お昼ご飯と神器の神器
平和でござる。
重桜の艦船が常設化されたので、しばらくキューブ集めと建造の沼に浸ります.....天城さん欲しい( '-' )
「依頼完了、お疲れ様です」
「ありがとうございま〜す」
ドゥルム鉱山から王都に戻ってきたので、依頼完了の報告をした。
「さ、帰ろう。お昼の材料は......あるか」
「うん! あるよ〜」
「じゃあ帰ろうか」
俺はリルの左手を繋ぎ、ソルはリルの右手を繋ぐ。
「慣れてしまった......俺はもう、昔には戻れないのかもしれない」
「無理だよ。人は変わる物だもん」
「そうですね。私も近いうちに、本当の娘となるでしょう」
「「ん〜」」
それ、暗にソルと結婚しろって言ってないっすか?
「ま、それは時間がかかる。ゆっくり、のんびり、気長に待ってるといい」
「父様、神獣の寿命は数万年ですよ?」
「詰んだな」
それ、ソルと結婚ルートに入ったら100パーセントリルが娘になるではないか。(仮)とのお別れルートでもある訳だな。
「心の拠り所である(仮)は死守したい」
「「駄目です」」
「そんなぁ......」
というかソルさん、そこで乗るととんでもない事になりますよ?
今回は敢えて見逃しますけど、次回は気を付けてくださいね?
そんな感じの雑談をしていると、家(城)に着いた。
「あ、おかえりなさ〜い!」
「「「ただいま〜 / ただいまです」」」
フーが庭で掃除をしていたので、そのまま合流した。
「フー、ご飯だから上がるぞ〜」
「分かりました〜!」
そう言ってフーは箒とちりとりを戻しに行った。
「......ソル。前に言ってた魔法の箒、作るか」
「え、本当に? やったぁ!」
「それとフーの掃除用の箒も作る」
「フーちゃんの?」
「あぁ。ここの敷地ってかなり広いから、用具入れまで戻しに行くのも大変だろ? インベントリに入れるとしても、枠を圧迫して可哀想だしな。だから顕現できる箒を作れば、出し入れが簡単になると思ったんだ」
「「なるほど」」
それに、『取りに行く時間』と『戻す時間』の短縮が出来たら、その分掃除も早く終わるし、自由にできる時間も増える。
面倒だから......と言う理由だけではない。
「よく見てますね、父様。そういうところ、大好きです」
「うんうん。人をよく見てる」
「あ、ありがとう?」
正面から褒められるのは、なんか恥ずかしいな。
「お待たせしました〜!」
「じゃあ入ろうか。フーの手洗い魔法、頼んでもいいか?」
「もちろんです!『アクアボール』『ファイアハンド』『ドライ』」
「「「おぉ〜!」」」
流石元魔法の女神。魔法の操作が完璧だ。
「凄いね! バシャっとして、ぼぉっとして、ビューンだね!」
「語彙力を捨てたコメント、流石っス」
これは関西人にありがちな擬音語会話だな。今の説明で分かってしまうのがつらい。
バシャっとして、ぼぉっとして、ビューン......
「......これ、1工程に出来ないのかな」
「ん〜難しいですね。それぞれ水、火、風属性の魔法ですので、火と風は合わせることが出来ても、水と合わせるのが難しいです」
「そっかぁ」
良いアイデアだと思ったんだけどなぁ......いや、俺は諦めないぞ!
「とりあえず、ただいま」
「「「ただいま!」」」
「そしておかえり」
「「「おかえり!」」」
全員で帰ってくると、こうなるよね。
「じゃあ料理にかかろうか」
「あ、今回私も手伝ってもいいですか?」
「リルが? もちろんいいぞ」
3人でキッチンに立とうではないか。
「な、なら私も〜」
「フーは料理出来るのか?」
「出来ません!」
「「ダメじゃん!」」
なんでわざわざ『私、スパイです! 採用してください!』みたいなことを言ってんだ。
「まぁ、見て料理スキルを取ればいいさ。それで変わるだろ......多分」
リルは生産系スキルが取れないが、フーは取れる。
だから料理スキルを取ってもらい、せめてもの品質アップを狙う。
「......フーちゃん、試しに聞くけど、前に料理を作った時って、その料理はどんな感じだった? 出来れば周りの意見を聞かせて」
「えっとですね〜、色んな方に『ダークマター』だとか、『石炭』とか言われましたね」
「「あ〜......」」
まさかの料理下手属性を持っていたか。それはメイドとして、かなり致命的な問題なのでは?
