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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第4章 第1回イベント:武術大会
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本戦出場者決定と、大切な意識

在り方

 



『ではでは! ちょっと色々ありましたが、刀術部門第2ブロックを始めます! アリアさん、今回のブロックで気になるプレイヤーはいますか?』


『そうですね......さっきのを見ると、もう何とも言えないんですよね......』


『あ〜......まぁ、気持ちは分かります。あ、僕が注目しているプレイヤーは、『茜』さんですね! 茜さんはギルド『カラーズ』の一員で、カラーズ唯一の刀使いなんですよ!』




「「へぇ〜」」


「どれほどの実力なんでしょうね」


「「さぁ?」」



 一応茜さんとは会った......というか、見たことがある。確かフォレストウルフ戦の時に、魔法を使ってた人だな。



「あの人、刀も使えたんだな」


「そうだね。まぁ、刀を使えても扱えてなかったら意味が無いけどね」



 刺す角度、斬る角度、抜く角度。それに手入れの仕方も知っていないと、すぐにダメになるからな。



『――では、試合開始です!』



「へぇ、普通の試合ってこんな感じなんだな」



 一斉にプレイヤーが戦い始めた。


 我先にと斬りに行く者。

 そのプレイヤーを追いかける者。

 打ち合いが終わったところの漁夫の利を狙う物。


 そして、的確に狙うプレイヤーを選んで斬って行く者。



「茜さん、上手いな」


「だね。上手く狙ってる。けどあれじゃあ結託された瞬間に終わるね」


「あぁ」



 茜さんは闘技場の壁を背後に、弱っているプレイヤーから狙っているようだ。



「あ〜、あれはどちらかと言うと大人数での戦いに慣れてない感じかな。時々、自分の立ち位置を見失ってる」


「確かに、言われてみれば......ってかルナ君はどうしてあの状況で動けたの? 普通なら99対1って、速攻で負けるよね?」


「どうしてって言われてもな......昨日別ゲーで96対4で勝利したし、それよりも前から大人数との戦いに慣れてるからだな」


「「96対4......」」


「数の暴力って、恐ろしいからな。経験と技術で何とかやるしかない。まぁ、それでも時々負けるけど」



 俺だって......俺達だって、負けないわけじゃない。

 ただ、負けにくいだけだ。


 ニヒルのメンバーとの連携は、無言でも出来るほど練習を重ねたし、AIM力を鍛えるために何百、何千時間と練習した。


 それだけの経験と、鍛え上げた技術で勝ちを握り取っているだけだ。



 そしてここでも出てくるな。『向上心』という物が。




「もうそろそろ終わるな。茜さんが勝つだろう」


「そうだね。残ってる人もそこまで強くなさそうだし」


「あの人が父様の次の対戦相手ですか?」


「その1人だな。まだあの人と当たるかは分からない」




 そして第2ブロックの予選が終わった。




『刀術部門第2ブロックの予選通過者は、『茜』さんです! おめでとうございます!』


『おめでとうございます』


『あ、ありがとうございます!』


『では茜さん、本戦への抱負はありますか?』


『そうっすね......ルナさんに勝ちたいっす』


『『おぉ!』』


『これは期待大ですね! 頑張ってください!』


『はい! 精一杯頑張るっす!』



「打倒ルナ君とは、大きく出たね」


「そうか? 普通に負ける可能性はあるぞ?......負けるつもりなんて毛頭ないが」



 対戦する事になったら2秒で斬ってやる。



「戦闘って甘えたら負けだもんね」


「あぁ。余裕と甘えを履き違える奴は多いからな。そういう奴は予選で落ちるだろ」


「だね〜」


「そうですね。でも父様、時々甘えてますよね?」



 うっ! なんで気づいてんだ?



「ば......バレてる?」


「はい。手を抜く......と言うよりは、ぶっつけ本番で何かをする事がありますよね? 安全確実を取らず、危険不安定を取る。違いますか?」


「......はい。仰る通りです」



 魔力刃とか特にそうだもんな。ってかなんで俺がリルに怒られてんだ?



「まぁまぁ。リルちゃん、お説教はそこまでにしよう? ルナ君も理解してるはずだよ?」


「......はい。母様がそう言うなら......」



 えぇ!? なんでそんなに怒りたそうにしてるんだ?



「父様、これだけは言わせてください」


「は、はい」


「絶対に、負けないでください」


「......あぁ。全力でやるよ」


「......はぁ。違いますね」



 なんでリルにこんな事言われてんだか。俺の意識が低すぎたのかな?


 ......いや、ちゃんと勝ちに行ってるはずだ。常に上を目指す、向上心は忘れていない。なら何故リルに言われた?


 レベルが足りない? 武器が足りない? スキルレベルが足りない? 練習が足りない? 何だ? 何かが足りない、もしくはズレている。



 何だ?






