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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第6章 姫を守る騎士
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膝を掛けた戦争、王女のコスプレ

完結に向かって走ってます。(^・ェ・^)

 




「「「「お邪魔しました〜!」」」」


「帰り道、気をつけてくださいね」


「今日は遊びに来てくれてありがとね!楽しかったよ!」


「だな。っていうかガーディ君、イリスさん、ルヴィさん。俺とフレンドになるか?」



「「「いいんですか!?」」」



「いいよ。今日で3人のことはよく知れたし、上から目線で悪いけど、3人は信用に値する人だって思ったからな」



 そうして3人とフレンドになった。これでフレンドはニヒルのメンバーとマサキ達、そしてソルだな。



「じゃあ行くぞ。ルナ、また遊びに来る!」


「あぁ、また鍛冶について知りたかったら来い。それとルヴィさん、刀が完成したらチャットで知らせるよ」


「ありがとうございます!」



 俺、ルヴィさんのイメージってこう、『ツンツンしたプライドの高い魔法使い』って思ってたけど、そうでもないんだな。


 ピギーとリア友らしいし、その辺は信用してもよさそうだ。



「じゃあな〜!」


「ありがとうございました〜!!」


「また来ますね!!」


「刀、楽しみにしてま〜す!」



 門の前まで、4人に手を振って見送った。



「さ、ルナ君。帰ろ? 今日は......うへへへ」


「おい、リルに何言われたんだ? あそこで何か吹き込まれたんだろ?」



 不味いぞ。このままではマサキ達がリビングに入った時の嫌な予感が的中してしまう。



「いや〜? ちょっと気持ちいい事をしてもらおっかな〜って」


「......」



 ソルが恐ろしい事を言っている。なに? ゲーム内で襲われるのか? それともゲームじゃ出来ないからって、リアルで?


 今すぐログアウトして身を守るべき?



「大丈夫。ルナ君が想像してる事じゃないよ?」


「そうか? ならいいぞ」



 それなら問題ない。俺に出来ることならしてあげよう。

 そしてリビングに戻り、ソファに座っていたらソルが耳元で囁いてきた。



「膝枕......して?」



 ん? この場合は俺がするという事なのか? 俺がさr「いいぞ」



 途中で思考放棄して受け入れた。

 ソファに深く座り、俺の太ももの位置にソルが頭を置いた。



「最高だよ、ルナ君!」


「これは......いいな。耳もモフれるし、WinWinの関係だ。これからも膝枕するか」


「やった〜! よし、私はここで寝る!」


「布団で寝ろ。耳くすぐるぞ?」



 そう言って耳を優しく擽ってみた。うん、モフモフ。



「ひゅふぃ! ちょっ、ちょまっ! ひぃぃ!」


「布団で寝るか〜? 寝ないなら続けるぞ〜?」


「ね、ねふゅ! 寝るから! ふとも......布団で寝るから!」



 おい。今チラッと聞こえたぞ......全く、可愛いんだから。



「ふわぁぁ......父様〜寝ましょうよ〜」



 椅子に座って魔導書を読んでいたリルが欠伸をしながらやって来た。



「母様、失礼します......よっ!」



 そしてリルがこっちに来たかと思っていたら、ソルを俺の膝から引きはがそうと、ソルの肩を掴んでグイグイと押していた。



「うぬっ! いくらリルちゃんでもここは死守するよ!」


「ダメです。父様は貰っていきます」


「ぬぅぅ!!」



 2人が俺の膝を争っている。


 そう、俺は戦場に立つ人間ではなく、戦場の舞台そのもの。

 この先、両陣営がどうなろうとも、ただそこに在り続けるのみ──



「母様、本気でそこから退かないと言うのならば、私も力に頼らざるを得ません。ですので、後悔しないでくださいね?」


「はは〜ん? いいよ、相手になろう! 娘は母に勝てないと言う事を教えてあげる! この膝は私の物だぁぁ!!!!」


「まぁ、娘の力に屈する姿が目に浮かびますがね!」



「2人は母でもなければ娘でもないというのが、ここの面白いポイントだよな」



「いざ尋常に──」


「勝負っ!!!」



 そしてリルがソルを掴もうとした瞬間──



 パチン!



「させる訳が無いんですよね〜」



「「っひゅい!」」



 2人にクロノスクラビスを掛け、動きを止めた。



「な、何このデバフ!?」


「う......動けません!」


「2人とも、そんなに争いたいならニクス山の山頂まで飛ばしてやろうか? ん? 今ならアクアスフィアでずぶ濡れ状態で送るという、俺からの特大サービスも付いてるぞ?

 ボスでも倒してくるか? ん? どうする?」



 流石に膝の上で戦われちゃあ俺が困る。『ただそこ在り続けるのみ──』なんて思ったが、そんな訳にはいかない。



「「すみませんでした」」



 2人がこの世に絶望した顔で謝ってきた。



「全く......同じ布団で寝ていいから、大人しく寝ろ」


「「はい! / うん!」」




 俺はかなり、甘いのかもしれない。そう思った。




「おはようリル、ソル」


「父様、おはようございますぅ」


「んにゃあ......」



 ソルは寝ているが、リルは起きた。う〜ん、ソルの寝顔が可愛いですな。



「ソル、起きろ。朝ごはん作るぞ〜」


「ん〜......彼ピッピミシミシガメ......」



 何か呪文を唱えてらっしゃる。しかもその呪文がかなり怖い。ミシミシって、えぇ?



