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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第4章 第1回イベント:武術大会
122/492

台無しですね

タイトルが2択にまで絞られ、ルーレット君によって決まりました。


.....もう1つのタイトルは後書きにて。

 


『これより! 第1回イベント、武術大会の総合部門の本戦......いえ、決勝戦を始めます! これで現時点での最強のプレイヤーが決まります!』



「いいね、最強。ロマンとマロンがたっぷりな言葉だ」


『栗まで入ってるなんて、いいですね〜』


「だろ?」



 ツッコミ不在のボケ2人。やばい事になる気がするぞ〜



『では早速。カウントダウン行きましょう!3!』



「いいな。栗も食べたいな」


『ですよね! 私、栗きんとん食べたいです!』




『2!』




「それいいな。家が手に入ったら、料理もやりたい」


『えぇ! 是非しましょう! 私のメイド力もバキバキ上がりますよ!』




『1!』




「ま、その前に」





『始め!!』




「『勝たないと』」



 武術大会最後の試合が始まった。本戦なのにバトルロイヤルという、今までとは変わったルールだ。




 そして、変わったルールということはだぞ?




「慣れてないやつ、いるよなぁ!『アクアスフィア』『イグニスアロー』『アウラ』」



 3種の魔法盛り爆発を使ってすぐ、クロノスクラビスを発動させる。



 パチン!


 ドッバァァァン!!!



「フー! そっちで索敵頼む!」


『任せてください!』



 今の水蒸気爆発で何人倒せた? 50人以下なら相当厳しいぞ。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

 残り人数45/98


 ・・・

 ・・・

 ・・・

『ルナ』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「ナイッスゥ!」



 53キル、美味しいです。本戦でも沢山倒せて、僕満足!



『後ろ、3人です』


「あぁ」



 報告が来た瞬間に思考を切り替える。ここからは使える武器の全てを使って戦う、修羅モードだな。



「『斬』」



「「「ぐびっ」」」



「次、アルテ」



 3人倒したのを確認してからアルテを取り出す。



「近距離索敵はフー、頼むぞ」


『は〜い! ジョブチェンジですね!』


「あぁ......『サーチ』『魔弓術:雷槍(らいそう)』」



 俺は魔弓術を発動させる。今回は雷属性の魔弓術だ。

 やっぱり雷属性が1番早くて、強いからな。重宝している。



 バチィ!!



「1人。次」



 バチィ!!



「貫通2人。次」


『横、2人です』


「あぁ」



 鍛えに鍛えまくったインベントリ操作でアルテを戻し、布都御魂剣に手を伸ばし、斬る。



「......はぁっ!」



 ザンッ!



「ぐぅぅ!」



「おうまいが〜。1人も殺れなかったよ。とりあえず刀ぽ〜い!」



 敵が怯んだ隙に、俺は刀を投擲する。



「ステラ」



 布都御魂剣を投げた瞬間には、既にステラを左手に出している。



「っほい!」


「がぁぁ!!」



 思いっきり斬って、1人倒した。あと2人、こっちは魔法でやろう。



「「おらぁぁ!!」」



「『蔦よ』『茨よ』」


「「んなっ!!」」



 丁度2人が斬り掛かるタイミングだったので、攻撃系の魔法ではなく、蔦ちゃん姉妹を出した。



 そしてステラをインベントリに戻し――



「フー、顕現」


『ただいまです』


「おかえり。俺が追い出したけどな」


『本当ですよ! いきなり私を投げて、なんて事するんですか!』


「投げただけだ。でぇじょうぶ」


『な〜にが『でぇじょうぶ』ですか! もし私が顕現効果のない武器だったらどうするんですか!』


「んなもん最初から投げねぇよ。フーかステラじゃないと、やってられんわ」




「「さっきから何言ってんだお前!!」」



「『うるさい!!』」



 スパーンと、2人の体が斬られ、ポリゴンになった。



「せっかくの感動の再会を......」


『ホントですよ......あの人達は何も分かってませんね』


「そうだそうだ!」



 ツッコミ不在につき、俺達暴走中。







『あ、なんか来てます』




 ズッバァァァン!!