「まぁ、『火加減』と『手間』と『待つこと』を覚えたら、フーでもフレンチトーストくらいは作れるだろ」
「何故にフレンチトーストを?」
「何となく。あれはそこそこの手間がかかるし、弱火でじっくり焼くし、その分待たないといけないから」
「なるほどね。納得したよ」
本当に適当に言ったことだが、奇跡的に話と合ってた。
「とりあえず今回は見学で、な」
「は〜い」
ここまで来るのに長かった。お腹空いたわよ。空腹ゲージがそこそこ危ないわ。ウフフっ!
「そろそろ作ろっか!」
そう言ってソルはエプロンをつける。
「おぉ、似合ってるな、そのエプロン。手作りか?」
「うん! ルナ君が鍛冶にハマってる時に、ちまちまと作ってたの!」
「可愛いよ。本当によく似合ってる」
「えへへ、ありがとう!」
ただ、1つの違和感がある。巫女服だ。巫女服とエプロンのコラボに、ほんの小さな違和感が気になる。
「......魔女っ子も近いな」
「ん? 何か言った〜?」
「なんでもないよ。箒について考えてた」
パーフェクトコミュニケーション!!
ここで『なんでもない』だけだと疑われるので、後ろに理由を付けた。
そしてその理由は最初の小声の部分との関連性もある、完璧な言葉選びだった!!
ふはは! ここまで上手く誤魔化せ「ルナ君?」......る......
「ハイなんでしょう」
「お塩取って〜」
「仰せのままに」
あっぶねぇぇ!! 別にバレてもいい事だし、そもそも隠し事は『最弱無敗』くらいだからいいけど、思考をダイレクトで乗っ取るとは思わなかった!
「あ、ハンバーグでござるか?」
「うん! これを使ってハンバーガーを作るの!」
「おぉ、パティでござったか」
結構凝った物になりそうだな。
「じゃあリル、このレタスモドキをちぎってくれ。ハンバーグより少し大きいくらいのサイズでいいぞ」
「分かりました!」
レタスモドキと言ったのには訳がある。
.....だってこの葉っぱ、赤色なんだもん。
「となると俺の仕事は......バンズの用意かな」
「うん! そこのパンをいい感じに切っちゃって」
危ない危ない。仕事が無くなりかけた。
「おっほ! この包丁めっちゃ切れる」
「だよね! 私も最初かなりびっくりした」
切れすぎて怖いくらいだ。リアルで欲しいな。
そう思っていると、隣で見学していたフーが口を開いた。
「その包丁、高純度の玉鋼が使われてますね」
え? マジで?
「「分かるの?」」
「はい。しかも打ち方がとても綺麗ですから、匠の技でしょうね」
「「へぇ〜」」
俺も包丁を作って、この包丁と比べてみようかな?
