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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
155/492

1人で猛特訓

久しぶりのルナ君オンリー

 


「なぁ、誰か糸術使える人っている?」



 朝ご飯を食べた後、皆に聞いてみた。



「私は使えな〜い」


「「「私も」」」


「はい、開発しま〜す」



 惨ッ!!! 敗ッ!!!!!!



「鍛冶小屋で糸作ったら、そのまんま開発してくる。じゃあの」


「行ってらっしゃ〜い」



 あまりに早くリビングを出たので、返事が出来たのはソルだけだった。悲しい。



 ――鍛冶小屋にて



「氷龍核......使えるかな?」



 今から戦闘用の糸を作る訳だが、色々な素材を糸にして、その性能をチェックしたいと思った。

 そして氷龍核はブリザードドラゴンからドロップしたアイテムだ。両手で持てるサイズの、藍色のガラス玉だな。



「......よし、持ってるもんは大体糸にしてみるか」



 もし属性付きの武器とかできたら、ロマンあるからな。



「じゃあまず氷龍核に『金属糸形成』!」



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『氷龍核の糸』Rare:18 製作者:ルナ


 攻撃力:820

 耐久値:5,000/5,000

 付与効果『属性付与:氷』『魔纏』『糸術補正:中』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「にゃ〜ん。氷龍核が半分無駄になった......」



 大失敗でござる。属性付与というロマンはありますが、これで満足していい物か、かなり悩むでござる。



「次、オリハルコン」



 バンバン試していこう。どこかで成功する事を祈って......



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『金属糸:オリハルコン』Rare:10 製作者:ルナ


 攻撃力:710

 耐久値:2,500/2,500

 付与効果『魔纏』『全魔法補正:小』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「ダメ」



 苔象の牙とかどうだろう。なんとか強い武器にならないかな?



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『ゴミ』Rare:1 製作者:ルナ

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「俺はゴミ製造機か? もっと頭を回せ!」



 このままじゃ持ってるアイテムの大半がゴミになる。流石にそれだけは避けたい。



「合金......でやるしかないか。神鍮鉄と氷龍核を合わせたら良いかな」



 合金でパッと思いつくのは神鍮鉄だ。オリハルコンとアダマントを使っているから性能は良いし、氷龍核のお陰で属性も付くだろう。



「ストックあったっけ............あるやん。ラッキー」



 多分リルの箒を作る時の予備だな。リルの箒はあと魔石を入れたら完成なので、この神鍮鉄は完全フリーの神鍮鉄だ。



「2つとも......頼むぞ......」



 まずは合金化からだ。その後に糸にしよう。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『氷龍金属』Rare:23を作成しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━


 空色に光る、ロマンたっぷりなインゴットができた。



「良さげだな。よし、頼むぞ......せめてまともに使える性能に......!!!」



 氷龍金属に金属糸形成を使った。結果は──



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『聖魔糸:アイオライトブレス』Rare:24 製作者:ルナ


 攻撃力:1,100

 耐久値:100,000/100,000

 付与効果『属性付与:氷』『超耐久』『耐久値回復:氷点下』『冷気吸収』『魔纏』『糸術補正:大』『顕現』

 -----------------------------

『耐久値回復:氷点下』

 ・気温が氷点下の時、1秒で1、耐久値が回復する。

『冷気吸収』

 ・氷属性の魔法を吸収する。吸収した冷気は魔力として使用できる。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「あ〜......使いづらい」



 寒冷地専用の武器かな?水色の糸ってのはカッコイイが、中々に使い所を選ぶ武器だ。



「まぁいいや。恩恵なくとも何とかなるだろ」



 ぶっちゃけ死ぬのは耐久値回復だけだ。『冷気吸収』は敵次第で使えるからな。頑張れ。



「ん〜! オークで実験しよ」



 軽く伸びをしてから今回の犠牲者を選んだ。






「はい、ではオーク20体の討伐ですね。お気を付けて行ってらっしゃいませ」


「は〜い」



 ギルドでオーク討伐の依頼を受けてきたので、早速アルトム森林へ向けて出発する。



「今日は1日、糸術の練習かな」



 久しぶりの猛特訓だ。気合いを入れよう。




 アルトム森林にて――




『ブモォ......』



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『オーク』×25討伐しました。


『糸術』スキルレベルが35上がりました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 無事に糸術スキルを開発できたので、オークを狩ってレベリングをしていた。



