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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
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ソルの魔女っ子計画〜衣装編〜(2)

ただいま衣装編。おかえりばばばば番外編。


 


「依頼完了ですね。お疲れ様でした」


「ありがとうございます」



 石ころ495個をギルドに納品し、報酬の1,000Lを受け取った。



 そしてギルドを出て家に向かう。



「ごっはん〜ごっはん〜お〜ひっる〜ごっはん〜」



 残ってるかな? 残ってないかな? 無かったら作ることになるし、材料を買っておこうかな。



「う〜ん、お野菜を育てたい。手持ちが肉しかねぇぞ」



 野菜の種とか売ってるのか? ってか野菜って、フィールドで採取できるのか? 買うしかないのかな。

 いや、種はあるはず。じゃないと城の裏に農場がある意味がないからな。



「お? 今日は人がいる」



 ウチの城の門の前に、数人が突っ立っていた。



「今の俺はエンカウントせずに通れる。ごめんよプレイヤー達。『フラカン』」



 真ギュゲの気配隠蔽を使ってから空を飛び、敷地に入った。



「フー、シリカ。ただいま〜」


「おかえりなさい! どちらに行かれてたんですか?」


「おかえり、お兄さん! なんかすっごい音がしてたけど、あれお兄さん?」


「そうだな。ドゥルム鉱山まで行ってて、帰りにワイバーンと出会ったから、フー達無しのフルパワーで雷撃ったらあんな音が出た」


「「おぉ〜」」



 いや、戦神の効果を舐めてただけなんだがな。

『3倍? 言うてそこまでっしょ』って気持ちがあったから、あんなに音が出るとは思わなかった。



「あれ、音的に雷神の方が使う雷に匹敵してましたよね」


「うんうん。過去のフー姉ちゃんでもあれは無理でしょ?」


「はい。あの音が出る威力は無理ですね。もう少し弱かったら......できるかも」



 神、すげぇ。あんなのポンポン使えるのか?

 俺は戦神使ってようやくあの威力だったのに、やっぱり神は強いな。



「あ、お昼ご飯ある? お腹空いた」


「あるよ! 狐ちゃんが『ルナ君が帰って来た時用に』って、取ってたね」


「おっけ、ありがとう。じゃあ2人とも、適度に休憩と遊びを交えて、頑張ってな」



「「は〜い!!」」



 そうして2人と別れた俺は玄関の扉を開けた。



「はい、ただいま。と」


「おかえりなさい、父様」



 リルが玄関で出待ちをしており、俺が入るや否や、飛びついてきた。



「あぁ、ただいま。ソルの方はどうだ?」


「かなり悩んでましたね。オリハルコンのみでやると、やはり難しいみたいです」


「ふっ、そんな気はしてた......1割ほど」


「殆どしてないじゃないですか!」


「いや、上手くやるかな? って信じてたからな。まぁ大丈夫だ。俺も一応、手助けできるはずだから」


「はい。裁縫のお部屋にいますので、そちらに行ってあげてください」


「うん......ん? リルは?」


「フーさん達のお手伝いをしに行きます」


「そっか。頑張ってな」


「はい!」



 トテトテと庭に歩いて行きリルを見送ったら、俺は裁縫室......裁縫室? 呼び方が分かんないが、取り敢えずソルの居る部屋の前に来た。


 コンコンコン、と3回ノックする。



「は〜い!」


「私だ」


「ルナ君? ど〜ぞ〜」


「邪魔をする......ただいま」


「おかえり! なんか凄い音してたけど、あれルナ君?」



 シリカと同じ事を言われた。思考回路が似てるのかな?



「そうだぞ。ワイバーンにちょっとな。お陰で『雷神』なる称号を手に入れた」


「おぉ! おめでとう!......あ、お昼ご飯出すね!」


「ありがとう。2重の意味で、ありがとう」



 今日のお昼ご飯はサンドイッチだったようだ。



「で、悩んでるだって? リルから聞いた......言ってみ?」



 サンドイッチを食べながら聞きますよ。



「えっとね、オリハルコンだけだと、布感と言うか、衣服として成り立たない気がするの」



 ハムサンドを咀嚼していた俺は、ちゃんと飲み込んでから答える。



「......まぁ、金属オンリーだったら鎧と変わらんからな」


「あ! それだ!!......でも私、布とか持ってないよ」


「そう言うと思ってな。はいコレとコレ」



 俺は『岩石の蛇革』と『ワイバーンの皮』を出した。



「あぁ、ワイバーン。っとこれは何?」


「それは『ララ・バジリスク』っていう、レベル120のモンスターの皮」


「え?」



 まぁ、驚くよな。俺も驚いたもん。



「だ、だからコレ......レア度が12も......」


「ん? そんなにあるのか? 知らなかった」


「倒した本人さん? 大丈夫ですか?」


「大丈夫であります。既存の攻撃方法の全てが防がれて、ちょっと焦ったくらいであります」


「防がれたの!? って事は、イグニスアローとかも全部?」


「あぁ。クロノスクラビスは効いたけど、他はほぼ無効化された。チャージしたサンダーですら歯が立たなかったよ」


「えぇ......よく倒したね?」



 本当、よく倒したよ......あ、サンドイッチ無くなった。



「ごちそうさまでした。まぁ、倒したってより、急激な温度変化で()()()()ってのが正しいんじゃないか? その皮を見ての通り、体が石やら宝石やらで出来てたからな。冷やして温めたんだ」


