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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第6章 姫を守る騎士
160/492

ドゥルム鉱山・裏ボス戦

書き方を変えてみたらつい楽しくなっちゃって、戦闘シーン凝りました。

是非、楽しんでください!

 



「じゃあ、行くぞ」


「うん」



 俺はドゥルム鉱山の裏ボスが待つ部屋の扉を開けた。



「予定通りにソルは後ろから、リルは俺と一緒に前で戦うぞ」


「任せて。全力でやるよ!」


「父様は守りますからね!」


「あぁ......それじゃあ、裏ボス戦だ!」


「「お〜!!」」



 そうして動きを確認してからボス部屋に入った。



「あれ、サーチが効かない。気を付けろよ」



 部屋の中は真っ暗......というより『真っ黒』で何も見えない。



 そして俺達が数歩進んだ時――



『グギ......ググギャァァァァ!!!』



 叫び声が聞こえた途端、真っ黒な部屋でも視界が広がり、ウィンドウが出てきた。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 裏・ドゥルム鉱山のエリアボス

『ヴリトラLv200』との戦闘を開始します。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「レベル高すぎだろ!!!!」



 どうやら叫び声の犯人は目の前の、超巨大な蛇らしい。

 ただ一言に蛇と言っても、ヴリトラには小さな翼や巨大な牙、更には左足5本、右足5本の、合計10本の足がある。



『ググ......ガァァ!!』



 俺達がしっかりとボスを......ヴリトラを視認すると、ヴリトラは口からブレスを吐こうとしてきた。



「避けろ!」



 この合図で俺達が散開すると、ヴリトラはブレスを吐く構えを止め、俺達3人を囲むように動いた。



「ルナ君! 飛ばして!」


「『フラカン』! リル、こっち来い!」


「はい!」



 ソルに魔法をかけて飛ばし、俺はリルを抱き抱えてヴリトラの上に飛んだ。

 するとヴリトラは、俺達を思いっきり絞め殺そうと長い体を巻いて隙間を潰した。



『ガギャァァ!!』



「おいおい......空を飛べなきゃ確定で死ぬだろ、アレ」


「一瞬でミンチだね。鱗も鋭そうだし、囲まれた瞬間に終わりだろうね」


「父様、魔法を」


「分かった。『イグニスアロー』『アウラ』」



 リルに言われた通り、隙だらけのヴリトラに魔法を飛ばす。



『グガァ!』


「全然効いてないな。どうする? アイツ、やべぇぞ?」


「近接戦で行こう。ルナ君、私は箒で飛ぶから魔法は解除していいよ」


「あいよ。フー、シリカ、アイツ斬れるか?」



 ソルに掛けた魔法を解除し、2人に聞く。



『微妙ですね......弾かれることは無いでしょうけど、深くは刺さらないかと』


『お兄さん、私なら魔纏をかけて斬れば余裕だよ? 正直に言って、魔纏と『斬』を同時に使えば殆どの物は斬れるよ?......それこそ、普通の『斬』効果でも斬れないような物まで......ね?』


「ならシリカ主体で行く。フー、俺が見えていないヴリトラの動きを教えてくれ」


『了解です』


「リル、鱗が剥げた所以外は殴るなよ。アレ、刺さるからな」


「分かりました」


「じゃ、気を取り直して第2ラウンドだ。まずは足から斬るぞ!」



 リルをゆっくり下ろし、俺はヴリトラの足の近くに行く。



「『魔纏』......『斬』!」



 クトネシリカに魔力を纏わせ、『斬』を発動させて足を斬る。

 するとヴリトラの足の半分程度、斬ることが出来た。



『ガガァァァ!!! グゥ......』



 斬られた事に気付いたヴリトラは叫び声を上げ、一瞬で俺に向かってブレスを吐いた。


 ......不味い、今は両手でクトネシリカを持っている。クロノスクラビスを口頭詠唱で発動させても間に合うか?



