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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第7章 神界と夏休み
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神なる龍は、龍を嫌う 4

 




「お、キタキタ! って......えぇ?ル、ルナ?」


「どうしたマサキ。来たぞ」


「いや、いやいやいや! なんでそんなグロい状態で来てんだよ!」



 ソルにおんぶされて皆の元へ来たが、マサキは予想通りの反応だった。



「まぁ、その......なんだ。俺から俺への罰だ」


「罰? ってかそれ見えてんのか?」


「ばっちり。視覚情報0のデバフは掛かってるが、魔法で視認している。というか半径300メートル以内の生物は全て見えるぞ?」


「えぇ?......性能アップしてね?」



 そんな事はない『サーチ』を使っての視認はいつもしているからな。

 その上で、目からの情報も取り入れて過ごしていたんだから、これは完全に弱体化だ。



「ねぇルナ君、そろそろ治そうよ。見てるこっちが苦しいよ」


「そうですよ父様。いつもの元気な父様に戻ってください!」


「断る。寧ろ死んでないだけ褒めて欲しいくらいだ」


「褒めたら治す?」


「治しません。......でも抱き着くかもな」


「よ〜しよし。ルナ君はいい子だね〜」



 現金だな。そんなに抱きしめられたいか。



『やっぱり時と場合なんて見てないじゃないですか! いつでもどこでもイチャつきやがりまして!』


『そうだよ! お陰でご飯が進むよ!』



 付喪神ズからツッコミ......ツッコミか? まぁ、お言葉が飛んできた。



「何言ってんだ2人とも......お米なんて無いのに」



 神界にはお米があるのかな? なら行ってみたいものだが......



「ねぇ、お目目治さないの?」


「うっ......嫌だ! 今皆の顔を見たら、不死鳥化を解いてサンダーを俺に撃つ!」


「何その新手の脅しは。......はぁ、困ったなぁ。ピーちゃん、何か案は無い?」



 俺が頑なに目を回復させないでいると、ソルは近くにいたピギーに助けを求めた。



「あ〜......無理だね。ルナは妙に頑固というか、突っ走るところがあるから......」


「だね。僕もそれは同意見かな。というか早くリルちゃんについて教えてくれない?」


「そうだぞルナ。俺達にも教えてくれよ」



 ピギーだけでなく、翔もアテナも会話に参加してきた。



「ルナ、俺にも教えてくれ。お前が娘と言ってた子は、フェンリルなのか?」


「マサキもか......はぁ、分かったよ。ステラ、『癒しの光』」



 仕方がない。ここでリルについて、皆に言っておこう。

 街の明かりが目に刺さるが、我慢して話そう。



「リル、おいで」


「はい!」



 俺はリルを抱っこし、皆に向けて口を開く。



「この子はリル。対外的には俺の娘と伝えているが、実際はテイムモンスターだ。種族は皆知っての通り、『フェンリル』だ」


「「「「「マジか......」」」」」


「ちなみに。皆が1度は見たであろう、公式生放送にも使われたフェンリル戦......あれはリルとの戦闘だ」



「「「「「嘘っ!?」」」」」



「本当だ」


「本当ですね。あの時から私は父様の娘です」



 そ〜れは話がややこし〜くなるぞ?



「ルナ、娘ってどういう事だ?」


「......さぁ? 気付いたら父様と呼ばれていた。なぁリル、リルとしては俺を父親呼びすることに何か意味があるのか?」



 丁度いい機会だし、知っておこう。



「何を仰っているんですか? 意味しかありませんよ?......父様は私をテイムしました。テイムとは、それ即ち『心の共有』です。心を通わせ、共に戦い、共に生きる。私から見れば、それは家族と何ら変わりありません。ですから、私は父様を父様と呼ぶのです」



