ソルの魔女っ子計画〜番外編〜
番外編です。楽しんでくださいね!
「ルナ坊や、少し席を外してくれんかね?」
オリハルコンの魔糸で布が出来たら、ソルが席を外せと言ってきた。
「あ〜......集中したいんだな。分かった。リルは?」
「リルちゃんは大丈夫。ルナ君だけ。だってさ、ルナ君が居たら私......ルナ君の事が気になって集中出来ないから......」
おっふ。
「分かったよ。なら、そうだな。適当に依頼でもこなしてくる」
「うん! ごめんね? それとありがとう。頑張ってね!」
「あぁ。行ってきます」
「「行ってらっしゃい!」」
という訳で、城を出て冒険者ギルドまで来た。
「あぁ......やらかした。シリカかフーを連れてこれば良かった」
ばーか。数分前の俺、ばーか。
まぁ、ステラとアルテで厳しくなったら顕現させよう。それまでは久しぶりのぼっち旅と洒落こもう。
「すみません、Dランクから受けられる美味しい依頼はありませんか?」
「ありますよ。納品系と討伐系、どちらがいいですか?」
ふむ。納品系って、何かを採取して、それをここに持ってくればいいのかな?
「では納品系で。納品系は初めて受けるので、注意点があれば教えてください」
「分かりました。納品系とは、そのままの意味でございまして、『アイテムをギルドに納品する』ことで依頼完了となります。
薬草などの植物の納品の注意点は、『品質』『切り口』『品種違い』に気をつけて下さい。
鉱石などの納品でしたら、『品質』と『品種違い』にお気をつけ下さい」
切り口、ねぇ。ヘルバハーベスト君は大丈夫かな?
「納品系って、植物と鉱石の2種類だけですか?」
「いえ、モンスターからの入手品の納品もあります。そちらに関しては『討伐に気をつける』くらいしか言うことがないんですよ」
「なるほど。ではそれを踏まえてオススメの依頼はありますか?」
「こちらはどうでしょう? Dランクなら丁度良いかと」
そう言って受付嬢さんは1枚の紙を差し出してきた。
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『クエスト:石ころ×495個の納品』
受注条件:Dランク以上
人数制限:2人まで
場所:不問
報酬:1,000L
概要:様々な場所、モンスターから入手できる『石ころ』の納品。
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「石ころって、何かに使えるんですか?」
「はい。研磨する事で、稀に宝石が見つかることがあるんですよ。そして宝石は魔石やアクセサリーに使えるので、そのために石ころの納品依頼があります」
おぉ! あの時の予想は合ってたんだ!!
これはアレだな、『石ころガチャ』と名付けて、研磨しまくるのもありだな。
「なるほど。ではこれを受けます」
「はい! お気を付けて行ってらっしゃいませ」
今回は石ころ納品の依頼を受けた。
ゴーレム5体討伐するだけですぐに終わるからな。変に時間がかかっても面倒だし、この依頼でいいんだ。
そうしてギルドを出て、鉱山側のペリクロ草原まで来た。
「よし、空飛んで鉱山まで行こっと」
フラカンの飛行テストだ。速度や安定性、応用が効くのかを確認する。
「『フラカン』......お、おぉ」
今、垂直に空を飛んでいる。地面から1メートルくらい浮いたかな?
「ん......ん〜?......あ、体重移動か」
魔力の動きを操作してみたが動かなかった。
だが、体の重心を傾けると前に進んだ。
「箒だとどうなるのか、ちゃんとチェックしないとな。とりあえずこのまま飛んでこっと」
ソルには実験台になってもらおう。ごめんね。
「お〜っほほ〜! た〜のし〜!!」
ビビって1メートルくらいしか浮いてないけど、それでも空を飛ぶのは楽しい。
「え、何あれ。人?」
「人でしょ? ってか飛んでね?」
「やば、スクショ撮っとこ」
「というかアレ、ルナじゃ?」
「「「あぁ!」」」
ヤベッ、ちょっと離れたところに居たプレイヤーにガッツリ見られた。
でもいい! だって今の俺、空を飛んでるから! 何でも許せる気持ちだ!!
「あ、カラスだ」
皆大好き『クロウ』に見つかり、こちらに急接近して来た。
『ガァァ!!』
「よし、アルテ!『魔弓術:炎槍』!」
空中でアルテを顕現させ、魔弓術を発動させる。
『ガァァァァ!!!』
「うぉ、バランス取るのムッず! オラァ! 必中ぅぅ!!」
バランスを崩しかけたが、アルテの必中に甘えて矢を放つ。
バシュン!!