......やっぱやめとこ。惨敗する未来しか見えん。
「おわりました!」
「ならバンズに色々乗せていこう。まずはソースとなるケチャップからだな......紫色の」
なんかさ、全体的に色がおかしいんだけど。この世界のトマトは紫色なのか? 茄子じゃん。
「次はどうするのですか?」
「う〜ん......ソル、チーズある?」
「あるよ〜、はい」
ソルからチーズを貰った。生の平べったいチーズを。
「あんがと。リル、こうやって四角に切って乗せてくれ」
「はい............これでいいですか?」
「完璧だ。それじゃこいつを、『イグニスアロー』」
イグニスアロー君の火力を極限まで抑え、チーズを溶かしていく。
戦闘にも鍛冶にも料理にも使えるイグニスアロー君、万能。
「その制御、とんでもない才能と努力が必要ですよ......」
「そうか? フーにそう言って貰えるのは嬉しいなぁ」
元魔法の女神に褒められちゃった。嬉しいな。
「それじゃあパティをオンするよ〜」
「「は〜い」」
そうしてチーズの上にハンバーグを乗せ――
「リル、ここレタスモドキの出番だ。パティの上に乗せて、最後にこのバンズで挟めば完成だ」
「はい!」
そしてハンバーガーが完成した。
「「「「いただきます!」」」」
かなり久しぶりなジャンクフードだ。楽しみだな。
「美味しいな! チーズもパティも、かなり良いのを使ったのか?」
「チーズは市販のやつだけど、お肉はワイバーンだね。オークの上質なお肉との合い挽きだよ」
「それはまた高級品だな」
オークのレアドロップに、遭遇するのも倒すのも大変なワイバーンの肉。シンプルに高級だ。
「「「「ごちそうさまでした!」」」」
美味しかったです。また今度、作りたいな。
「フー、スキルは取れたか?」
「はい、バッチリです!」
「それは良かった。じゃあ俺は刀とか諸々作ってくる」
「「「は〜い」」」
「さらばっ!」
そう言い残し、俺は鍛冶場のある庭の小屋に来た。
「おぉ、中は結構広いな......いや、広すぎん?」
おかしい。明らかに外から見た時より広くかんじる。
そう思い、一旦小屋から出て、外を確認する。
「小さいな......これ、あれか。『空間生成』的なやつが使われてるのか」
予想だが、この小屋には古代魔法が使われている。
「空間魔法......でも出来るのかな? 知らんけど」
空間魔法、どうやったら取れるんだろうな。
「ま、今はいいや。とりあえず刀を作らないと」
最初はフーの刀を作ろう。
「材料は......『斬鋼ノ御魂』はやめとくか。共食いみたいだもんな。知らんけど」
オリジナリティ、欲しいよな。ルナ、動きます。
俺はストックしてある玉鋼を出し、アダマントとサファイアを出した。
「宝石も一緒に......上手くいくと良いな。合金化!」
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『玉鋼』『アダマントのインゴット』『サファイア』を合金にしますか?
成功率:1%
消費MP:700
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「キッツ!......でも、やるしかないねぇ?」
部の悪い賭けに乗りたいお年頃だ。
1回目――失敗
「あ〜まぁ、ダメだよな」
2回目――失敗
「知ってた」
3回目〜21回目――失敗
「もはや無」
22回目――
ピカッ!
「きちゃぁ!!」
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『蒼神鋼』Rare:26を作成しました。
『錬金術』スキルレベルが3上がりました。
『神匠:錬金術』に進化しました。
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「強そう」
蒼神鋼、カッコイイ。見た目は青みがかった玉鋼だな。
「錬金術はようやくか。あんまり使ってやれなくてすまんなぁ」
正直、玉鋼くらいにしか使わんのよな。
「あ、調薬の存在を思い出した。ポーション、全然使わんからなぁ」
やりたい事がポンポン頭に浮かんでくる。
「とりあえず今は刀だ。リラックスリラックス〜」
こっからは鍛冶だ。雑念を持ち込んじゃいけない。
炉に火を入れよう。まずはそこから。
「『イグニスアロー』『アウラ』」
他の人に気を使わなくていいので『サーキュレーション』は必要ない。すまんなサーキュレーション。君の出番はかなり減るよ。
「まずは弱火で」
蒼神鋼が赤くなったら取り出し、魔力打ちで少しずつ延ばしていく。
そして5mmほどの板になったら、水に入れる。
「『アクアスフィア』」
ジューッ!と音を立て、余分な炭素が除かれる。
次に、蒼神鋼を小さく割っていく。割った鋼から、刃に使うやわらかい部分と、刀身に使う硬い部分で分ける。
そうして分けた鋼を、梃子皿に乗せて、蔦ちゃんで固定する。
「あ、出番来たな。『サーキュレーション』」
俺は泥や粘土を持っていないので、蒼神鋼に触れる空気の量の調整が、この魔法しかない。
「ごめんよサーキュレーション。ありがとうサーキュレーション」
魔法にも感謝。
そうして固定やらサーキュレーションやらをしたやわらかい方の鋼を炉に入れて熱し、魔力打ちで延ばしては切り込み入れ、半分に折ってから重ねて、また叩いて延ばす。
これを9回繰り返したので、次は硬い方へ。
こっちもやり方は同じなので、単に15回繰り返した。
「よし、合金化」
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『蒼神鋼(皮鉄)』と『蒼神鋼(心鉄)』を合金化しますか?