 あぁ、大事な事を思い出した。ゲームをやる上で、1番大事なことを忘れていたかもしれない。






「訂正しよう。『楽しんでくる』」


「正解です。そうじゃないと、楽しんでいる父様じゃないと、私は嫌いになりますよ?」


「ははっ、それは嫌だなぁ。リルに嫌われたら泣くぞ?......それと、ありがとう」


「んふふ〜いいんですよ。上に立つことに拘ると、横も下も後ろも見えない。父様なら分かるでしょう?」



 分かる。


 ランキングという数字に拘り、ゲームを楽しめなくなって辞めていった人をFSで沢山見た。


 奇抜なプレイングをする人も、独自の練習方を編み出した人も、全ては『ランキングのため』であって、上に登れなかった時に辞めていった。


 やはり、ゲームは楽しめないとダメだ。


 楽しくないゲームなんて、それはゲームではない。


 楽しんで楽しんで、もうどうしようもないくらいに遊びまくった結果、俺はFSのランキングに載ったからな。



「......なんでリルが知っているんだ? それと、ソルは今リルが言ったこと、分かるか?」


「う〜ん、少しだけ?」


「だよな。リル、どこで知ったんだ?」


「ふふふ〜! その答えは私を抱っこすれば分かります」



 なんじゃそりゃ。まぁ、いいけど。



「よっこいせ、と。うんうん、今日もモフモフだな」


「はい。父様と母様がお手入れしてくれていますから。それと、先程の答えですが、簡単です。

 父様にテイムされた時、父様の事を知ったのです。それで父様が過去に何をしていたか、少しわかるんです」



 え? 何それ。俺の記憶みたの?......いや、VRヘッドセットのログを見たのか。


 テイムって、かなり恐ろしいことなんだな。



「そうか、教えてくれてありがとう」


「はい!」




「ルナ君、リルちゃん。お話は終わった? 最後の予選が始まってるよ? それも終盤戦」


「「えっ」」



 やべぇ、また話すのに夢中になってた。今日はこれ多いな!



「さ、3試合目は誰が勝った?」


「阿吽のコキュートスって人。青い髪のゴリラみたいな体の人だね」


「知らない人だな。それと名前のセンスや見た目については何も触れないようにする」



 阿吽の呼吸をもじったのかな? その人は。



「でねでね、最後の試合なんだけど、多分黒の巣ってプレイヤーが勝つと思うんだよね」


「あぁ、黒の巣君。彼、刀術部門に出てたんだな」


「うん。ほら、次の戦いで決着着くよ」



 ソルがパネルを操作し、黒の巣君の少し上からの俯瞰視点にカメラを持っていく。



「うわぁ、こりゃひでぇ」


「うん。彼、刀を片手剣と同じと思ってるのかな?」



 刀で叩き切るって、やばすぎだろ。打撃を狙うなら峰打ちや、柄で鳩尾(みぞおち)を殴ったりするべきだ。



「「あ、勝った」」


「この人は本戦で負けそうですね」


「......まぁ、言っちゃなんだが、そうだな。黒の巣君は剣術メインでやるべきだったな」



 なぜ彼は刀術に手を出したのか。


 ......いや、分かるぞ? カッコイイもんな、刀。その気持ちだったらとても共感できる。

 だが、それだけで勝てるほど刀は甘くない。


 彼の勝率はかなり低いだろうな。



『ではこれより、本戦のトーナメント表を発表します!』



「「「おぉ〜」」」



 遂に来たか。4人の本戦出場者による戦いが。




『今回は本戦出場者が4人ですので、2組に分けられます! まず、1組目を紹介しましょう!』



 さぁ、誰と当たるのかな?



『1組目! プレイヤー名、『ルナ』対『阿吽のコキュートス』!』



「やべぇ、誰か知らん人だ」


「ゴリラだね。一瞬でぶった斬ってね!」


「お、おう」



『続いて2組目! プレイヤー名、『茜』対『黒の巣』!』



「これは茜さんの勝利だろうな」


「うん。これで黒の巣君が勝てたら、ステータスによるゴリ押しだと思うよ」


「父様と母様の意見に同意ですね」



『ではまず、1組目の本戦を始めましょう! ルナさんと阿吽のコキュートスさん、転移をお願いします!』



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 本選会場(控え室)に転移します。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「強制じゃん」



 ちょっと待って、が出来なかった。



「ルナ君、楽しんでね!」


「そうですよ! 父様、遊んじゃってください!」


「あぁ。行ってきます」



「「行ってらっしゃい!」」






 そして魔法陣が出て、俺は転移した。

刀術部門の本戦出場者が決定しましたね!

ルナ君、阿吽のコキュートス。茜さんと黒の巣君。

黒の巣君だけ扱いが可哀想ですが、まぁしょうがないのです。


次回、『刀術部門、本線開始』お楽しみに!


あ、流れで適当な予k(ry

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