『ガァ......』
矢は綺麗に頭部へ命中し、クロウは炎上してそのままポリゴンとなって散る。
「うわぁ......空中での戦闘、無理かも」
1万年くらい練習したら、出来るようになるかな?
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『クロウ』を討伐しました。
『硬い羽』×5入手しました。
『鋭い嘴』×1入手しました。
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「よし、次に出会ったら魔法だな! 空中の弓がいかんのだ」
よく考えてみると、足で踏ん張って弦を引く弓を使うのがいけないんだ。
でも、剣なら飛行の勢いを付けられるかもしれないから、使えるかもしれん。
だがその点、魔法なら少し集中するだけで使えるからな。確実に戦闘できるだろう。
そして少し高度を上げ、2メートルくらいの位置を維持しながら空を飛び続けた。
まだビビっているのは内緒だ。
「あぁ、無事に着いてしまった......」
あれから一切接敵せずにドゥルム鉱山まで着いてしまった。
「う〜ん、ガッデム」
なんで接敵しないんだよぉ!! 空中で魔法を使う練習が出来ないだろう!?
「もういい。鉱山の奥まで行ってやる。最奥まで覗いちゃうもんね〜」
練習は帰りにしよう。今は依頼だ。
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『ロックゴーレム』×7討伐しました。
『石ころ』×693入手しました。
『鉄鉱石』×35入手しました。
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「よし、後は持って帰れば依頼は完了だ」
結構浅いところでゴーレムが出てきたので、すぐに必要分は集まった。
「鉱山への奥は......ジュエルゴーレムの所から行けるかな?」
折角鉱山を解放したのに、行き方が分からない。
黒ゴーレム君や鉱山の意思は、どうしてそういう大事な事を言わなかったんだろう。
「嫌がらせかな? いいぞ、乗ってやる」
もしボス部屋から続いてなかったら、鉱山の隅から隅まで探索してやる。
「『サーチ』これでおk」
変な通路が無いか、魔法で確認しながら行こう。
そうして適当に歩いていると、何事もなくボス部屋前まで来た。
「お邪魔しマリモ」
『ゴゴゴゴゴゴ!!!』
「午後午後うるせぇな。まだ午前だ」
現在時刻、11:30でございます。
『ゴゴゴゴゴゴ!!!!』
「『フラカン』」
ドッガァァァン!!!
ジュエルゴーレム君がとんでもねぇパワーで殴ってきたが、空を飛んで回避する。
「ボス部屋、広いねぇ。ウチの城と同じくらい? もっとある?」
魔法で自由に飛べるくらいには大きい部屋だ。
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!』
「『イグニスアロー』『アウラ』『不死鳥化』」
空中で魔法を2つ、スキルを1つ使った。
「ほれゴーレム君、見てみ? パッと見は炎の翼で飛んでる見たいだろ? 実はこれ、自前の魔法なんだぜ」
『ゴゴゴゴ!!!』
「だろ? すげぇだろ? じゃあな、金策モンスター」
酷い言い方をしてごめん。でも君、プレイヤーからお金として狙われてるでしょ?
『ゴゴゴg......』
ジュン!
「蒸発ゥ!! アウラ達だけでも強いのに、不死鳥パワーが相まって可哀想な事になったな!」
炎系は2倍の威力だ。ゴーレム君も喜んでくれただろう。
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『ダイヤモンド:ジュエルゴーレム』を討伐しました。
『ダイヤモンド』×35入手しました。
『オリハルコンのインゴット』×25入手しました。
『アダマントのインゴット』×15入手しました。
『ルビー』×20入手しました。
『サファイア』×20入手しました。
『エメラルド』×20入手しました。
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「アダマント落ちるじゃん!!! お前、最高だな!」
ってかダイヤゴーレムだったな。気付かなかった。
「よし、アダマントが足りなくなったら鉱山周回しよ」
量産できるぜ。ぐへへへ。
ギィ......
「ん? あ、扉だ......ん? 反対側?」
ボス部屋に入るための扉の、反対側の扉が開いた。
ってか両方開いた。
「なるほど。やっぱりボス部屋からだった訳だな。いいよいいよ。お兄さん、そういうの好きよ?」
裏ダンジョン的なやつ、大好物です。
「ではでは、おっ邪魔しま〜っす!!」
久しぶりの戦闘ですよ!ワクワクします!
それとドゥルム鉱山の続き、どんな場所なんでしょうね?こちらもワクワクします!
では次回も、番外編の続きと行きましょう!その後に衣装編に戻りたいです!
では、次回もお楽しみに!