頭を回せ(物理)
10万PVありがとうございます!
『始め!!!』
「『アクアスフィア』『イグニスアロー』『アウラ』ァ!!」
初手全開のアクアスフィアで、二階建て一軒家を軽く超えるサイズの水の塊を作り、アウラによって火力を上げたイグニスアローをぶち込む。
「間に合え!」
パチン!
ドッバァァン!!!!!
「よし!」
水に超高温の物体に触れた時に起きる、水蒸気爆発をクロノスクラビスで防いだ。
「何人残ってんだ?」
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残り人数15/100
・・・
・・・
・・・
ルナ
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「っは! 一気に85キルやべぇ!!!」
『とんでもない威力でしたね!』
「だな! これはフーを装備しているからでもあるんだぞ? ありがとうな!」
『お? 遂にデレ期来ました?』
「来る訳ねぇだろ。何言ってんだ」
何故感謝したらデレ期と言われなきゃならんのだ。
それに俺はもう既にソルにデレデレなんで、別にいいです。
「じゃあ、アイツらの頭を回しに行くか......物理的に」
『首チョンパですね!』
「いえす。『魔刀術:雷纏』」
今から使うのは、カレンさんの使っていた『雷切』を超える......かもしれない速度で斬る技だ。
「じゃあフー、頼むぞ?」
『任せてください!』
「......『雷』」
決められた単語を唱えてから抜刀すると、ピカッ! と刀身が光った。
「「「っ......」」」
数秒後、3人のプレイヤーの首が回った。
「うわっとと、コケそうだった」
『ちゃんと調整したんですから大丈夫ですよ。それに、3人も頭を回せたんですからいいじゃないですか』
「だけどさぁ、コケたくないじゃん? 地面、怖いじゃん?」
『な〜に行ってんすか。これから何百回とコケる人が......』
怖いこと言うなよ。そんなにコケないわ。
「にしてもこれ、やべぇ速度だよな。『イグニスアロー』」
『雷』とは、『魔刀術』のスキルレベルが90以上、『雷属性魔法』のスキルレベルが90以上で使える技だ。
そもそも『魔刀術』や『魔剣術』ってのが、『元になったスキル』と『各属性の魔法』のスキルレベルが必要な、結構めんどくさいスキルだった。
その上、一定スキルレベルがないと技が使えないと来たもんだ。めんどくさいったらありゃしない。
『そうですねぇ。ルナさんと私の相性が良くなければ、こんなこと出来ませんよ』
「いちいち変に聞こえるように言うのやめない?『サーチ』『サンダー』」
サーチで敵の位置を把握し、サンダーで精密射撃していく。
『変に聞こえてる方が変なのですよ?』
「だからさ、その『バカって言った方かバカ』理論みたいなのを辞めなさい。それにお前、確信犯だろ? 『イグニスアロー』」
『当たり前じゃないですか!! 自分にメイド服を着せる人ですよ!?』
「あれ? 俺だっけ? フーが最初に自分から着てなかったか?『ファイアボム』『ウォーターボム』」
『違います!......多分。っていうかよく喋りながら魔法を使えますね?』
「頭を回してるからな。......精神的に」
『そんなんで出来たら誰も苦労しませんよ』
「なら俺の才能か努力だ。これからも伸ばしていこう」
『驕らないところ、好きですわ〜』
「当たり前じゃん。自惚れた瞬間に死ぬ世界にいたんだぞ? 嫌でもこういう思考になるわ」
FS......マジで『自分が強い』と思った瞬間に死ぬからな。
『おっそろしい世界にいたんもんですね』
「それは思う。『サンダー』」
少し遠くで、サンダーの轟音がする。
「あと3人。アッサリといこうや」
『ホントにアッサリですね』
「スピード勝負だからな。即断即決即実行だ」
『いいですね〜それ、買い物とか早く済みそうです』
「そうだな。確かソルも同じ考えだから、2人で買い物したらすぐに終わるだろうな」
『こんな時にもソルさんですか!』
「こんな時だからソルなんだろうが!」
全く......俺の頭の4割はソルに占拠されてんだぞ。
考える事が無くなったら、速攻でそっちに行くだろう!
