ニクス山攻略とランクアップ
更新ペース落ちます( 'ω')
「すみません。ニクス山限定で、Dランクでも受けられる依頼はありませんか?あと、初めて行くので注意点などあれば教えてほしいです」
ニクス山を攻略するだけなら、依頼を受けずに飛んで行った方がいいのだが、冒険者ランクも上げたいので『ニクス山での依頼』を受ける。
「これはどうでしょう?」
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『クエスト:過冷草3本の納品』
受注条件:Dランク以上
人数制限:なし
場所:ニクス山
報酬:5,000L
概要:ニクス山に生えている過冷草の納品。熱に弱い為、手で採取する時は手袋が必須。また、見つけにくい為注意すること。
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「いいですね、受けます。注意点はありますか?」
「はい! ニクス山は雪山ですので、防寒対策は必須となります。そして、ニクス山には稀に『アイスワイバーン』が出現するので、鳴き声が聞こえたり、動物の数から違和感を感じたら直ぐに逃げてください」
違う、そうじゃない。
「あ、採取する時の注意点や、見つける時に役立つテクニックとかもあれば教えてくださいな」
「分かりました。では今回、過冷草という事ですので、その特徴から。過冷草とはニクス山に生えている『冷気を放つ白い草』です。雪に埋もれてなければ見つけやすいですよ。
それと、冷気には魔力が含まれているので、モンスターが寄って来やすいです。十分に気をつけて採取してください」
そうそう、そういうのだよ。そういう情報を求めていた。
「そしてテクニックですが『剣で切る』ことがオススメですね。これなら手で直接触れませんし、簡単です。ですが、剣で切った後の過冷草は二度と生えてきませんので、再収穫ができません」
「なら、魔法で切った場合は?」
「鋭いですね。魔法で切った場合、数日かけて再生し、再収穫が出来ます。それに、過冷草より冷たい魔法を浴びせることで、『種』が入手できます」
おや? それは大事だな。
「でも、過冷草は寒いところでしか育たないので、自家栽培は無理でしょうね。これまでにチャレンジした人は沢山いますが、誰も成功していません」
「そうですか。ありがとうございます。では行ってきます」
「はい! 気を付けて行ってらっしゃいませ!」
隣で話を聞いていたリルの手を繋ぎ、ギルドを出る。
「よし、魔法を全開で使って依頼数回分の過冷草を収穫するぞ」
「あれ? 種はいいのですか?」
「もちろん採るさ。でも今回は収穫祭だ。採取しまくってランクを爆上げする」
「分かりました」
予定の話だが、過冷草を何十本も採取しておいてから依頼を受け、納品する。これを繰り返せばランクアップが大分早くなるはずだ。
「『サーキュレーション』よし、着いたな。ここは中腹ってところか?」
ギルド出てから草原へ行き、そこから空を飛んでやってきた。
とりあえず俺とリルにサーキュレーションをかけて、防寒対策をする。
「父様、あの草は過冷草ではなくて?」
「早すぎじゃね? まだ1分経っとらんが『サーチ』」
リルが何かを見つけたようだ。過冷草なら魔力たっぷりの冷気を出してるから、サーチで簡単に見つかるはずだ。
「......リルさん、これ過冷草っすね」
「やった〜! 早速1本目ですね!」
「種、取っとくか。『アイスウォール』『アウラ』」
過冷草の後ろにアイスウォールを出し、その冷気をアウラで飛ばした。
するとポロッと、過冷草から種が落ちた。
「めちゃくちゃ簡単に取れるじゃん」
「種回収は楽ですね。でも父様、収穫は?」
「専用の魔法があるからダイジョブオッケー。『ヘルバハーベスト』」
こんな事もあろうかと、植物認識収穫回復魔法を用意している。
ヘルバハさんを使うと過冷草の茎が切られ、その断面に緑の粘液らしきものが空気の接触を防いでいる。
「ほい、回収と」
「あれ? 残った方は大丈夫なのですか?」
「あぁ。多分こっからだ。見てろ?」
20秒ほど待つと、過冷草は茎が伸び、小さな葉が生えてきた。
「「おぉ〜」」
「......とまぁ、こんな感じだ。うん......よくこんな魔法作ったな、俺」
「本当ですよ。これってどんな植物にも効くのですか?」
「多分な。使ったの、今のが初めてだから何にも分からん」
「そうなんですね」
そうしてサーチで見つけてはヘルバハで種回収、収穫と、ちまちまと過冷草を集め回った。
「お、初めてのちゃんとしたモンスターだ」
ブリザードドラゴンはノーカンです。大体、あんなのが居るなんて聞いてないもん。
『パオォォォン!!』
背中が真緑なマンモスさんが現れ、鼓膜が破れそうなほどの大音量で鳴いてきた。
「マンモスか。気分はなさがら原始人ってか?」
「父様、潰されないよう気を付けてくださいね」
「大丈夫、飛ぶから。『フラカン』」
マンモスより高い位置にいれば、安全に攻撃出来る。
『パオォォン!!!』
ビュン!!