「なるほど。ビー玉みたいな感じかな?」


「......まぁそうだ」



 確かビー玉をフライパンで熱してから水に入れると、熱膨張したビー玉が急激に冷やされてヒビが入り、そのヒビが綺麗に見える! 的なやつだっけ。



「で、でですよ。その2つの皮。その2つにオリハルコンを合わせて、何とかローブに出来ないか?」


「出来る......これなら確実にできるね......どうして思いつかなかったんだろう」



 う〜ん、分かる。

 結構簡単なことを、自分なりの解釈のせいで難しく考えてしまい、結果的に上手くいかないこと、あるよなぁ。



「蛇革の方は合計10枚。ワイバーンは数百枚あるから、とりあえず置いとこうか?」


「うん、お願い」


「はいよ〜」



 俺は机の上に蛇革を9枚、ワイバーンの皮を50枚程机の上に出した。



「あぁ、ゲームとかである『ドラゴンローブ』とかって、これで作れるのかな」



 ドラゴンやワイバーンの素材を使った、いかにも強そうな装備。アレ、着てみたいな。




「む......むむむ!」



 ソルが可愛らしい唸り声を上げている。



「どした〜?」


「この皮、切れない......」



 どうやら蛇革に苦戦しているようだ。



「ちょっとハサミ貸しな。どう切るんだ?」


「ここからここ。この線の通りに切って」


「任せなさい。STR爆上がりした、このルナ之助が切ってやる」


「おぉ。頑張って!」



 ソルからハサミを受け取ったので、まずは普通に切る。



「うん。硬すぎやな。でも......」



 魔力を纏わせたら、どうかな?



「ん......んんん!......き、切れるけど、硬い」



 まぁ、ダメでした。物理と魔法、両方に強すぎだろコイツ。



「やっぱりダメかぁ......どうしよ」


「まぁソルよ。落ち着きたまえ。私達にはあの存在がいるだろう?」


「あの存在?」


「そう......シリカ!」



 シリカを顕現させた。



「どうしたの? お兄さん」


「シリカ、ハサミになれるか?」


「あ、それは無理。双剣ならなれるからそれで良い?」


「おk」


「は〜い」



 俺の両手に双剣となったクトネシリカが装備される。



「『魔纏』からの『斬』」



 スパッ!



「おぉ! 切れてる! 凄いよルナ君!!」


『何これ、結構硬いね。幻獣未満ではあるけど、かなり強い生物の皮?』


「正解。それはララ・バジリスクの皮だ」


『あ〜あれね! それは硬いよ。ってかこれ、服にする気?』


「そうだな」


『ははは!! 面白いね、お兄さん達。この皮ってね、家の壁だったり、城の外壁とかに使ったりする皮だよ? こんなの服に使ったら、歩く要塞だよ』


「「えぇ......?」」



 何それ知らないんだけど。ってかこれが完成したら、ソルが空飛ぶ要塞になるのか?



『この皮、持ったんだから分かるでしょ? 見た目に反してとても軽く、だけど見た目通りにとても硬い』


「「うん」」


『だから、これは加工されず......いや、加工できず、外壁とかに使われるんだよ』


「「へぇ〜」」


『ま、とりあえず切りなよ』


「あいよ。『斬』」



 それから時間をかけ、言われた通り丁寧に切っていった。



「これで......よし!!」


「ありがとう! ルナ君、シリカちゃん!」


「『気にするな / 気にしないで!』」



 ソルの魔女っ子計画の為だ。出来ることなら何でもするぞ。



「にしてもこれ、外側はゴツゴツした見た目だけど、大丈夫なのか?」


「大丈夫だよ! この上にオリハルコンの布を乗せて、さらにその上からワイバーンの皮で挟むの!」


「なるほど。強度に強度と強度を合わせるのか」


「ふふっ、そうだね! それにオリハルコンはルナ君が魔力を込めたからね。付与される効果は大きいよ?」


「ん? そんなに変わらないだろ?」



 そりゃあプラシーボ効果って奴ですよソルさん。でもそう言ってくれるのは嬉しい。



「え? ルナ君は見てないの? あのオリハルコンの糸の名前、『愛情の金糸』ってなってたよ?」



 え?



「ま、マジか。ならアレ、相当強く?」


「なってるね。でもこれでルナ君の愛に包まれるじぇ......ぐへへ」



 あ、ソルの表情がやばい事になった。これは外ではしてはいけないお顔だ。



「お兄さん、狐ちゃん止めなくていいの?」


「大丈夫だろ。これが衣装作りの休憩になればいい」


「あ〜......なるほどね。じゃあシリカは戻るね?」


「あぁ。ありがとう」


「うん! まったね〜」



 そうしてシリカは庭の方に行った。




「ソル〜、ワイバーンの方もやるぞ〜? 戻ってこ〜い」


「っは! うん、分かった〜! へへへ」




 まだ完全には戻らないようだ。

岩石の蛇革は、見た目はゴツゴツ、触るとスベスベな変な皮です。変な革です。大事なk(ry


次回でローブ完成までいける.....かな?ソルの技量次第ですね。お楽しみに!



ルナ君、ちゃんとサポートしてあげてね!

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