ソルの魔女っ子計画〜番番外外編編〜
番外編の2話です。(2)と書きたくないが為に、タイトル君には犠牲になってもらいました。
「おっ邪魔しま〜っす!!」
扉を進んだ先は、普通の鉱山の洞窟だった。
「えぇ......解放した意味......」
ぼく、ふぇんりるのそざいをあげたよ? むだになったの?
そう思っていると、洞窟の奥から『ドシン! ドシン!』と、大きな足音が聞こえてきた。
「......っ! 面白いな」
『ギュギュッ!!!』
遭遇したのは、岩で出来た大きなトカゲだった。背中や腕の所々にキラキラと光る宝石を身につけている。
そしてこのトカゲ、額に大きな宝石が埋め込まれている。
『ギュ......』
嫌な予感がする。防御しよう。
パチン!
ズッバァァァァン!!!
「あっぶねぇ!! なんだコイツ!!」
トカゲの額にからえげつない威力のレーザーが飛んできた。
咄嗟にクロノスクラビスで防いだが、俺の目の前しか防御できていなかった。
「ふはっ! 床も天井も真っ二つってか? このバケモンがよ」
『ギュギュ!』
「『イグニスアロー』『アウラ』『戦神』」
まだ不死鳥化しているので、イグニスアローの威力は2倍だ。そして戦神を使い、更に3倍の威力に昇華させる。
これで倒せなかったら、ちょっと正気を疑うぞ。
『ギュ!』
「耐えた......嘘やろ?......強すぎやろお前!」
ダイヤゴーレムでさえ蒸発する温度でも耐えるか。
コイツ、もしかしてフェンリルより強かったりする?
「あぁ、君を倒して名前を確認したいよ」
『ギュ......』
頭を上げ、俺に狙いを付けるトカゲ君に俺は魔法を使う準備を整えた。
あぁ、その予備動作、さっきのレーザーだろ?
パチン!
ズッバァァァァン!!!
「ふむふむ......レーザーは対処出来る、と。他の攻撃は無いのかな? トカゲっち」
『ギュギュギュ!!』
このトカゲ、カメレオンのように舌が長く、そそ舌で攻撃するのかと思ったがそうでも無いみたいだ。
パチン!
『ギュ!?』
「お、クロノスクラビスは効くのね。なるほどぉ......いいね、何が効くのか検証と行こうか」
『ギュ!』
クロノスクラビスで動きを止められたのは大きい。これでコイツの弱点を炙り出す。
「『ウォーターボール』『ウィンドボム』」
最初は水から。ウォーターボールの飛ぶ勢いを、ウィンドボムで爆発的に加速させてぶつける。
『ギュ!』
「効かないのね。ふ〜ん。俺が弱いからかな?」
INTが最低値だからな。おバカ故に魔法の攻撃力が低い。
「じゃ次。『サンダーチャージ』『サンダー』」
バチィィイン!!!!
『ギュ!』
「耐えるか。ヤバいな」
今あるMPの大半を使ってチャージしたが、トカゲは耐えた。
「何お前? ラスボス? やっぱりここ、裏ダンジョン的なやつなんじゃ?」
『ギュ?』
「君みたいな子はね、普通のフィールドから進んだとこにいちゃいけないんだ。プレイヤーが勝てないと、つまんないって言われるぞ?」
『ギュ?』
「まぁ、俺のINTが弱いから倒せない、という説はある。君のせいじゃないかもしれない」
『ギュ』
こいつ、どうやって倒そうかなぁ。今ある俺の攻撃魔法じゃ絶対に倒せない気がしてきた。
「ねぇ、君の弱点はどこ? なに?」
『ギュ』
「分かんねぇわ。その宝石か?」
あのレーザーを照射する宝石が弱点かな。そういうの、あるよね。目立つ部分が弱点の敵キャラ。
「『マグナ』『サンダーチャージ』『サンダー』」
バチィィ!!!
『ギュ!』
「宝石も耐えるんすね。君、最強じゃん。幻獣になる?」
『ギュ?』
はぁ......倒せないな、これ。逃げようか。
「いや、まだある。アルテ」
弓なら効くとか、ないかな?
バシュン!
キン!
『ギュ!』
「でしょうね。『魔弓術:炎槍』」
ボウッ!!
『ギュ!』
「ふ〜ん、やるじゃん?『魔弓術:水槍』」
バシャッ!!!
