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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
148/492

初めての......///

初めての.....!?

大丈夫です。全年齢対象ですからね!(^・ェ・^)

 


 パチン!



 振り返ると水色のワイバーンがこちらを見ていた。

 でもなんかコイツ、はぐれワイバーンとは形が違うな。

 咄嗟の判断でクロノスクラビスを発動できたが、結構危なかった。



『グォォ!?!?』


「君、アイスワイバーンじゃね?」



 こいつ、確かはぐれワイバーンの1.3倍強いんだっけ?



「う〜ん、君、死んだね」



 クロノスクラビスはあのララ・バジリスクでさえ封じ込めた最強(自称)の魔法だ。アイスワイバーンもただのサンドバッグと化すだろう。



『グォォォ!!!』


「嘘っ!?」



 敵を前に舌なめずりをしていたら、アイスワイバーンは普通に動き出した。



『ガァァァ!!!!』


「フラグ回収ぅぅぅ!!!」



 ズバァァァン!!

 パチン!


 ワイバーンの口から真っ白なブレスが吐き出された。



「うぅ......ギリ間に合わなかった......」



 足が凍結して動かない。多分、これがアイスワイバーンのブレスによる状態異常なんだろう。



『ガァァァ!!!!』



 パチン!


 ブレスは全部消させて貰う。死にたくないんでな。



「腕が動くからまだ良いけど、腕までやられてたら終わってたな......」



 やばいよ、動けないよ。どうしよう。アイスワイバーン、正直舐めてた。



「『フラカン』......ダメだ」



 凍結してるせいか、空を飛べない。これでは逃げることもできない。



「フー、シリカ。顕現」



 大人しく増援を呼ぼう。2人がいれば、なんとかなるかな?



『どうしました? って......あちゃ〜』


『お兄さん、大ピンチじゃん』


「すまんな。リルと念話した後に倒そうと思ったら、ブレス喰らっちゃった」


『もう、ルナさんは仕方のねぇご主人様でやがります』


『そうだそうだ〜! もっと自分を大切にしろ〜!』


「気を付ける。んじゃあ仕留めるわ」



 2人を装備してたらステータス爆上がりだからな。



「『戦神』『イグニスアロー』『アウラ』」



『『うわぁ......死んだわあのトカゲ』』



 本気も本気。全力で倒しにいく。流石にこんなところで死にたくないんでな。



『ガァァァ!!!』



 パチン!



「じゃあな、水色トカゲ」


『グォ!!』



 そして俺はイグニスアローを飛ばした......が、



『ガァァァァァァ!!!』


「んなっ!」


『『あっ!!!!』』



 イグニスアローが当たる直前、コイツは足元に自分のブレスを放ち、イグニスアローを避けた。


 ドッバァァァァァン!!!!!!


 ブレスの余波を思いっきり喰らった。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『守護者の加護』が発動しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 不味い不味い不味い!! 微ダメでも喰らうと死ぬ!



『ガァァァ!!!』



 現実は......理不尽だった。



 アイスワイバーンは間髪入れず、俺にブレスを撃ってきた。



「ぐっ......」


『『ルナさん!! / お兄さん!!』』




 あっさり死んだ。

 今、HPが0になったのを確認した。


 こうして俺の体はポリゴンとなって......



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『不滅の愛』が発動しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 散らなかった。



 そのウィンドウが出た瞬間、俺のHPが全快した。



「......おいおい。俺、初めての死を経験したぜぇ?」


『ルナさん!! 大丈夫ですか!?』


『お兄さん、死んでないの!?』



『ガァァァ!!!!』



 パチン!



「『フラカン』『イグニスアロー』『アウラ』『サーキュレーション』『戦神』『不死鳥化』」



 あぁ......最初から不死鳥化しとけば良かった。俺のミスじゃねぇか。ちくしょう。



「......」



 無言でイグニスアローを飛ばした。


 ジュン!!


