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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第5章 限界突破と冒険者
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穿たれる心臓と依頼

アマテrrrラスとツクヨミさんのお話

 



「おはようこんにちはこんばんは」




「おはようございます、父様」


「お.....はよ〜ルナ君」



 ん?



「ん?」



 んん??



「ん??? な、なんでソルがここに?」


「昨日、潜り込んだから」


「え......えぇ? 大丈夫? 何もないよね? 何もしてないよね? 怖いよ?」


「大丈夫。お布団に潜り込んだだけ」


「そ、そうか。良かった」



 落ち着いて考えよう。



「ほらリルちゃ〜ん、おいで〜」


「は〜い」



 俺が考えるに。ソルが隣の部屋からこっちの部屋に来て、俺の布団に潜り込んで来たと。

 そのせいで同じ布団からこんにちは、という事ね。


 そういう事なら問題な......




「いや良くないわ!!! なんで来てんだ!!!」



 部屋決めをした意味よ。部屋決め君、泣いてるよ? せっかく会議室まで使って決めたのに、泣いてるよ?



 すると、ソルにモフられているリルが言う。




「元気ですね〜父様」




「そうだね〜リルちゃん」


「はい〜」




「えぇ......」




 昨日あれだけショックを受けていた2人が、回復どころかパワーアップしている件。



「はぁ......とりあえず朝ごはんにしよう」


「「は〜い」」




 朝から大変だな、今日は。



 -----------------------------



「フー、顕現!」



 朝ごはんが出来たので、フーを呼ぶ。



「は〜い! おはようございます!」


「おはよう。朝からお疲れ様。朝ごはんだ」


「分かりました!」



 そしてフーが魔法で手を洗い、席に着く。



「「「「いただきます」」」」



 今日の朝ごはんはお手軽オープンサンドだった。


 オープンサンドはリアルの方でも食べたけど、こっちの方が美味しいな......




「「「「ごちそうさまでした!」」」」


「よ〜し、今日こそは冒険に行くぞ〜!」


「「お〜!」」


「頑張ってくださいね〜」



 あ、そうだ。フーに謝らないと。



「フー、すまない。武器は明日になる。もう少しだけ待ってくれ」


「気にしないでください。昨日は仕方ありませんでしたから」


「そう言ってくれると助かるよ」



 ホントだよ。まさかアンチと遭遇す......出待ちされるとは。

 お陰で昨日は依頼を受けれなかったし、今日行う予定だったフーの武器制作も遅れてしまった。


 アンチ、許すまじ。俺は『おこ』だぞ。



「じゃあ、行ってきます」


「「行ってきます!」」


「行ってらっしゃい!」



 さぁ、今日の門前チェックのお時間です!



「お、いねぇな。ラッキー」


「これが普通のはずなんだよ?」


「そうですよ。何も無いのが普通です」


「いやいや、考えてみ? いつの間にか出来てた城に、誰かが住んでるんだぞ? それなら気になって見に来る人もいるだろう?......ご近所さんとかさ」



「「......まぁ」」



「さ、まずはギルドに行こうか。それとランザがいたら苦情を言ってやろう」


「『ボイス』は使うの?」


「いや? 流石にそこまでして直接言いたい訳じゃないからな。飽くまで『いたら』の話だ。でも、伝言くらいはするかもな」


「分かった」



 ソルとリルの精神衛生上、これ以上アンチが来たら嫌だからな。


 それに、2人が傷ついているのを見る俺も辛い。




 そうして冒険者ギルドに着いた。




「じゃ、入ろうか」



 俺がそう言うと、2人は手を握って頷いた。



 ん〜! 可愛いけどこれ、めっちゃ目立つぅ!

 可愛い、めっちゃ可愛い。好き。だけど、めっちゃ目立つ!


 俺の心はハチャメチャだ。



「れ、レッツゴー陰○師」



 精一杯の心の誤魔化しは、きっと無意味な事だったんだろう。



 そして冒険者ギルドに入ると、一斉に注目を向けられた。



 ......何故? もうバレてんの? 早いね。



 とりあえずカウンターまで行こう。受付嬢さんに、何か良さそうな依頼が無いか聞こう。



「すみません。Eランクなんですけど、何か良い依頼はありませんか?」


「は、はいぃ!! ギ、ギルマスは呼んだ方が......」



 あ、この人って......確か前にランザを呼びに行かせた時の人か。



「いえ、ランザは呼ばなくていいです。とりあえず依頼、ありませんか?」


「は、はい! ではこちらなんてどうでしょう! い、Eランクなら丁度良いかと......」



 そう言って渡された紙には......



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『クエスト:スライム×20の討伐』


 受注条件:Eランク以上

 人数制限:10人まで

 場所:ペリクロ草原

 報酬:500L


 概要:ペリクロ草原に出現する、『スライム』の討伐。討伐数によって報酬が上乗せされる。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「これ良いですね。それとすみません。質問なんですけど、依頼って複数同時に受注できますか?」



 これ、前に聞いたような......聞いてないような......



