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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
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神なる龍は、龍を嫌う 11

お姉ちゃん

そうよばれたい

ルーナさん

だけどその座も

ソルも狙うよ


ゆずあめ

 



 全員が席に着いたのを確認すると、フレイヤさんが手を挙げた。



「ではまず、(わたくし)から自己紹介します。私は『フレイヤ』です。愛と戦い、そして豊穣の女神をしています」



 亜麻色の髪に青と緑のオッドアイのお姉さんだな。



「じゃあ次は僕ね。僕は『オケアノス』だよ。海神なんだけど......最近はフラフラ遊んでるね。基本的には雲海の中にいるよ〜」



 エメラルドグリーンの髪に空色の目の男の娘だ。



「次は僕だな。僕は『ヘルメス』さ。伝令神でもあり、錬金術の神でもある。よろしくな、ルナ達。それと、さっきはすまなかった。僕の配慮が足らなかったよ」


「あ、いえ。気にしないでください」



 ごめんねヘルメス君。クソミドリなんて思ってしまって。とても誠実な人......神だったんだね。



「次は私かな? 私は『ルーナ』です。月の女神ですね。ルナ君には是非、『お姉ちゃん』と呼んでもらいたいです」


「お断りします」



 ルーナさんはやっぱり。フーその2だな。外見は白く、とても綺麗で、いかにも『完璧美人』って感じなのに、その中身は結構なポンコツさんだ。......多分。



「男性陣最後は俺か。俺は『アグニ』だ。ルナの使う魔法や鍛冶が気に入った、ただの火の神だ。よろしく頼む」


「こちらこそ、よろしくお願いします」



 燃えるような赤い髪のお兄さんだな。声も落ち着いていて、聞いていたら自然とパワーを貰えそうな、そんな優しい炎ってイメージだ。でも分かる。この神、ただの火の神ではないな。


 次は俺のお隣さんの、ピンク色の髪の女神だな。



「私はぁ、『ヴィーナス』だよ〜。『ウェヌス』って呼ばれる事もあるね〜。あ、愛と美の女神だよ〜。よろしくね? 困った事があったら、なんでも聞いてね〜」


「あ、はい」



 何故か頭を撫でられながら自己紹介された。

 ルーナさんよりよっぽどお姉ちゃんでは? おっとりした感じといい、雰囲気から発せられる包容力といい、お姉ちゃんと呼ぶなら断然、ヴィーナスさんだろう。


 そうして俺達の自己紹介もして、それぞれどんな人柄なのか、少し分かって貰えたと思う。



「あ、ルナさん。神の因子について、まだ話していませんでしたね」



 突然、フーがそう言って立ち上がった。



「そうだな。フレイヤさんにも渡されたけど、あれは何なんだ?」


「「「「「え? フレイヤさん / フレイヤちゃんが??」」」」」


「はい。お渡ししましたよ?」



 あ、神サイド全員の驚きようから、これは結構重要そうだな。



「ずるい! 僕も渡す!! はい! 受け取って!」


「それは僕もだね。面白い人間なら、渡してもいいだろうと思うし。はいどうぞ!」


「俺も渡したい。フレイヤに抜け駆けされるとは思わなかったぞ」


「ほら、お姉ちゃんのもあげるよ?」


「え? なら私も〜。はいど〜ぞ〜」



 皆が俺の手に、それぞれの髪の色の玉を渡してきた。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『神の因子:オケアノス』を受け取りました。

『神の因子:ヘルメス』を受け取りました。

『神の因子:アグニ』を受け取りました。

『神の因子:ルーナ』を受け取りました。

『神の因子:ヴィーナス』を受け取りました。


 称号『神に好かれる者』を獲得しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「だからこれは何なんだよ! 受け取ったら消えるし、訳分かんねぇよ!」



 しかも称号付きだ、マジで理解できん。因子ってなんやねん。



「おぉ......まるでパンに寄ってきた鳩ですね。あ、神の因子と言うのは一言で言うと、『その神の欠片』のようなものです」



 お、フー大先生の授業が始まった。



「欠片? フラグメント? 集めたら何かあるのか?」


「はい。その神の特性......権能ですね。その効果を少し、受けることが出来るんですよ」


「何柱分で受けられるんだ?」



 持ってても意味なかったら悲しいからな。聞いておこう。



「最大効果を1とするなら、下級神なら因子3つで1です。中級神なら2つで1。上級神なら1つで1です。ここにいらっしゃる方は全員上級神ですので、全部最大効果ですね」


「えぇ......?」



 何その生温い展開。ってかなんでそんな物をポンポン渡してるの?



「僕はついこの前上級神になったばかりだからね! ルナ君、ラッキーだね!」


「それはどうもありがとうございます......ところで効果は?」


「ふっふっふ、お姉ちゃんが教えよう!」



 やべぇよ、1番喋っちゃいけない人が喋るようだぞ。



「フー......これはフーが「だめ! お姉ちゃんの仕事!」......はい」



 小声でフーに言ったのに気付かれてた。ってかヘルメスがルーナさんの服を引っ張っていたし、さては伝えたな?