「あっぶねぇ!」




『これ、魔法ですね。土属性と火属性を合わせた塊が飛んできました』


「隕石じゃん!」



 火と土の塊とか、それ隕石じゃん!



「あ〜......これ、ルヴィさんか。誰かと一緒に俺を狙ったみたいだな」



 サーチ君のお陰で、次の隕石モドキの兆候が見えた。



『あぁ、あの人。魔法のペーペーですね』


「そう言うな。ルヴィさんは一応、語り人で2番目の魔法使いだぞ?」


『でも、ペーペーです』



 何としてもペーペーと言いたいのか? フーは。




「じゃ、消すか」




 パチン!




 サーチから隕石モドキの反応が消えた。



「ほい、完了」


『ずるっこい魔法ですよね、それ』


「ええやろ? 使って見た感じ、射程も超長いっぽいし、作成難易度に合った効果だと思う」




 こうして、なんか色々と準備をしていたっぽいルヴィさん達の魔法が消えた。


 指パッチンによってな......ははっ!



 -----------------------------

 ルヴィside



「外した!!」


「マジか......これ、ルナさんにバレたよな?」


「バレただろうな」


「バレると思う......」



 くぅ......私とガーディとイリスで作った隕石を、まさか外すとは......



「まぁまぁ、それでもルナはこっちに気づけてない可能性もあるんだし、そっちを信じようぜ?」


「マサキ、そんなこと言って反撃食らったらどうするの?」



 マサキは火属性と氷属性の魔法しか使えないから、隕石作りには参加出来ない。



「反撃......くるか? とりあえず次の隕石の準備はしておこうぜ? 俺が周り見とくからよ」


「......分かったわ。ガーディ、イリス、お願い」


「任せろ!」


「うん!」



 しょうがない。これしかルナさんに......あの化け物に勝てないんだ。やるしかない。



「『フレイムボール』」


「『ロックドーム』」


「『ロックドーム』」



 私がフレイムボールを作ってる間に、ガーディとイリスの魔法で岩の塊を作る。



「炎、いくよ!」


「「了解!!」」




 そして魔法を岩の塊に近づけた瞬間――




 パキッ!! パァァァン!!




「「「「え?」」」」



 あぁ、やっぱりバレてたんだ。とんでもない索敵範囲をしてる。あの時、100メートルが限界とか言ってたけど、伸びたのかな。



「化け物よ......エリアの端から端レベルで遠いのに、こんな事が出来るなんて化け物よ」


「はっはっは! 今の、絶対にルナだよな! やべぇなアイツ!」


「これは......とんでもねぇ。3人の魔法が一瞬で......」


「凄い......」



 もう、私達は2位か3位を狙った方がいいかもしれない。




 -----------------------------

 ルナside




「残りの敵は10人か......マサキ達で4人だろ? あと、どうせ今日犬子君も生きてるだろうから、これで5人だろ? あと、誰だろう」



 隕石事件から少しして、数人倒してから人数を確認した。



「このリスト、自分以外見えねぇんだよなぁ」



 残り人数をチェックできるウィンドウには、自分の名前は出るけど他は『・・・』ってなってて見えないんだよな。



『とりあえず、倒します? 待ちます?』


「待ちだ。ここで前に出ると死ぬぞ?」


『まぁ、妥当ですよね』



 終盤戦で、しかも相手のほとんどがチームで動いてそうなのに、1人でノコノコと出たら一瞬でポリゴンになる未来が見える。



「じゃあ、遊んで待とうぜ」


『試合中ですよ? 何言ってんですか?』


「まぁ、そう言うな。敵が潰し合うまでの暇潰しだ。潰し潰しだな」


『何言ってんですか?』


「......それ、気に入ったのか?」


『何言ってんですか?』




 かっちーん! 怒ったぞー!