「すみません、それは出来ません」


「分かりました。ではあと2つほどいいですか?」


「は、はい」


「まず、どれくらいの依頼を受けると冒険者ランクは上がるんですか?」


「それはギルドカードの裏に記載されています。Eランクなら1つの依頼で10ポイント。合計100ポイントに達するとDランクに昇格できます」


「なるほど」



 試しに見てみたら、80/100となっていた。


 前に受けたオークの依頼、だいぶ美味しくしてくれていたんだな。ありがとう、ランザ。


 そしてごめん、ランザ。



「では最後に。ランザに伝言を頼みます」


「は、はい......何とお伝えすれば?」


「『次に変な語り人が来たら、最悪そいつを殺すかもしれん。許せ』と、お願いします」


「は、はいぃ!!」




 ソル達も傷ついていたが、俺も腹が立つからな。


 ストレス無くこのゲームを遊べるように、少し強気にいく。『少し』な。

 



「すっごい強気に出たね。大丈夫なの?」


「少しだよ。それに、これで許されなかったら別の方法を取るまでだ......1番大事なのは俺達が『楽しく幸せに』生きることだからな。2人も、いいか?」



「「うん! / はい!」」




 よし、これでやる事は終わった。




「じゃ、草原行くぞ〜」


「「お〜!」」



 ようやく、まともな冒険者らしくなってきた。


 ここまで来るのに現実時間で1ヶ月ちょっと。初日に登録したのに、自分から依頼を探して受けたのはこれが初めてだ。



「まぁ、楽しければいい。皆が楽しくプレイ出来れば、それで......」




 それから、2人と雑談しながらペリクロ草原に歩いて来た。




「じゃあ今回は、ソルとリルの刀のお披露目か?」


「うん! アマテラスが輝くよ!」


「ツクヨミさんでズバッと斬ります」



 あらあらリルさん。『ツクヨミさん』だなんて可愛い。



「じゃあ俺は......後方彼氏面でもしておこうかな」


「あれ? 参加しないの?」


「たまには2人の動きを見ておきたい」


「分かった! 目に焼き付けてね!」


「もちろん。一生忘れないよ」



 俺がそう言うと、リルがトテトテと歩いて来た。



「父様父様、私も見てくれますか?」


「ヴッ!(絶命)」



 俺の心臓が穿たれた。あ〜これは『不滅の愛』

 案件っすわ〜! 蘇生して欲しいっすわ〜!



 それに、なんだこの可愛い生き物......やばすぎだろ!




「も、もももちろん見てるから。ソルと一緒に戦っておいで」


「はい!」



 あ〜『花が咲いたように笑う』とは、正にこの事か。


 前にソルの笑顔も見たけど、2人とも可愛いな。



「じゃあ見ててね〜!」


「お〜う」




 ソルがアマテラスを顕現させ、抜刀の構えを取る。




 ソルの前方にいるスライムは大体10メートル程離れているので、ここでソルが取る選択は2つかな?



 1つは『待ち』

 スライムがピョコピョコと近づいてくるのを待ち、間合いに入ったら斬る、という感じだな。



 もう1つは『魔力刃』だな。

 あれは刀で唯一の遠距離攻撃手段だ。ここで使うのかもしれない。






「......『魔力刃』!」





 ズッバァァァ!!!




「え?」




 な、なんかおかしいぞ。おかしすぎておかしいぞ!


 なんであんな音が出てる? なんであんな威力が出てる?



「「「えぇ......?」」」



 これには使用した本人もびっくり。まさか『ブォン!』くらいだと思っていたのが、『ズバァァン!』といったんだもんな。



「ル、ルナ君! 今の何!?」


「ま、魔力刃かな? ?......威力おかしいけど」


「だよね!? 大会でルナ君が使ってたの、もっとソフトだったよね!? なんで私のはレーザーみたいになってるの!?」



「な、なんでやろなぁ」



 考えられるのは幾つかある。



「......巫女服とアマテラス、指輪による刀術補正か?......それとも魔力刃はDEXを参照している? それか、抜刀の魔力刃が強力という可能性も......」



 アマテラスのステータスはこんな感じ。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『陽刀:アマテラス』Rare:19 製作者:ルナ


 攻撃力:1300

 耐久値:10000/10000

 付与効果『魔力刃』『魔力増強:800』『太陽光強化』『耐久値回復:太陽光』『自然回復:太陽光』『魔纏』『刀術補正:特大』『顕現』『専用装備:ソル』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 太陽光強化があっても、あんな威力になるとは思えんな。



「ソル」


「な〜に?」






「やったな! ソルが最強だ!」



「うわぁぁん!」



 ソルが半泣きで抱きついてきた。好き。



「強いのやだぁ」


「よしよし。でも、強くて困ることってあんまりないだろ?」


「強すぎたら困るもん!」



 えぇ......自分が強すぎて困るって、どこの主人公だよ、ソルは。



「どうして困るんだ?」


「ルナ君に守って貰えない!」


「ぐふっ......」



 た、確かにそれは問題だ! 心の奥で『強いからカバーしに行かなくていいか』と思った結果、ソルが敵に殺られたら......俺泣いちゃう!



「大丈夫、大丈夫だから。ソルを守るよ」



 FSでもないんだから、味方を見捨てる判断は基本的にしないだろう。



「ホント?」


「ホントだな。俺が味方を見捨てる時は、100パー助けられない時だけだ」


「......分かった。信じる」


「ん。ありがとう」




「では父様! 私も『魔力刃』やります!」


「分かった」



 どうやら次はリルがやるようだ。あぁスライム君、君はなんて可哀想な生き物なんだ......



「『魔力刃』......はぁっ!」



 ヂュン!



「「???」」



 凄い。ソルの時よりは音が小さいのに、草原への被害は甚大だ。


 だってリルの前方が縦に1本、地面の割れ目が出来てるんだ。



「凄いです! 父様の作ったツクヨミさん、凄く強いです!」


「そ、そうか」



 なんか、ソルの『強すぎた案件』が虚空に消えてったな。





「俺......この中で最弱だ......」





 武術大会で優勝して称号を貰っても、そのプレイヤーが最強ではないということを知りました。

ヴェルテクス最弱の座をフーと争っていますね。


実はソルさん、ルナ君を覗いたら3番目にレベルが高かったりします。強い(確信)



ズィ回、『神器の神器』お楽しみに!

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