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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
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神なる龍は、龍を嫌う 13

最後の休息とも言える回です。神龍はもう、すぐそこに.....

 


 ガチャ、と音を立てて扉が開けられた。



「お、いるな。ルナよ、こっちに来い」



 下準備が終わり、皆と雑談していたらヘルメス達が帰ってきた。



「了解。じゃあちょっと待ってて」


「うん! 行ってらっしゃい」



 ソルに一声かけてからヘルメスの元へ来た。



「着いて来い」



 そう言われて着いて行くと、城の外まで来た。



「これ、どこに向かってるんだ? マグノリアから出るのか?」


「出ない。黙って来い。お前にとって得になる事だ」


「はぁ......」



 嫌な予感はしないけど、伝令神がちゃんと伝達しない事に違和感がある。

 お仕事......辞めちゃったの? 大丈夫? イグニスアロー飲む?



「お前、僕には心の声が聞こえてるんだぞ?」


「え?」


「お前があの狐少女の事がどれだけ好きとか、将来は一緒に暮らしたいとか、あんな料理が食べ「辞めろ!」......たいとかな!!!」



 こ、こいつ! 強引に喋っただとッ!?



「故に、だ。お前が僕に炎の矢を飲ませるイメージをしている事も分かるぞ」


「すんまへん」


「まぁいい......ほれ、目的地だ」



 ヘルメスと話しながら歩いていると、フレイヤさんのいる農園に来た。



「あ、ルナさん! いらっしゃいませ」


「フレイヤさん? ん? どゆこと?」



 なんでここに連れてこられたんだ?



「僕とフレイヤから、ルナにプレゼントだ」


「はい? プレゼント?」


「あぁ。お前、フレイヤの料理を見た時に『米や味噌が欲しい』と思っただろ?」


「そりゃ思ったけど......まさか」


「あぁ。お前のために、僕とフレイヤで米と大豆、後は適当な野菜の種を見繕っといた。持ってけ」


「是非、下界で育ててください!」



 そう言われてフレイヤさんから種を受け取った。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『神米の種籾』を受け取りました。

『力の大豆』を受け取りました。

『マナキャベツの種』を受け取りました。

『不可視芋』を受け取りました。

『星光トマトの種』を受け取りました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━




 マジで? マジでいいの? 俺、剣士から農家になっちゃうよ?



「ありがとう......ありがとうございます!!」


「ふんっ......お前には一応、期待している。これからも励むといい」


「お友達の方にも、食べさせてあげてください!」



 2人には感謝しかない。それとヘルメスよ、男のツンデレはいらないぞ。



「ありがとう」



 改めて、感謝をね。



「じゃあ戻るぞ。お前達、もう行くんだろ?」


「あぁ。神龍にカチコミカチコミ申す」


「え、もうですか? (わたくし)、もっとお話したいことが......」


「次の機会にしろ、フレイヤ。どうせブリーシンガメンの事だろう?」


「それもありますが、グラジオラスの事など......」



 うわぁ......めっちゃ気になる! 正直、急いでいるわけじゃないからゆっくりしてもいいんだが......もう予定を立てちゃったからな。



「大丈夫です、フレイヤさん。また来ますから」


「本当ですか!? では、その時を楽しみにしていますね!」


「はい。ブリーシンガメンも凄く役に立ってますし、色々と話したいですよ」



 それから3人で話しながらリビングに戻った。

 話してる最中に神龍戦の事を話したら、ヘルメスは来るようだ。


 フレイヤさんはお仕事の為、来れないらしい。



「ただいま〜」


「おっかえり〜!! もう行く?」


「あぁ。早めに行かないと、ここでずっと雑談してそうだからな」


「私もそう思います。皆さんのお話を聞いていると、あっという間に時間が過ぎます」



 神トーク、結構面白いの多いから時間が溶けるんだよな。


 オケアノスの『ウミヘビに噛まれたから噛み返した話』とか、アグニの『まだ熱いフライパンを触って火傷したら、つい炎を出しちゃって食材ごとフライパンを溶かした話』とかな。


 こういう、くだらねぇ話がでぇ好きなんだ。



「そういえばルナさん。帰りにアルテミスさんの所に行きますか? きっと、ルナさんの付喪神になる為の準備をしていると思うのですが......」



 フーがアルテミスについて聞いてきた。



「行かない。付喪神になるのって、結構な覚悟がいるんだろ? なら、それを邪魔したくないしな」



 フーが前に権能に関しての話を聞いて、付喪神になるのは結構な覚悟がいることを知ったからな。


 俺達で例えるなら、学生辞めて起業するくらいの覚悟じゃないかな? 知らんけど。



「ふふっ、やっぱり優しいですね。そういう所が好かれんじゃないですか?」


「そうか? 俺は基本、嫌われてきた人間だからな。ソルくらいだろ? 好きでいてくれたのは」


「うん!」



 見ろ! この可愛い生き物を!! 尻尾が扇風機の如く回転しているぞ!!!