「フー、インベントリと降臨でデコイ、どっちがいい? それともメイドさん辞める?」


『すみませんでした。許してください』


「許す」


『やったぁ!』



 何だこれ。



「まぁ、とりあえずそこから見てろ? 手加減を極めるとこんな事も出来るんだ」



 終盤戦の途中ですが、アートのお時間です。



「『アクアスフィア』『マグナ』『サンダー』『ショックボルト』」



 手の平サイズの水の球体を浮かべ、マグナでコーティングする。


 そしてそこにサンダーやらショックボルト等の雷をぶち込む。


 すると――



『おぉ、水の中に雷がずっと走ってますね!』



 そう、アクアスフィアの中に雷が走っているのだ。



「これ、マグナが雷も引き寄せるからこそ出来る芸当なんだよな」



 マグナってば、磁力をほぼ『操ってる』様な作用をしているから、雷を誘導できちゃうんだよな。


 ま、手加減が無ければ一瞬でどっかに飛んでくと思うけど。手加減バンザイ!



「まぁ、だからどうしたって話だけど」


『実戦に役立ちますか?』


「さぁ? クロノスクラビスで十分だからな。使わない技術だ」




 そうして暇を潰している事数分――




「残りの敵は3人。殺りに行くぞ」


『分かりました』


「あ、一応保険かけとくけど3位でも家は手に入るからな」


『台無しですね』




 ええんやええんや。1番の目的は『家を手に入れる』事だから。





「......いた。ってかこいつら、組んでるわ」


『最後でそれします?』


「まぁ、しゃーないだろ。とりあえず1人、魔法で倒すぞ」


『頑張れ〜』


「台無しですね」



 さっきと逆のセリフだな。もっと応援してくれよ、フー。



「ではでは行くぜぇ?『イグニスアロー』15本!『アウラ』! あと、『サーチ』!」



 15本も出すと、流石に少し意識して集中しないといけない。


 そして温度はダイヤモンドが蒸発する温度で行こう。



「......よし、火力は上げた。あとは精密射撃」



 3人の内、1人が離れる様な動きをしているので、その人に目掛けて全部飛ばそうかな。



「すぅぅ.......ふぅぅ......今ァ!!」



 タイミングを見計らってから撃つ。イグニスアローの余りの熱に、ゴリゴリとHPが削れるが、ブリーシンガメンで回復していく。



 そして――



 ビヂュゥ!!!! っと音を立て、イグニスアローは敵プレイヤーに飛んでいく。



「はははっ! 今の音、ロケットだろ! すげぇ!!」


『とんでもない音でしたね。どんだけ火力上げてんですか』


「ダイヤモンドが一瞬で蒸発する温度だな。お陰で俺は不死鳥になれた」


『言ってることがヤバいですけど、納得ですね』



 さぁ、あのプレイヤーは死んだかな?



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 残り人数2/98


 ・・・

『ルナ』

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「1人巻き添え食らってるぅ!!」


『はははっ! 近づき過ぎたんでしょうね! あの温度と数のせいで、少し離れてても食らったんですかね?』


「だろうな〜」



 でも、これで1対1だ。家は確定したし、後は楽しむだけ。



「よし、これはソルが観てることだし、アレをやろう」


『!?......まさかアレを!?』


「そうだ」




『アレって何ですか?』


「......」



 お約束だな。




「まぁ、見てろ?『サンダーチャージ』」




 多分、今日の生放送を観てる人にとって、俺の印象はこうのはずだ。『雷の人』ってな。


 一撃で試合を終わらしたんだ。インパクトは十分だろう。




「『サンダーチャージ』」




 なら、最後に雷で決めれば、より盛り上がると思うんだ。




「『サンダーチャージ』」




 最後のプレイヤーの位置は掴んでいる。100パーセント外さない。だって、マグナで誘導するから。


 役に立ったな、マグナの誘導技術。




「アルテ、『サンダーチャージ』」




 アルテも出して、MPを増やしていく。今までで1番の雷になるぞ〜?




「『サンダーチャージ』」




 さぁ、これで最後の準備だ。




「『マグナ』『サンダーチャージ』」




 これでOK。




「じゃあ、これを観てる皆。楽しんでくれ」






「『サンダー』」






 瞬間、闘技場全域を閃光が走った。




 そして――




 バガァァァァァン!!!!!!



