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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
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ソルの魔女っ子計画〜空飛ぶ箒編〜(終)

空飛ぶ箒、最終回です。涙が出ますね(真顔)

 


「よし、箒の仕上げにかかろう」



 晩御飯を食べ、ソルとリルを置いて鍛冶小屋に来た。


 ちょっと1人でやりたかったからな。完全に没頭できる環境でやる。



「ネタ切れ解消にはやっぱり、魔法を作るしかないか」



 移動、攻撃、防御の魔法は搭載したんだ。あとの......何かを載せたいな。



「となると、回復やバフ、デバフか......俺、聖属性とか持ってねぇよ......」



 ただの怠慢だ。魔法を覚えることを面倒くさがった俺が悪い。



 今ある物で、何か新しい魔法は作れないものか。



「......採取用の魔法とかどうだろ」



 風属性魔法の『ウィンドスラッシュ』を元に、風の鎌で草を刈り取る魔法とか作れないかな。


 魔女と言えば薬。薬と言えばポーション。ポーションと言えば薬草と、そう言う感じに連想した。



「う〜ん、でもそのまま切ったら元の植物がダメになるかもしれんしな......」



 薬草の切り口を塞ぐ魔法とか、植物を回復させる魔法とかないかな?



「あ! 木魔法!」



 おいおい、なんでこんな簡単な事が思いつかなかった。木魔法、というより自然魔法ならその分野は十八番だろう。



「頼むぞ、自然魔法。魔法作成!」



 今回作るのは、『狙った植物を風の刃で刈り取り、回復する』魔法だ。


 結構複雑なイメージのせいか、魔法陣の円は25個だ。



 そして今回は実験もかねている。それは『既存の魔法の応用』が出来るのか、ということだ。


 今から作る魔法で言うと『サーチ』と『ウィンドスラッシュ』の応用となる。



 さ、イメージを固めよう。まずは発動する順番からだ。


 サーチで採取対象を探し、ウィンドスラッシュで刈り取る。そして植物の傷を、魔力で覆って回復するイメージだ。



『カチン!』

『カチン!』

『カチン!』

『ガン!』

『ガン!』



 これは3ミスと捉えるか、2パーフェクト3グレートと捉えるか。


 ここはモチベーションの為に後者で捉えよう。



 次に発動速度だが、これは1秒だ。


 認識から行動までに1秒もあれば十分だろう。



『ガン!』

『ガン!』

『ガン!』

『ガン!』

『ガン!』



 これは完璧判定なのね。なんか緩くなってない?大丈夫?ソルの尻尾揉む?



「脱線しちゃいかん。集中しろ」



 尻尾の事は後で考えよう。



 そして次はスキルレベルだが、まぁ大丈夫でしょ?レベル100だぞ?



『カチン!』

『カチン!』

『ガン!』

『ガン!』

『カチン!』



 なんだ? まだレベルが足りないのか? 嘘だろ?

 まぁ、なってしまったものはしょうがない。受け入れるしか道がない。



「最大MPはそこまででしょ」



 サーチとかを使うとは言え、そこまで必要にならないだろう。



『ガン!』

『ガン!』

『ガン!』

『ガン!』

『カチン!』



「ぬぅ......何故この魔法にこんなに苦戦してるんだ......」



 採取用とか言ったからダメなのかな。知らんけど。

 では最後、お名前タイムだ。



「『ヘルバハーベスト』」



 名前の意味はそのまんま『草の収穫』という意味だ。どうかな?



『カチン!』

『カチン!』

『カチン!』

『カチン!』

『カチン!』



 好物だけど、毎日食べたいとは思えない。そんな反応の仕方だな。これは。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『自然魔法:ヘルバハーベスト(消費MP:60)』の作成に大成功しました。習得しますか?