 あ〜、昔に言っていたな。『テイムとは家族になること』って。



「あ〜可愛い......まぁ、そう言う訳だ」



 おっと、本音がチラリしてしまった。



「今本音が......ではルナさん。ソルさんを母様と呼ぶ理由は?」



 コキュートス君、それは俺の口からは言えないんだ。



「ソル、答えてあげな。俺は知らないからな」



 察しは付くぞ。



「え? 決まってるじゃん。ルナ君がお父さんなら、私はお母さんになりたいもん。そうしたら対外的には夫婦になれるんだよ!? それって最高じゃん!」



 あ〜やっぱり......でも、ハッキリ言われると嬉しいな。好き。



「あの時はまだ付き合っていなかったけど、完全に外堀を埋めれたよね。リルちゃんがウチに来た時から、ルナ君は私と付き合うことが確定していたのである!!」


「そこまでぶっちゃけなくていいわ!!!」


「な、なるほど。恋人から夫婦に、延いては家族になる為に、リルちゃんに母様と呼ぶように、と」


「そうなの!」


「おぉ............」



 おいおい。コキュートス君が引いてるじゃないか。



「んじゃあ何か質問ある人いる? 答えられる範囲なら答えるけど」



 折角なんだ。プレイヤーとの交流も深めていこう......少しだけ。



「はいはい! 茜、聞きたいっす!」


「はいどうぞ」


「どこでそんなに戦闘できるように鍛えたんすか?」


「昔通っていた道場のお陰かな。化け物みたいな人間に、陽......なんでもない」


「え〜? つまりは道場での経験、という事ですか?」


「いぇす」



 危ない。陽菜の名前がポロリするとこだった。こういう事があるから、掲示板とか怖くて出来ないんだよな。



「次、聞きたいことある人いる?」


「はい! 黒の巣です! 聞きたいことあります!」


「はい黒の巣君。どうぞ」



 黒の巣君が挙手したので、当ててみた。



「ソルさんとの馴れ初めは?」


「「「「「確かに気になる!!」」」」」



 近くにいた全員がハモった。怖いよ。



「え? う〜ん......道場で、かな? 明確に好きと意識したのはユアスト初めてからだけど」


「私がルナ君を知った時はまだ道場に通う前だったけどね」


「え? マジ? そん時出会ってるか?」



 道場に通い始めたのは小学校1年生の時だから......もしかして5歳の時から知っていたりしたのか?



「小学校から帰ってる時にたまたま見かけたのが最初かな? 一目惚れだったね」


「ほぇ〜、知らなかったわ」


「だってその後、ルナ君は虐められてて、周りを見てなかったでしょ? 私、結構近くに居たよ?」


「ストーカーか? でもまぁ、気付かなったなぁ」



 俺の暗黒時代に入る前に陽菜は知っていたとは......驚きだ。



「え? ルナさん、そんなに強いのに虐められてたんですか?」


「ガーディ君、それは違う。俺は虐められていたから、強くなろうとして道場に行ったんだよ」


「私はそれをルナ君の両親に促したね」


「はぁっ!? 嘘だろ!? あれ、ウチの親が言い出したんじゃ......えぇ?」


「本当だよ? 今度聞いてみて」



 俺、知らなところで陽菜に人生操られてた。

 俺が陽菜と付き合うことになったのは、もしかして必然だった......?


 流石だ。戦略の立て方が上手いとしか言えん。尊敬する。



「ルナ......お前、ソルに人生を......」


「マサキ、言うな。でも、それで俺は良い方向に変われたし、陽......ひひひ。ソルには感謝しかない。ヒヒっ」



 だから危ないって! あと俺、誤魔化すのが下手すぎる!



「......まぁ、そんな感じらしい。他に質問ある?」


「あ!僕聞きたいです! 名前は『けん×9者』です!」


「お、初見さんか。研究者君、よろしく。で、質問は?」


「ルナさんの飛行魔法について知りたいです!」


「あ〜......言っても誰も使えんからな。言う意味がない」


「誰も使えないとは? どういう事です?」


「そのままの意味だ。必要な魔法そのものがないから使えないし、作れない。『フラカン』......これはタダの風属性の魔法ではないからな」



 実演して見せた。リルと一緒にふわ〜っと空中へ。



「で、では何の属性を?」


「属性じゃない。ヒントは『マネーレトレント』だ。後は自力で探しな、研究者君。人に聞いてばかりではなく、もっと自分で足を運ぶといい」


「......分かりました」



 マネーレトレントの超レアドロップの『木魔法』、これを進化させた上で、風属性魔法のスキルレベルが限界まで必要だ。


 並の難易度ではないが、頑張ってくれ。



「ねぇルナ。それはソルちゃんも使えるの?」



 ピギーが聞いてきた。



「某ランプの魔神っぽく言うなら、『部分的に、はい』ってやつだな。俺がこの魔法を仕込んだ箒で、ソルは空を飛んでいる」


「え? あの箒ってその魔法なの!?」


「せやで〜。ってかソルの為に作った魔法やで〜」


「凄いねルナ」




 せやろ? 凄いやろ? 俺、頑張ったんやで?




「ってかルナ、お前ってどんな魔法が使えるんだ?」




 アテナが質問してきたので、地上に降り、リルを降ろしてから答えた。



「どうしたアテナ。藪から棒に」


「いや、お前って魔法士ギルドの公開魔法陣とか見てなさそうだな〜って思ってな」



 ん?



「公開魔法陣? 何それ?」



「「「「「え?」」」」」



「私も知らない」



「「「「「え?」」」」」



 やばい、俺とソルだけ世間知らずのようだ。



「......マジか。じゃあお前、他人が自分で作った魔法陣を専用の紙に書いて、それを公開できるって知ってるか?」


「知らん......でも言葉から察するに、『自分で作った魔法を紙に書いたよ! これを見て、皆も使ってみてね!』みたいな感じか?」


「その通りだ。流石だな」


「さんきゅ」



 なるほど。だからピギーがルヴィさんの魔法を使ってたりしてたのか。



「ってことは何だ? 俺の飛行魔法を魔法陣に書けって言ってくる奴がいるのか?」


「いるだろうな。気を付けろよ?」


「金には困ってないし、人質に取られるほどウチらは弱くないし、ウチの城から盗む物もないし......大丈夫だな。完全に秘匿しよう」



 俺だって、情報の価値は分かる人間だ。そう簡単には飛行魔法は教えない。

 例え自然魔法を習得しようと、俺は公開しないぞ。


 というか、飛行より転移の方がいいだろ。そっちを覚えようぜ?