消費MP:2,000
成功率:70%
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「......うっそ〜ん」
そうか、布都御魂剣の時は普通の玉鋼からやったから100%だったのか。忘れてたな。
「ハイド○ポンプ、君に決めた!」
色々と違うが、合金化をする。
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『蒼神ノ御魂』Rare:――を作成しました。
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真っ青な鋼が出来た。
「ばなな」
今、こんな顔をしているぞ( ᐛ )
「また......神器......」
御魂ァ......なぜ貴様はこちらに来るゥ......
「ま、いっか。フーのためだ、神器の方が助かるわ」
アレ(メイド)でも神だ。神器の方がいいだろう。
「よし、切り替え切り替え」
蒼神ちゃんを熱して、日本刀の形に打ち出す。
ここは1番丁寧にやった。ゆっくり時間をかけ、1ミリのズレも無いように、丁寧に丁寧に魔力打ちで叩いた。
「......荒仕上げ」
荒仕上げとして蒼神ちゃんにヤスリをかけ、表面を整えた。
「刃文」
もう少しで終わりだ。刃文を出すために炭の粉と水を合わせた『焼刃土(焼刃土)』を塗り、乾燥させる。
そして炉に入れて、全体を熱していく。
それからアクアスフィアに入れて一気に冷却する。これで刃文が出来る。
「おっほぉ! 蒼い刀身に黒い刃文。びゅ〜てぃふぉ〜」
ロマンの塊のような見た目だ。凄く綺麗だ。
「......よし、荒砥石で研いで......完成!」
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『霊剣:神度剣』Rare:――製作者:ルナ
攻撃力:2,000〜20,000
耐久値:∞
付与効果『不壊』『斬』『魔力刃』『存在感』『生命力増強:2,000』『魔力増強:2,000』『全ステータス補正:大』『全戦闘系スキル補正:特大』『刀術補正:特大』『STR補正:特大』『魔刀術補正:特大』『感情超強化:主従愛』『顕現』『専用装備:フー』
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「ふむ......分からん」
特に『存在感』と『感情超強化:主従愛』が分からん。
「どれどれレドレド?」
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『存在感』
・任意の相手の注意を刀身に引き寄せる。
・任意の相手を注意を刀身から引き離す。
『感謝超強化:主従愛』
・装備者に主がいる時、STR、DEX、VITが2倍。
・主に対しての好感度が1,000以上の時、AGI、INTが2倍。
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「えっぐぅ......ってか好感度 is 何?」
多分、ステータスから見れるかな?
「あった......えぇ?」
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名前:フー(布都御魂)
性別:無し
レベル:1
種族:上位付喪神(霊剣:布都御魂)
主:ルナ(9,999)
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「これ......だよなぁ? なんかカンストしてないっすか?」
何故? 言っちゃなんだが、嫌われてると思ってたぞ?
「う〜ん......まぁ今は気にしないでいいや、好感度だし。......そう、ただの好感度だし」
賢いポンコツメイドに数値上、どんなに主従愛を持たれても問題ない。
「さ、脇差とかも作っちゃうか」
後で一気に渡そうじゃないか。
ハンバーガー、思いっきりミスってる気が.....ま、まぁ、そういうこともあります。私も何度かやってますから.....
それとこれは共感者が多いと思いますが、2%より1%の方が当たるんですよね。もっと言えば、1%より0.05%の方があたるんですよね。
確率という名の、ガチャの闇です。
次回、『イベント報酬確認』です!お楽しみに!
それと次回にステータス載せますよ〜!