『はい』『いいえ』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「はい、と」



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『自然魔法:ヘルバハーベスト(消費MP:60)』を習得しました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 効果確認は後で、とりあえず箒に刻んどくか。



「頑張ろ。足りない分は後から足すとするか」



 魔法を作ったら、その時に箒もアップデートすればいいからな。焦る必要はない。

 そうして3時間ほどが経ち、何とか魔法陣を刻み終えた。



「ではでは、魔石の粉を入れていくぅ!」



 最後の作業だ。これで箒に魔力を流せば、好きな魔法が発動するだろう。



「これ......何のスキルで粉にするんだ?」



『聖神魔石:インフィニティレイ』は鍛冶スキルでは粉末に出来ないだろう。かと言って、錬金術や裁縫スキルでも無理だろう。



 となると――



「『調薬』......だな」



 漢方薬とか、乾燥させて粉末化したやつが多いからな。きっと調薬スキルに粉末化があるだろう。



「粉末化!」


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『聖神魔石:インフィニティレイ』を粉末化しますか?


 成功率:100%


 消費MP:500

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「安いな。最高だ」



 確定かつ低燃費。とても良い仕事をしてくれるな、調薬スキルは。

 ......待て、これ本当に調薬スキルだよな? 変な薬になったりしないか?



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『光の星屑』Rare:64を作成しました。


『調薬』スキルレベルが81上がりました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「うぉ! 経験値うんま!! ってか、どんどんレア度上がるじゃん。『ジュエラー』のせいか?」



 あの称号、宝石を使用したアイテムの品質を上げると書いてあったが、まさか素材の段階から適用されてるのか?

 それより、変な粉薬にならなかったことを喜ぼうか。


 わ~い。



「まぁいい。粉を入れていこう。『サーキュレーション』『アウラ』」



 砂鉄を入れていた容器に、魔法を使って『光の星屑』を入れていく。

 この容器、中で粉が混ざらないから超便利だ。


 そして次に、鍛冶小屋の備品にある柄が長い小さなスプーンを持ってきて、『光の星屑』を乗せた。



「金色に光ってるの、めちゃくちゃ綺麗だな。見惚れる」



 正に光の星屑。そう言えるほど、金ピカに光る粉となっていた。

 俺は様々な角度から眺め、充分に満足したので、光の星屑を彫った魔法陣に入れていく。



「これで......いいのかな? いいよな? うん、いいよ」



 魔法陣に粉を入れ終わると、その魔法陣が箒と馴染むように一体化した。



「すげぇ......これで使えるようになったのか?」



 そう思い、箒に魔力を注いでみた。すると――



「おぉ! 浮いた!!」



 フラカンが発動し、箒が浮いた。



「ふんふん、ちゃんと移動も出来るし、完璧だ!」



 左右上下に動くように制御すると、ちゃんとイメージ通りに動いてくれた。



「喜んでくれるかな、ソル」



 空飛ぶ箒が出来たんだ。喜んでくれるといいな。



「っとと、他の魔法陣にも入れていかないと」



 このまま全ての魔法陣に光の星屑を注いでいこう。



 それから30分程度で、全ての魔法陣に光の星屑を注ぎ終えた。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『ルナちゃん特製☆メテオラス』Rare:65 製作者:ルナ


 攻撃力:2,500

 耐久値:∞

 付与効果『範囲拡大』『風の手助け』『焼却』『美化』『太陽光吸収』『顕現』『帰還』『不壊』『生命力増強:1,500』『魔力増強:2,000』『神速回復:魔力』『INT補正:特大』『魔力吸収:5%』『太陽光強化』『月光強化』『星の煌めき』『癒しの光』『鼓舞の光』『感情超強化:愛』

『専用装備:ソル』


 刻印魔法『フラカン』『クロノスクラビス』『アクアスフィア』『イグニスアロー』『アウラ』『茨よ』『蔦よ』『サーチ』『サーキュレーション』『サンダー』『サンダーチャージ』『マグナ』『ヘルバハーベスト』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「で、できたぁぁぁ!!!」



 空飛ぶ箒でありつつ、神器を超えてる(多分)超高性能のアイテムだ!



