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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
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ソルの魔女っ子計画〜空飛ぶ箒編〜(4)

おぉ、日刊37位を記録しましたね!いつもありがとうございます!


今回のお話は刻みネギです。


あと、終盤遊びました。へへっ

 


「では、『箒de蜂起』のオペを開始します」


「「いぇ〜い!!」」


「手術内容は至って単純。『魔法陣を刻む』だけです」


「「いぇ〜い!!」」


「成功した暁には、神器を超える箒が出来ることでしょう。ただ......」


「「ただ......??」」




「失敗すれば、『神鍮鉄』『ホープダイヤモンド』『幻獣狼の眼』と『時間』を失います」




「「Oh......」」


「ですが、大丈夫。この『すぅぱぁどくたぁルナ』の手にかかれば今日中に終わります」


「「いぇ〜い!!」」


「では、始めます。『フラカン』」



 ツッコミ不在なので、そのまま進める。


 俺はフラカンの魔法陣を出し、観察する。



「薄緑色の30個の円に、それぞれルーン文字的な奴が描かれてるのか。大変だな」



 これ、1度紙に写してから彫った方がいいんだろうけど、手加減を使い慣れた者ならば、他にやりようがある。


 俺はその方法の1つ、『ほぼ効果ゼロ』になるレベルで弱め、魔法陣を箒の上に出し、彫っていく。


 魔法陣とは面白い物だ。ちゃんと意識して弱めれば、魔法陣が小さくなるからな。




 そうして4時間ほどかけて、箒の持ち手の裏面に『フラカン』の魔法陣が彫れた。


 俺は今回、魔法陣を彫れるだけ彫って、後から魔石の粉を入れていこうと思う。



「『サーキュレーション』」



 サーキュレーションで彫った溝に埃が入らないようにして、作業完了だ。



「これ、地獄みたいな作業だな」


「画が地味だね」


「眠くなってきました......」



 誰だ?『ルナと一緒なら暇にならない』とか言ったやつは。



「しょうがない。ここから長くなるからな。2人とも一緒に膝枕してやろうか?」


「「やったぁ!!」」



 俺がそう言うと、2人は即座に椅子の向きを変えて寝転び、俺の膝の上に頭を置く。



「うへへへ〜」


「そんなに嬉しいか?」


「うん! えへへ〜」



 ソルが膝に顔をスリスリしながら、絶対に見られちゃダメな顔をしている。

 ......まぁ、俺しか見ていないから大丈夫だろう。独り占めだぜ。うっへっへ!



「安心しますねぇ......父様のお膝」


「さいですか」



 ソルとは反対に、リルは大人しいな。寝てる時もそうだったけど、大人しいのは非常に助かる。



「じゃあ次は......『クロノスクラビス』」



 超便利な対魔法用魔法のクロノスクラビス君を彫ろう。これは絶対にソルを守ってくれるだろう。



「あ、気持ちと魔力を込めるか」



 思い出した。魔力打ちと気持ちは大切なんだ。絶対に忘れてはいけない事だった。危ないな。




 それから俺は、ソルを守ってくれるように祈りながら、魔力を纏わせた万能ツルハシ(彫刻刀)で彫っていく。




「よし、完成。2人は......寝てるな」


「「すぅ......」」


「全く、可愛いな。この2人だけは絶対に守らないと......」



 フーやシリカは武器になるので、共に2人を守る相棒だ。


 この先に何が起きても、2人の笑顔だけは絶やさないようにしたい。



「よし、次は『アクアスフィア』」



 外でも、安全で美味しいお水を飲んで欲しいし、何か有事の際に、水浴びなどの洗浄ができるのでアクアスフィアを選んだ。



「......水......か。夏のイベントで水着とか出るのかな」



 ソルの水着姿、見たいです。100パーセント可愛いもん。



「まぁ、それは今後の楽しみにしていよう」



 暑いのは嫌いだけど、楽しいのは大好きだからな。




 そうして2時間ほどでアクアスフィアの魔法陣が彫れた。




「めちゃくちゃ慣れてきたな。慣れ......いや、洗練されてきたと言おう。魔法陣の癖を読み、自分の手に合わせた彫り方でやる......最高に楽しいな」



 魔法陣って、一見何が書いているのか分からないが、よ〜く見ると属性ごとに共通の文字が入ってたりするのだ。


 多分、全て解読できれば『100%完璧な魔法』が作れるようになりそうだな。


 ......難易度高すぎだけど。



「言語は分からなくても、雰囲気で楽しむあの感じだな」



 喋ってる相手の雰囲気から、内容を予想する感じだ。



「次、『イグニスアロー』」



 俺が1番使っている魔法だ。戦闘から家事にまで使える、万能魔法だ。


 え?『鍛冶』にも使えるって? HAHAHA!


