大金と耐久値と約束と
耐久値!
「こんにちは〜」
「こんにちは、ルナさん。お疲れ様です。今日はどうされました?」
「今日は買い取りですね。剣術スキルのレベル上げをしていたら、とんでもない数のドロップ品が集まったので」
「分かりました。ではボックスの方に出してください」
そして俺は『スライムの核』184個、『インフィルボアの肉』912個をボックスに入れた。
他の素材は防具制作の時に必要になると思ったからだ。
そう言えばアウルさんのとこに顔を出していないな、今日はフェルさんとアウルさんのとこに行くか。
「ルナさん。またとんでもない数集めてきましたね。『スライムの核』はまだ予想範囲内ですが『インフィルボアの肉』の数は予想の数倍です。どれだけ狩ったんですか?」
「あぁっと確か、スライムは520体、ボアは480体くらいのはずです。今回の狩りで剣術レベルがめちゃくちゃ上がりましたからね、そっちに意識が向いててドロップ品の事は全然考えてませんでした」
「確か稽古が終わってから大体10時間くらいですよね? とんでもないスピードで狩り回ったんじゃないですか?」
「そうですね、それくらいの時間です。早いかどうかは分かりませんがずっと走り回ってボアを狩っていました。そのお陰で『走法』スキルが取れたんですよ」
「それはまた凄いですね。初めてですよ、1日でボアの肉を900個も持ってこられたの。あとおめでとうございます。『走法』スキルは取るのが疲れるのであまり取る人は居ないんですよね......」
「そうなんですか? どうしてでしょうね?」
「それは、『全力』でずっと走らないといけないからですよ。誰でも全力疾走をすれば疲れますからね。ルナさんも結構疲れたのでは?」
全力疾走か、それは疲れるだろうな。だが俺は剣術のスキルレベル上げに夢中だったからな。全然疲れていない。
「スキルレベルを上げるのに夢中で、全然疲れを感じていないんですよ。VITはレベルの分そのまんまですから、普通の人より低いとは思いますが」
「それは凄いですね! 意志の強さで疲れを感じないってそれ程没頭されたんですね」
「没頭......確かに没頭してましたね。気づいたら9時間以上狩ってましたから」
そんな話をしていたら買い取りが終わったようだ
「はい、今回の買い取りはちょうど64000Lですね。ボア肉は1つ50Lです」
「おぉ、大金ですねぇ。これは10万Lを目指すのもいいかも知れません」
「ふふっ。そうですね。お金が溜まったらリンの所で魔糸製の服を買うのをオススメしますよ。高いですが性能は良いですからね」
「なるほど、そうします。今日はありがとうございました!」
大金を受け取り、俺はフェルさんの店にきた。
「こんにちは!」
「おうらっしゃい! ってルナじゃねぇか! どうしたんだ今日は?」
「はい、武器のメンテナンスをお願いしに来ました。今までメンテナンスに来てなかったので耐久値がやばいんですよ」
「そうか! 任せろ!」
俺はアイアンソードをフェルさんに渡した。
するとフェルさんが剣の修理をしながら話しかけてきた。
「そうだルナ、今までどれだけモンスターを倒したんだ? これだけ耐久値が減ってるならそこそこ倒したんだろう?」
「そうですね、今までで1300体くらいでしょうか?」
するとフェルさんが口をあんぐり開けていた。
「嘘だろ!? この剣じゃそんな数のモンスターを倒す前にぶっ壊れるぞ!? どうやってこんなに長持ちさせたんだ?」
うーん。考えられるのは剣術スキルの恩恵だな。
「あ、それは剣術スキルのレベルのせいだと思います。今では95レベなんで、多分ちょっとやそっとじゃ耐久値は減らないです」
俺がそういうと、フェルさんは更に驚いた。
「95!? お前どんな訓練してんだ? 見たところ30レベ位だろう?それでそのスキルレベルって......地獄のような訓練でもしているのか?」
おぉ! 現地人は語り人のステータスが分かるのか! って言うことは最初に街を出た時に門番の人が心配そうな顔をしていたのは称号を見たからかな?