 そして真っ黒なブレスが俺に当たる寸前、ブレスが消滅した。



「おぉ〜! ルナ君、こんな便利な魔法をいつも使ってるんだね! 羨ましいよ!」


「ありがとう! 助かった! 出来ればこれからもブレスの対処、頼む!」


「まっかせて! 箒は常に出してるから、すぐに使うからね!」



 ソルがクロノスクラビスで黒ブレスを消してくれた。

 正直言って、神カバーと言わざるを得ない。あのブレスが直撃していれば多分、一撃で死んでいただろうな。



『ルナさん、すみません。間に合いませんでした』


「気にするな。これからは二刀流で行く、頑張れ」


『はい!』



 普通の刀の長さである布都御魂剣を左手に持つのは、結構不安がある。

 攻撃面での力の入れ方、防御面での扱いなど、分からないことが多い。

 ブレスに限ってはソルに任せるが、体当たり等の肉弾戦は俺が何とかしないといけないからな。

 だから、ここで慣れないと敗北が確定する。



「『戦神』『魔纏』『斬』!......『イグニスアロー』『アウラ』『ファイアボム』!!」



 戦神による強化を施した両手の刀による2連撃と、魔法による2連撃。

 これで足の1本は持っていきたい。




『ガグァァァァァァ!!!!!!』




 2度目の攻撃にして、1本の足が切断できた。



「はぁ!!」



 俺の斬った足の後ろにある足を、リルが物凄い勢いで斬撃を喰らわしていた。

 そして、最後に納刀する前の一太刀でヴリトラの足を切断していた。



『ギャァァァァァ!!!!』



「なんつ〜力技......いや、戦神使った俺の方がSTR高いのか......」



 他にも感情強化が乗っているんだ、俺の方がステータスが高いに決まっているだろう。

 それでも、数秒で足斬ったのには驚きだ。リル、凄い!