「いや〜アテナ。ありがとな。今度ギルドに行ったら見てみるわ」


「いや、お前の場合は自分で作った方がいい」


「は? なんで?」



 まさかオススメされないとは。何か理由があるんだろうな。



「お前の使ってる魔法、殆どオリジナルだろ? ならその感性をフルに使って、新しく自分用に作るのがお前に合ってるはずだ」



 ......嬉しい事を言ってくれるじゃねぇか、アテナ。



「なるほどな、分かった。重ねてありがとう」


「おうよ!」



 よし、今度は土属性と聖、闇属性のレベリングと魔法の製作しよ〜っと。



「でさ、今更だけどこの集まりは何なの? お疲れパーティ?」


「「「「「あっ、忘れてた」」」」」



 はい。まさかの全員忘却してました。流石にこれには笑うしかない。



「よし、なら皆! バーベキューをしよう! このまま朝まで語り明かそう!」



 ソルがそう言うと、皆立ち上がった。



「俺、調理器具用意する」


「俺は薪を」


「私はお肉を〜!」


「僕......間違えて野菜を数千個買ったからここで出すんだ......!!」


「ははっ! どんなミスしてんだよ!......俺もだけど」


「奇遇だな、俺もだ」


「「マサキさんも!?」」




 なんか、それぞれ皆で盛り上がっていった。




「はい、できる事がありません。リル、抜け出すか?」


「いえ、手伝いましょうよ」


「え〜......ダメ?」



 リルを抱っこして、目線を合わせて言ってみた。



「......分かりました。でも確実にバレますよ?」


「いい。アルトム森林まで行こう」


「はい!」



 俺は真ギュゲの効果を発動してから翼を広げ、リルを抱っこしまま夜空を飛んだ。



「ふふふっ、風が気持ちいいですね!」


「あぁ、凄く気持ちがいい。夜間飛行も、中々乙なものだ」



 頭の真上で俺達を照らす月の光を浴びながら、森林までゆっくりと飛ぶ。



「リル、俺がどうしてリルを連れ出してきたか、分かるか?」


「......何となく、ですけどね」


「そうか。ならなんだと思う?」


「う〜ん......愛の確かめ合い、ですか?」


「語弊先生!? でもまぁ、そうとも言えるな」


「では何をするので? 教えてくれますか?」






 あぁ、教えるとも。






「リル、もう一度俺と戦おう。娘として成長したところを見せてくれ」


「え? それなら「違う」......はい?」


「これからやるのは命をかけた戦い......即ち、『殺し合い』だ」




 そう、殺し合いだ。血のポリゴンが流れる戦いだ。






「........................え?」








 ━━━━━━━━━━━━━━━

 名前:ルナ Lv32

 所持金:80,815,590L→80,845,590L

 種族:天使

 職業:『剣士』『ヴェルテクス:ギルドマスター』

 称号:『スライムキラー』

 所属ギルド:魔法士・Cランク冒険者(94/200)

 Pギルド:『ヴェルテクス』


 HP:3,310<1,000>

 MP:3,812<1,500>

 STR:4,310

 INT: 2,310

 VIT: 2,810

 DEX:3,810

 AGI:2,510

 LUC:1,155

 CRT:60(限界値)


 残りSP:860



『取得スキル』


 戦闘系


『剣王』Lv100

『魔剣術』Lv62

『王弓』Lv100

『魔弓術』Lv67

『武闘術』Lv100

『魔闘術』Lv1

『刀王』Lv100

『魔刀術』Lv100

『操王』Lv1

『魔糸術』Lv35

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv100


 魔法


『火属性魔法』Lv100

『水属性魔法』Lv100

『風属性魔法』Lv100

 new『土属性魔法』Lv1

『雷属性魔法』Lv100

『氷属性魔法』Lv100

 new『聖属性魔法』Lv1

 new『闇属性魔法』Lv1

『自然魔法』Lv100

『龍魔法』Lv94

『古代魔法』Lv1


 生産系


『神匠:鍛冶』Lv100

『神匠:金細工』Lv100

『裁縫』Lv99

『調薬』Lv82

『神匠:付与』Lv100

『木工』Lv1

『料理』Lv15

『神匠:錬金術』Lv1


 その他


『テイム』Lv2

『不死鳥化』Lv90

『マナ効率化』Lv0

『天使の翼』Lv0


<>内アクセサリーの固定増加値

 SP増加値:非表示

 種族補正:非表示

 ━━━━━━━━━━━━━━━

おっとぉ?雲行きが怪しいですよ〜?

けど、きっとルナ君にも考えがあるのでしょう。


それとステータスについてですが、まだリザルトを見てないので現状を載せた感じです。一応、『基本属性全部覚えてるよ〜』という感じで。


では次回、『神なる龍は、龍を嫌う 5』お楽しみに!



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