 バリバリ!っと、雷の音ではない、強烈な破壊音を立てた。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『総合部門』本戦が終了しました。


 優勝者『ルナ』

 ━━━━━━━━━━━━━━━




『し......試合終了!!! まさか、まさかまさかの全戦全勝! 刀術部門、剣術部門、魔法部門......そして、総合部門すらも優勝したのは!!』






『ルナさんです!!!』






『おおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!』



「っしゃあぁぁぁ!!!!」



 優勝だ。自他ともに認める、完璧な勝利だ。



『おめでとうございます! これで私もちゃんとしたメイドになれますね!』


「そうだな!!」



 テンション爆アゲだ。テンアゲだ。やったぁ!



『では! ルナさんにインタビューしてみましょう!! アリアさん、行きますよ!』


『は、はい!』



 レイジさんがそう言うと、俺の目の前に魔法陣がでて、2人が現れる。



「ルナさん! 優勝おめでとうございます!」


「おめでとうございます!」



「ありがとうございます!」



 やったよソル。お家、手に入れたよ。



「今回の総合部門、戦っていてどう思いましたか?」


「楽しい、ですかね。作戦を考えるのも楽しかったし、実行するのも楽しい。全部楽しかったです!」


「ありがとうございます!」



 家、どんなやつなのかな〜? 特別ギルドホームとの事だし、少し広い家なのかな?



「では私からも質問いいですか?」


「はい、アリアさん」


「えっ......名前......」


「何ですか? アフリカさん」


「あっ......はい。えっと、どうやってそんなに強くなったんですか?」



 これは......プレイヤースキルの話か、レベルの話か......いや、両方か?



「えっとですね、まず、刀や弓の扱いはリアルでの技術です。あっちで刀や弓を扱っていたからこそ、ここでもその技術を使っているんです」



 戦闘が苦手な人は、護身術程度でもいいから何か武術を学ぶといい。

 体の動かし方から気の持ち方まで、いい方向に変わっていくぞ。


 後でマサキに言って、掲示板にでも流してもらうか?

 他のプレイヤーは強くなれて良し。俺は強いプレイヤーと戦えて良し。それに、他のプレイヤーは身を守る術を手に入れて良し。


 正に一石三鳥だ。




「それと、レベリングです。ここの観客席にいる皆さんは、王都に来るまでに『アルトム森林』を通ってるはずです。

 あそこは絶好のレベリング場所ですよ。ゴブリンからは鉄が手に入ってお金にもなりますし、オークは肉も経験値も美味しいですから。

 それと......」


「それと......?」




「フェンリルと戦ってください。レベルの経験値も、スキルレベルとしても、更に戦闘の経験としても美味しいですよ」




「「えっ......」」



 これは大真面目な話だ。


 圧倒的強者との戦いってのは、自分の力量を把握するチャンスになり、格上相手との戦闘経験を積める、とんでもなく大きな機会だ。



「ル、ルナさん......フェンリルは普通のプレイヤーには......」


「アリアさん、別にこれは強制でもなんでもないですよ? ただ、俺が強くなれた要因の1つはフェンリルとの戦闘です。そこから全てが変わりましたから」



 娘(仮)が出来たもんで、本当の意味で全てが変わった。



「なるほど。次の満月、私も戦ってみようと思います」


「それがいいです。自分の強さをきちんと理解し、向上心を持って戦うことで、今までの何倍も強くなれますよ」



 精神以外は、な。



「あ、アドバイスをしますと、フェンリルを見た時に腰を抜かさないようにしてくださいね! 2秒で死にますよ?」



「はい!」



「ありがとうございます、ルナさん。アリアさん、インタビューは以上でいいですか?」



「は、はい!」




「では、この後は表彰式をして、キアラさんからのお話を聞いてから終わりにしましょう!!!」





 お話、ねぇ。アップデートの事かな?



 遂に喉の乾きや飢えの実装。楽しみだけど怖いな。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 イベント会場(表彰式場)に転移します。

 ━━━━━━━━━━━━━━━

えっとですね、タイトルの件ですが、もう1つの案であったのは『最弱最強への1歩』だったんですよ。


え?次回予告のやつはどこ行った、って?.....ナンデスカソレハ。ワタシ、シラナイ。



とまぁ、そんな感じでした。

さて、いよいよ第4章が終わりますね!今までで1番長かった章ですが、楽しめましたか?


私は楽しかったです!


ではでは次回!『家.....家?』です!お楽しみに!

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