「......『魔纏』『魔弓術:雷槍』!」



 そんな声がソルの方から聞こえたのでチラッと見てみると、アマテラスで足を切った瞬間にミストルティンに持ち替え、魔弓術で傷を抉っていた。



「上手い。今のは参考にしよう」



 自分にはステラやアルテだってある。使える手札はバンバン使っていこう。



『ググググゥゥゥ.........』



 そうして俺達の猛攻撃を受けたヴリトラは、腹に響くような唸り声を上げ、俺達から距離を取った。

 まるで力を溜めているかの様な行動だ、嫌の予感がする。



「やばいな、嫌な予感しかしない」


「だね。どうする?」


「また飛びますか?」


『多分それは無理ですね。飛んだ瞬間にブレスが飛んできますよ、アレ』


『となると、また魔法で消す?』



 3人から案が出るが、どれも上手くいくイメージが湧かない。



「なぁソル、これ渡しとく」



 俺はソルに『腐食液』を渡した。



「何で? これ、どうするの?」


「適当なタイミングでアイツにぶっかけろ。多分効く。そんでもってアイツの大技らしき攻撃の対処だが、ちょっと任せてくれ」


「分かった。で、どうやってあれを止めるの?」



 ヴリトラは、今も力を溜めている。超怖い。



「単純だ、『全力で燃やす』だけだ。バフの掛かる武器やスキルを使って、全MPを注いでファイアウォールを使う」


「父様、何故フォイアウォールを? 他の魔法の方が......」



 リルの言うことは最もだ。だけど俺にはファイアウォールしかない。



「不死鳥化するからな。それに最悪、不死鳥化中なら俺は死なないからな。盾になる」


『思い切りましたね、ルナさん』


『ここは俺に任せてなんとやら、かな?』



 それは微妙に違う。こういう時は『ここは俺が抑える!お前らで叩け!』ってヤツだな。



「ルナ君を盾にするのは気が引けるけど......分かった。任せるよ」


「......本来は私の役目なんですけどね......父様、任せます」


「任せろ。それとソル、腐食液は実験だ。効くことを祈ってる」


「うん! それとこれ、『インテリジェンスアップ』」



 ソルがINTの上がる魔法を掛けてくれた。




「ありがとう。じゃあ、逝ってくる」




 さぁ、そろそろヴリトラもチャージが終わりそうだ。

 どんどんと黒いオーラが溢れている。



「ふぅ......アルテ、顕現。フー、神度剣を。『不死鳥化』」


『分かりました』



 フーが1度降臨し、神度剣を置いてまた武器化する。



「ソル! リル! 左右で挟め!」


「うん! / はい!」



 2人が左右からヴリトラに近づいたのを確認し、俺はヴリトラの正面に立つ。



「......怖ぇ。『戦神』『存在感』」



 これで掛けられるバフは全部だ。


 本当はステラの『鼓舞の光』も使いたかったが、月光が残ってないので使えない。残念だ。

 そして神度剣の『存在感』で、100パーセント俺を狙うように仕向ける。



『ルナさん、来ます!』


「『ファイアウォール』!!」



 MPを全て消費したファイアウォールを使った。

 そのファイアウォールは、マグマとも言える様な......殆ど固体となった、透き通る炎の壁だった。




『ギャァァァァァァァァ!!!!!』




 その炎の壁に向けて、ヴリトラは真っ黒なブレスを吐いた。

 ブラックホールの様な、光を反射しない、目で見えないレベルの黒さだ。



 バチィィィ!!! と音を立ててブレスがぶつかった。



 そしてパキパキと、ファイアウォールにヒビが入っていく。



「耐え......れなさそうだな。シリカ、フー。それと神度剣。俺は3人が壊れないのを良い事に、お前達を雑に扱う。許してくれ」


『今更ですねぇ。煮るなり焼くなり、好きにしてください。それに私達は武器です。共に戦いますよ』


『そうだよ! 私達は武器なんだから、お兄さんが好きに使ってよ!』


「すまん。ありがとう」



 俺は、アルテを仕舞ってから布都御魂剣を地面に刺し、その前に立った。そしてクトネシリカと神度剣を持ち、ブレスが貫通するのを待つ。



『『頑張って!』』


「何の応援かは知らんが、やるだけやるさ」



 今もMPがゴリゴリとファイアウォールに吸われているが、気合いで耐える。きっとその応援だろう。


 そしてファイアウォールが限界を迎え、ブレスが貫通した。



 バキン!!!!



「......『魔纏』『斬』!!!」



 布都御魂剣で体が吹っ飛ばないように固定し、クトネシリカと神度剣でブレスを斬る。



「うぅぅぅぅ............!!!」



 奇跡的にブレスが2つに切れてるが、ブレスの余波でHPが一瞬で1になった。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『最弱無敗』が発動しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━




「......やばい、死にたい............」



 痛い。ブレスが体をガリガリと抉ってくる。一体何のブレスなんだよ、これ。痛すぎて死にたくなる。



「不死鳥化......解除......しない!!!」



 ギリギリで不死鳥化の解除を辞めた。死にたくないという気持ちからか、ソル達の前で情けない所は見せたくないというプライドからか、俺は不死鳥化を継続した。



「ぐぅぅぅ............『魔刀術:雷纏』」



 ファイアウォールが消滅した事により、MPが回復している。

 だから、最後の足掻きとして魔刀術を食らわしたい。



「うぅぅぅ......」



 落ち着け、体がガリガリと削られても、刀に意識を集中させろ。

 このブレスが止むまで耐えるんじゃない。



 俺が()()()



 そしてまた、全てのMPを使って発動させる。それも今回はフーによる制御無しだ。体が引きちぎれるかもしれん。


 でも、やる。



「ふぅ........................」



 目を閉じて意識を集中させる。そして――



「『(らい)』」



 直後、両手に持つ刀が煌めき、布都御魂剣を蹴り、標的にとてつもない速度で直進した。




 ズバァァァァン!!!!!!!!