 アイスワイバーンとその周辺の雪が蒸発し、周囲が緑に溢れる地面と化した。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『ブリザードドラゴンLv105』を討伐しました。

『氷龍の甲殻』×80入手しました。

『氷龍の皮』×70入手しました。

『氷龍の肉』×250入手しました。

『氷龍核』×1入手しました。


 称号『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』を獲得しました。

竜殺し(ワイバーンスレイヤー)』は『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』に統合されます。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 え......?



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『ニクス山』の超レアモンスター『ブリザードドラゴンLv91』がプレイヤー『ルナ』によって討伐されました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「ドラゴンだった......」


『あれ? 気付いてなかったんですか?』


『お茶目なとこもあるんだね!』


「あぁ。本気でアイスワイバーンだと思ってた」


『『えぇ......どう見てもワイバーンじゃないのに......』』


「いや、ちゃうねん。確かに『あれ? なんか違う?』とは思ったけど、ワイバーンやと思っててん」



 しゃ〜ないやん。ワイバーンだって数回しか戦った事無いんだし、分かるわけないやん。

 神龍なら分かるよ? あのデカさ、色、威圧感、その全ての格が違うからさ。でもワイバーンは分かんねぇよ。



『まぁ、ドラゴンの単独討伐、おめでとうございます』


『おめでと〜!』


「あ、ありがとう?......それ、凄いのか?」


『凄いですね』


『凄いよ〜偉業だよ〜』



 はぇ〜。確かに強かったよな。ララバジさんより強かったもん。それにあんなに賢いとは思わなかったし、クロノスクラビスを抜け出すとも思わなかった。



「どれくらい凄い?」


『そうですね......ドラゴンの単独討伐者って、この世界で十数人しかいませんからね』


『そして語り人じゃお兄さんが初めてだろうね』


「おぉ......それは凄いな」



 嬉しい。誰よりも早くドラゴンを倒したぞ。いぇい!



「んじゃあ......家に帰ろうか。ソル達が待ってるだろ?」


『そうですね。ソルさんも直ぐに帰ってきてましたし、待ってると思います』


『でもお兄さん、今回の事って狐ちゃん達に言っちゃうの?』



 どういう事だ? ドラゴン討伐はワールドアナウンスされてるし、言ってもいいと思うんだが......



