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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
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潜入!プレイヤーショップの裏側!〜リルを連れて〜(後編)

プレイヤーの流行り

 


「剣と杖、弓を売ってるよ! フォレストウルフ製だよ!」


「こっちは水筒を売ってるぞ! 1回煮沸した安全な水だぞ! 安いよ!」




 様々なプレイヤーの声がする大通りを、俺はリルと手を繋いで歩いていた。




「う〜ん、何が流行りだ?」


「流行り......というより、どこもフォレストウルフ製が多いですね」


「そうだな。鉄で作らないのはなんでだろな?」


「さぁ? あ、父様なら何を売りますか?」


「大量生産可能で、かつ作りやすいという面でオリハルコン製の物だな。鉱山でボロボロ取れるし、精錬も簡単。それに加工しやすい上に高性能。言う事なしだ」


「なるほどです」


『お兄さん、普通の人間はオリハルコンなんて貴重な物、売れないよ?』


「え? 貴重?」



 それは流石に盛ってるだろ。サーチ使えばボロボロ取れるんだぞ? 貴重もクソもない。



『あのね、お兄さん。オリハルコンの別名、知ってる? 神金だよ? 神の金だよ? 貴重に決まってんじゃん』


「鉱山で大量に採れるのに貴重とは......」


『他の人間が見つけてないだけだろうけど、本当に貴重な金属なんだからね?』


「へぇ〜い」



 その内鉱山の奥にも行かないとなぁ。オリハルコンの匂いがするぜぇ......



 そうして雑談しながら大通りを歩いていると、見知った人間がいた。




「お、あれマサキ達じゃね?」


「本当ですね。ついて行きますか?」


「もちろん。バレるまで後ろを付けよう」



 ストーカー行為だよな、これ。警告来るかな?



 -----------------------------



「ルヴィ、本当にそれ買うのか?」


「うん! 前のやつより性能良いからね」


「そうか。にしてもそれ、何で出来てるんだ?」


「ルビーとワイバーンの心臓の魔石」


「ぷっ......ルヴィが、ルビーの......杖......ぷふっ!」


「何よ! 別にいいでしょ!」


「いや、だってさ、ははっ! ガーディ達はどう思う?」


「ん? 別に何とも、かな。ルヴィの攻撃力が上がれば、俺達全体の動きが良くなる」


「そうだよ! ルヴィちゃんの魔法、もっと強くなるんだもん! 頼もしいよ!」


「ベクトルが違った......」


「はい、買ってきたわ。行きましょ?」


「次はどこだっけか......ニクス山?」


「そうだぞ。アイスワイバーンの討伐だ」


「「楽しみね!」」


「だな!」


 -----------------------------



 マサキ達は馬車に乗り、そのまま何処かに行ってしまった。




「マサキ達、あの依頼を受けるのかな」


「みたいですね。アイスワイバーン、Aランクです」


「ってかワイバーンの心臓とか言ってなかったか? そんなのがあるんだな」


「心臓は希少部位ですね。稀に取れるそうですよ? 母様が言ってました。それと、とても美味しいらしいです」


「ハツか......美味しいもんな」



 俺、焼き鳥のハツ好きだもん。ワイバーンの心臓が気になるぞ。



『ワイバーンよりドラゴンの方が美味しいよ』


「ドラゴンとか、今までに出会ったのってあの神龍だけか」


『えっ......神龍かぁ。よく出会ったね、お兄さん』


「なんか知らんけど、俺達の持ってる龍魔法目当てで目の前に降りてきたんだよ。んで、仲良くなれそうだったから写真撮った」


『勇者じゃんお兄さん! 凄いね!』


「だろ? あれは武勇伝の1つだ」



 良い出会いだった。神龍さん、元気かな?



「でも次に出会ったら倒すんですよね?」


「当たり前だ。あんなカッコイイドラゴン、戦うしかないだろう」


『戦闘狂でもござったか、お兄さんは』



 ちゃう。断じて違う。戦闘狂はアテナで、俺は一般ピーポーだ。




 そんな雑談を続けながら、俺達は大通りを歩いた。




「うん、まだ活性化してないようだな」


「ですね。フォレストウルフが大半で、ごく稀にワイバーン製の物があるくらいです」


「他の店も、皿とか家具とかあっても品質が低すぎるんだよなぁ」



 本棚の品質が2なのを見て絶望したわ。

 どんな木材で、どんなスキルレベルで、どんな作り方をしたらレア度2なんて作れるんだよ。



「今日はもう帰ろうか」


「え〜......もう少し外にいたいです」



 んぬっ!? ここでおねだりですか!