「アイテムを取得しない設定......いいかも」



 ここらへんのモンスターの素材って、ストックが大量にあるから別にいらない。

 それに、余計な物でインベントリを圧迫されるの、超困るのだ。最近は整理整頓を意識し始めてるから、特にな。



「そうだ。ワイヤートラップ、試すか」



 FSと同じように仕掛けても大丈夫かな?相手の足の位置に一本、その先の首の位置に一本。

 足さえ掛かれば確定でお陀仏する配置だ。



「お......おぉ! この糸、どんだけ伸びるんだ!?」



 木から木にかけてアイオライトブレスを掛けていたら、糸がどんどん伸びる事に気付いた。



「これは......悪用できるぞ......?」



 自然と口がニヤついちゃう。これ、人が来ないところに設置しておけば、放置で敵が狩れるシステムの出来上がりだ。

 でも、運営がそんなに優s......甘いとは限らない。


 罠を設置したら、一旦アルトム森林から出よてみよう。これで手元にアイオライトブレスが移動してれば、悪用作戦は失敗だ。



「......よし、これで糸は......?」



 1度森林から出て、再入場した。結果は――



「あ、あれ? 俺の糸は?」



 罠を掛けた木を見ると、アイオライトブレスが消滅していた。



「顕現、アイオライトブレス............オワタ」



 運営さん、嘘ですよね? 俺のアイオライトブレス......どこにやったんですか?

 ......もうダメだ、諦めよう。



「氷龍核......グッバイ! 来世は俺みたいな奴の所には来るなよ!」



 完全にロストした。アイオライトブレス、2時間でお亡くなりになった。



「喪失感はさほど無いな。心、強くなったか?」



 なってない。何も考えずに作った物だから、何も思い入れが無いだけだ。




「よし、これからはオリハルコンの金属糸で頑張ろう。セコい事は実行せずに、考えるだけにしていこう」


「あそうだ。魔糸術とっとこ」



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『魔糸術』を習得しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━


 持てる手札は増やしておこう。この先、どんなモンスターと戦うことになるか分かったもんじゃない。



『ブモォ!!』


「おや、オーク君。首を切られに来たのかい?」


『ブモォォォ!!!』



 俺に近付いてきたオークは、その手に持つ大きな棍棒を振り上げた。

 そしてドシーン! と鈍い音を立てながら、俺の前に小さなクレーターを作った。



「『蔦よ』」


『ブモ!?』



 INTが上がった今なら、蔦ちゃん1人でもオークを縛れる。



「はい、失礼しますね〜♪」



 オークの首に素早く糸をかけ、一気に引っ張る。



 スパッ!



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『オーク』を討伐しました。


『糸術』スキルレベルが2上がりました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「今までワイヤーはトラップとしてしか使わなかったからか、向上心が薄いな」



 お陰で貰える経験値が激減だ。悲しい。



「またFSで練習しよっかな〜」



 あそこなら人間相手に戦えるから、より糸の扱い方を学べるだろう。



「ま、そこまで困ってないし、別にいいや」



 今はオーク達相手に練習しよう。




 それからたっぷり12時間、森林のモンスターを相手にして『糸術』と『魔糸術』のレベリングをした。




 ━━━━━━━━━━━━━━━

『フォレストゴブリン』×315討伐しました。

『オーク』×124討伐しました。

『フォレストウルフ』×2討伐しました。


 レベルが2上がりました。20SP入手しました。


『糸術』スキルレベルが62上がりました。

『魔糸術』スキルレベルが34上がりました。


『糸術』が『操王(そうおう)』スキルに進化しました。


 称号『四王の威光』を獲得しました。

『三王の覇気』は『四王の威光』に統合されます。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「効率悪いなぁ。人が増えたのか?」