『ギュ!』
「や、やるじゃねぇか......『魔弓術:雷槍』」
バチィッ!!!
『ギュ!』
「......あ、そうだ。『アイスエリア』」
ちょっと思いついた事があるので、トカゲ君の足元をキンキンに凍らせてもらう。
『ギュ!』
「まぁ、環境変化にも強いのは予想してた。ダイジョブダイジョブ」
でも、急激な温度変化はどうだ?
「『イグニスアロー』『アウラ』『サーキュレーション』」
イグニスアローを超高温にし、サーキュレーションで外部に温度を流さない。
「ふぅ.......飛べ!」
ボウッ!!
『ギュギュギュ!!!』
ズバァァン!!
『ギュ......』
「......や、殺れた」
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『ララ・バジリスク』を討伐しました。
『岩石の蛇革』×10入手しました。
『高純度ルビー』×5入手しました。
『高純度サファイア』×5入手しました。
『高純度エメラルド』×5入手しました。
『破壊石』×2入手しました。
『光線石』×1入手しました。
レベルが15上がりました。150SP入手しました。
『魔弓術』スキルレベルが23上がりました。
『戦神』スキルレベルが12上がりました。
『不死鳥化』スキルレベルが21上がりました。
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「ほぇ?」
れべるが、じゅうご、あがりました。
「......ん?」
理解が追いつかない。なんで15も上がった?
「ちょ、ちょい待て。モンスターリスト、そう、モンスターリストに書いてあるかもしれん」
あれ、人に聞かずに更新されるのから知らんが、もしかしたら書いてるのかもしれん。
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『裏・ドゥルム鉱山』
(レア)
『ララ・バジリスク』
物理、魔法がほぼ効かない
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「まぁ待て。落ち着くんだ俺。もしかしたら更に詳細が分かるかもしれない。そこにはちゃんとしたレベルが書いてあるはずだ」
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『ララ・バジリスク』Lv120〜130
ドゥルム鉱山の奥地にごく稀に出現するトカゲの様な蛇。
普段は温厚で、出会うだけでは攻撃はしてこない。
だが、火を見ると一気に凶暴化して襲いかかってくる。
普段はモンスターの血肉か鉱石や宝石を食べているせいで、国王ですら血涙を流すほど高価な肉となっている。
そして、このモンスターの1番の特徴は、その攻撃方法。
額にある『光線石』から繰り出される、超高威力の光線は、例えドラゴンであっても両断される。
皮膚が特殊な岩石で出来ており、職人の業物であっても刃こぼれするほどの硬さ。
出会った場合は逃げることがギルドで薦められている。
但し、倒した場合の経験値は並のモンスターの数千倍となる。
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「『不死鳥化』......解除」
知らないよ。
なんでレアモンスターと出会うんだよ。
なんであんなに強いんだよ。
なんで肉を落とさないんだよ。
光線石ってなんだよ。
本当に『裏・ドゥルム鉱山』だったよ。
「よし、切り替えよう。これからはこういう、フェンリルクラスの敵がわんさか出るかもしれないんだ。慣れておかないと」
今後もっと強いモンスター......神龍と戦うのが確定しているんだ。今のうちに経験を積んでおこう。
「レベルの表示をして倒してみるか」
そうして裏鉱山を進み、5分経った頃――
『ガガガ、ガガ!』
『ガ、ガガガ!!』
『ガギャ、ガギャギャギャ?』
『『『ギャ!』』』
「『イグニスアロー』『アウラ』『戦神』」
『『『ギャ......』』』
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『イビルゴブリンLv90』×3討伐しました。
『オリハルコンの剣』×2入手しました。
『瘴気の毒牙』×3入手しました。
レベルが2上がりました。20SP入手しました。
『戦神』スキルレベルが3上がりました。
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「ふ〜ん、『イビルゴブリン』レベル90ねぇ......?」
レベル90のモンスターが雑魚として出てくるようだ。
「......地獄だな。でも、レベリングに最適?」
『最弱無敗』のお陰で、ぐんぐんレベルが上がっていく。
「ま、いっか。か〜えろ。ご飯食べたいし」
もう14時になっている。トカゲやら考察やらに時間をかけすぎた。
「じゃあな、ここのボスであろう誰かさん。また来るよ」
そう言って俺は、『裏・ドゥルム鉱山』及びドゥルム鉱山から出た。
「ん〜!! 外の空気、いいな!!」
裏鉱山は空気が重かった。きっと魔力的な何かがあるんだろうな。
「『フラカン』」
ゆっくりと空中散歩を楽しんで帰ろうかな。
「はぁ......もっと強くならないとなぁ......ソルならあの蛇トカゲ、すぐに倒せるんだろうけど......俺はなぁ」
きっとソルなら、DEXに任せてバ火力のミストルティンで粉砕する。
「あ、ワイバーン」
王都に向かって、大体上空20メートルくらいを飛んでいたら、ワイバーンを見つけた。
『ガァァァァァァ!!!!!!』
「うるさっ!」
パチン!