 いぐざくとりぃ。その通りだ。



「脳内茶番、うるせぇな」



 頭の中の第2の俺と第3の俺が遊んでやがる。




 そして50分程で彫り終えた。




「ゾーンなう。次、『アウラ』」



 ゾーンに入ったので、切らさないように次々と彫っていく。無心で考えるんだ。矛盾を受け入れるんだ。



「次、『茨よ』」



 茨ちゃん、ソルのところでも頑張れよ。



 茨ちゃんの魔法陣を箒に刻んだ。



「次、『蔦よ』」



 蔦ちゃん、君もソルのために頑張ってくれ。ロープの代わりにもなる君は、実は結構有能なんだ。



「次、『サーチ』」



 サーチ君、君は癖は強いがかなり強力だ。ソルの役に立ってくれ。



「次、『サーキュレーション』」



 ソルの持ち物に埃が被らないようにしてあげてくれ。

 そしてソルを埃から守ってやってくれ。あと誇りになってあげてくれ。



「はい、『サンダー』」



 ソルとリルは雷属性魔法が無いので、これとチャージは使えるようにしておきたい。

 ソルの矛となってくれ。



「よろしく『サンダーチャージ』」



 サンダーの強化に尽力してくれ。ソルのINTで倒せない敵でも、君が協力すれば倒せるだろう。



「『マグナ』」



 サンダーの照準用として頑張ってくれ。君の精度次第で敵を一掃できる。応援してるぞ。



「次、ネタ切れ」



 遂に魔法のネタが尽きた。後の魔法はソルでも使えるし、俺がわざわざ箒に組み込むまでもない。




「あ゛ぁ゛......疲れたぁ」



 結構長いこと集中していたようだ。もう夜になっている。


 ......2人、起きる気配がない。生きてる?



「お、お〜い、ソル〜?」


「んぅ......」


「ぐふっ! 可愛い寝顔だぜ。俺が死ぬ」



 膝......いや、太ももへのダメージを回復し続けてくれたブリーシンガメンに感謝だ。

 ブリーシンガメンが無かったら、こんなに長い時間ソル達は眠れなかっただろう。



「リルも......お休みですかそうですか」



 寝る子は育つと言うからな、たっぷり寝てください。




 するとコンコン、とドアがノックされた。




「お兄さ〜ん? ご飯だよ〜?」



 シリカか。でもこの状況、どうしたものか。

 2人を起こすのは罪悪感があるし、でもご飯は食べたい。


 究極の2択を迫られている気がするぞ。



「......分かった、今行く!」


「は〜い! んじゃ、上で待ってるね〜!」


「あいよ〜」



 改めて、どうしたものか。起こすのは......嫌だしな。



「リル、ちょっと待っててな。『フラカン』」



 折角だから、リルに新魔法を使ってみた。


 すると薄緑色の魔法陣が出て、リルの体を浮かしている。



「おぉ......これぞ飛行魔法。これぞ浮遊魔法!」



 これなら俺がリルを浮かして寝室まで送ってやれる。

 ごめんな、手で運んでやれなくて。


 俺の手にはソルがいるんだ......



「ではソルさん。失礼致します」



 ソルをお姫様抱っこする。



「んぅ......」



 よく『女の子の憧れ』と言われてるお姫様抱っこだが、寝てる間にしてすまん。



「軽い......STR補正か?」


「私が軽いんだよ?」


「ピッ!」



 ビックリした。ビックリしすぎて体が硬直してしまった。


 ちくしょう! FPSゲーマーとして、驚いた瞬間に硬直するのはご法度だろう! やってしもた!



「え......え〜と、お、おはよう?」


「おはよう! えへへ、これ、お姫様抱っこだよね?」


「せ、せやな。シリカに呼ばれたから、運ぼうと思って......」


「じゃあこのまま運んで〜」


「仰せのままに」



 今のソルはお姫様だ。ヴェルテクス城のお姫様だ。



「あ、あれ? リルちゃん浮いてない?」


「そんな、リルは浮いてないぞ。周りと馴染める子だ」


「そ、そうじゃなくて! 物理的にだよ!」



 普通にツッコまれた。寝起きだからかな?



「新魔法の実k......確認だ」


「今実験って言おうとしたよね?」


「言ってない。断じて言ってない」


「いや、絶対に言ったよ! リルちゃんを実験台にしたよね!」




 あ、そうだ。こういう時に言う言葉があるじゃん。




「そんなことを言う子の口は、俺が塞いじゃうぞ?」



「いいよ! さぁ、来て!」



「ひっ......ごめんやっぱ出来ない」



 ソルぅぅ! ここぞとばかりに頭を全力で回転させたなぁ!?



「えぇ......いいんだよ?」


「ダメですぅ、そういうのはもっと時間と手順を踏むもんですぅ」


「この9年は?」


「......つ、付き合ってからの時間では?」


「えぇ! ずるい!」


「ずるくな〜い」


「ずるいもん! そんなの何年かけるつもり!?」


「そんなに時間はかからないと思うけどな......」




「父様、母様。うるさいです」




「「はい......」」



 リルに怒られました。もう騒ぎません。



「ちょっと、ルナさ〜ん? ご飯冷めますよ〜? せっかくシリカさんが作ってくれましたのに......って、何これ?」



 きっとフーの目には、ソルをお姫様抱っこした俺と、その後ろに鋭い眼光で空中浮遊しているリルが映っていることだろう。



「今行くよ」


「そ、そうですか。まぁ、その......ね?」


「何の『ね?』なのかは知らんが、大丈夫だぞ」





 それからリルにかけた魔法を解き、ソルをお姫様抱っこしてリビングに連れて行きました。


遂にルナ君の魔法がネタ切れに!箒は未だ完成せず.....この後、どうなるのか!?


次回、『ソルの魔女っ子計画〜空飛ぶ箒編〜(完)』お楽しみに!



あ、前書きに『終盤遊びました』って書いてありますけど、序盤から遊んでました。(^・ェ・^)

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