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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
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あぁ!お前は!!

エンジェルナ君。翼でビューん

 



「レベル上げに行くので、リル様お借りします」



 天使になり、新しいステータスでの戦闘を試したい。



「おぉ! 父様、遂に連れてってくれるのですね!」


「あぁ。一緒に遊びに行こう」



 朝帰り云々の時の約束だな。一緒に狩りに行こう、という内容だ。



「ん? そういやルナ君って、どこでレベル上げしてるの?」


「固定の狩場はないぞ。ワイバーンやララバジの経験値で爆上げして、後は雑魚でちまちまと上げてた」


「へぇ〜、じゃあ今日は雑魚ちま?」


「せやな。雑魚ちまだな」



 略語を生み出すのが早いな。雑魚ちま......ええやん。

 そういう『言いやすい、分かりやすい』略語は好きだ。



「父様父様! 私もお空を飛びたいです!」


「いいぞ。俺が抱っこして飛ばしてあげよう」


「やったぁ! ありがとうございます!!」



 すげ〜ピョンピョンして喜んでる。そんなに楽しみにしてたのか?......まぁ、空を飛ぶのって楽しいし気持ちいいから分かるんだけどさ。



「私が教えたからだよ」


「思考を読むな。怖いわ」



 何で考えてることが分かるんだ......戦闘時に使われたら終わりじゃん。



「ふふっ、ルナ君って考えてる時に顔がキリッとするんだよ? それとルナ君の視線の先にあるものから、考えてる時を予想するの」


「理論的な説明で助かる。その『人を見る技術』は羨ましいよ」


「えへへ、ルナ君も私をよく見ると分かるかもよ?」


「それは難しい。ソルの思考よりソル本人を見てしまうからな」


「きゃ〜! う〜れし〜!」


「なんで漫才してるんですか? 父様。行きますよ?」



 あ、リル様が冷めた目で俺を見てる。すみません。



「あ、はい。今行きます」


「行ってらっしゃい」


「「行ってきます」」



 そうしてリルと庭に来た。今回も庭から飛んでいこう。


 よし、天使の翼を出して、と。



「そう言えば父様、その翼って消せるんですね」


「あぁ。自分の意思で出したり引っ込めたり出来るんだよ」



 正確に言えば、ステータスウィンドウから操作から可能だ。



「じゃあ、リル。お姫様抱っこと普通の抱っこ、どっちがいい?」


「お姫様抱っこで」


「あいよ」



 リルをお姫様抱っこし、翼に魔力を流す。



「おぉ、おぉぉぉ!!! 飛んです、飛んでますよ父様!」


「可愛いなぁおい。でも暴れたらダメだぞ? 落っこちたら大変な事にな......らないけど、怖いからな」


「はい!」



 リルのステータスなら、20メートル上空から落ちても問題無いだろうからな。



 そうして徐々に高度を上げ、王都に建っている家より高く飛んだので、水平方向に飛行する。



「ふんふん。MPは継続消費で飛ぶのか......大体、10秒で1MPってところか」



 かなり低燃費な飛行だ。ブリーシンガメンがあれば永遠に飛んでいられる。



「父様、草原が見えてきましたよ!」


「うん。あそこに降りようか」



 ペリクロ草原に出たので、リルに負担がかからないように慎重に着地する。



「ありがとうございました、父様」


「帰りも飛ぼうな」


「はい!」


「じゃあ狩りを始めるか。今回はスライム狙いで行こうぜ」


「どうしてスライムなんですか? ワイバーンを狙うかと思ってました」


「ワイバーンは一応レアモンスターだからな。そう簡単に出会えん。それでスライムを狙う理由だが、理由は簡単だ。『ポーションを作るため』だな」


「ポーション、ですか?」


「そう。ポーション。それを売って金を稼ぐんだ」



 自分で使う意味は無いからな。HPもMPも、アホみたいな速度で回復する。

 だからポーションを飲む時間があれば、その分攻撃した方がダメージ効率がいい。



「お金が必要なんですか? なら、素材を売れば......」


「あ〜、別にそこまで金稼ぎに集中する訳じゃない。小遣い稼ぎだ」



 俺、8000万もお金があるが、全然使わないんだよな。食材はソルが買うし、馬車などの移動費って基本100Lだから、全然お金が減らないんだ。



「そうなんですね......お小遣いも必要ですか?」


「いらない。けどまぁ、ポーション作って調薬スキルを上げたいんだ」


「そっちが本命ですか。分かりました、スライムを狙いましょう」


「お願いしま〜す。じゃあどんな風に狩る? のんびり? ガッツリ?」


「のんびりで行きましょう!」


「はいよ〜」



 のんびりコース、入りましたァ!!