「言っちゃダメなのか?」


『だってお兄さん、狐ちゃんと出かける前に言ってたじゃん。『死なないから』って。あのブレスを受けた時、お兄さんは死んだよね?』


「あっ............うん。死んだ」


『それ、狐ちゃんに言うの?』


「言うぞ。俺のミスで死んだことも、ちゃんと考えて動けば死ななかったことも、全部話す」



 こんなミスもあるんだよ、って2人にも知って欲しいし、何より俺への戒めになる。

 もう二度と、死なないようにしたい。

 ってか次死んだら割とマジで家のベッド送りだからな。


 今回はソルから貰った指輪で生き返ったが、もう残機は0だ。



『お兄さん、馬鹿正直だね!』


『ですね。こういう時って、普通は隠すもんじゃないですか?』


「ん? 好きな人に正直に話したくなるのは、よくあることじゃないのか? それに俺、1つしか隠し事してないし、他は全部知られてもいいからな」


『なるほど......で、その隠し事とは?』


『気になるね!』


「とある称号だ。自称してはいるが、これは伝える気になれんからな。周りからのイメージを保つためにも、教えない」



『最弱無敗』......今回の件で、俺的に無敗では無くなった訳だが、この称号はソルに見せたくない。

 せめてソルの前くらい、強いところだけを見せたい。



『『ケチ〜』』


「ケチで結構コケコッコー。じゃ、帰るぞ。帰りは普通に飛ぶからな」


『当たり前ですよ。どこかの誰かみたく、彗星の様になってはダメですよ』


『そうだそうだ〜! どこかの誰か〜!』


「うっざ! ってかそんな称号貰ったな。帰ったら確認しよう。ブ......『フラカン』」



 どうでもいい事だが、『フラカン』と唱える時、間違えて『ブラコン』と言いかけるのはなんでだろう。

 いつか間違えて言って、魔法が発動しなくて死んだら嫌だからな。気を付けよう。



 そして空を飛び、王都に向かっている最中――




「お、草原治ってる。良かった〜」


『彗星の痕跡ですか』


「俺の事彗星って呼ぶなよ? ってか何で知ってんだ?」


『リルさんが言ってましたもん。『さっきの流れ星、父様なんですって! 凄いです!』と』


「可愛いなぁ」


『そうじゃないでしょ......お兄さん......』



 だって、それ伝える時に絶対ピョンピョン跳ねてただろ。俺には分かるぞ。



「ふわぁぁ......空を飛んでるとのんびりできるな......」


『寝て落下しても知りませんよ?』


「それは困るな。ってかそうだ、『サーチ』」



 もしモンスターが近付いて来ても分かるようにしておこう。



「ふぃ〜......こうやって空中散歩するのもいいな」


『それ出来るの、今のとこルナさんとソルさんだけですけどね』


『うんうん。本来人間は魔法で空を飛べないからね』


『いえ、飛べますよ? ただその理論が難解なだけです』


『そうなんだ! フー姉ちゃん、今度色々教えてよ!』


『いいですよ。元魔法の女神、元戦神に教えてあげます』


「仲良きことは美しきかな」



 2人が仲良さそうで良かった。いがみ合うより、こうやってワイワイとしてくれてる方が見ているこっちも楽しい。



「あ、ワイバーンの反応あり」


『『あ』』



 ワイバーンの魔力反応がサーチに引っかかった。



「空を飛んでるから、ワイバーンの反応は分かりやすいな。でも今回はスルーだ。俺は空中散歩を楽しむ」



 真ギュゲの気配隠蔽を使い、ワイバーンをやり過ごす。



『その指輪、ずっと付けてますよね』


「お気に入りだからな。これ、可愛いだろ?」


『何でハートのデザインなのかは分かりませんが、確かに可愛いです』


「あ、ハートのデザインの指輪はもう一種類あるんだ。俺を弱体化する時の指輪がな」


『なんでそんな物が......』


「諸事情」



 あの指輪、フォレストウルフの動画の為に使ったが、それっきりだな。俺の初めての呪いの道具だ。



「インベントリ整理もしないと。レベルのお陰で容量は増えても、どんどん物が増えていったらダメだよな」


『持ち物整理は基本ですよ』


「鉄鉱石が数千個あるんだけど、これ、どうしたらいい?」


『売ったらいいじゃん。お兄さん、最近はアダマントしか使わないでしょ?』


「そうなんだよな。それも鉄を使っても、慣れてるって理由からゴブリンのヤツしか使わないし」



 錆び付いた剣、有能。

 普通のプレイヤーかすれば、かなり品質が落ちるそうだが、別にこれでも魔剣や聖剣、神器だって作れるんだから構わない。



「売るか。もしかしたら1億L超えるかな?......超えて欲しいな」


『『お金、使わないのに?』』


「あぁ。何かがあった時の為に、貯金は必要だ」



 何も無い事を祈ってるけどな。寧ろ、結婚式みたいなパーッとしたこともやりたいな......なんて。



「お、そろそろ王都だ。上からダイレクトに帰るか」



 そしてお城の庭にホールインワン。



「「「ただいま〜」」」


「「おかえり! / おかえりなさい!」」



 玄関のドアを開けると、いきなりソルが抱きついてきた。



「おぅ......どした?」


「ルナ君......死んだよね?」


「あぁ。よく知ってるな」


「指輪......通知来たもん」


「まぁ、それについてはゆっくり話そう。『ルナちゃんのドキドキ☆音速(?)飛行冒険譚』を」



 そうして帰ってきた俺達は、ブリザードドラゴンとの戦いを話したのだった。

初めての『死』でしたね。そして、初めての『ドラゴン討伐』でもありました。


最初、イグニスアローの所で水蒸気爆発が起きるのかと思ったんですけど、雪だと起きにくいみたいですね。

私、雪でも爆発するもんだと思ってました。


では次回!『人間、辞めるわ』です!お楽しみに!

(これは信じてはいけない)

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