「しょ、しょうがない。そうするか。どこに行きたい?」


『リルちゃんにも甘いんだね、お兄さん』


「うっせ!」



 甘くないもん! 優しいだけ!......多分。



「父様、王城に行ってみたいです!」


「王城......そう言えば行ったことがないな。多分、門の前で止められるだろうけど、それでもいいか?」


「はい!」




 予定変更! プレイヤーショップの潜入調査から、王城に遊びに行くぞ!




「ここの噴水、結構大きいな」


「はい! イニティより大きいです!」



 手を繋いでいるリルがぴょんぴょん跳ねている。可愛い。



「あ、プレイヤーだ。死んだな、あの人」


「あぁやって復活するんですね。語り人って不思議です」


『神の力、凄いでしょ? 語り人の蘇生って、冥界神とか創造神とか、かなり上位の神達がやってるんだよ』



「「へぇ〜」」



 豆知識が増えた。......どうせ神界に行く時には忘れてるだろうけど。




 そうして歩いて行き、王城の門の前まで来た。



「近くで見ると、より綺麗な城だなぁ」


「ですね! お家のお城より大きいです!」


『真っ白で汚されていないのは、善政を敷いてるからだろうね』


「政治は知らんが、いい王様なんだろう」



 門の前で2人で城を見ていると、何やら数人の足音が聞こえてきた。



「誰ですか? 謁見予定はもう無いはずですが......」



 どうやら衛兵さんのようだ。



「あ、ただの親子です。お城を見てたんですよ」


「そうですか! お嬢さん、ロークス城、綺麗でしょ?」


「はい! とっても綺麗なお城です!」


「それは良かった。お父さん、本日はお散歩で?」


「はい、そんなところです。まぁ、そろそろ城に帰るんですけどね」


「ん? 城?」



 あ......やらかした。普通に家に帰るって言えばよかった。



「いえ、言い間違いです。家、ですね」


「でも父様、私たちのお家はお城ですよ?」


「リルぅぅ!!!!」



 何バラしとんじゃい! 戦争になったらどうすんだ!



「城......家......もしかして、お父さん。武術大会で優勝されました?」


「え?......えぇ、まぁ」



 もういいや。なんか起きたら、首1つで許してくれるように説得しよう。



「「「本当ですか!?」」」



 ダメだ、逃げよう。絶対に城関連で問い詰められる。



「では、この辺で。またここに来たら会いましょう」


「えっ、待ってください!」


「嫌です!」



 リルを抱っこして歩く。これで追ってきたら......クロノスクラビスで少し動きを止めよう。




 城門から歩くこと数分――




「追っては来なかったな。良かった〜」



 暫く歩いたが、全然追って来なかった。安心だ。

 ......とりあえずリルを降ろそうかな。腕が疲れた。



「うぅ......し、仕方ありません」



 お? 一瞬しがみついたが、前にソルが言ってたことを思い出したのかな?



「ほら、行くぞ。暖かいお家に帰るぞ〜」


「はい」


『家という名の城。城という名の家!』



 何かシリカがバグっとるが、大丈夫だろう。フーにもそういう時期があった。


 きっと、超短期間の厨二病的なやつなんだろうな。知らんけど。






 それからゆっくり歩き、家に着いた。






「「『ただいま〜』」」


「おかえりなさい! 楽しめましたか?」


「あぁ。家の方は大丈夫だったか?」


「はい! 誰も来てませんよ!」


「なら良かった」



 もしかしたら衛兵さんが来てるかと思ったが、大丈夫だったようだ。



「じゃあリル、ソルのところに行くといい。俺は箒を作るから」


「私も行きます」



 まぁ、言うと思った。今日は甘えたいデーかな?



「分かった。シリカ、フーの手伝いするか?」



 シリカを降臨させて聞いてみる。



「うん! 今日はありがとね、お兄さん!」


「あぁ。また出かけような」


「うん!」




 ささ、空飛ぶ箒を作りますかな。

マサキ......死ぬなよ。


マサキ達はアイスワイバーンに勝てるのか、楽しみですね〜


次回はのんびり、箒作りですね。予告するなら.....そうですね。『ソルの魔女っ子計画』ですかね!お楽しみに!

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