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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
149/492

辞めるわ、人間

今回の構成は前半イチャイチャ、後半やべぇ。です!

 


「――でさ、ドラゴン倒したら称号も手に入ったんだ」


「どんなの?」


「どらごんすれいやぁ」



 今、『ルナちゃんのドキドキ☆音速(?)飛行冒険譚』を語り終わり、称号についての話をしている。



「コレだ。そぉい!」



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『風人』

 ・風属性の魔法攻撃の威力が1.5倍。

 ・AGIが1.1倍。


 風属性を含んだ魔法で、一定速度を超えて1km移動することで獲得。



『風神』

 ・風属性の魔法攻撃の威力が2倍。

 ・自身で生成した風を操ることが出来る。

 ・AGIが1.2倍。

 ・『風人』を統合する。


 風属性を含んだ魔法で、一定速度を超えて1km移動することで獲得。



『彗星の如く』

 ・飛行中、自身から光を出すことが出来る。


 500人以上の人間から彗星と間違われる事で獲得。



『一級の変人』

 ・効果なし


 10,000人以上の人間から変人と思われる事で獲得。



龍殺し(ドラゴンスレイヤー)

 ・竜種に与えるダメージが1.5倍。

 ・龍種に与えるダメージが1.2倍。

 ・『竜殺し(ワイバーンスレイヤー)』を統合する。


 ドラゴンを討伐する事で獲得。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「......ネタ称号が2つあるね」


「......だな」



『彗星の如く』......お前、強そうな名前してネタ称号かよ......



「ルナ君、ちょっと椅子引いて座って」



 ソルがそう言って俺に近付いて来る。......なんだろう、ビンタでもされるのかな?

『何で死んでんのよっ!』って。


 はぁ......覚悟決めよう。



「ん?」



 ソルが俺の膝の上に座りギューッとハグをした。



「ルナ君......いくらゲームでも、死なないで」


「え......まぁ、気を付ける」



 いきなりそんな事を言われても、なんて返せばいいのか。



「ダメ。ルナ君がいないと私、不安で仕方ないから」


「依存は良くないぞ?」


「ち、違うもん。依存はしてない......と思うもん」



 不安で仕方ない......それを依存と言うのではないだろうか。



「いや、ガッツリ依存してる。今のままじゃソル、一人で生きていけないぞ?」


「えっ......私、一人になるの?」


「ならないけどな。相当大きな事をしでかして、ソルに嫌われない限り、俺はソルから離れない」


「......うん」


「ソルが俺を好きでいてくれるのは嬉しい。でも、俺がいないとダメ、ってのはダメだ」


「......うん」


「それを理解しているなら出来るはずだ。師匠に言われたろ?『理解出来たなら、後は行動に移すのみ。より理解を深めたいなら、行動で学べ』って」


「うん」


「じゃあ最後に。俺はソルが大好きだ。好きで好きでワーッとなるくらいにな。でも、ソルがいないと生きていけない......という訳ではない」


「うん」


「だからゲーム内でソルが死んだって、悲しいし悔しいしつらいけど、それでも耐えられる。何故か分かるか?」


「分かる......でも」


「でもじゃない。ここは『ゲーム』だ。そういう思考は、リアルの方でしよう」



 流石にゲーム内で死ねないのは厳しい。

 もしソルがFSに来たら、俺の戦い方を見て失神するんじゃないか?


 時に俺が自分から死んで、チームの勝利に貢献するからな。

 ゲーム脳と恋人脳、切り替えが大事だ。



「分かった。やってみる」


「よし。なら前報酬として、これをあげよう」


「なに?」



 ちゅ



 ソルの頬っぺにちゅ〜した。やべぇ! 恥ずい!!



