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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第6章 姫を守る騎士
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王国の危機 前編

楽しんでください(^・ェ・^)

 



「『サンダー』」



 そう唱えた瞬間、この戦場に立つ全ての生き物の視力と聴力が奪われた。



「っくぅ! なんか見た事ないデバフが掛かってるぅ!」



 ソルがクロノスクラビスを掛けられた時に言ってたことが、少し理解出来た。

 HPバーの下に、目にバツ印が入ったマークと、耳にバツ印が入ったマークが付いている。


 それぞれ、2分間も喰らうようだ。



「ははっ! 見えてなくても殺るぞ!『鼓舞の光』『癒しの光』!」



 王女とリルの稽古中に溜まっていた月光を使い、鼓舞の光をプレイヤー全員に掛け、デバフが治るように癒しの光を20秒浴びせた。




 ──治った! 目が見える!

 ──耳もだ! ってか両方ルナの仕業だろ!

 ──はははっ! 化け物じゃん!!



 3人目ェ......!!



 プレイヤーの声が下から聞こえた。申し訳ない気持ちと戦闘に参加してくれたことに対する感謝の気持ちが五分五分だ。



「フー、空中で魔刀術の制御、出来るか?」


『翼じゃなくて魔法で飛んでたら出来ます。微調整が必要ですので』


「『フラカン』......よし、じゃあ頼む。シリカ、『魔纏』」


『お兄さん、上からやるの?』


「あぁ」



 上を飛んでるワイバーンやらコウモリやらを倒さないと、王都が消し飛ぶからな。


 今のところ空を飛べるのは俺とソルとリルのみ。

 ソルとリルにはメテオラス(箒)が、俺は魔法と翼がある。



「フー、垂直移動と直角移動、制御頼む」


『了解です』



 ちょうどワイバーンが5体程飛んでいる。全部叩き落とそう。



「『魔刀術:雷纏』『(らい)』」



 フーに制御を任せた魔刀術で、一気に真上に飛び上がり、そこから空気の壁を蹴り、ワイバーン5体を貫通した。



『『『ゴバァ......』』』



 口からポリゴンを吹き出しながらワイバーン達は散った。



「『イグニスアロー』全開、『戦神』」



 戦神によるバフを掛け、イグニスアローを80本程出してコウモリを殲滅する。



『『『ピィ!!』』』



 しまったな......最初のサンダーの時、戦神を使えばよかった。またやらかしだ。イベントでは100パーセントやらかすようだな、俺は。



「『魔力刃』。アルテ、来い。『魔力矢生成』『魔弓術:雷槍』」



 魔力刃をコウモリ軍団に飛ばし、ワイバーンに向けて布都御魂剣とクトネシリカをぶん投げた。

 そしてアルテで更にコウモリ軍団へ追撃をした。



『あぁぁぁ!! 投げやがりましたねぇぇ!!』


『予想してたけどねぇぇぇ!!!』



 ワイバーンに刺さり、ダメージを与えたのを確認してから2人を顕現させる。



「顕現」


『『ただいま』』


「お前らのテンションジェットコースターかよ」



 叫んだと思ったら一瞬で静かに帰ってきた。



『ルナさん、また雷の魔法を使った方がいいですよ? 正直、バカみたいに強い神器を持ってるんですから、物理より魔法の方がいいです』


「了解だ。ならフー、お前を降臨させる。下で戦って来い」


『え、嫌なんですけど。なんで離れないといけないんですか?』


「下を見ろ。マンモスとか虎みたいな奴に押されてるところ、あそこにサポートに行け」


『くっ......ではピンチになったら上に氷の魔法を撃つので、速攻で顕現させてください。でないと私、死にますからね?』


「分かった。『フラカン』よし。じゃあ行ってこい」


「行ってきます!」



 フーは巫女服姿で現れ、腰の左には神度剣を装備して下に降りてった。



『お兄さん、良かったの? お姉ちゃんも装備してたらかなり強くなってたよね?』


「これが俺1人の戦いなら絶対に手放さない。俺がどれだけフーの心配をしてると思ってるんだ......」


『じゃあどうして?』


「これがレイドバトル......俺1人の戦いじゃないからだ。俺1人生き残ってもダメなんだよ。モンスターを行かせてはならない、王都にモンスターを1匹も入れないようにするには、複数人の力が必要なんだよ」