 12時間では魔糸術も100にする事は出来なかった。



「いや、糸でトレントを倒せないことを知らなかった俺が悪い。人のせいにしちゃダメだ」



 何故かは知らないが、どんなに糸を絡めようと、トレントを倒すことが出来なかったのだ。

 きっと武器相性が絶望的に悪かったのだろう。


 それを人が増えたせいにするのは、お門違いだ。



「......帰るか。そろそろ晩御飯だろうし」



 ゲーム内時間20時40分、そろ真っ暗になる。ご飯時だ。



「いや待てよ? 確かフェンリルって今日じゃね?満月だし......やべぇ、戦いてぇ」



 空を見ると、真ん丸なお月様が輝いていた。



「今日は満月だからモンスターが少なかったりしたのか?......いや、そんな事よりフェンリルだ。どうしよう」



 フェンリルが出てくるなら戦いたい。今日の特訓の仕上げにしたい。



「まずは報連相だ。報告報告〜!」



 ソルに報告だ。



『ちょっとフェンリル狩ってくる』



「これでよし。池に向かおう」



 そう思い、池に向かって進むこと5分。

 ピロン! と着信音が鳴り、ソルから返信が来た。



「お、何だね?」


『気を付けてね。ご飯いる?』


「遊びに行った子どもに対する母親のメールだな」



 おっと、これは妄想が膨らむでござんす。

 キッチンに立ち、お玉を手に鍋料理を作るソルが俺の帰りを待ち、『まだかなぁ』なんて呟きながら携帯でメールを送る姿が容易に思い浮かぶ。



『いる。残しといて』


『おっけー』



「ん〜! こういう何気ない会話が心に染みるぜ......!」



 今すぐにでも帰りたいが、フェンリルとの戦闘を優先する。

 今回のフェンリル戦ではアレを縛って戦いたいから、流石にそれをすっ飛ばして帰る訳にもいかない。



「......付喪神によるアシスト無しでどれだけ戦えるか、楽しみだ」



 神器はブリーシンガメンだけで、武器はステラ、アルテ、オリハルコンの糸だけで戦う。刀術が使えないので、ちょっと悲しいな。



「ふんふんふ〜ん♪ ふふふんふ~ん♪」



 そうして歩くこと数分。満月の反射する池に着いた。



「お? プレイヤーめっちゃ居るじゃん......死ぬの待っとこ」



 池の周りに200人ほどのプレイヤーが集まっていた。

 きっとフェンリル討伐のために集まったのだろうな。



「ん〜? あれ、よく見たらピギーじゃん」



 沢山いるプレイヤーの中に、見慣れた人物を発見した。




 -----------------------------

 ピギー(ピグレット)side



「そろそろだよ!皆、準備を!!」


「「「おう!」」」



 私は今回、フェンリル討伐の為に生配信でプレイヤーを集めた。



「ルナでも倒せたんだから、私達でもやるよ!!」


「「「おぉぉ!!!!」」」



 皆、ルナの話題を出せば盛り上がる。鼓舞するのに便利だな〜アイツ。


 私は先週、アル......じゃなくてルナがやった『フェンリルの単独討伐』の難しさを身をもって知った。

 あの時はフェンリルと戦って6秒で死んだ......いや、戦いにすらなってない。

 出会った瞬間に足を食われ、動けなくなった所をそのまんまパクリと食べられた。



「今回は誰か1人でも生き残って勝つよ! 例え隣にいる人が死んでも、意思は強く持つんだよ!」


「「「おぉぉぉ!!!!」」」



 フェンリル......アレは紛れもなく『レイドボス』だ。アレは1人で戦うもんじゃないし、勝てる相手でもない。

 ルナってホントに人間? FSでも化け物じみてたけど、ユアストでもそうなの?



「あと、今回は視聴者参加企画に参加してくれてありがとね! 私は嬉しいよ!!」


「「「おおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」」」



 配信で『フェンリル行くけど皆来る?』って言ったらすぐに集まってくれた。本当に有難い。

 そろそろ配信を初めて5年になるけど、ずっと見続けてくれてる人もいるし、幸せだ。



『ワォォォーン!!』



「来た! やるぞ〜!!!!」


「「「おぉぉぉ!!!!!」」」



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『幻獣狼:フェンリル』との戦闘を開始します。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 今、ユアストで戦える中でモンスターで最強のモンスターだ。気合いを入れていこう。



 -----------------------------

 ルナside



「お、来た来た。やっぱデケェなぁ」



 池の周りの草地にフェンリルが出現したが、その大きさに改めて驚いた。



「ピギー、ファイト~」



 陰ながら応援させて貰おう。友人の勝利は俺も嬉しいからな。




 ━━━━━━━━━━━━━━━


 名前:ルナ Lv2→4

 所持金:80,815,590L

 種族:天使

 職業:『剣士』『ヴェルテクス:ギルドマスター』

 称号:『スライムキラー』

 所属ギルド:魔法士・Cランク冒険者(94/200)

 Pギルド:『ヴェルテクス』


 HP:3,010→3,030<1,000>

 MP:3,512→3,532<1,500>

 STR:4,010→4,030

 INT: 2,010 →2,030

 VIT: 2,510→2,530

 DEX:3,510→3,530

 AGI:2,210→2,230

 LUC:1,005→1,015

 CRT:51→52


 残りSP:560→580



『取得スキル』


 戦闘系


『剣王』Lv100

『魔剣術』Lv62

『王弓』Lv100

『魔弓術』Lv67

『武闘術』Lv100

『魔闘術』Lv1

『刀王』Lv100

『魔刀術』Lv100

 new『操王』Lv1

 new『魔糸術』Lv35

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv75


 魔法:省略

 生産系:省略


 その他


『テイム』Lv2

『不死鳥化』Lv28

『マナ効率化』Lv0

『天使の翼』Lv0


<>内アクセサリーの固定増加値

 SP増加値:非表示

 種族補正:非表示

 ━━━━━━━━━━━━━━━

フェンリル戦、どうなるか楽しみです。


第5章もあと数話、楽しんでいただけると幸いです!



次回、『経験の差』お楽しみに!

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