「全くお前は......さっさと行け! 僕達と話していなくても、その少女と居れば無限に話しているだろ!」



 まぁね。へへっ



「じゃあ行くか。心の準備......の前に、神龍ってどこにいるんだ?」



「「「「「「「「え?」」」」」」」」



『神界に来たら分かる』って声だけママンが言ってたけど、分かんなかったんだよな。



「ルナ君......嘘でしょ?」


「父様......」


「凄いねルナ君。あれだけ準備していて、居場所を知らないなんてね!」


「思い切りが良すぎたな」


「お姉ちゃんはそんな子に育てた覚えはありません!」


「お茶目だね〜」


「......呆れたぞ」


「ふふふっ、面白いお方ですね! オケアノス、案内してあげてください」


「オッケー!」



 ええやん別に。特にリル、お前は俺と一緒に居たんだから、神龍の居場所が分からないのを知ってるだろ?


 お兄さん、8人からの総攻撃を受けて、危うく轟沈するところだったぞ?



 そうして全員で城を出た。

 それに見送りにはピンセルさんも来てくれた。



「じゃあ行ってくるね〜!」


『『「「「行ってきます!」」」』』


「行ってらっしゃいませ。ご武運を」


「お気をつけて行ってらっしゃいませ」




 4人でマグノリアを出て、オケアノスに着いて行った。


 俺はリルを抱っこして天使の翼で飛び、ソルは箒に乗って飛んでいる。そしてオケアノスは、雲海から水の竜を出して、それに乗って移動している。




「あれ? リルちゃんは箒に乗らないの?」


「はい、母様。父様が抱っこしてくれるので」


「んなっ! 狡い、狡いよリルちゃん! ズルちゃんだよ!」


「いいえ。何もずるくありません。これは立派な作戦なのです」


「ってかさ、箒って使えたっけ? フラカンが使え無いから飛べないと思うんだけど」



 サーチとフラカンが使えないのは確認済みだ。



「あ〜それなら2人とも使えるよ? ルナ君は因子を貰ってるし、ソルちゃんとリルちゃんは神に触れたよね? なら、魔法は好きなだけ使えるよ」



 オケアノスから声が掛かった。



「神界は文字通り、神の世界だからね。神に触れられる......つまりは『神に認めてもらう』事で、人間が掛かる制限が無くなるんだよ」


「それって『神匠』スキルはダメなのか?」



 あれも神に認めてもらうとか、そんな感じだったろ?



「ダメだね。あれは神界から下界への一方通行の認識だよ。それに対して神に触れられる、っていうのは『神界から神界』へのパスなのさ」


「なるほど。何となく分かった」



 神匠は上から下への認識で、神タッチは横同士での認識って事だな。知らんけど。



「じゃあリル、飛ぶか?」


「嫌です。絶対に離れません!」



 リルがギュッと、強く抱き締めてきた。痛い。



「っていうかさ、ルナ君」


「どうした? お姫様」


「えへへ......じゃなくて! その翼、称号の影響?」


「うん? あぁ、多分な。厨二感凄いよな」



 俺の天使の翼......両方白い翼だったのが、右側の翼が白銀に輝き、左側の翼が真っ黒かつ、黒いオーラを出すようになったのだ。



「背理の天使......凄いよね」


「そうだな。効果も大きいし、かなり強い......んだけどさ......」


「うん......」



「「前の翼の方が良かった / 前の翼の方が良かったね」」



 だよなぁ。ちょっと恥ずかしいんだ、これ。



「良いじゃないか! 凄くカッコイイよ?」


「そうです! 綺麗でカッコイイですよ? 父様」


「くぅ......まぁ仕方ないか。受け入れよう」



 あの称号を取ってしまったんだ。受け入れた方が心へのダメージは少ないだろう。



「さ! そろそろ着くよ! あそこが本来、人間が神界に来た時に最初に出る場所だよ!......そして、神龍の居場所さ!」



 オケアノスにそう言われ、指をさしている方を見ると──




「「「街?」」」




 そこには、ロークスのような街がある島だった。

背理の天使の称号を獲得したルナ君は、厨二感満載の天使です。

それこそ、ちょっとした病にかかった少年少女が見たら、ひと目で憧れるくらいに.....フヒ


っとと、違いました。フラカンの謎は解けてるので、ルナ君は『サーチ』も使えます。.....何故か使わないけど。



では次回も楽しんでくれると嬉ピッピです。では!

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