『......そっか』


「アルテ、ステラ」



 ここからは、腰に提げているステラの『癒しの光』を常時発動させる。これで下のプレイヤー達が死ぬことはない......ハズだ。


 多段ヒット攻撃やワンパンで殺されない限りは大丈夫。



「『魔弓術:炎槍』『魔纏』『戦神』『魔力刃』」



 炎の矢を放った瞬間にアルテを投げ捨て、クトネシリカを強化して魔力刃を飛ばしてコウモリ達を爆散させる。



「顕現、『サーチ』『サンダーチャージ』『マグナ』『サンダー』」



 急いでいるのでサンダーチャージは5倍オーバーの簡易式だ。

 そしてチャージしたサンダーを、ワイバーン10体に貼っつけたマグナに向けて落とす。



 すると、バヂィィィ!! と音を立てながらワイバーンが消滅していく。



「次、『戦神』『アクアスフィア』『イグニスアロー』『アウラ』」



 自分より北西方向の遠く離れた位置に巨大なアクアスフィアを出し、超強化したイグニスアローをぶつけて水蒸気爆発を起こした。



『お兄さん、えげつないね!』


「仕方ない。持ってる手札が少ないんだ、これでやり繰りしないと、ハエ達が王都に行っちまう」


『ハエっていうか、ワイバーンとかドラゴンだけどね!』


「羽虫だ、変わらん」



 某ゲームのラスボスのドラゴンも、ハエ呼ばわりされていたしな。


 そしてそこから1時間、上空で魔法を爆発させまくっていた。

 空を飛ぶモンスターは全て倒した。ここからは地上の戦いに参加しよう。



『お疲れ、お兄さん。よく頑張ったね!』


「疲れた。途中でソルも援護してくれたけど、焼け石に水って感じだったしな」



 それでも一緒に戦えたのは楽しかった。



『じゃあお姉ちゃんのとこに行く?』


「当たり前だ。HPが1でも減っていたら刀に戻す」


『心配性だね? そんなに大事?』


「何言ってんだ、大事に決まってんだろ。アイアンソードを除いたら、1番多く使ってる武器だぞ? それにフーには魔法でお世話になっている。大切な先生でもあるんだ」



 フーのお陰で今、基本属性は全部使えるからな。

 手を出していなかった土、聖、闇魔法に関しては、特に有難く思ってる。



『なら早く行こ! お姉ちゃんも待ってるよ!』


「だな。ってかどこだ?......面倒だ、顕現」



 上から探すの、2秒で飽きたので顕現させた。



『ルナさん! どうしましたか!?』


「上の戦いが終わったから下の戦いに参加しようと思ってな。その前にフーを呼んだんだよ」


『そうですか......よかったぁ。何かあったんじゃないかって、心配しましたよ』


『2人とも心配しすぎだよ! バカなの!?』



『「失礼な」』



 相棒は大事に決まってんだろうが。



「じゃあ行くぞ。どこがピンチだ? サーチじゃ魔法のせいで乱れすぎてて分かんねぇんだよ」


『ここから北西の方です。モスマンモスやステラアントでめちゃくちゃになってます』



 ステラアント? 直訳したら星の蟻? キモそうだな。



「分かった。『ウィンドボム』」



 足元でウィンドボムを炸裂させ、一気に北西に向かって飛んだ。



「はぁ......これ、ソルに見つかったら怒られるな......」


『そうなの? お兄さん何かしたの?』


「前にウィンドボムで加速したらニクス山までぶっ飛んだ......デート中に」


『『うわぁ......最低だ』』



 手加減スキルを取ろうと草原に移動していただけなのに俺がやらかした。あんな悲劇、もう起こさせない。



「んなこたぁいい。ステラアントってなんぞや」



 情報ぷりーず。戦況ちぇんじ。あーゆーおk?



『ステラアントは名前の通り、星のような数で群れを成す蟻です。体高は1.5メートル程で、かなり大きいです』


「硬いのか?」


『いえ。木材と同じくらいですね』


「燃えるのか?」


『まぁ、ルナさんやルヴィさんの魔法なら余裕です』


「おk。殲滅する」




 そして爆速飛行をする事2分、遂にステラアントの群れが見えてきた。




「いやキモっ!!!」




 そこには、黒光りする、人ぐらいのサイズのデカい蟻が数千数万匹と犇めきあっている草原だった。

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