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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
194/492

殺人事件と限界突破

不穏なタイトル.....

 



 神界の街、中央広場にて──




「じゃあな、皆。楽しかったよ」


「ありがとう! また来るからね!」


「皆さんと出会えて良かったです!」


「......ありがとう」



 お別れの時だ。これから俺達は下界に帰る。



「これから夜だけど......いっか! また来てね!」


「中々に楽しませてもらった」


「これからの熱い戦い、期待してるぞ」


「お姉ちゃんに会いたくなったら、また来るんだよ!」


「元気でね〜。稲荷ちゃんにも伝えとくね〜」



 見送りはオケアノス、ヘルメス、アグニ、ルーナさん、ヴィーナスの、いつもの5人だ。



 オケアノスは最初に出会った神だ。俺達と仲良くしてくれた事、本当に感謝しかない。

 ヘルメスはツンデレ気のある、意外と優しい男だな。オケアノスと同じ髪色だから、兄弟にも見える。


 アグニさんは熱い男だ。言葉は落ち着いていても、その根幹にある思いはとても熱い。

 ルーナさんは......うん。お姉ちゃん要素が無ければ良い神だな。多分。

 ヴィーナスさんはふわふわしてる神だ。大きめのクッションとか持って浮いたら、完璧にだらだらしてる女神になるが、そのギャップを楽しみたいものだ。



「じゃあね!」


「あぁ。またな」




 最後にオケアノスと握手をして、俺達は下界に戻った。




「......ソル、いるよな?」


「うん! 一緒だよ!」


「良かった......なら帰るか。メル、これから俺達の家に向かうぞ」


「は〜い「って思ったけど、買い物してから帰るか」......なんで?」


「ミックスジュースの材料を買いにな。最近は暑くなってきたし、それに......美味しかっただろ?」


「......うん」



 素直でよろしい。


 実は、喫茶店を出る前にメルの分もミックスジュースを作ったのだ。

 美味しく感じてもらえて、かなり嬉しかった。



「ほら、行くぞ」


「う、うん!」



 メルと手を繋ぐと、一気に笑顔になった。どうしたんだろ?


 それから俺達は、メルに王都の案内をしながら買い物をした。



「ん〜! じゃあそろそろ帰るか」


「そうだね! 学校もあるし、早めに落ちよっか」



 ん? この先にいる人の魔力反応、少し変だな。

 なんか......トゲトゲしてる?

 攻撃する時の反応でもないし、ただ単に見たことが無い反応ってだけか。



「じゃあ行こうか。今日の晩ご飯、どうしますかな?」



 歩きながら晩御飯の献立を決める。



「今日はロールキャベツにします」


「それはどんな料理なんですか?母様」


「ん〜? ロールキャベツはね──」



 あらあら、可愛いなぁ2人とも。こういう日常、大好きなんだ。




「ッ! パパ!!」



 ドスッ!



「うぉ......」



 あの変な魔力反応の人に、何かを刺された。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『守護者の加護』が発動しました。

『最弱無敗』が発動しました。

『死を恐れぬ者』が発動しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 ちくしょう。何を刺された? 針? 棘? いや、毒針か?



 HP回復が拮抗している。これはかなり不味いぞ。


 体感時間がどんどん伸びている。

 交通事故に会う前の、タキサイキア現象のような状態になってる。


 ただ......これはゾーンとも言える。できる限りの対処をしよう。



 口に出しては遅いので、心の中でステラを呼び出す。


(ステラ、『癒しの光』を......ヤバい)