 ちくせう。ヘルメスがいる限り、コソコソと伝える事ができないでは無いか。ちくせう。



「あ、ルナ君。ルナ君は他にも因子を貰ったりした?」


「はい。お稲荷さんから」


「おぉ、それは良いね! じゃあ全部解説しちゃおっか!」


「長くならない程度にお願いします」


「お姉ちゃんって呼んでくれたらいいよ?」


「じゃあ長くて結構です。続けてください」



 すまんなソル達。俺はどうしてもこの人をお姉ちゃんと呼びたくないのだ。我慢してくれ。



「じゃあまず、稲荷ちゃんの因子だけど、これは『妖術の効果上昇』だね。『妖術』はもう覚えてる? お姉ちゃんが教えよっか?」


「いえ、スキル書貰ってるんでいいです」


「ちっ、あの狐め......こほん。それで次はフレイヤちゃんだね。フレイヤちゃんの因子は『農業の成功率上昇』だよ。確かルナ君、農場持ってたでしょ? だから役に立つと思うよ!」


「あ、はい」



 なんかこの人、一瞬だけ真っ黒になったけど大丈夫?

 お稲荷さん、ルーナさんに何かされたら逃げてくれ。頼む。



「それで次はオケアノス君のかな? オケアノス君のは『水中での呼吸を可能にする』っていう効果だね! 中級神の頃だったら『水中の移動速度の上昇』だったのかな?」


「そうだよ! めっちゃ便利でしょ?」


「水中呼吸は凄まじいな。そんな強い効果を貰って良かったのか?」



 やばいぞ? これから来るであろう夏イベで、とんでもない活躍を見せる気がするんだが。



「だいじょぶだいじょぶ。代わりに生命力削れるから」


「ゴミじゃねぇか!」


「しかも1回の呼吸で最大生命力の半分だよ。これ固定ね」


「うわぁ外したい。これ凄く外したい」


「残念! 因子は取り外し不可です! ルナ君、ガンバ!」



 うぜぇ。

 不死鳥化してないと、水中で2回呼吸しただけで死ぬとか、ちょっと勘弁なんだが。

 こうなったら『サーキュレーション』を改造して、完全に水中呼吸用の魔法を作ろうか。


 頑張って覚えてろよ、未来の俺。



「それでヘルメスの因子は『錬金術の成功率上昇』だね。普通に役立つのが腹立つね」


「ルーナ、僕に当たりキツくないか?」


「私のルナ君にあんな事しておいて? 伝令神だからって、あれはダメだぞ?」




「違います! ルナ君は私のです!!!」




 ルーナさんとヘルメスの会話に、ソルが割り込んだ。



「ルーナさんにルナ君は渡しませんから!!」


「いいですよ? 私はただ、お姉ちゃんになりたいだけですから」


「ダメです! お姉ちゃんポジも私の物です!!」


「な、何故! 恋人という枠でありながら、どうしてお姉ちゃんまで!?」



 おいおい。めんどくさい事にしないでくれよ、2人とも。

 すると2人を口論を見たリルが椅子から降り、静かに俺の膝の上に座った。



「その点、娘の座にいる私は無敵ですね、父様」


「せやなぁ。不動のポジだもんなぁ」




 そうして2人の口論が終わるまで、俺はリルの頭を撫でていた。




「はぁ......はぁ......お姉ちゃんは私の物です!」


「.....はぁ......はぁ......幼馴染かつ数日生まれが早い、私の物です!」




「も〜、2人とも見苦し〜よ〜。お姉ちゃんなら、黙ってルナ君の為になることをすればいいじゃな〜い。ほら〜」



 そう言ってヴィーナスさんが抱きついてきた。



「あと5秒続けたら殴りますよ」


「「「「「えっ」」」」」



 俺がそう言うと、ヴィーナスさんは光の速さで椅子に戻った。



「ど、どうして〜?」


「そりゃあ、俺に抱きついていいのはソルだけですからね。好きでもない異性に抱きつかれて、嬉しいですか?」


「......ごめんね。私が間違ってたよぉ」



 頼むよ、愛の女神様。察してくださいよ。



「いいですよ。これからは気を付けてくださいね?」


「は〜い......」



 さて、皆が静かになった事だし、因子の話を続けて欲しいな。



「で、アグニさんの因子はどうなんですか?」


「......え、えっとね『火に関係する魔法の攻撃力の上昇』......だね......」



 ルーナさんの勢いがどんどん落ちて行った。



「あらあら。ルーナさんはもう無理そうですね! 流石ルナさんです。では続き......というか、最後は私が」


「頼んだ、フー」



 ルーナさん、惨敗だな。ドンマイ!