 俺はリルを抱っこし、再度翼を広げて空を飛んだ。



「飛ぶのですか?」


「あぁ。上から見つけて、ソルが魔法を使った方がいい」


「私は母様ではありませんよ?」


「ごめん言い間違えた」



 すんません。1文字しか違わないから、結構間違えそうになるんだ。リル、ごめん。



「あ、父様。あそこにスライム5体です!」


「おっけ〜! びゅ〜ん!」



 リルが指を指した方向にスライムが沢山いたので、そちらに向かう。

 そんでもって、少し多く魔力を翼に流すことで、より加速できるようだ。


 ......悪用はまた今度。



「では撃ちますね!『ファイアアロー』です!」



 何気にリルの魔法って、初めて見る。どんな威力何だろうか。


 リルが作ったファイアアローを見てみると、『炎の矢』と言うより、『赤い矢』と言えるような、炎の塊で矢が作られていた。



 ボシュッ!!



 スライムの群れに着弾すると、炎の塊から欠片が飛び散り、それに触れたスライム達がポリゴンとなっていく。



「わぁお」


「どうですか? 父様。あれが『私の』ファイアアローです!」


「あぁ。凄くカッコイイし、凄く強いよ。リルは凄い子だよ」



 両手でリルを抱っこしているので、顔をリルに付けて褒める。



「えへへ〜」


「『サーチ』。次のスライムのところに、ゆっくり飛んで行こう」


「はい!」




 そうしてサーチで探しながら飛んでると、スライムの大群が見つかった。




「お、あれはウマウマフィーバーできそうだな。俺がやってもいいか?」


「はい! 父様の魔法、見せてください!」


「なら......『フラカン』。ちょっと待っててな」



 フラカンでリルを浮かし、俺は両手をフリーにして、少し前に出る。



「さぁ行くぜぇ? スライム20体ちゃん達ぃ?」



 今回は純粋なイグニスアローを20本出そう。このINT2,000の力があれば、それくらい容易だろう。



「『イグニスアロー』」



 俺の背後に赤く光る魔法陣が20個出現し、その魔法陣から炎の矢が生成されていく。



「凄い......綺麗......」



 リルに褒められた。嬉しいね。



「じゃ、殲滅」



 ビュン! と音を立て、20本全てのイグニスアローがスライムの大群目掛けて飛んで行った。

 その灼熱の矢を受けたスライム達は、一匹残らずポリゴンへと姿を変えた。



「よし、撃ち漏らし無し。完璧だ」


「凄いです父様! 前より威力が倍以上になってますよ!」


「INTが倍くらいになってるからな。でも、こいつァすげぇぜ。今の俺、多分40個は同時に魔法を撃てるぞ」


「兵器ですね!」


「せやな」



 モンスター討伐イベントとか来たら、活躍できるかな?



「あ! やらかした!」


「どうされましたか?」



 リルを回収しようとした時、自分のやらかしに気が付いた。



「ギルドで依頼、受けてなかった......」


「あ〜......なら一旦戻りますか?」


「そうしよう」



 スライム討伐の依頼、受けといて損はないだろうし、ランクを上げたいからな。戻ろう!


 そうしてギルドまで飛んで、無事に依頼を受けて来た。



「じゃ、草原に帰ろう」


「はい!」



 そうしてスライム狩りに戻ろうとしたら、声がかけられた。



「あの〜......ルナさん、ですよね?」


「ん?」



 声をかけてきた人物を見てみた。



 ピンクの髪に、金色の眼、そして髪型はツインテールで身長150センチくらいの女の子の......2人組。



「すみません人違いです。では」



 安定の人違い作戦だ。ここは何としても切り抜けなければ!!



「違うでしょ?『アル』」


「ん?」



 なんでFSの時の名前を?......いや、聞き間違いだろう。

 大丈夫、ここに俺を知る人はまだいないはずだ。



「「アル?」」



 喋った方のピンクとは、違う方のピンクとリルが同時に聞き返した。



「そうだよ。アル......いえ、チーム『ニヒル』の『アルテミス』だよ、ラキハピちゃん。私のチームメイト」




「あ、あぁ! お前は!!!」




 聞き慣れた声、嫌という程見たピンクの髪、よく見れば赤い目をしているその顔! そして何より俺を呼ぶ時の名前......こいつ、Piggy(ピギー)だ!



「ピギー!?」


「そうだよ! しばらくぶりだね、アル?」


「会いたくなかったわぁ......」


「ひっど!! 一応言っとくけど、アテナや翔はイニティで躓いてるよ」


「あ、マジ? 助ける? 煽る?」


「やめといた方がいいよ? 翔もいるからさ。ハイドからのザクッ! だよ」


「ほ〜ん。それなら逆に、こっちから殺るか?」


「今は無関係が1番だね」


「おk」






「「あの〜お2人は何を言ってるのですか?」」


「「旧友に挨拶に行こうかと、ね?」」

ラキハピさん.....


さぁ、憧れてる人が自分の息子だと知らない父(女)と、自分に憧れてる父(女)の存在と出会ってしまった息子。どうなるのやら.....


次回、『私は知っている』お楽しみに!

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