「俺の知ってる装備の良いところを全部盛ったような効果だ......これ、控えめに言って頭おかしい」



 パッと見でステラ、ブリーシンガメン、グラジオラスの効果は分かる。



 この箒、『メテオラス』は、俺の知ってる武器の中で最も高性能なアイテムだと言えるだろう。胸を張って、これが自信作だと言える。満足だ。




「よし、帰って寝よう! 明日のソルの反応、楽しみだな〜」




 そうして寝室に戻ると、俺のベッドにはリルが先に寝ていたので、そっと布団に潜り、一緒に寝た。




 そして朝――




「おはようリル」


「おはようございます、父様」



 寝癖の付いたリルの髪を撫でながら、俺は昨日の夜の話をした。



「ソルの箒が完成してな。後で渡すんだ」


「本当ですか!? それは楽しみですね!」


「あぁ。じゃ、ご飯にしよう。その後に渡す予定だ」


「はい!」




◇◇




「ソル〜」


「ん〜? どしたの〜?」


「はいコレ。空飛ぶ箒だ。受け取ってくれ」


「出来たの!? ありがとう!」


「どういたしまして。そして性能を見てみろ、飛ぶぞ?」


「どれどれ?............っ!」



 驚きすぎて声が出ない様子だ。



「言ったろ?『飛ぶぞ』って」


「だ、ダブルミーニング......」



 意識も飛んで、箒も飛ぶ。完璧っすわ。



「こ、これ。本当に受け取っていいの?」


「当たり前だ。ソルのために作った、ソルの専用装備だぞ? 受け取らなかったら俺、寝込むわ。一週間くらい寝込みますわ」


「それは......うん、受け取るね! でも私、貰ってばっかだよ......何も返せない」



 お? この期に及んで対価を出すつもりか? そんなの、ソルが隣にいてくれるだけで1万倍になって返って来てるというのに......



「気にするな。俺が好きでやってる事だしな」


「でも、何かお礼がしたいよ」


「そう思うならソルの好きにすればいい」


「じ、じゃあ......ちょっと目を瞑って?」


「ん? はいよ」



 何を渡されるんだろう。

 もしかして、ワイバーンの心臓とか?


 結構気になってたし、期待しておこう。



「い、いくよ?」


「うん」






 ちゅ






「ん?」



 今、ほっぺに柔らかい感覚があった気が......



「ん〜? 目を開けても?」


「う......うん」



 そして目を開けると、目の前に顔が真っ赤なソルがいた。近い。

 ん? 近い? 赤い?


 Oh......今、全てを理解した。



「ありがとう」



 お礼を受け取った側だけど、俺がお礼を言う。

 よし、ちょっと抱きしめてみるか。



「る、るなくん!?」


「感謝の気持ちだよ」



 とっても嬉しいよ。凄く幸せだ。



「え、えへへ......頬っぺにちゅーしちゃった」


「知ってる」



 感覚とその後の表情で理解した。



「ん〜可愛い。今度、リアルでもしてくれるか?」


「あ、当たり前だよ!」


「言質、頂きました。逃がさないからな?」


「も、もちろん! いっぱいちゅーしちゃうもん!」


「頬っぺに、を付けてな」




 安全ラインを保って行きましょう。俺達はマイペースに、ゆっくりと進んでいけばいいからな。




「母様が遂に動きましたね。それも大胆に」


「ですね。これは熱い展開ですよ! この先が楽しみです!」


「こんな狐ちゃんを見たら、稲荷ちゃんは泣いて喜ぶだろうなぁ」



 3人が何か言ってるが、気にしない。



「じゃあルナ君。今日から魔女っ子の服、作ろ?」



 お、魔女っ子計画が進むのか。



「あぁ。前にも言った通り、金属を糸にするのは任せろ」


「うん! 頼りにしてるね!」






 さぁ、これからは服作りかな? 作業の合間に、リルの分の箒も作りたいな。

2人に関しては、何も言うまい.....シュウマイ。


あ、今回作った『ヘルバハーベスト』は今後もちょくちょく出る.....予定です。それよりも『フラカン』に悩まされますがね(^・ェ・^)


では次回、『ソルの魔女っ子計画〜ローブ編〜』です!

お楽しみに!

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