「地獄ではないですよ、楽しいですし。スライムとボア相手にずっと斬ってただけです」
「そ、そうか......まぁ、体には気をつけろよ? 語り人だから死なないとはいえ自分の身は大切にな?」
「もちろんです。今までHPは半分切ったことないですから。超安全思考です」
あ......安全思考のやつはレアモンスターには突撃しないか。っともうメンテナンスが終わったようだ。
「ほい、出来たぞ」
そう言って剣を渡された。
「ありがとうございます!」
「おう! また持ってこい! っとそうだルナ、お前さん『鍛治』スキルを取る予定はあるか?」
どうしたんだろう突然。そう思いながら答えた。
「ありますね。というか今日、防具屋さんで習う予定です」
「そうか! なら暇ができたらうちに来い! 武器の作り方を教えてやるよ」
「いいんですか!? それなら是非、お願いします!」
有難い! いずれは武器も作ろうか考えていたが、フェルさんが良い人すぎたからな。そのフェルさんから教えてもらえるなら有難く覚えさせてもらおう。
「おう、その時は何も持ってこなくていいぜ。道具と材料もこっちで用意するからな!」
「本当にありがとうございます! 防具屋で習って、余裕ができたら直ぐに来ます!」
そう言って俺は防具屋へ向かった。
「アウルさん、こんにちは!」
「あら、ルナ君じゃない! 今日は防具の作り方を習いに来たの?」
「はい! インフィルボアの素材もいっぱいありますのでそちらの買い取りもお願いします」
そう言って俺は『インフィルボアの皮』を400枚出した。端数は後で自分の練習用に残しておく。
「あらまぁ、沢山持ってきたのね! 多くても100枚くらいだと思ってたからビックリしたわ〜」
そう言いながら渡した皮を奥に持って行った。
そして
数分ほど待っていたらお金を持って、帰ってきた。
「はい、買い取り金の2万Lね〜。ギルドじゃ1つ75Lなんだけど、ごめんね?」
「いえ、買い取り金については前に言った通り、全然問題ありません!」
「ありがとね〜。じゃあ、ペリルのとこに行きましょうか」
お、遂に教えてもらえるのか! ワクワクしてきたぞ!
「はい、よろしくお願いいたします!」
「着いてきて、こっちよ〜」
着いて言った先は店の裏にある工房だった。
入ってすぐのとこには防具の材料と思われる物が大量に置いてあった。
「ペリル〜? 入るよ〜?」
「おう、入ってくれ」
返事が帰ってきてからアウルさんは奥にある扉を開けた。
「ペリル〜、この子はルナ君よ〜。前に言ってた防具作りを習いたい子よ。教えてあげてね?」
「ルナです。よろしくお願いいたします、ペリルさん!」
「おう、よろしくな」
「じゃあ私はお店に戻るね〜。ルナ君頑張ってね〜!」
そう言ってアウルさんは戻って行った。
「んじゃ、まず『鍛治』から覚えるか。こいつは色んな生産系スキルに必要だからな、絶対に覚えておけ。それと━━━━━━」
そんな感じで『鍛治』スキルのみならず、色んな生産系のスキルを教えてくれた。感謝の気持ちでいっぱいだ。
「よし、こんなもんだろう。後は自由に使ってレベルを上げてくれ。何か質問はあるか?」
「いえ、ないです。今日は本当にありがとうございました」
「いいってことよ。んじゃ、頑張れよ」
こうして俺は『鍛治』『裁縫』『木工』『金細工』そして『錬金術』のスキルを獲得した。
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名前:ルナ Lv30
所持金: 104,700L
種族:人間
称号:『剣士』『スライムキラー』『ボアの天敵』『モンスターキラー』『最弱無敗』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:390
MP:390
STR:310
INT: 310
VIT: 310
DEX: 310
AGI: 310
LUC:155
CRT:24
残りSP:290
取得スキル
『剣術』Lv95
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
『鍛治』Lv1
『金細工』Lv1
『裁縫』Lv1
『木工』Lv1
『錬金術』Lv1
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生産系に手を出すと止まらなくなっちゃうので第1章では手を出しません。というより出せません!