「ヴィーナスさんの因子は『金細工スキルのレベルが上がりやすくなる』という効果ですね。美の女神ですから、より美しいアクセサリーを作ると、より経験値が貰えたりしますよ」


「なるほど、ありがとう」


「いえいえ。これにて因子の説明は以上ですかね?」


「いや──」



 まだあるぞ。



「そもそも、神の因子とはなんだ? 神の何の欠片なんだ? 俺に与えることによる神のメリットは?」



 これだ。こんなにポンポンと俺に渡してきたが、ソルには渡していない。

 これには何か、理由があるんじゃないのか?



「よく気付きますね、本当に。それで、ルナさんに神の因子を与えることによる神のメリット......と言いますか、理由。これは単純です」



 何だろうか。



「皆さんが、ルナさんの事が好きだからですよ」


「は?」


「え?」




 意味が分からない。




「あ、別に異性としてではないですから、ソルさんも安心してください。この場合の好きというのは、その人の性格や考え方などが挙げられますね」



 すると、静かにアグニさんが手を挙げた。



「例えば俺の、『ルナの戦闘が好き』とかな。俺はお前が作ったその魔法を使った戦いが好きなんだ。だから因子を渡した」


「なるほど。理解しました」



 好きというか、お気に入り? みたいな感じか。



「僕はそうだねぇ......初見で僕の事を男だと見抜いた所を気に入ったかな?」


「え? 女の子じゃないの!?」


「ソル、オケアノスさんは俗に言う、『男の娘』だ」


「そうだよ〜。あ、ルナ君。敬語とか無くていいよ? めんどくさいっしょ?」


「じゃあ有難く。これからもよろしく」


「うん! よろしくね!」



 何故かオケアノスと仲良くなった。やったぁ! 友達が増えた!



「とまぁ、そんな感じです。紛らわしい言い方をしてすみません」


「いや、いい。フーの例えも合ってるからな。お気に入りとはズバリ、好きという事だからな」



 好きはそれぞれ、ライクとラブがあるからな。

 皆は俺の事を、ライクの方で好きになってくれた......のかな?


 自分でこう思うのは、自意識過剰な気がして嫌だな。



「ふふふ、ではルナさん、ソルさん、リルさん。ここでもう少しお待ちください。(わたくし)はお食事の用意をして参りますので」


「「「はい」」」



 そう言ってフレイヤさんはリビングから出て行った。




 フレイヤさん、最高神がうんたらかんたら言ってたけど、大丈夫なのだろうか。



「あ、そうだ。今のうちにスキル書使っとこ」



 後でここに居る皆に、スキルのことを聞いてみよう。


 そうして俺は、『妖術』『音魔法』『植物鑑定』『毒物鑑定』『動物鑑定』『海魔法』のスキル書を使った。




 ━━━━━━━━━━━━━━━

 名前:ルナ Lv70

 所持金:80,845,590L

 種族:天使

 職業:『剣士』『ヴェルテクス:ギルドマスター』

 称号:『スライムキラー』

 所属ギルド:魔法士・Cランク冒険者(94/200)

 Pギルド:『ヴェルテクス』

 所持因子:『稲荷』『フレイヤ』『オケアノス』『ヘルメス』

『アグニ』『ルーナ』『ヴィーナス』


 HP:3,690<1,000>

 MP:4,192<1,500>

 STR:4,690

 INT:2,690

 VIT:3,190

 DEX:4,190

 AGI:2,890

 LUC:1,345

 CRT:60(限界値)


 残りSP:1,240



『取得スキル』


 戦闘系:非表示


 魔法


『火属性魔法』Lv100

『水属性魔法』Lv100→『海魔法』Lv1

『風属性魔法』Lv100

『土属性魔法』Lv1

『雷属性魔法』Lv100

『氷属性魔法』Lv100

『聖属性魔法』Lv1

『闇属性魔法』Lv1

『自然魔法』Lv100

『龍魔法』Lv100

『古代魔法』Lv1

 new『音魔法』Lv1

 new『妖術』Lv1


 生産系:非表示



 その他


『テイム』Lv2

『不死鳥化』Lv100

『マナ効率化』Lv0

『天使の翼』Lv0

 new『植物鑑定』Lv0

 new『毒物鑑定』Lv0

 new『動物鑑定』Lv0


<>内アクセサリーの固定増加値

 SP増加値:非表示

 種族補正:非表示

 ━━━━━━━━━━━━━━━

お稲荷さんも、実は上級神です。有名ですからね。


っていうかルーナさん、甘々になってますけど大丈夫ですかね?真っ白な外見で、真っ黒な黒歴史を量産してる気がしますけど.....大丈夫だと祈りましょう。


あとオケアノス君、効果がピーキーすぎます。最早無い方g(ry

あ、因子の効果は最大で5%分の上昇です。下級神で1%、中級神で2%という感じで。ですから、オケアノス君の因子が異質なんですよね。天鱗かな?


っとと、そうでした。次回から.....いえ、次次回から大きく動きます。神龍編、20まではいかないと信じてます。


次回も楽しんでくだすぁい!

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