 今、とてつもない絶望感に襲われている。



 何故なら、今の俺は『10種類の毒状態』になっているから。試しに『毒物鑑定』を俺に使うと、効果の名前が出てきた。


 ━━━━━━━━━━━

『ルナ』の毒物鑑定結果

 名前:毒

 名前:猛毒

 名前:劇毒

 名前:麻痺毒

 名前:麻痺劇毒

 名前:神経毒

 名前:菌毒

 名前:鉱毒

 名前:魔毒

 名前:吸魔毒

 極めて危険な毒。

 ━━━━━━━━━━━




 あぁ......ダメだこりゃ。100パー死ぬわ。天国ならぬ、神界行きっすわ。




 でもなぁ、俺はタダでは死なないんだよ。

 必ずチームの為に......ソル達の為になる死を選ぶんだよ。

 それがFSで鍛え上げた死ぬ時のテクニックだ。


 たとえ自分が死のうともチームを勝利に導く。

 勝利の為なら自分から死ぬ事も厭わない。



 これが俺の、ゲームでの死に対する価値観だ。



 ......つい笑みが零れる。

 こういう極限状態って、めちゃくちゃ楽しいんだよな。



「はははは!『アクアスフィア』『クロノスクラビス』............はぁ」



 俺は最期に逃げる暗殺者を氷像にしてやった。

 これで後はソル達が動くだろう。


 あぁ、もう起き上がる力も入らない。



 ただ、やってやった。完全に拘束した。



「パパ! ねぇパパ! ねぇってばぁ!」


「父......様......嘘............」


「ルナ君。後は任せて」



 子ども2人は泣いているが、ソルは俺の意図を理解してくれた。



「任せた」




 そう言い残し、俺はポリゴンとなって散った。

 そしてベッドでリスポーンすると、布団にくるまった。



「......短期間に2度も死んでしまった。称号も、天使の補正もあるのに......はぁ」



 他にも不死鳥化やステラの回復、さらにはブリーシンガメンの神速回復もある。

 それなのに死んでしまった。



「ちょっと甘かったなぁ、これまでの自分」



 反省だ。これからは切り替えよう。

 サーチは常に展開し、気になった反応があれば直ぐに警戒しよう。



「あ、リザルトの確認でもしとくか。皆が帰ってきたら、そのままログアウトしよう」



 全ステータス1のデスペナが5時間以上あるからな。

 今のうちに確認は済ませとこう。



 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『神龍:ノビリスドラゴン』を倒しました。

『スキル書:龍神魔法』を入手しました。


 レベルが30上がりました。300SP入手しました。


『魔闘術』スキルレベルが99上がりました。

『魔糸術』スキルレベルが99上がりました。

『土属性魔法』スキルレベルが99上がりました。

『テイム』スキルレベルが1上がりました。


 称号『神獣を従えし者』を獲得しました。


『幻獣を従えし者』は『神獣を従えし者』に統合されます。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「経験値が美味すぎて、数回しか使ってないのにカンストしてしまった」



 すまん、土属性と魔闘術と魔糸術。もっと遊べば良かった。



「......で、30って事は......?」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

レベル限界に到達しました。

必要条件を満たしているため限界突破が可能です。

限界突破をしない場合、これ以上レベルが上がることはありません。


限界突破後の種族を選んでください。


『熾天使』

『堕天使』

『人間』

『空天白狐』

『蒼天使』

『音天使』

『紅天使』

『月天使』

『金天使』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 見事に天使だらけだ......だが。



「熾天使、堕天使、人間......人間!? 嘘だろ? 帰ってきたのかお前!」



 これ、多分最初の2つが天使のオリジナル進化で、人間が『背理の天使』の効果、後はあの神達の因子の効果だよな?



「これはチェックせずにはいられんぞ......」



 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『人間』

 矛盾した考えを持ち、時に同族を攻撃し、時に協力し合う存在。


 傲慢で強欲。嫉妬に狂い、色欲に溺れる。

 他人に憤怒し、自らは暴食の道に進む。

 そして、どの生物よりも怠惰である。


 ただ......愛に溢れる生物でもある。



 ・レベルアップ時のステータス増加量5倍

 ・SP獲得不可

 ・『天使の翼』及び『背理の天使』の消失

 ・種族補正なし

 ・次回の限界突破なし



 平々凡々と生きるも良し。

 己の身を永遠に鍛え上げるも良し。


 怠惰な生活を送ることもできる種族。


 ただ、成長限界のない種族。



 この種族を選択すれば、振り返ることの出来ない道を、君は歩む。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「エンドコンテンツ......か」



 でも、SP獲得不可って、今あるSPはどうなるんだ?