ズドォォォン!!!
「飛べない竜はただのトカゲ。お疲れ様、トカゲ君。『サンダーチャージ』」
クロノスクラビスによって地に落ちたワイバーンを見下ろしながら、俺の目の前に大きな雷の魔法陣が出る。
「『サンダーチャージ』『マグナ』」
『ガ、ガァァァ!!』
「『サンダーチャージ』『戦神』」
オーバーキルでごめんなさい。君が視界に入ったのがいけないんだからね!!!
「『サンダー』」
カッ!!
「うおっ、眩し!」
チュドォォォォォン!!!!!
「み、耳が......ミミガーになるぞ......」
ミミガーとは、沖縄で親しまれている豚の耳の皮だ。コリコリとしていて、意外に美味しい食べ物だ。
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『はぐれワイバーンLv90』を討伐しました。
『ワイバーンの肉』×270入手しました。
『ワイバーンの鱗』×180入手しました。
『ワイバーンの皮』×90入手しました
『ワイバーンの心臓』×1入手しました。
レベルが1上がりました。10SP入手しました。
称号『雷人』を獲得しました。
称号『雷神』を獲得しました。
称号『雷人』は『雷神』に統合されました。
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「え、えぇ?......とりあえず、心臓はありがてぇ」
ソルに渡して、今日の晩御飯にしてもらおう。
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『雷人』
・雷系の魔法攻撃の威力が1.5倍。
雷を使用した攻撃で、一定以上のダメージを与える事で獲得。
『雷神』
・雷系の魔法攻撃の威力が2倍。
・自身で生成した雷を操る事が出来る。
・『雷人』を統合する。
雷を使用した攻撃で、一定以上のダメージを与える事で獲得。
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「らいじんがらいじんに統合された......」
思わぬ収穫があったな。この称号、とんでもなく強い。
「よ〜し、暖かいお家に帰るぞ〜」
真っ直ぐに王都に向かおう。もし次、ワイバーンに出会ってもスルーするからな。
「あ、バジリスク戦でシリカ達を呼べば良かった」
ちょっぴり後悔しながら、王都まで飛んでいきましたとさ。
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名前:ルナ Lv79→97
所持金:80,810,590L
種族:人間
職業:『剣士』『ヴェルテクス:ギルドマスター』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:魔法士・Dランク冒険者(20/200)
Pギルド:『ヴェルテクス』
HP:1,880→2,060<1,000>
MP:2,382→2,562<1,500>
STR:2,800→2,980(200SP)
INT: 800→980
VIT: 1,300→1,480(50SP)
DEX: 2,300→2,480(150SP)
AGI: 1,000→1,180(20SP)
LUC:400→490
CRT:50(限界値)
残りSP:370→550
『取得スキル』
戦闘系
『剣王』Lv100
『魔剣術』Lv62
『王弓』Lv100
『魔弓術』Lv44→67
『武闘術』Lv100
『魔闘術』Lv1
『刀王』Lv100
『魔刀術』Lv100
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
『戦神』Lv1→16
魔法
『火属性魔法』Lv100
『水属性魔法』Lv100
『風属性魔法』Lv100
『雷属性魔法』Lv100
『氷属性魔法』Lv100
『自然魔法』Lv100
『龍魔法』Lv94
『古代魔法』Lv1
生産系
『神匠:鍛冶』Lv100
『神匠:金細工』Lv100
『裁縫』Lv99
『調薬』Lv1→82
『神匠:付与』Lv100
『木工』Lv1
『料理』Lv15
『神匠:錬金術』Lv1→23
その他
『テイム』Lv2
『不死鳥化』Lv7→28
『マナ効率化』Lv0
<>内アクセサリーの固定増加値
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やったねルナ君、強くなれるね!(おいやめろ)
これにて番外編は終わりです。心臓のお土産も出来ましたし、良かったですね!
次回から衣装編に戻ります。お楽しみに!