「じゃあリル。呪われる前に行くぞ」


「はい!」


「うぇあ〜い......」



 朝のソルってあんな感じだったっけ? 中学の時からかなり変わっているのかもしれない。

 俺の知らないソルの一面を見れて、かなり嬉しいな。




「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」



 朝ごはんを食べ終わったタイミングで俺は言った。



「フー、リル。王女のとこに行くぞ。リルは刀を持ってな」


「え? 私もですか? いつもお2人で行ってませんでしたか?」


「そうだが、今回から王女と一緒に稽古を付ける。今のリルは技術が殆ど無いと言ってもいい状態だ。だから敵を斬った時、ツクヨミさんにも相当なダメージが入る。

 だが、きちんと刀の扱いを学べばツクヨミさんが折れることは無くなるんだ。あ~ゆ~おk?」



 刃を入れる角度、足の踏み込み。さらには構え方まで、俺の知っていることを全部教えよう。



「ツクヨミさんが!? 分かりました。付いて行きます。それで、母様は? さっきから凄い顔で見てますけど......」



 そう言われてソルの方を見てみると、耳も尻尾もブワッと逆だっていた。あれは......どういう感情だ?



「今この時ほど技術を持ったことに後悔したことは他に無いよ。ルナ君からのレッスン? そんな、例え1億L出そうと叶わない夢を......! リルちゃんとイベリコ豚、羨ましい!」


「こらこら。シンプルに暴言はやめなさいな。それにソル、俺はソルに教えたい事は山ほどあるんだから、そこまで貴重なものではないぞ?」



「え? 本当に? ホントのホントの本当に?」


「もちろん。片方が成長したら、もう片方にも教えて、両方が成長出来るように頑張ろう」



 知識の共有は大事だ。情報の有無で戦況が変わるなんて、ざらにある事だからな。



「うん! 分かった!」



 そうしてソルの尻尾達は、いつものモフモフ状態に戻っていった。



「じゃ、行ってきマンモス」


『「行ってきます!」』


「「行ってらっしゃ〜い」」



 そうしてウチの城の庭から飛び、王城に着くと、王女の部屋の窓をノックした。



「あ! ルナさん! ようこそいらっしゃいました!......それと、そちらの女の子は?」


「よ、王女。この子は前に言ってた俺の娘だ。お前と一緒に稽古を付ける」



 俺に抱っこされているリルは、窓の外から王女の顔を見て言った。



「リルです。元フェンリルです。父様の愛娘です」


「おかしいな。(仮)ではなく、むしろ愛が付いているような......」


「そ、その耳にその美しい毛、まさか、本当に?」



 いえ、美しい髪は俺のモフモフによるお手入れの効果です。



「さぁな。信じるかどうかは王女次第だと前に言った。それと早く訓練所に来い。刀は用意してあるから、あとはお前がやる気を見せるだけだぞ」


「あ、はい! 直ぐに行きます!」



 王女はメイドに着替えを用意するように言うと、慌てて部屋の中をグルグル回っていた。



「リル、先に訓練所で待っておこう。王女が来るまでは日向ぼっこだ」


「はい! 父様!」



 そして訓練所に行き、大きな芝生の上で寝っ転がっていたら王女が来た。



「な、何をしてらっしゃって?」


「日向ぼっこ」


「父様の上で日向ぼっこです」


「どう見ても2人の死体ですが......」



 まぁ、俺は仰向けで寝転がっているし、俺の上に乗っかっているリルも完全に脱力して俺に全体重を任せているからな。


 重なった2人の死体とも見えるだろう。知らんけど。



「じゃあ始めるぞ。王女、お前の刀......何その格好」


「赤いですね〜。それも綺麗な赤です」


「ふふっ、ありがとうございます」



 王女は何故か、花柄の真っ赤な和服を来ていた。コスプレか?



「それ、足はちゃんと動くよな?」


「もちろんです。これは東の島国、『狐国(ここく)』で作られた物ですから。狐国の方々はこれを普段から着ているそうですからね」



 まさかの狐国。お前がカレンさんの故郷の名前だったのか。



「そうか。それでお前の刀はこれだ」



 そう言ってスカーレッ刀を渡した。



「「とても綺麗ですね!」」


「だろ? それに、まさか王女が赤の着物を着るとはな......相性が良い」


「ですね。とてもお似合いです」


「ありがとうございます!」



 うんうん。これで準備は整った。後は教えるだけだ。



「よし、それじゃあ素振りから始めるぞ。まずは10回からだ。2人のレベルをチェックする」


「「は、はい!」」





 こうして、楽しめなきゃ地獄、楽しんでも地獄の刀術の稽古が始まった。


次回も楽しんでください!



次回、『王女の才能』お楽しみに!

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