「久しぶりの......ヘルプさ〜ん!!!」



 ━━━━━━━━━━

 引き続き利用可能です。

 ━━━━━━━━━━



「ありがとう!」



 思えばヘルプさん、最初の頃しか使ってなかったな。

 これからも頻度は少ないだろうが、時々呼ぶと思うよ。多分。



「で? 他の天使は......それぞれの魔法特化か」



 中でも『月天使』と『金天使』は一風変わった代物だった。



「夜になると全ステ1.5倍、これは面白いな。金天使は......わお、生産特化か。全品質2アップとか強いな〜」



 でも、もうこれしかない。



「人間......だよなぁ」



 決めた。俺、人間になる!



「ソル達、驚くかな」



 まぁ、天使との違いって翼が有無だけだし、分からないかな?


 そう思いながら、限界突破を完了させた。



 ━━━━━━━━━━━━━

『限界突破』を開始します。

 変更先の種族は『人間』です。


 レベル条件:クリア

 犯罪歴:クリア

 特定称号の所持:クリア

 特殊条件:クリア


 限界突破が完了しました。

 ━━━━━━━━━━━━━




 さてさて、ステータスはどんな化け物になってるかな?



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 名前:ルナ

 レベル:1

 所持金:80,845,590L

 種族:人間

 職業:『剣士』『ヴェルテクスギルドマスター』

 称号:『スライムキラー』

 所属ギルド:魔法士・Cランク冒険者(94/200)

 Pギルド:『ヴェルテクス』

 所持因子:『稲荷』『フレイヤ』『オケアノス』『ヘルメス』

『アグニ』『ルーナ』『ヴィーナス』


 HP:(1)1,010<1,000>

 MP:(1)1,510<1,500>

 STR:(1)10

 INT:(1)10

 VIT:(1)10

 DEX:(1)10

 AGI:(1)10

 LUC:(1)5

 CRT:(1)5


 SP:1,540



『取得スキル』


 戦闘系


『剣王』Lv100

『魔剣術』Lv100

『王弓』Lv100

『魔弓術』Lv100

『武闘術』Lv100

『魔闘術』Lv100

『刀王』Lv100

『魔刀術』Lv100

『操王』Lv100

『魔糸術』Lv100

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv100



 魔法



『火属性魔法』Lv100

『海魔法』Lv30

『風属性魔法』Lv100

『土属性魔法』Lv100

『雷属性魔法』Lv100

『氷属性魔法』Lv100

『聖属性魔法』Lv28

『闇属性魔法』Lv19

『自然魔法』Lv100

『龍魔法』Lv100

『古代魔法』Lv1

『音魔法』Lv1

『妖術』Lv1



 生産系



『神匠:鍛冶』Lv100

『神匠:金細工』Lv100

『裁縫』Lv99

『調薬』Lv82

『神匠:付与』Lv100

『木工』Lv1

『料理』Lv83

『神匠:錬金術』Lv61



 その他



『テイム』Lv3

『不死鳥化』Lv100

『マナ効率化』Lv0

『植物鑑定』Lv0

『毒物鑑定』Lv0

『動物鑑定』Lv0


<>内アクセサリーの固定増加値

 デスペナルティにつき、全ステータス1

 ━━━━━━━━━━━━━━━





「......え? 何このゴミステータス......」




 まさかの初期ステータス以下になっていた。

まさか暗殺されるとは.....半ば失敗ですけど。

何故狙われたのか、何を刺したのか.....ワカリマセンネ(棒)


そしてルナ君、人間に帰ると同時にスーパー弱体化を受けてしまいましたね!


これが今後にどう響くのか。お楽しみに!

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