「んひっ! えへ、えへへへへへ」


「これで頑張れるか?」


「うん!」


「大好きだよ」



 最後にもう一度、ギューッと抱きしめた。


 ん? 今思ったが、これって『より依存するルート』と『頑張るルート』の2択だったな。

 あ、危ねぇ。運良く後者を引けたが、あと少しで逆効果になる所だった訳だ。


 50パーセント。超危険な賭けだった。



「父様、終わりましたか?」


「そうですよ。昼間っからチュッチュしやがりまして」


「そうだそうだ〜! 稲荷ちゃんがウマウマするぞ〜!」


「「......」」



 3人の存在を忘れていた。やばい、恥ずかしい。



「「......逃げたい」」



 こんな状況からおサラバしたいぜ。



「や〜い、バカップル〜」


「皆が見てる前でイチャつくバカップル〜」


「な、仲良し夫婦〜」


「「ダメ。それは褒め言葉」」


「す、すみません......」




 そんな感じで、今日1日ずっと弄られ続けた。恥ずかし。




 そして翌朝。




「おはようリル」


「おはようございます」



 いつものように起き、いつものように朝ごはんを食べた。



「はい、全員集合!!」


「「「「は〜い」」」」



 全員が着席したのを確認してから口を開く。



「まず、皆さんにお伝えしたい事があります」



 重大発表だ。心して聞くといい。






「俺、人間辞めるわ」






「「「「え?」」」」


「ど、どうしたのルナ君?」


「そうですよ。真剣な表情で何を言ってるのですか?」


「ルナさん......遂に壊れましたか」


「あの鉱山の時から、ちょっとずつ蝕まれていたんだね......ごめん、お兄さん。助けられないよ」



 4人が困惑したり心配している。



「まぁ、正確に言えば『限界突破して種族が変わる』んだけどな」



「「「「え?」」」」


「レベル100になったから、これ以上はレベルが上がらないんだよ。だから限界突破する」



 どんな種族があるのか、まだ見てないんだよな。

 前にウィンドウが出てきた時、なんかズラーッと並んでたが何も覚えていない。



「なんだ......びっくりした」


「ホントですよ」


「何の種族に変わるんですか?」


「シリカは知ってるよ。お兄さんが認められたのを見てから付喪神になったからね」


「すまんすまん。それと種族に関してはまだ何も知らない。だからこれから見るんだ。じゃ、いくぞ〜?」



 俺はステータス画面のレベルをタッチする。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 限界突破後の種族を選んでください。


『狼獣人』

『虎獣人』

『半天使』

『九尾獣人』

『竜人』

『天使』(認)

『魔人』(認)

『エルフ』

『ドワーフ』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「何で『人間』が無いねん......」



 辛い。俺、マジで人間辞めることになったんだけど。



「だってお兄さん、今人間でしょ? 人間ってのはね、人類種で言えば、最下級なんだよ。言わば素材だね」


「素材?」


「ルナさん、人間から派生したのが『獣人』や『天使』『亜人』なんですよ。ですので、これらは基本的に人間より高性能なんです」



 なるほど。獣人補正があるのはそういう事か。



「そうか。ありがとう。とりあえず全部の性能を見てみる」


「それがいいですね」



 種族補正の〜? チェックターイム!!!



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『狼獣人』

 ・狼の特徴を取り入れた獣人

 ・STRに1.5倍の補正

 ・AGIに1.2倍の補正


『虎獣人』

 ・虎の特徴を取り入れた獣人

 ・AGIに1.5倍の補正

 ・STRに1.2倍の補正


『半天使』

 ・片方だけ翼のある天使(飛行不可)

 ・INTに1.5倍の補正

 ・AGIに1.2倍の補正


『九尾獣人』

 ・9本の尻尾がある狐の特徴を取り入れた獣人

 ・尻尾の数は調整可能

 ・DEXに1.5倍の補正

 ・INTに1.2倍の補正


『竜人』

 ・竜の特徴を取り入れた獣人(飛行不可)

 ・VITに1.5倍の補正

 ・STRに1.2倍の補正


『天使』

 ・2枚1対の翼を持つ天使(MP消費で飛行可能)

 ・全ステータスに1.3倍の補正

 ・1日に1度、死を無効化する


『魔人』

 ・禍々しい角と尻尾を持つ魔人

 ・全ステータスに1.3倍の補正

 ・魔法攻撃に1.2倍の補正


『エルフ』

 ・耳の尖った亜人

 ・DEXに1.3倍の補正

 ・INTに1.3倍の補正

 ・MPに1.2倍の補正

 ・STRに0.5倍の補正


『ドワーフ』

 ・身長の低い亜人

 ・DEXに1.3倍の補正

 ・VITに1.3倍の補正

 ・HPに1.2倍の補正

 ・INTに0.5倍の補正

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「おっほっほぉ!!!」



 中々に良い性能だ!

 元々の獣人のデメリットを取っ払い、もう1項目の弱補正の入る獣人。

 それにキャラクリ時に選択できなかったエルフやドワーフも良い!