「ほら〜もうラスト1人じゃん。フーのせいで2人逃した〜」
『酷い責任転嫁です! あ、責任転嫁って嫁って文字が入ってますし、もしかして?』
「お前、アホか? ポンコツ超えて、ただのアホか?」
何言ってんだ? 俺もフーも。2人揃って頭おかしくなってるぞ。
「じゃあ最後だ。パーッとやるか」
『ですね』
「っ! おらぁ!」
「『斬』」
最後のプレイヤーは剣士だった。でも残念ながら、彼のアイアンソード......らしき魔剣は、フーによっていとも簡単に斬られた。
「あぁ!? 俺の魔剣!!」
「あ、ごめん。それ魔剣か」
「許さない!」
「許そ? 心を広く持とうよ。ほら、殴っても当たらなければ意味が無い。もっと腰を落とせ!」
「うるさい!」
『めっちゃ煽りますね、ルナさん』
「だって魔剣を斬られたんだぞ? 俺なら泣く」
『知ってますよ。以前、ご自分で作られた魔剣を一撃で破壊したそうですね?』
「よ〜知ってんなぁ? 『魔剣:ヨクキレール』君は一撃で殉職したよ」
『鬼だ。魔剣に変な名前を付けた上に一撃で壊すとか、この人鬼だ!』
「俺が鬼だったら、桃太郎は誰だろうな?」
『私がやりましょう』
「魔法使いの桃太郎とか、新しいな!」
「さっきから何言ってんだお前!」
「『あっ』」
フーの声が小さいせいで、基本的に俺しか聞こえない。つまりこのプレイヤーからしたら俺は『なんかやべー独り言を言うやつ』って感じか?
「まぁ待て剣士君。いや、元剣士君。話せばわかる」
「何言ってんだ独り言野郎!」
あ......あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
「お前ぇぇ!!! 今1番言っちゃダメなこと言ったなぁぁ!? 絶対にポリゴンにしてやる!」
パチン!
「んなっ!? 動けない!」
「はっ! そこで大人しくしてろ!」
『怒ってる......と言うよりただテンション上がってるだけ?』
「正解だ! なんせ楽しいからな!」
『最後の一人を甚振って楽しむとか、マジもんの鬼じゃないですか』
「桃太郎! 力を借りるぞ!!」
『はい! 鬼様!』
なんだこのコント。
「『サンダーチャージ』を9倍チャージ!」
通常のサンダーチャージに9倍のMPを込める。
すると、バチバチとうるさい巨大な魔法陣が出てきた。
「あ、ここで20秒待機です」
「『なんでやねん!』」
「MP足りないんで^^」
現在の最大MP3,800くらい。だからチャージ1回400MPを9回、これで3,600MP使うので、最後のサンダーの分の400には200足りない。
そしてブリーシンガメンで毎秒10回復するので、20秒待てばいい計算だ。
「──じゃあ、『サンダー』」
バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!
ドガァァァン!!!!
「ふっ......完☆全☆勝☆利だぜ......!!!」
『えぇ......よく相手さんは待ってくれましたねぇ』
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『総合部門』予選第34ブロックが終了しました。
予選通過者
『ルナ』
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「お疲れ様、フー」
『お疲れ様でした、ルナさん』
いや〜、gg!!
本当に良い試合だったよ。楽しかった!
「じゃあ、本戦も楽しんじゃうぜぇ?」
勝ちつつ楽しまなければ、お家が手に入らないからな。
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イベント会場(控え室)に転移します。
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どうでした?楽しめましたか?私はずっとニッコニコで書いてました!
次回は多分、総合部門の決勝ですね!お楽しみに!
予告.....一応するなら、そうですね。『頂きに立つ者』ですかね。