「おっほぉ! 賢いな! このマンモス」
俺が上に飛んだのを確認すると、マンモスは雪を丸めて飛ばしてきた。それもかなりの速度が出ていたので、当たればHPは殆ど消え去りそうだ。
「天使シリーズ、頑張れ〜『イグニスアロー』『アウラ』『戦神』」
自然魔法を使うので、天使シリーズの魔法適性は受けられないが、魔法補正は入る。
イグニスアローが属性魔法なら、威力は数倍になっていただろうな。
「イグニスアロー、やっちまえ!」
マンモスに向けてイグニスアローを飛ばした。
『ガォ......』
イグニスアローが直撃したマンモスは、パオンとは鳴かずに、小さく鳴いてからポリゴンとなって散った。
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『モスマンモスLv45』を討伐しました。
『苔象の肉』×90入手しました。
『苔象の皮膚』×30入手しました。
『苔象の牙』×1入手しました。
レベルが1上がりました。10SP入手しました。
『戦神』スキルレベルが5上がりました。
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「こけぞう......漢字にしたら絶妙にダサいのな」
そしてモスマンモスという名前、中々にいいじゃないか。そっちは好きだ。
「お疲れ様でした。母様からのお洋服、どうですか?」
「分からん。が、強いのは確かだな。有難いよ」
「流石は母様です。では採取の続きをしましょう!」
「はいよ〜『サーチ』」
過冷草を集めよう。早くランクを上げて、特別な依頼とか受けたいぞ。
それから長時間、空を飛んだり、リルと雪山を走り回ってるとワールドアナウンスが流れてきた。
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『ニクス山』エリアボス『エルダーグリフォン』が
『マサキ』『ガーディ』『ルヴィ』『イリス』によって討伐されました。
エリアボス討伐により、『和平の街ディクト』が解放されました。
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「すげぇなマサキ。もうこの雪山を攻略したのか」
マサキのパーティのみでクリアしたようだ。
「俺も頑張ろ。ディクトに行ってみたいし」
前にアルカナさんが言ってたからな。エルフやドワーフが多い街だと。気になっていた。
「リル〜! そろそろ帰るぞ〜」
「は〜い!」
夕方に近くなってきたので、安全を考慮して帰ることにした。
「はい、これが取ってきた分です!」
「ありがとう......これで302本だな。クエスト100回分だ。頑張ったな」
リルの頭を撫でてから抱っこする。
「えへへ、頑張りました!」
俺はサーチが使える関係上、今回は280本程採取出来た。
過冷草って、サーチが無いと本当に見つけにくいんだよな。
誰だよ『冷気を放つので見つけやすい』とか言った人。全然見付けられんわ!
そして王都に向かって飛行中――
「そういや全然モンスターと出会わなかったな」
「そうですね......あの象さん1体だけでしたね」
アレかな、マサキ達が狩りまくったのかな。
「ま、いいや。それより明日の予定だ。明日は新しいスキルを開発したいな」
「私は母様と遊びたいです!」
「そうするといい。次のイベントが来るまではのんびりしてくれ」
「はい!」
俺、アレ取りたい。『糸術』
糸術はワイヤートラップに近いとか言われてたけど、武術大会を見る限りそんな感じではなかった。
如何にして相手の首に糸をかけ、素早く切断するか......そんな感じの、結構えげつない試合だった。
明日の予定を考えながら飛んでいたら、すぐにギルドに着いた。
「依頼完了ですね。お疲れ様でした」
「あの、この依頼って何度も受けられますか?」
「はい、常設依頼となってますので、回数制限などはありませんよ」
よし! これなら一気にランクが上がるだろ!
「では99回分、今すぐ出来ますか?」
「そ、そんなに採ってきたんですね......できますよ? ただし、Cランクに昇格しますと、Dランクの依頼での獲得ポイントは1となりますので気を付けてくださいね」
「はい。それでいいです。ではこれを」
そう言って俺は297本の過冷草を出した。
「......はい、合計100回分ですね。ではギルドカードを出してください」
「どうぞ」
ギルドカードを渡すと、受付嬢さんはすぐに手続きを終わらした。
「はい、ありがとうございました。Cランク昇格、おめでとうございます」
「ありがとうございます」
これで俺もCランクになった。受けられる依頼の幅も、大分広がるだろうな。
「では父様、行きましょう!」
「あぁ。帰ろう」
流石に夜に飛ぶのは怖いので、ギルドからは歩いて帰りました。
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名前:ルナ Lv1→2
所持金:80,810,590L→80,815,590L
種族:天使
職業:『剣士』『ヴェルテクス:ギルドマスター』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:魔法士・Cランク冒険者(94/400)
Pギルド:『ヴェルテクス』
HP:3,000→3,010<1,000>
MP:3,502→3,512<1,500>
STR:4,000→4,010
INT: 2,000→4,010
VIT: 2,500→4,010
DEX:3,500→3,510
AGI:2,200→2,210
LUC:1,000→1,005
CRT:50→51
残りSP:550→560
『取得スキル』
戦闘系
『剣王』Lv100
『魔剣術』Lv62
『王弓』Lv100
『魔弓術』Lv67
『武闘術』Lv100
『魔闘術』Lv1
『刀王』Lv100
『魔刀術』Lv100
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
『戦神』Lv68→75
魔法:省略
生産系:省略
その他
『テイム』Lv2
『不死鳥化』Lv28
『マナ効率化』Lv0
『天使の翼』Lv0
<>内アクセサリーの固定増加値
SP増加値:非表示
種族補正:非表示
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ニクス山を攻略したのはマサキ達でした。
モスマンモスは過冷草を食べ、魔力たっぷりの栄養満点のお肉を作り、その栄養を求めて苔が生えちゃうんです。
.....というのをどこかに入れたかったです。(^・ェ・^)
次回は『1人で猛特訓』です。お楽しみに!