 そして何より、天使と魔人だ。天使は空を飛べ、1日1回の残機の追加に、魔人の圧倒的火力。悩ましい。


 あ、そうだ。これ、フー達は知ってるのかな。



「フー、シリカ。限界突破って1度だけか?」


「いえ、またレベル100になると出来ますよ。その時はより強い種族に変化......いえ、進化します」



 進化......この表現はピッタリだろう。短所を無くし、長所を伸ばしてるからな。



「よし......なら、これにしよう」


「「「「ん〜?」」」」



 そう言って俺が指したのは、『魔人』だ。



「ルナ君、それはちょっと......」


「そうですよ父様! 狼獣人がいいと思います!」


「魔人は色々と面倒な事に......」


「だね!」


「えっ、何その反応。じゃあもう一度考えるわ」



「「「「それがいい / それがいいかと」」」」



 1番気になったのはフーの反応だ。面倒な事になるのは嫌だからな。



「う〜ん......尖った性能は苦手だからなぁ......天使かなぁ」



 見た目もそこまで派手にならないと思うし、何よりもステータスを全体的に伸ばせるのが有難い。銀髪の容姿にも合うだろうから、天使を推したいな。



「うんうん! ルナ君なら天使にピッタリだよ! 銀髪だし、絶対カッコイイ!」


「そうですね。空を飛べる、というのは既に出来ますが、父様との相性は良さそうです」


「天使はオールラウンダーですからね。魔人もそうですけど、確実に差別されないので良いかと」


「お兄さん、天使なら神界でも活動しやすいからね。あっちで人間がいたら、ちょっと目立つし」



 何この天使の全肯定は。なんなの? 誘導されてる?



「まぁいいか。何かあれば、幻獣でも倒しまくってレベル上げしよう」



 そう言って俺は天使を選択した。

 するとウィンドウが出て、光が俺を包み込んだ。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『限界突破』を開始します。変更先の種族は『天使』です。


 レベル条件:クリア

 スキルレベル条件:クリア

 犯罪歴:クリア

 特定称号の所持:クリア

 特殊条件:クリア


 限界突破が完了しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 目を開けると......何にも変わってなかった。



「ありり? でぇじょうぶか?」


「「「「おぉ〜!」」」」



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 プレイヤー『ルナ』が限界突破しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 ワールドアナウンスが来た。まぁ、別に何ともなくて良かった。



「お、何か感覚があるぞ」



 何だろう、背中に何かを背負う......程でもないが、何か感覚がある。

 試しにそこに力を込めてみる。



「んひぃい!!『フラカン』!!!」



 いきなり空を飛んだので、フラカンで調整する。

 あぁ......情けない声が出ちまったぜ。



「あっでも凄いなこれ! 空を飛べるぞ!」


「ルナ君超カッコイイよ!!」


「ですです! 神々しいですね!」


「とても似合ってるじゃないですか! ビックリですよ!」


「お兄さん、銀髪に白銀の羽とは......相性良すぎ!」



 めちゃめちゃ褒められた。わぁい。



「ありがとう。ちょっとステータス見てみるわ」



 さぁさぁ、天使になった俺のステータスはどうなったかな?


 ━━━━━━━━━━━━━━━

 名前:ルナ Lv1

 所持金:80,810,590L

 種族:天使

 職業:『剣士』『ヴェルテクス:ギルドマスター』

 称号:『スライムキラー』

 所属ギルド:魔法士・Dランク冒険者(30/200)

 Pギルド:『ヴェルテクス』


 HP:3,000<1,000>

 MP:3,502<1,500>

 STR:4,000

 INT: 2,000

 VIT: 2,500

 DEX:3,500

 AGI:2,200

 LUC:1,000

 CRT:50


 残りSP:550


『取得スキル』


 戦闘系:省略

 魔法:省略

 生産系:省略


 その他


『テイム』Lv2

『不死鳥化』Lv28

『マナ効率化』Lv0

『天使の翼』Lv0


<>内アクセサリーの固定増加値

 SP増加値:非表示

 種族補正:非表示

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「スッキリしてる! 見やすい!」



 1.3倍された状態でこの数値、綺麗だな。



「そして......グッバイ『最弱』......ここでお別れだ」



『最弱無敗』は圧倒的ステータスにより最弱要素が消え、ブリザードドラゴンによって無敗要素が消え、悲しいことにその姿を消した。

 まぁ、圧倒的ステータスと言っても、これからもSPは振らないから、『同種族同レベル』だと最弱ステータスなんだけどな。へへっ!



「ルナ君ルナ君!」


「どうした?」



 ソルがちょんちょんと袖を掴んでくる。可愛い。



「飛行テスト、する?」



 やべぇ、笑顔なのに目が笑ってねぇ。怖い。



「い、いえ。フラカンを使うので、満足しています」


「そっか! でも、気を付けてね? 魔法を使う暇がない時、その翼で飛ぶんでしょ?」


「せやな」


「お・ん・そ・く! 超えないようにね?」


「はい」



 流石に俺もそこまでバカじゃないし、この翼単体で音速クラスの速度は出せないだろう。



「さ、天使になった訳だけど、これからもよろしくお願いします」



 改めて挨拶を、ね?



「よろしくね! ルナ君」


「よろしくお願いします。父様」


「よろしくお願いします!」


「よろしくね〜! お兄さん」



 うんうん。なんか年明け感があるが、いいだろう。



「さて、昼ご飯にしようか」


「うん!」


「はい!」


「「は〜い」」




 昼ご飯を食べたら、外に出るとしよう。

第5章のタイトル、片方回収ですね!!長かった.....


次回も章が進むと思います。が、その――(自主規制)



では次回、『お、お前は!!』です!お楽しみに!

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