぇ月斗君」


「ん〜?」


「夏休みさ、どっかデートに行かない?」


「それをこのタイミングで話すのか。まぁ、いいぞ? どこか行きたいとこがあるなら、そこに行こう」



 急すぎるだろ。っていうかそろそろ担任が入ってくるぞ?

 この話、続けるのか?



「やっぱり夏と言えば、あそこでしょ」


「そうだな。あそこだな」



 やべぇ、何も分かんねぇ。適当に合わせてるけど後で怒られそう。



「じゃあ、せ〜ので言お?......せ〜のっ」



「プール / 月斗君の実家」



「なんでやねん!」


「おっ月見里。芸人にでもなるのか?」



 なんちゅうタイミングで入って来とんや先生ェェ!!



「なりません。俺に人を笑わせる才能は無いので」



 くっ! ここは何とか切り抜けろ! スタイリッシュに!!



「そうか? 見てみろよ、何人か笑ってるぞ?」



 そう言われて教室を見てみると、正樹や他何人かのクラスメイトが笑っていた。



「......芸人には向いてなさそうです」



 スタイリッシュな月斗君は無事に転びました。



「そうか。まぁ、生徒のを夢は応援するからな。お前らも2年生なんだし、将来の事は考えておけよ?」


「「「「「はい!」」」」」


「うん、よろしい。じゃあホームルーム始めるぞ〜」



 先生......アンタの会話の繋げ方、天才だよ。

 俺1人から周りの皆へ繋げるなんて、最高じゃないか!



 そうして何事も無く、ホームルームが終わった。



「......あれ? 何の話してたんだっけ」


「ふふふっ、何だろね〜?」



 色々とあったせいで、何話してたか忘れちゃった。




「ま、いっか」

これから夏休み編に入ります。

色々な事が起きますし、起こします。


ルナ君が最弱から抜け出すのはいつになるのやら.....


それでは次回もお楽しみに!



あ、影に生きるものスレの暗号、分かりますかね?

半ば連想ゲームのような感じなので、めちゃくちゃ分かりにくいです。


時間があれば、是非解いてみてください!


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