 俺はブレスの先のヴリトラどころか、空気や、ボス部屋の空間をも斬った。


 そして、余りの速度で斬ったからか、ソニックブームのような物でヴリトラの反対側まで一気にぶっ飛ばされた。



「ぐはぁっ!!!」


『ガ......ガギャ............』



 ぶっ飛んでる最中に、無意識で不死鳥化を解除してしまっていた。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『不滅の愛』が発動しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 あっ......ソルから貰った、最後の不滅の愛が消えちゃった。



「ルナ君!!!」


「父様!!!」



 ソルが箒に乗り、布都御魂剣とリルを抱えて飛んできた。



「......よぉ......アイツ、死んだか?」


「「え?」」



 俺、ぶっ飛んだ瞬間にヴリトラを見た時、アイツはまだポリゴンになってなかったんだよな。



『ガ......ガグァ......!!』



 俺達がヴリトラを見ると、正に最後のブレスを吐く直前だった。



「うぅ......間に合え、『イグニスアロー』『ウィンドボム』」



 めちゃくちゃしんどいが、イグニスアローに回復した殆どのMPを注ぎ、ウィンドボムで爆発的に加速させて飛ばした。




 そして――



 バスッ!!!



『ガァ............』



 間一髪でイグニスアローが刺さり、ヴリトラはポリゴンとなって散った。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『ヴリトラLv200』を討伐しました。

破壊蛇(はかいじゃ)の真皮』×50入手しました。

『破壊蛇の霜降り』×20入手しました。

『破壊蛇の穿牙』×10入手しました。

『破壊蛇の斬爪』×20入手しました。


 レベルが22上がりました。220SP入手しました。


『戦神』スキルレベルが23上がりました。

『不死鳥化』スキルレベルが62上がりました。


 称号『光速超越者』を獲得しました。

 称号『死を恐れぬ者』を獲得しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━

 ━━━━━━━━━━━━━━━

『裏・ドゥルム鉱山』エリアボス『ヴリトラLv200』が、プレイヤー『ルナ』『ソル』によって討伐されました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「ふぅ......ちょっと寝る。お休み」





 ブレスで体が削られるのに、心が疲れたんだ。少し寝る。





 ━━━━━━━━━━━━━━━

 名前:ルナ Lv10→32

 所持金:80,815,590L

 種族:天使

 職業:『剣士』『ヴェルテクス:ギルドマスター』

 称号:『スライムキラー』

 所属ギルド:魔法士・Cランク冒険者(94/200)

 Pギルド:『ヴェルテクス』


 HP:3,090→3,310<1,000>

 MP:3,592→3,812<1,500>

 STR:4,090→4,310

 INT: 2,090→2,310

 VIT: 2,590→2,810

 DEX:3,590→3,810

 AGI:2,290→2,510

 LUC:1,045→1,155

 CRT:55→60(限界値)


 残りSP:640→860



『取得スキル』


 戦闘系


『剣王』Lv100

『魔剣術』Lv62

『王弓』Lv100

『魔弓術』Lv67

『武闘術』Lv100

『魔闘術』Lv1

『刀王』Lv100

『魔刀術』Lv100

『操王』Lv1

『魔糸術』Lv35

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv77→100


 魔法:非表示


 生産系:非表示


 その他


『テイム』Lv2

『不死鳥化』Lv28→90

『マナ効率化』Lv0

『天使の翼』Lv0


<>内アクセサリーの固定増加値

 SP増加値:非表示

 種族補正:非表示

 ━━━━━━━━━━━━━━━

裏ボスは限界突破して種族補正が入り、レベルが――くらいのプレイヤーが8人で戦闘することを想定されています。

ですので、今回の2人はジャイアントキリングもいいとこです。


まぁ、本来入手難易度が馬鹿みたいに高い神器をポンポン作って、武術大会のスキル部門で2冠取らないと得られないスキルを使ってるんで、妥当っちゃ妥当ですが。



では後書きはここまでにして、次回予告と参ります。


次回、『姫とご対面』お楽しみに!


今回のお話

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